彼岸花は燃えているか…?   作:ローマン

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 前回に続き、今回はルパンファミリーでリコリス・リコイルの回をパロディした回になります

 元の回は小説 リコリス・リコイル Ordinary days収録のリコリコ・オブ・ザ・デッドになります

 未読の方は念の為ネタバレにご注意下さい

 それではどうぞ!!







ルパジゲ・オブ・ザ・デッド

 

 

 

 

 〜喫茶リコリコ〜

 

 

 

 

次元「うぅん……? ここは……」

 

ルパン「zzz……」

 

 

 

 次元は重い瞼を開ける

 

 どうやら眠ってしまっていたようだ

 

 おまけにその隣では、ルパンがカウンターに突っ伏して寝ていた

 

 

 

次元「随分寝ちまったな……」

 

 

 

 しかし、何か様子が変だった

 

 次元はこんな場所でうたた寝をすること自体が珍しい上、ルパンも一緒に寝ているという状況に不自然さを感じたからだ

 

 初めはミカに薬でも盛られたのかと思ったが、リコリコの店員は誰一人として見当たらない

 

 

 

次元「ルパン起きろ。」

 

ルパン「んぅ〜? どったの、次元ちゃん……」

 

次元「何か様子がおかしいんだ、とにかく起きてくれ!」

 

 

 

 その時、リコリコの扉のベルが鳴る

 

 危険な気配を感じ、本能的にルパンたちは銃を向けた

 

 

 

「あ……あ〜……」

 

次元「こ、こいつは……!?」

 

ルパン「ゾ、ゾンビだ〜!」

 

次元「このっ!!」

 

 

 

 次元がマグナムを発砲すると、ゾンビは倒れた

 

 だがゾンビは、不気味な呻き声を上げたままゆっくりと立ち上がった

 

 

 

次元「マグナムが効かねぇぞ!?」

 

ルパン「一旦、外に出すぞ!」

 

 

 

 ルパンは近くにあった椅子を投げつける

 

 それと同時に次元が扉を開け、ゾンビを外へ追い出すことに成功した

 

 

 

次元「ルパン、どうなってやがんだ、ありゃ間違いなく……」

 

ルパン「ゾンビだなぁ。」

 

 

 

 ゾンビの身体は腐っていて激臭を放っていた為、ゾンビ自体がコスプレなどとは考えにくかった

 

 

 

ルパン「携帯は繋がらねぇが……テレビは映ってるなぁ。」

 

次元「何が放送は終了しましただ、こっちはそれどころじゃねぇのによ。」

 

ルパン「そうだ! クルミだよ!」

 

次元「クルミ? この店内に人の気配なんてしなかったぞ?」

 

ルパン「そうじゃなくて、クルミのパソコンなら使えるかもしれないだろ!?」

 

次元「なるほど、その手があったか!」

 

 

 

 早速、ルパンたちはクルミが籠っている押入れを目指す

 

 やはりクルミはおろか、千束たちの姿もなく、店内にはルパンと次元しか居ないことが分かった

 

 

 

ルパン「ん〜……クルミのパソコンもダメか〜。」

 

次元「外から見える景色もゾンビだらけか……おい、こいつはまたレベッカの仕業なんじゃねぇのか?」

 

ルパン「レベッカがわざわざ日本まで来て、こんな大掛かりなことするか〜?」

 

次元「あの女ならやりかねねぇ。」

 

 

 

 レベッカとは、ルパンのかつて婚約者であり、イタリアのサンマリノ共和国の若き女王だ

 

 過去にルパンはゾンビ映画の撮影に巻き込まれ、レベッカの映画に出演したことがあった(ルパンの顔はゾンビに加工されていたが)

 

※詳しくはルパン三世PART4の第7話、『ヴェニス・オブ・ザ・デッド』をご覧下さい

 

 

 

ルパン「まぁとにかくだ、こんな所に居たら埒があかないぜ、さっさと逃げようぜ。」

 

次元「逃げるってどこに? 五エ門や不二子にも連絡取れてねぇんだぞ。」

 

ルパン「DAの本部さ。」

 

次元「DA!?」

 

 

 

 そう、ルパンが逃げようと考えたのは、DAの本部だった

 

 確かに銃などの武器も揃っているし、安全性は高い

 

 

 

ルパン「備蓄もそこそこあるし、次元は……」

 

次元「地下の射撃場からかっ払ってきたぜ!」

 

 

 

 リコリコの備蓄とおそらくミカのであろう銃器を手に入れ、ルパンたちは脱出しようとする

 

 ところが、ある問題があった

 

 

 

ルパン「ちょっと重過ぎやしねぇか?」

 

