特に前書きのこの欄は特にネタがない…くっ、とりま本編どうぞ!!!
「あ、いたいたイッヌー、マーカズ~!」
あの襲撃より数日が経過した或る日
彼方は数枚の資料を手に持ちながら、ブンブンと休憩室と呼ばれる部屋のソファーに座る飛鳥と
彼方の声に反応し、飛鳥が重たい首を持ち上げ彼方を睨んだ。
「突然、呼び出してきたかと思えば、喧嘩売ってんのかァ?テメェ」
そのまま彼方の頭を掴みギリギリと力を加える。
「痛いでおじゃる~、離してでおじゃる~!」と飛鳥の手をタップすれば、飛鳥は乱雑に手を離した。
「いてて…じゃぁこの渾名はやめとくでおじゃる」
「……妙な渾名付けたら殺す」
「物騒でおじゃるよ~!」
「彼方、元気そうだなぁ!交流会ぶりじゃん!」
飛鳥と違い、純粋に会えたことを喜んだ和真は笑顔で手を振った。
「で、俺等になんの用だよ」
飛鳥は本題を話すように催促する。
そんな飛鳥を前に彼方は「えぇ、少しは雑談しちゃ駄目なんでおじゃるか?」とこてんと首を傾げて聞けば飛鳥は「あたりめェだろォがよ」と吐き捨てる。
「そんなこと言わずに西みたく仲良くやろうでおじゃる!」
「んなに仲良しこよしがお望みなら西に転勤しろや」
「えぇ?そんなこと言わずにー!」
「うぜェんだよ。ひっつくんじゃねェ」
「いでっ」
飛びつこうとしてくる彼方を容赦なく蹴り飛ばす飛鳥。一応手加減はしてくれたようで「いてて」彼方は軽く腹を撫でて笑う。
「まぁ雑談はここまでに…本題はこれでおじゃる」
彼方は持っていた紙の一枚を二人の前に置く。
なにも掛かれていない真っ白な紙。だがその下にはバーコードが掛かれていて、二人はすぐにリングでバーコードを読み込んだ。
そうして出てきたのはファイル。それを展開すれば”遠征”と書かれた文書が出てくる。
「遠征だァ?なんだよこれ」
「そのまんまでおじゃるよ。なんでも東と西で共闘して任務に就くらしいでおじゃる」
「被りじゃなくて?」
「そうでおじゃるよ」
「……共闘ねェ。よくボスが許可したもんだな」
「まぁ遠征地が遠征地でごあすからなぁ」
「そんなに特殊な場所なん?」
首を傾げる和真に面白そうに笑みを浮かべる彼方
勿体ぶる様に彼はスーッと目を細め、指先を自身の唇に当てて口を歪めた。
「遠征場所はZ区でおじゃる」
「は?」
「Z区!?」
遠征地に驚く飛鳥と和真
和真は思わず身を乗り出す。
「Z区っていったら不死者で埋め尽くされてるやべぇ地区じゃん!!ぐっちゃぐちゃのどっろどろの激やば立ち入り禁止区域だろ!?」
「そうでおじゃるよ。でも今現在は不死者の数も多少減っているでおじゃるから、まだ危険度は低い、と上は判断したんでおじゃる」
「多少数は減ってるって…」
「…ああ、あれか」
「そうでおじゃる」
「あれ?」
飛鳥と彼方は理解したような素振りを見せる。だが一人だけ要領を得ない和真は首を傾げた。
そんな和真に説明するように彼方はずいッと和真に顔を近づけると、人差し指をたてる。
「とある”腫物扱い”されてたチームが過去にZ地区に派遣されたことがあるんでおじゃるよ」
「えっ、そんなことしたらぐちゃってなるじゃん!死ぬじゃん!めっちゃ死ぬじゃん?!」
「言っただろうが…腫物扱いされてるって。
組織的にはどうでもよかった。寧ろ死ねばいいって思ってたから有無を言わさないように任務地として派遣したんだ」
「で、彼らは上の思惑なんてものともせず地区を攻略して帰って来たって訳」
「はぁぁぁ!?マジか!超すげぇな!!」
彼方の肩を掴んで目を輝かせる和真
先程までは彼方の方から和真に近付いていたのにも関わらず、逆に近づかれるのはあまり好きではないのだろう。
彼方は和真の顔を両手で押して引き離す。
引き剥がされた和真はたいして気にした様子もなくすんなりと離れた。
「まぁそういうことで、そんな三人にちなんで最凶なんて言われてたでおじゃる。
で、その後も何人かの勇敢な隊員が頑張ってくれたおかげもあって現在不死者の数も減ったわけでおじゃる。まぁでも数が多いことに変わりはないでおじゃるが」
「そうなんか!でもそれ、西も来るんだよな?ならアイツ、誠だっけ?あいつも来んのかな?!」
「前回はやられちまったからリベンジしたいんだよなぁ!」と微塵も気にしてなさそうに笑う和真
「さぁ?それは知らないでおじゃる。向こうは向こうで勝手に決めるでおじゃるから。
ってことで、今回うちの遠征チームに選ばれたのはコッくんとマーカズ、でもってサーマくんで、サポートはかぐらんでおじゃる」
「コッくん…」
「え、俺も!?」
「そうでおじゃる。名前があがったでおじゃる」
「……前回みたいに足引っ張んじゃねェぞ」
「ワクワクドキドキが止まんねー!テンションあがるー!」
そういって興奮した和真は体を左右に激しく揺らしている。
「聞けよ…で、もう一人はアイツか。あのクソうるせェネガティブ野郎」
「そうでおじゃる。かぐらんは普段こそアレでおじゃるが腕自体は優秀なんでおじゃるよ!
