敵「フフフ…このカードでこの世界を支配する!」俺「ループ証明します」 作:yugeち
イズモのカードカツアゲ事件からしばらく経ち、これといった事件も起きず、勝己達はカツキングのカードやドラグハートの情報を集めつつ、平和な日常を過ごしていた。
「すみません、このあたりでこんな奴を見掛けませんでしたか?」
「いや…知らないな」
「すまないがご老人、このような生物を見かけなかったか?」
「いやあ、知らないねぇ。最近の若い子たちはこんな不思議な犬飼うんだねぇ。」
「(犬…知らないとはいえ犬呼ばわりとは…カツキングも哀れなものだ。)」
「結局成果はナシか…カツドンは何処にいるんだ…」
「あまり気に病むな、霧札勝己。話を聞いた限りお前に非はない。…だが、いくつか気になる点がある」
「気になる点?」
「レイジクリスタルだ。オラクルジュエルと同等の力を持つあの秘宝、今はカツキングに預けていたからな。あれが無いと僕が全力で戦う事はできないからな。」
「お前があの時デタラメな強さだったのは、レイジクリスタルとオラクルジュエルの両方をの力をフルに引き出してたから…だったっけ」
「ああ、加えてパンドラスペースとの繋がりが現状では途絶えてしまった。これらを加味すると、こちらの戦力の低下は否めない。新たに戦力を集める必要がある。少なくともレイジクリスタルに対抗できるくらいの戦力だ。」
「でもそんな戦力なんて…待てよ?確か魂を持ったカードって」
「溢れ出た力のみで意思を得たカード。パンドラスペースやそこから繋がる超獣世界からクリーチャーがやってくることが無い以上今はこのタイプのみに限定される。そして彼らは皆一様に強い想いと実力を持ったデュエリストの下に現れる。そこで質問だ霧札勝己。お前は明日から何処へ行く?」
「全国から選りすぐりのデュエリストが集まる日本最大のデュエリスト養成施設、DMアカデミー!確かにあそこなら魂を持ったカードがやってくるかもしれない!…そういえばなんでイズモはそんなに色々知ってるんだ?お前は超獣世界の住人だろ?」
「流石に常識も何も知らずに行動するべきでは無いと判断してな。自分なりに調べていた。…カツキングの捜索は僕達が受け持つ。だからお前はDMアカデミーで今回の元凶に対抗する為に味方を集めるんだ。」
「了解。じゃあそっちは任せるよ。…しかしお前とこんな形で協力することになるなんて、前じゃ信じられなかっただろうな。」
「ああ。運命とは奇妙な物だ。」
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一方その頃
「…う~む。流石にヒドいデッキが出来たな…」
望はカツドンの捜索…などはしていない。なぜなら彼から見れば霧札勝己達はアニメ主人公のようなもの。時が経てばそのうちなんとかしているだろうという何の根拠もない信頼があったのだ。というわけで彼は絶賛デッキ制作に勤しんでいた。
「転生サイクリカは…この前のイズモみたいのが来た時用に常備しとこう。あと他に禁止カードでデッキ作るなら…ま、これだよな。カード屋でフリー対戦して調整しよう。」
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「…で、」
「おじ…さん。危…な…い…逃…げて!」
「何でこうなるかなあ…」
確かに彼は事件に関わる気は無い。だが運命は彼を放って置かない。結局は進むしかないのだ。
「で、これどういう状況なの?」
そう質問する望の眼前には、すでに満身創痍の少年。そして、ボロボロの少女を担いで連れ去ろうとしている男という、非常にアブナイ匂いのする光景が広がっていた。
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「ッチ、ザコが増えたか。面倒だな」
−そう。本当に面倒だ。ただでさえこの鎌の認める人間を探し出したと思えば、この真のデュエルで抵抗してきやがった…ああ、あの豚に殴られた事思い出したら段々ムカついてきた。俺はこんなに苦しんだんだから…
「俺も苦しめて良いよな?真のデュエル…開始」
瞬間、大男と望の周囲が黒に染まっていく。
ーもはや決闘とも呼べぬ、蹂躙劇が開幕する。
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望 ターン3 手札6 マナ2(後攻)
「マナチャージして3コスト、『天災デドダム』召喚。山札の上から3枚見て手札、マナ、墓地に1枚ずつ置く。ターンエンド。」
男 ターン4 手札5 マナ3
「マナチャージしてから、4コストで『ライフプラン・チャージャー』!山札の上から5枚見て、クリーチャーを1枚相手に見せてから手札に加える!俺が加えるのは『邪帝類強欲目 カリグラーティ』!ターンエンドだ」
望 ターン4 手札6 マナ4