次元「さすがにそんな武器は詰め込めねぇか……」

 

ルパン「次元、車だ! 車使って逃げねぇか!?」

 

次元「しかし、この状況で車なんて使えるか?」

 

ルパン「最近の車は厳しいだろうけどよ……俺たち御用達のガソリン車ならいけるだろうぜ!」

 

次元「ははっ! 違ぇね……」

 

 

 

 二人が笑い合って話していたのも束の間

 

 店内のガラスが割れ、大量のゾンビが侵入してきた

 

 

 

ルパン「ヤベっ!」

 

次元「ルパン、二階へ逃げるぞ!」

 

 

 

 次元も武器を使いながら、ゾンビたちを後退させていくが、数があまりにも多い

 

 早く逃げなければ、ここをゾンビたちに占拠されてしまう

 

 

 

次元「ルパン、何してるんだ!? 早く……」

 

ルパン「とっつあん……?」

 

 

 

 ルパンが大量のゾンビの中から見つけたのは、銭形警部によく似たゾンビ

 

 帽子にトレンチコートを羽織っているが、見た目は完全にゾンビになっており、ただ呻き声をあげているだけだった

 

 

 

次元「とっつあん、ゾンビになっちまったのか!?」

 

ルパン「悪いな〜、今はそれどころじゃねぇんだ〜!」

 

 

 

 ルパンは射撃場から持ってきたショットガンを手にすると、銭形目掛けて発砲した

 

 銭形は大きく吹っ飛ばされ、周りのゾンビを巻き込んで倒れる

 

 

 

ルパン「今だ! 飛び出せ〜!」

 

次元「くっ!」

 

 

 

 ルパンと次元はタイミングを計らって、リコリコの扉を開けた

 

 外のゾンビたちは、ルパンたちを狙って襲いかかってくる

 

 

 

次元「ルパン、車を探せ! 俺がこいつらを引きつける!」

 

ルパン「頼んだぜ〜!」

 

 

 

 次元がゾンビたちを攻撃している間に、ルパンはアナログな車を探す

 

 

 

次元「へへ、ほい来た!」

 

 

 

 次元はロケットランチャーを取り出すと、ゾンビ目掛けて発射する

 

 爆風の力でゾンビを蹴散らしているが、大きな音と光を放つ為、逆に標的になりやすく、次元はピンチになりかけていた

 

 

 

次元「うわっ! く、くそ……このままじゃ……!」

 

ルパン「次元、乗れ〜!!」

 

 

 

 その時、ルパンの車がハイビーム全開で登場する

 

 ルパンが盗んだのは、配達用であろうワンボックスカー

 

 次元も急いで飛び乗り、難を逃れることができた

 

 

 

ルパン「なっ!? ゾンビが〜!」

 

次元「出せ、ルパン!」

 

 

 

 ルパンは勢いよく車を発進させ、周りのゾンビたちを蹴散らしていく

 

 車には貼り付いたままのゾンビもおり、次元が一体一体引き剥がしていく

 

 ルパンも車を壁に擦り付けながら走行させると、ゾンビは一体も居なくなっていた

 

 

 

次元「ふい〜、危ねぇところだった。」

 

ルパン「とりあえず高速に乗るか、そこならゾンビは追っかけてこないでしょ。」

 

次元「ところでルパン、とっつあんはよかったのか?」

 

ルパン「あれぐらいじゃとっつあんは死なねぇよ、多分な。」

 

 

 

 過去に何度も死亡しかけた銭形警部のことだったので、今回もルパンは安否をあまり心配していなかった

 

 高速道路は先程のリコリコの近くとは打って変わって、ゾンビは全く見当たらず、星の綺麗な夜空が広がっている

 

 

 

ルパン「悪くねぇな。」

 

次元「何が?」

 

ルパン「誰も居ない世界で相棒と二人っきり……面白くねぇか?」

 

次元「お前は不二子と居ればいいだろ。」

 

ルパン「冷てぇなぁ〜、俺は次元と居たいんだよ。」

 

次元「俺と?」

 

ルパン「そ、どこか遠くに二人だけでよ。」

 

 

 

 次元は少しだけ、ルパンの発言に驚いていた

 

 普段は女性にばかりかまっているルパンが、相棒である次元にこんな言葉をかけたことが珍しかったからだ

 

 

 

ルパン「なんならいっそのこと、DA以外の場所に……!」

 

次元「今、頼りになるのはDAだけなんだろ? 目的地は変えなくていい。」

 

ルパン「相変わらずだな、お前と相棒組めて良かったよ。」

 

次元「フッ、どうしちまったんだよ急に。」

 

 

 

 ルパンと次元はお互い笑みを浮かべながら、高速道路を駆け抜け、DA本部を目指す

 

