professional of joker   作:たいたい35

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実技試験

ユウリたちがやってきたのは、協会本部付近にある闘技場。ここで第二試験である実技試験が行われる。普段ここでは、モンスターマスター同士が交流戦を行ったり、モンスターマスターとしてのレベルを測るための試験が行われている。また、今回の実技試験は、一般の人間も観戦することができる。試験志願者同士が一対一でそれぞれ協会のモンスターを借りて争う。もちろん協会が半ば洗脳のような形で手懐けているため、怪我人が出たことはない。模擬戦を何戦か行った後、勝敗やそのパフォーマンスに応じて、さらにはペーパーテストの結果も考慮し、総合的に合否が決定されるのだ。控え室は地獄のような雰囲気で、誰も言葉を発することはない。ユウリには窮屈で窮屈で仕方がなかった。もちろん緊張はしていたが、それ以上にモンスターと一緒に戦えることが嬉しくて、楽しみだったのだ。重く暗い雰囲気の中で、ユウリだけは笑顔を保っていた。

 

「ユウリ、大丈夫かしら。ねえスラっち、私緊張するわ」

 

リーヤは観戦席の一番前で、デートの待ち合わせをするような気持ちで彼を待ち続けていた。そうしているうちに、会場には人が集まり、蝶ネクタイを着用した司会のような人間が現れた。

 

「さあ今回の試験では超新星は生まれるのか!試験の前に、バトルGP協会会長、グラスター会長のお話を伺いましょう!」

 

まるで大会のような盛り上がりにリーヤは困惑していたが、ソレアが言っていたことを思い出した。

 

「ペーパーテストとは違って実技は祭りだよ。皆未来の英雄を待ち続けている。それだけ、バトルGPの競技性の高さと人気を示しているってとこかな。初めてモンスターを扱う緊張感と、会場の熱気。相当の豪胆さがないとやってられないからね。逆にそんな状態で高パフォーマンスを見せた天才は、ペーパーテストの結果なんか無視して一発合格、逆転だ」

 

彼女がニヤリと笑ったのを覚えていた。ユウリならやってくれる、むしろ簡単に、余裕綽々でこなしてくれる、そう信じて待つしかなかった。一際大きい大歓声の後、スタジアムの中央に姿を現したのは、あの憎きグラスターだった。

 

「皆、分かるか。私は今、かつてない開放感に満ち溢れているのだ。この時、この瞬間、この刹那!止まっていた歴史の歯車は確かに動き始めた。悠久の時を刻む時計が加速し始めたのだ。今回のこの試験、そして次回のバトルGPに、これまで全ての常識は通用しない!刮目せよ、未来の『プロフェッショナル』の誕生を!」

 

グラスターは杖を思い切り天に突き上げる。背後には禍々しい「タイムマスター」の影。会場を沸かせたグラスターはその後、轟くような大音声を見せた男とは思えないほど小さな歩幅でゆったりと裏手の闇へ隠れていった。しかしその効果は絶大で、飛び交う期待の声と焼き尽くされそうなこの熱気。緊張も相まってどうにかしてしまいそうだった。しかしリーヤは必死で堪えて、前を向く。試験が開始してからも、ユウリの姿を待ち続けていた。皆初めてモンスターを扱うので、見ていられないものも多かった。言葉を交わすことができないので、指示を聞かずまるで喧嘩をするように争っていた試合もあれば、じゃれるだけで試合にならないようなものもあった。それでも観客の声は止まず、むしろ試験がこのような試合になってしまうのには慣れているらしく、風物詩であるかのような楽しみ方をしていた。攻撃を促しても全く言うことを聞かず、呪文なんか滅多に撃たない、そんな試合ばかり。リーヤには、魔物を操るのがこんなに難しいことなのかと疑問だった。だって、ユウリはスラっちをいとも簡単に、手足のように動かすことができたから。彼が噛みつけと言えば噛みつくし、ホイミと促せばホイミを唱えた。襲ってきたおおきづちを巧みなコンビネーションで撃退したこともあった。ユウリと常に一緒だった彼女からしてみれば、今目の前の情けない光景は、一言で言えば変だった。そんな謎は解消されないうちに、一人の少年が舞台に参上する。

 

「行こう、チェロ」

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