本人は嫌がってたでおじゃるが、遠征に出るだけで給料弾んでくれるよって言ったら渋々うけてくれたでおじゃる」
彼方が言えば、飛鳥はハッと鼻で笑う。
「命を金で買うとは、安い命だなァおい」
「仕方ないでおじゃる。かぐらんは大家族の長男で両親はどっちも他界してる。兄弟のためにと給料のいい殲滅隊で毎日頑張ってるんでおじゃるよ。
まぁ流石に死亡率の高い戦闘部隊に入る勇気はなかったみたいでおじゃるが」
「金が稼げても本人が死んじゃ意味ないでおじゃるしね~」とカラカラ笑う彼方。
思ったより大変な身の上話を思いがけず聞いてしまった飛鳥は少し複雑そうな顔をする。
「…そうかよ。つーか、よく遠征にあのクソ雑魚が出しゃばらなかったな」
「クソ雑魚?」
「置物」
「ああザイリョーくんでおじゃるな!」
思い出したようにポンッと手を叩く彼方
「確かに遠征に出れば、英雄扱いされて持て
けど…今回の任務は危険だから流石に出ないだろうと思うでおじゃるよ。というか、そもそも彼ならもういないでおじゃる」
「え、そうなのか!?」
「そうでおじゃるよ~、あの大会の翌日くらいにいなくなっちゃったでおじゃる〜」
「まじかー、俺アイツの事嫌いじゃなかったんだけどなぁ!つーか通りで探してもぎゃんぎゃん聞こえないわけだ!納得納得」
頷く和真。そんな中、飛鳥はじっと彼方を見つめる。
「……いなくなった…ねェ。辞めたンじゃねェのか?」
「さぁ?」
「……」
「どうしたんでおじゃるか?」
「………いや、なんでもねェよ」
飛鳥は立ち上がる。
「何処か行くのか?」
「部屋戻るんだよ。早緑っつったか?アイツにも話通しとけよ」
「勿論でおじゃる!」
頷く彼方を横目に飛鳥はさっさと部屋を出て行った。
・・・・・・・
(裏切りの件……どうすっかなァ)
暫く廊下を歩いたところで飛鳥の頭にそんな文字が過る。
(あの件からポッキリ一週間。正直、科学の連中にこの件は任せた方が良いんだろうがスナイパー使う奴なんて、科学の連中が断然多い。
戦闘部隊で銃扱う奴はあんまいねェし、それ以上にあの実力となればやっぱり科学の方が可能性が高ェ
戦闘部隊で、ンなやべぇ銃使いなんざ俺が知らねェ訳ねェ……ともなれば、ただ科学部隊に任せんのはどうなんだって話になる…か)
飛鳥はガリガリと頭を掻いて溜息を吐く。
「こういう頭ァ使うもんは苦手なんだよなァ…」
思わず口から言葉が滑り落ちる。
(西の方からもなんの報告も無し。まァ犯人はこっちにいるんだ。向こうが進展しないのは当然っちゃ当然だが……あのクソ餓鬼のことだ。
てっきり煽り倒してくるかと思ったんだが、なんの連絡もねェってのは気持ちわりィな…)
内心で呟きながら「ま、あんなクソ餓鬼と関わらねぇで済むなら楽でいいが」と呟く。
首辺りで揺れている自身の髪を少し指先で弄りつつ、さっさと自身の部屋に入って行った。
・・・・・・・・・
___一週間前
「はぁぁ?襲撃を受けただぁ?!」
ところ変わって不死者殲滅隊・西本拠地
戦闘部隊の部隊室では話を聞いていた
「いやいや、なにサラッと言ってんだよソレ!んな天気いいな!のノリで言うことじゃないぞ…」
「とはいってもねぇ」
驚く
「なんか気になることでもあんのかよ?」
「気になる事……そうだなぁ。特にはないかなぁ。ただ一つ言えることは今現在ウチは警戒はしても犯人捜しする必要はないってコトくらい?」
「なんでだよ」
「犯人は東の人間だから」
さらっと
その言葉に
「僕が襲われたのって狗星さんとの合同任務の時だったんだけどね。
その時に襲撃にあってさ、狗星さん曰く隊服のワッペンが東だったから、東の人間だろうって」
「ああ、あの人視力いいもんな」
「そういうこと」
「…で、その話、もう善にはしたんだよな?」
「してないよ」
「は?」
そうして再び
そうして数秒の沈黙が流れ…。
「はぁぁぁ?何考えてんだよお前!」
爆発した。
ばんっと
「犯人東の連中だとしても!お前が襲われた時点で善に報告書くらい書くもんだろ?!何やってんだお前!!!」
「まぁまぁ、いいじゃん別に」
「いいわけっ」
抗議しようとする
「隊員たちに裏切り者の話をするのは混乱を生むってことで原則禁止
出来るとしたら注意喚起だけど…それに耳を貸す人間がいくらいるかって話でしょ?