 しかし、ここである問題が起きてしまう

 

 

 

ルパン「あっちゃ〜、ガソリン切れだ。」

 

次元「参ったな、道のど真ん中だぜ?」

 

 

 

 幸い、ルパンと次元以外は皆ゾンビ化してしまっているためか、車は一台も走っていない

 

 しかし、これだけの備蓄と武器を持ってDAを目指すのは難しい話だ

 

 

 

次元「さてと、このままじゃ俺たちゾンビになっちまうな……」

 

ルパン「……一服しようぜ、最後かもしれないしよ。」

 

 

 

 ルパンはタバコに火を付け、深く息を吸い込み……吐き出した

 

 

 

ルパン「次元もどうだ?」

 

次元「俺にもくれ。」

 

 

 

 次元もルパンからタバコを貰い、火を付けてもらう

 

 二人のタバコの銘柄は異なるものの、たまには相棒の銘柄も……と吸ってみたくなったのだ

 

 

 

ルパン「格別な味だな。」

 

次元「あぁ。」

 

 

 

 もうすぐ夜が明ける

 

 日が昇ってきたら、またこの世界で生き残るための作戦を考えなくてはならない

 

 見上げる先には、今や平和の象徴となった旧電波塔

 

 そして巨大なリス

 

 

 

次元「ん!? どうしてあんなバカデカいリスが居るんだ!?」

 

ルパン「ゾンビの次は怪獣かよ〜……」

 

 

 

 その巨大なリスは旧電波塔へ拳を振ると、跡形もなく電波塔は崩れ去った

 

 さすがのルパンでも、怪獣相手に戦うなんて難しい相談だ

 

 そして2人の耳に、ガタガタと大きな音が聞こえてきた

 

 

 

次元「ルパン。」

 

ルパン「今度は誰だ〜……?」

 

 

 

 唖然としていた二人の元に、一台の戦車が走ってきていた

 

 念の為、二人は持ち出してきた武器を構える

 

 そして戦車は、二人の目の前で停止した

 

 

 

不二子「二人共、怪我はない?」

 

次元「不二子!?」

 

 

 

 戦車に乗っていたのは、なんと不二子だった

 

 なんとか生き延びていたようだ

 

 

 

ルパン「不二子ちゃ〜ん! 迎えにきてくれたのか〜!?」

 

不二子「勘違いしないで、私はあのリスを退治しにきたのよ。」

 

次元「退治するだと……?」

 

ルパン「さぁて、そうと決まればあのリス野郎を倒すまでだ〜!」

 

次元「はぁ……しょうがねぇな。」

 

不二子「さぁ、行くわよ!」

 

ルパン「リコリスに代わって、あいつにお仕置きだ〜!」

 

 

 

 不二子は戦車を走らせる

 

 次元は長年ルパンの相棒として組んできて、一度も後悔したことはない

 

 これからもルパンとの冒険活劇は続くのだろう

 

 そう次元は、帽子の下で笑うのだった

 

 

 

次元「案外……悪くないのかもな。」

 

 

 

 

 

____________________

 

 

 

 

次元「……はっ……! ここは……!」

 

五エ門「起きたようだぞ。」

 

ルパン「よぉ、ぐっすり寝てたもんだからよ、起こさなかったぜ。」

 

 

 

 今次元が居るのは、ルパンの愛車であるフィアット500の後部座席

 

 助手席に五エ門、運転は勿論ルパンがしている

 

 そう、今までの出来事は次元の見ていた夢だったのだ

 

 

 

ルパン「その様子じゃ、悪い夢でも見たか?」

 

次元「そうみてぇだな……」

 

五エ門「時折、呻き声も聞こえたが……」

 

次元「忘れてくれ、俺はもうひと眠りする。」

 

 

 

 次元は帽子を顔の上に乗せると、後部座席で再び横になる

 

 次はあんな夢見るもんか!……と心に誓う次元なのであった

 

 

 

 

 

________________________

イメージED

花の塔 さユり

(リコリス・リコイル、ED)

 

 

 

       ルパン三世

 

       次元大介

 

       石川五エ門

 

       峰不二子

 

       銭形警部

 

 

 

 

 

 







 色々オリジナル要素も足しましたが、改めて原案者のアサウラさんが凄いと実感しましたね、銃の描写とかも細かく描いていて

 元の小説、特にクルミの絵のタッチが丸々としてて可愛いんですよね

 そしてベッドシーンは泣く泣くカットしました(意味深)

 次回はパロディではなく、エピソード0的なお話を描く予定でいます

 投稿頻度的に丁度1ヶ月後に投稿すると思うので、その時まで!





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