球技大会。皆さんはどういう感じでした?そもそもやりました?
雑草のところはドッジボールオンリーでしたね。
毎回外野から只管怯え、逃げ惑う内野の連中へ日々のストレスと恨みを込めて全力投球してました(笑)
オラオラ逃げ惑えら!!!ハハハッ!安全地帯から一方的に蹂躙される気分はどうだッ?!あ" ぁ?!
…ふぅ、学年MVPにこそなれませんでしたが、クラスMVPにはなりましたイェイ(●´ω`●)
7月の行事といえば何が思い浮かぶだろう。
矢張り世間一般的に言えば七夕、なんかが思い浮かぶのではないだろうか。
だがここ、殲滅学園では違う。
殲滅学園での7月といえば。
【ドキドキ届け!ずっきゅん七夕球技!!!】
「相変わらずネーミングセンスゼロだよね」
殲滅学園の7月の伝統行事といえばコレだ。端的に言えば”球技大会”というやつだ。
体育館、運動場にはデカデカとのぼりが飾ってある。
その下では元気に球技を行っている人たちの姿がある。
そしてそれは、
「善!打たせないわよ!」
「うぉっ」
制服ではなく、動きやすいパーカータイプの体操服を着て、コートの真ん中でボケーっとしていた善
そんな善のもとへボールが飛んできたため、反射的にそれを両手で掴んだ。
現在善がやっている球技はバスケなのだが、受け取ったボールは普通のバスケットボールではない。
角の丸い星型のボール。七夕ということでこういったデザインになっているそうで、毎年このボールを利用することになっている。
だがそのボールは、全くと言っていいほど固くはなく、ふにゅふにゅと柔らかい綿のような感触がする。
(跳ねないし、これボールじゃなくて絶対クッション…)
「なに揉み揉みしてんのよ!!つか躱してんじゃないわよ!バカにしてんの!?」
「うるさいなぁ、はいはい」
善のボールを奪おうとしてくる一見女子生徒に見える男子生徒、
投げられたボールは高い軌道を通ってそのままゴールリングへ突っ込んだ。
勿論ボールではないので、リングを通ったボールはそのまま地面にべちゃっと落ちた。
すぐに望が「攻めろ攻めろ!」と叫びながらボールを取りに向かった。
走り回る彼らを横目に善はスコアボードを見る。
点差はがっつりと離れ、時間だって残り僅か。とてもじゃないが逆転できるとは思えない状況
善にはすでに試合の結果がわかってしまった。だからだろう。冷めた目ではぁ、っと溜息を吐き出した。
ところ変わって運動場。
ベンチに腰を下ろした善は頭にタオルを掛け、ぼーっとしていた。
そんな善の頬に冷たい飲み物が押し当てられ、思わず「つめたっ」と善はびくりと体を揺らす。
飲み物が差し出された方を見れば、そこにはタオルを首に引っかけた
彼も彼で飲み物を買ったらしく、反対の手には飲みさしの缶ジュースが握られている。
善は「ありがと」と言って缶ジュースを受け取る。善の隣に
「お疲れさん。勝ったか?」
「勝ったならここにいないし~」
「そりゃそうか」
善はもらったジュースを飲む。
「一回戦敗退。相手が悪かったわ。ほぼ全員バスケ部だよ?無理無理
マトモに練習もしてない素人集団が勝てるかっての」
「
沢山のギャラリーに囲まれているコートではテニスの試合が行われている。
そこでは、現在進行形でテニス部を相手にぼこぼこにしている
相手は同じ三年生で、全国にまで出た選手だ。
きっと本人は早々負けることがないと思っていただろう。だが現実は悲惨だ。おかげで相手は半泣きだ。
対する
しかもギャラリーの多くは
等々相手は膝から崩れ落ちた。仕方ない。彼はよく耐えた。
そんな彼に同情の目を向けながら善は「はぁ」とため息を吐く。
「アレはおかしいんだよ…そもそもあいつ、裏で結構練習してたじゃん」
「負けず嫌いだからな」
「で?
「勝ったわ。思ったより早く試合が終わったから見に来たんだよ。
ほんっと、星ボールが蹴りづらいのなんのって…あれクッションだろ。絶対」
「あ、やっぱそうだよね」
やはりあの星ボールはクッションだったらしい。
バスケはバウンドさえさせなければある程度試合を進められはするが、サッカーまでもあのクッションボールだったなら、それはそれはやりづらいことだろう。
「よく勝てたな」
「ま、ギリだったがな。お前だけだぞ。初戦で敗退したの」
「……」
それを言われ、善は微妙な顔をして、飲み切った缶ジュースを握りつぶす。
「チーム戦苦手。個人戦がよかったなー」
「ジャンケンで負けたお前がわるいだろ」
「球技はクソ」
「おいおい…」
「あ、
不意にうきうきと楽しそうな声が
まただ、と善が呻きそうになったのを隠すように
その先にいるのは一年生の女子三人。
真ん中の子が半歩前に出て、顔を赤くし、もじもじと視線を彷徨わせている。
「あのぅ、ちょっとお話があるんですけど……」
ただ、両脇に控える女子の目が善に向かって「邪魔」と告げていた。
この状況になってまで察せられないほど善は鈍くない。間違いなくこれは告白だ。
「先に教室戻ってる」
「あ?
