夜の帷が消えるまで   作:発狂する雑草

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取り合えずこれにて六章は終了!いえぇぇぇぇあ!!(´艸`*)


第三項

訓練場を後にした善はその足で断罪部隊の隊長室へと向かっていた。

自分の仕事部屋なのでわざわざノックをすることもなく扉を開ければ、そこには相も変わらず書類と睨み合う會、そしてその傍らにはローテーブルに頬を付けてダラーッとしている出雲(いずも)(さく)と、その隣で静かに本を読んでいる川上(かわかみ)(れん)の姿があった。

善はあと一人いないメンバーを探すようにキョロキョロと辺りを見渡すが、やはりどこにもいない。

 

「あれ、叶恋ちゃんは?まだ帰ってきてないの?」

「叶恋なら一回帰ってきたっスよ」

 

返事を返すのは會であった。それに続くように机に突っ伏した朔が目だけ此方に向けていう。

 

「でも報告書作った後さっさと部屋戻っていきましたよ」

「疲れタんじゃない?」

 

続くように蓮もいう。

それを聞いて「ああ、そういうこと」と善は納得する様に頷く。

 

「怪我は?してた?」

「いくつか」

「ありゃりゃ」

 

ストンっと残っている椅子に座ればジトッとした目を會が向けてくる。

 

「なんか言いたそうだね?」

「……叶恋、アンタの休み欲しがってるらしいじゃないっすか。

さっき本人に聞いたんスけど…それが理解できないっす。理由とか知ってんすか?」

 

その問いかけに善は大量に散らばった資料を目で追いながら「なんか行きたいところがあるらしーよ」と興味なさそうにいう。

だが會は更に疑問を抱いたらしい。眉根に皺を寄せて首を傾げる。

 

「行きたいところっすか?」

「どこに行きたいのかは知らないけどね」

「…アンタと一緒じゃないといけないとこって逆に気になるんすけど…」

 

わざわざ叶恋は任務を手伝ってまで善に一緒に行ってほしいと思う場所

そこが想定できなかった彼は考え込む、が。

 

「いや、別に隊長、副隊長クラスの人間なら誰でもいいらしいよ」

「は?」

 

善は書類から目を離すとぐっと伸びをしながら言う。

善の言葉に會はぽかんとした顔をする。

そりゃそうだ。誰でもいいならそれこそ會に言えば良い。なのにどうしてわざわざ、と思うのが普通だろう。

 

「でも”善さんなら誤魔化さずに教えてくれるだろうから”って言われてさ。なんか他の人とは行きずらい場所らしいね」

 

善の言葉に朔は「へぇ」と少し興味深そうな顔をする。

 

「他の人とは行きずらいですか…叶恋もお年頃ですし、善さん人気のないとこに連れ込まれて襲われるかもしれませんね」

「”善さん!叶恋ちゃン、もう辛いノ…!!”」

「”そ、そんなこと言われたって…善、困っちゃう!”」

「”受ケ止めテ!こノ想イ!!”」

「”いやぁぁぁん!”」

「阿保か」

 

寸劇を始める朔と蓮のおふざけを一蹴して、善はガタっと椅子から立ち上がる。

そうして「んじゃ会議行って来まーす」と彼らに声だけかけて部屋を出る。

 

 

 

 

 

そうしてその足で会議室へと向かい、ここでも特にノックすることなく扉を開けた。

会議室には既に浅葱大賢《あさぎたいけん》と亜怜、(かえで)…そして千歳の四人がすでに揃っていた。

大体善が一番最後なのだが、どうやら日向(ひなた)がまだ来て居ないらしい。恐らく任務が長引いているのだろう。

会議というのは滅多に開かれない。その間特に指定席が無い。各自自由に気分によって座ることになっている。善は適当に楓の隣に座った。

斜め前には何処かピリピリとした空気を纏っている亜怜が座っている。表情もどことなく険しく見える。

それは楓も感じていたのだろう。そっと楓が善に耳打ちをした。

 

「彼女、ずっとこの調子なのですが……また何かしたんですか?」

 

亜怜が機嫌悪い時、大体善が絡んでいる、というのは大抵の人間の共通認識だ。

それは楓にとってもそうだったらしい、が生憎善にだって心当たりはなく、不思議そうな表情で首を横に振った。

 

「いやしてないけど………どーせアレでしょ。生理」

「ああ、なるほど」

 

実際は全然違うのだが、理由を知らない…なんならそこまで興味がない善と楓はそれを着地点として納得することにした。

と、そこで扉が開く。

 

「すみません。僕で最後みたいですね」

「大丈夫だよ幸村くん、天満くんもついさっき来たばかりだからね」

 

入ってきたのは最後の一人である日向(ひなた)

そんな彼に間髪入れず朔嗣が言うが。

 

(フォローの引き合いに人を使うなよなぁ)

 