ともなれば、現状出来る事なんてないよ。
無駄に仕事させるのも可哀想でしょ?あの子ただでさえその辺真面目なんだから」
「…お前が書類書きたくないだけなんじゃねぇの?」
「そんなわけないでしょ。僕なりの気遣いだよ」
もう一枚クッキーを摘まむ。
「別に善は気にしなくていいんだよ。だから報告もしない」
「…そんな調子で大丈夫なのかよ」
「なにが?」
「遠征だよ」
「…まぁ」
何処か不安そうな顔をする
「大丈夫かどうかは遠征組の実力次第でしょ」
サクッとクッキーを食べた。
そんな
直後ノックの音が響く。「どうぞ」と
入って来たのは
「あれ、充幸さん。どうかしたんですか?」
「この書類を渡すように頼まれまして」
そういって充幸は持っている書類を見せる。
「それは?」
「今度実施される遠征の話をまとめた書類です。
機密なので特定のリングでしか読み取れないバーコード形式での報告になっています。
戦闘部隊からは今回出てもらうメンバーはいないそうですが、念のためにと。
それと、場合によっては応援に二人が呼ばれる可能性がありますので、その事前報告です」
カツカツとブーツを鳴らして充幸は
「一応目は通しておいた方が良いと思います。遠征の日の任務地は極力Z地区に近いYやX、I地区で行われるそうなので、警戒はしておくように…と」
「了解です。でも、俺等がてっきり遠征に選ばれるかと思ってました」
「一度はその話も上がったそうですが、隊長クラスがここを不在にするのは危ないという話になりまして
隊長・副隊長は片方が待機。もう片方は近くの地区で任務という話になってて
あんまり多くで遠征に行くと、何かと嵩張りますし、人数が増えれば増える程連携は難しい、というお達しです」
「なるほど……で、今回の遠征、選ばれたのは?」
聞くと、充幸は少し迷ったような表情を浮かべた後、口を開く。
「断罪部隊、となりました。天満隊長は本部にて待機だそうです」
「断罪って…」
「へぇ、それは本人たちの立候補?それとも浅葱さんのご意向で?」
「後者らしいですよ。私も詳しくは聞いていませんが…恐らく彼らは少数精鋭ですから連携も一番ですし、出雲さん以外の三人は殲滅歴2,3年と少なめではありますが、実力はありますから。
浅葱さんの目的はどうやら不死者の捕獲……というよりも、施設にあるであろう書類の奪取のようでして、隠密からの物の奪取といえば断罪っていうイメージもあるのではないでしょうか。恐らく選ばれたのもそれが理由かと…想像にすぎませんが」
自分なりの考察を述べる充幸。だがやはり自身はないのか小さい声で付け加える。
だが彼女の説明は的を得ているといえ、
「その可能性は高そうですね…まぁ何はともかく分かりました。読んでおきます。持ってきてくださりありがとうございます」
「あっ、い、いえ!私はその…こんなことしかできませんから…少しでも役に立てたなら、全然」
何処か恥ずかしそうにしながら、充幸は目をうろうろさせる。
そんな彼女に
「にしても遠征は一か月後…この緊迫状態で、この期間…長めですね」
「今回は東にも協力してもらう大掛かりなものですからね…正直、かなり勝負に出てると思います」
「……まぁ確かに。その間に襲われでもしたら終わりますからね」
「それでは、私はもう行きますね。失礼しました」
軽く頭を下げ、充幸は部屋を出て行く。数秒後、
「お前もどっかいくのかよ?」
そう聞く
「………うん。ちょっと散歩にね」
そういって
いやぁ、彼方の人の呼び方が複雑で雑草もちょっと困っている今日この頃
なんでこんなキャラにしちまったんだ!!!
因みに現在の彼方の相手への渾名ですが
佐久間→さっきゅん
神楽城→かぐらん
早緑→さーま
狗星→コックン
和真→マーカズ
物集女→置物くん
浅葱→アササン
天満→ミンミン
見事に原型が微妙な渾名ばっかですね!紡の渾名がまだ良心的だと思えます。ホントに。
お前大変なんだよ色々と!!!もうちょっと大人しくしてくれっ!!