「暑いんだよ。それに試合なんて、どーせ
「閉会式は?」
「サボる」
「風紀委員長がサボんなよ…じゃ、また後でな」
「ん」
そういって善は一人校舎へと戻っていった。
ーーーーーーーー
善が教室に戻れば、教室の窓際には笹が飾ってあった。
そう、笹。七夕の短冊を飾るための笹だ。
笹にはすでに短冊がかけられ、隣の小さな机には短冊とペンが置かれていた。
その他にも、画用紙で作ったらしい飾りなんかも置かれていて、窓際に座った善は何気なく一つ指でつまみ上げた。
それは大きな丸い花のついた吹き流しだ。開いた窓から吹き込む風に吹かれ、善の黒髪とともにフワフワと揺れる。
「さ~さ~の~は~さーらさら~」
それを見ながら善はついつい七夕の歌を口ずさむ。
そうして、吹き流しを笹に括りつけると、吊るされた短冊に手を伸ばす。
歌を口ずさみながら一枚一枚ひっくり返していく。
「皆、ロマンティストねー」
短冊に書かれている願いの内容は様々だ。
”運命の人に会いたい”とか”行きたい大学に合格できますように”とか”大金持ちになりたい”とか”家族の健康”とかそういうありきたりな夢ばかりが掛かれている。そうして次の短冊に手を伸ばすと
「さぼり魔の風紀委員長なんて聞いて呆れるね」
教室の扉が開いてそんな声が響いた。
顔を上げればそこには
「なんでここに…閉会式まだやってるけど」
「さぼったに決まってるでしょ」
「人のこと言えないじゃん」
「俺はチーム戦だから問題ねぇが、こいつ個人戦で優勝しておきながら表彰サボったんだぜ」
「うわ…」
ジトッとした目で善が
「それで?人の願い事覗き見してどうしたの?」
「人聞き悪いな。願い事を書く上での参考にしようと思っただけだよ」
「盗み見を正当化しようとすんなよ」
溜息を吐きながら
「大体、願いなんざなんだっていいだろ。どうせそんなもんに書いたって叶わねぇんだから」
「なんて夢のないことを」
「お前だって本気で叶うとは思ってねぇだろ」
「まーね。こんなもので叶う願いとかたかが知れてるし」
なんていいながらも善はペンを抜く。
「とかいいながら書くんだ?」
「こういう行事には乗っかる主義なんで…でもなに書こうかな。織姫彦星伝説になぞられて好きな人が見つかりますように、とか?」
「好きな人ねぇ…それより歌が上手くなりますように、とかそういうのにしたら?」
「なんで歌?」
「七夕は芸事や書道の上達を願う行事だって言われてるからだよ」
「織姫彦星どこいった…」
「クリスマスと似たようなものでしょ。体よく変形してその文化が浸透してるの」
「なるほど」
そうして善は少し考え、短冊に文字を書く。
「なんて書いたんだ?」
「バスケの上達を願った」
「あ?もう終わったのにか?」
「そうだよ?ところで恋人は出来たわけ?」
ペンを置きながら善は
「振った」
「うわ勿体な~可愛かったのに」
「
「それな」
「あ”ぁ!?どういう意味だテメェら!!」
そう切れる
善と
それに
「恋愛とか興味ねぇんだよ。愛の恋だの意味わかんねぇし…こうやってお前らと駄弁ってる時間のがずっと大事だろうが」
「……
「うるせぇな!!!」
「この時間が大事、ね。たまにはいいこと言うじゃん。んじゃそんなお友達のお二人さんに提案です」
そういって善はポケットから三枚の飲食用チケットを取り出す。
「この後、どっか食べに行かない?」
「賛成」
「ま、俺らこのままここにいても先生に見つかって怒られそうだしな。行くか」
そんな会話をしながら彼らは教室を出ていく。
窓から風が吹き込む。あおられた白の短冊には【この日常が続きますように】と書かれ、静かに揺れているのだった。
この三人が雑草は個人的に好きなので、いっぱいかけて満足です!!
次回もお楽しみに~