フォローする対象として名前を挙げられた善はげんなりとした表情を浮かべる。

勿論、今思ったことを口に出すことはせず…代わりに欠伸をふわりと零した。

そうして日向(ひなた)が「ならよかったです」と亜怜の隣に座って漸く会議が始まった。

 

「今回の議題は試験でのハプニングを決める……予定でしたが急遽、変更いたします」

「え、変更?」

「議題変更何て珍しいわね」

 

やはり何年も隊長をしているだけあって全員がこの時期にくる議題に気づいていたらしい。

だからこそ、変更という言葉に一同目を丸くする。その中で楓だけは残念そうな表情を浮かべた。

 

「…今回こそは地面が薬品に塗れるというものを提案しようと思っていたというのに…。

部屋によって薬品の種類が異なるので、色んな実験の成果が見られてよさそうだったんですが…」

「それ、来栖(くるす)さんが見たいだけでは?」

「そうですが…何か?」

「一応試験なんですから、開発部隊が作った新薬の実験に使うのは駄目ですよ」

「そうですか。残念です」

 

日向(ひなた)の指摘に、そこまで残念そうでもなく楓がいう……と、千歳が口を開く。

 

「それで今回の議題ですが……今後の夜縁での対策についてです」

 

その言葉に会議室内がぴりついた。一瞬にして空気が変わり、濃い緊張の糸がそこら中に張り詰めているのが肌から感じる。

そんな中、今まで口を閉ざしていた大賢が重々しく口を開く。

 

「正直、現在夜縁は目立ったような行動を見せていない…が、夜縁が退いたわけではない。きっとどこかのタイミングで仕掛けてくるだろう。

これまで夜縁が姿を現していたらココまで姿を消し潜めていたことはなかった。

つまり、現状異例の事態と言ってもいい。

何が起きるか分からない。だからこそ我らはそれに対しての対策をしっかりと練る必要がある……と思ってね」

「しかし此方も情報を持っていないので対策の立てようがないと思われますが」

「まぁ、精々隊員の強化くらい?それくらいしかやること無いでしょ」

「ああ、そうだとも。我々は余りにも不死者を知らなさすぎる。

開発部隊の皆の協力もあって昔に比べれば幾分か知ることは出来た。だがそれだけだ。

だからこそ、次の段階に進まなければならない……そうは思わないかい?」

「……というと?」

 

続きを促すように楓が聞けば、ニンマリと大賢は笑みを浮かべる。

 

「まず東と手を組む」

「!」

「三十年前までは私たちは仲良くやっていたんだ。ただ、とある事件を機に決裂してしまってね。

だからこそ、再び同盟を結ぶ。向こうは不死者について多くの情報を持っている。

手を組み情報を交換できれば…新たな情報や、実験結果が手に入るかもしれないだろう?」

「成程、それは確かにそうですね」

 

ふむ、と何かを考えこむ様に口元に手を当てる楓

 

「同時に、先ほど天満くんが言った通り隊員たちの強化にも力を入れて欲しい」

「わかりました」

「了解しました」

「そうして…”遠征”を行おうと思う」

 

遠征、という言葉に全員が首を傾げる。そんな中、大賢は実に楽しそうに笑みを浮かべる。

 

「実はね、東西合同で遠征を行おうと思うんだ。遠征の内容はまた追って説明するけれど、その遠征の目的は不死者の捕獲」

「失礼ですが不死者なら普段から数体捕まえていますよね?遠征などを行う理由は……」

「ああ、通常の不死者ならばな。

しかしその地に居る不死者は通常の物とはことなり、胴猛であり非常に危険な不死者である。ということが報告で上がっている。

その不死者を調べれば…新たな発見があるかもしれない。

更に、その遠征の話題を出せば東としても協力を快諾してくれるかもしれないだろう?

なんせ、その地は他の地の中で最も危険な区域…不死者の生け捕り何て、そう簡単にできるような場所ではないのだから、新たな資料も見つかるかもしれないしな」

「!、その場所っていうのは……真坂」

 

大賢のいい方から、遠征先が何処なのか察したのだろう。硬い表情で聞く日向(ひなた)

それに対して朔嗣は含みのある笑みを浮かべ、ゆっくりと頷いた。

 

「ああ、そうだ。遠征先は……ホワアンヘルが開発され、同時にホワアンヘルが最初に蔓延した地区………”Z地区”だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

___崩レタ瑠璃唐綿ハ明ルク笑ウ




これにて6章は終了したわけですけど、毎度紫空くんのキャラが難しい。自分で書いててなんだけど、喋り方がよくわからない。色々調べてるんだけど、なかなかねぇ
お祖父ちゃんっぽい口調にしたいのに!できているのかわからん!!!

はい、次回からは7章!更にこの世界に踏み込んだ内容になるし、多分R15要素が出るぞ!まぁR15の線引きってイマイチわからんけど。ノリで頑張ります。
苦手な人は気を付けてね!それじゃぁまた来月~!!
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