「俺のターン、マナチャージ、2コストで『天体妖精エスメル』。効果で自分のシールドを1枚マナゾーンに。3コストで『母なる大地』。エスメルをマナゾーンに置き、マナゾーンにあるカードの枚数以下のコストを持つクリーチャーをバトルゾーンに出す。俺が出すのは『龍風混成 ザーディクリカ』。登場時に効果で手札または墓地からコスト7以下の呪文をタダで唱える。母なる大地を唱えてデドダムをマナゾーンに。マナゾーンから『ボルバルザーク・エクス』。登場時にマナゾーンのカードを全てアンタップ。5コストで『蒼浪の大王 イザナギテラス』召喚。山札の上から5枚を見て1枚を手札に加え、コスト3以下の呪文を唱える『母なる大地』でイザナギテラスをマナゾーンに。『覚醒連結 XXDDZ』をバトルゾーンへ。」
「XXDDZで攻撃時に効果で自身のEXライフを墓地へ置き、次の俺のターン開始までお前は呪文を唱えることはできない。更に革命チェンジで『時の法皇 ミラダンテXII』と入れ替わり、ミラダンテの登場時効果で呪文『ヒラメキ・プログラム』を唱える。効果でザーディクリカを破壊するが、ザーディクリカはEXライフを犠牲にバトルゾーンに留まる。そしてザーディクリカよりコストの1大きいクリーチャーが出るまで山札を捲り、ソイツをバトルゾーンに出す。今回は『斬龍電融 オロチリュウセイ』を出す。更にミラダンテのファイナル革命でお前は次の俺のターン開始まで7コスト以下のクリーチャーを召喚できない。ミラダンテでトリプルブレイク。」
「…ハァ?今、何が…トリガーは、無い」
「ザーディクリカでダブルブレイク。」
「何だよ、コレ、意味分かんねえよ…」
「オロチリュウセイでダイレクトアタックだ」
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「俺が負けた…負けた?…!」
自身の敗北を受け入れられないのか、そう繰り返し呟く男の様子が変わる。まるで何かに怯えるように。
すると、男の周りをドス黒いナニカが包み込む。
「嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!何でだよ!?俺は苦しんだんだ!だから苦しめて良いはず何だよ!何で俺が…オレ…ガ…ア、ァ」
そして声が聞こえなくなる頃には、男の姿は無くなり、1枚のカードだけがそこにあり、突如それは浮かび上がる。そしてボロボロの少年の目の前までやってきた。
『つまらん…奴の罪など知る気にもならんかったわ。だが…小僧、貴様『良き罪』の気配がする。名は何と言う?』
「マコト…依型マコト」
『そうか、ではマコト。貴様の願いを言え。どんな願いも叶えてやろう』
「…要らない」
『ほう?』
「僕には姉さんさえいればいい。姉さんが幸せであればそれでいい。だから何も要らない。」
『……ククッ、ハハハハハハ!成る程、我が惹かれた理由が分かったわ!愛ほど罪深き物も無い。いくら求めたところで満たされぬからな。親愛とて同じ事!マコト、貴様我でも裁けぬ大罪人よ!いいだろう、貴様の罪を見届ける対価だ、その罪この魔壊業王が共に背負ってやろう!』
かくして罪に塗れ、罪を裁く龍と、少年はたった1人の家族を守る為に契約を交わした。
‐その
あとづけ設定集
霧札勝己
今年で晴れて中学生の主人公ポジ。カツドンの捜索をイズモに託し、DMアカデミーにて黒幕との決戦に備え、味方を探すことに。
イズモ
カツドンの捜索を引き受けた。なお犯人はさっさと未来に撤退しているので…
日暮望
一応この小説の主人公。勝己達に積極的に関わるつもりは無いが、それはそれとして目の前で困っている人がいれば助けるくらいの良識はある。
楽しんだ上で勝つことを重要視しており、同じデッキばかりを使うことはない。ループばっかり使う訳では無い。速攻も使う(車×9×4)。
今回を見て貰えば分かる通り、コイツだけデュエル中のセリフ量が多い。
5cザーディクリカの大地添え
望が殿堂無視で作った5cデッキ。尚調整中の状態であり、特に最適化された訳では無い。
母なる大地
犯罪者。その汎用性からおそらくこの小説では準レギュラーになる可能性が高い。
ヒラメキ・プログラム
男
元々ただの衝動的に人をコロコロする一般犯罪者だったが、カリグラーティに丁度良いと持ち主に選ばれた。
カリグラーティ
前回復活させられた古代竜の1体。コイツに限らず古代竜連中は真のデュエルに負けると持ち主ごと消滅する。
出番は多分無い。
筆者はカリグラーティエアプである事をここに記す。
依型マコト
DS編闇文明担当のシスコン。筆者は名前をとあるシスコンからとって命名した。元々はデスパペット使い。3年前両親が蒸発した。
マコトの姉
今回一切喋らなかった。バイトと学業を両立し、弟を守ってきたスーパーガール。相棒は〝豚〟らしいが…?
魔壊業王
興奮のあまりうっかり過去の役職名乗っちゃったお茶目なドラゴン。しっかりドラグハートである。
次回
「入学!DMアカデミー!」