さてさて、幕間回はこれにて一旦区切りとなります
個人的に絡みが見てみたかった吉松とルパンの出会いを描いてみました
過去捏造のお話になりますのでご注意下さい
それではどうぞ!!
イメージBGM
BAR WEAPON
大野雄二
(ルパン三世vs名探偵コナン THE MOVIE オリジナルサウンドトラックより)
〜BAR〜
吉松「やぁ、遅くなってすまないね。」
ルパン「俺も今来たばっかりだよ。」
都会の喧騒から離れた場所にあるBAR
夜も客が少ないこのBARに居たのは、ルパン三世と吉松シンジである
吉松は過去に不二子と食事を交わした仲であり、その際にルパンの連絡先を知り、ここに呼び出したというわけだ
吉松「ルパン、早速だが君に頼みがある。」
ルパン「何だ?」
吉松はある写真をカウンターの上に出す
写っていたのは、車椅子に座ったままこちらに笑顔を向けている少女だった
ルパン「この娘は?」
吉松「彼女の名は錦木千束、殺しの天才だ。」
ルパン「このガキんちょがか?」
吉松「あぁ、彼女の才能は素晴らしいものだ……先天性の心疾患があったがね。」
ルパン「心疾患……だから手術服を着てるってわけか。」
吉松「そこで我々アラン機関は彼女を生存させるため、最新鋭の人工心臓を彼女に提供した。」
ルパン「なるほど。」
アラン機関は世界中の才能ある人物への支援を行なっている団体だ
ルパンも小耳に挟んだことはあったが、直接アラン機関の人間と接触するのは初めてだった
ルパン「それで? 俺にどんな頼みがあるんだ?」
吉松「彼女の殺しの才能を開花させてほしいんだ。」
ルパン「アラン機関の人間は、ペンダントを持った人間とは接触しちゃいけねぇ決まりだったもんな。」
吉松「世界最高の大泥棒である君に頼んでいるんだ、報酬はたっぷり弾む。」
ルパン「ま、やれる限りやってみるとするよ。」
実を言うと、ルパンは初めからこの計画に乗り気でなかった
何故なら、ルパン自身が人殺しを嫌っているためだ
今回は不二子が人質に取られているというわけでもなさそうなので、適当に理由をつけて吉松に報告すればいいとルパンは考えていたのだった
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〜喫茶リコリコ〜
ミカ「いらっしゃい。」
ルパン「よぉ、ミカ!」
ミカ「ルパンか、久しぶりだな。」
ルパン「喫茶店やってるって噂は本当だったんだな〜。」
ルパンとミカは、かつて泥棒と警備会社の一員として敵対した仲だったが、最終的にはその警備をしていた画商が武器や麻薬の密輸に関与していたことが発覚し、組織を共に壊滅させたことがあった
その後意気投合した2人だったが、ここ最近は会えていなかった
ミカ「何にする?」
ルパン「とりあえず、この店のお勧めを頼むよ。」
ミカ「分かった。」
ルパン「そういやミカ、この写真の子を知らないか?」
ミカ「千束……!? 何故ルパンがこの写真を……!?」
ルパン「さっき吉松の旦那と会ってきた、その時にこの写真を貰ったんだよ。」
ミカ「そうか……」
ミカは表情が曇る
電波塔事件があってすぐ、ミカはDAの本部から離れ、このリコリコを開店した
しかし、ミカは千束を最強の殺し屋にすることを拒んでいた
ミカ「千束はシンジのことを探している。」
ルパン「アラン機関の人間は支援した人間に接触しちゃいけねぇ決まりだろ? 吉松だってことを千束に伝えればいいだけじゃねぇか。」
ミカ「できるわけないだろう、私はシンジから最強の殺し屋に育てるよう託されている、そんな人が自分を助けた救世主だなんて知ったら……!」
?「先生……?」
その時、カウンターの横から顔をひょこっと覗かせたのは幼き日の千束だ
まだ接客に慣れていないためか、モジモジとこちらの様子を伺っている
千束「先生、何の話してたの……?」
ミカ「あぁ、お客さんとちょっと世間話をな……」
千束「おじさん、誰……?」
ミカ「千束、この人は……」
ルパン「……ジム・バーネット、探偵をしております。」
千束「たんていさんなの!? かっこいい〜!」
ルパンは直ぐに変装用の黒縁眼鏡を掛け、ジム・バーネットという名前の探偵として彼女に接した
対する千束は、テレビの世界でしか見たことがなかった探偵に心を躍らせる
千束「たんていさんってことは、犯人はあなたです!とかやるの!?」
ルパン「現実ではそんなにはっきりとは言いませんよ、それはテレビの中だけの話ですね。」
千束「ちぇ〜、つまんないの……」
ミカ「千束、彼は忙しいんだ、バーネットさんもそろそろ帰るお時間ではありませんか?」
ルパン「……えぇ、そうでしたね、それではミカさん、また会う日まで。」
千束「また来てね! バーネットさん!」
千束の無邪気に笑う笑顔を見て、ルパンは決意した
やはり、吉松の頼みは聞き入れられないと
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イメージBGM
BAR Forbidden 睦月周平
(リコリス・リコイル オリジナルサウンドトラック2より)
〜数日後〜
ルパン「待たせたな。」
吉松「ルパン、千束には会えたかい?」
ルパン「まぁな。」
ルパンがリコリコに出向いてから数日
以前とは別のBARに、吉松はルパンを呼び出した
吉松「それで、どんな様子だったかな?」
ルパン「元気だったぜ、俺が探偵だって名乗ったら凄く盛り上がってたよ。」
吉松「泥棒が探偵とは、随分滑稽な話だね。」
ルパン「……あんたは何で千束を最強の殺し屋にしたいんだ?」
吉松「決まっているだろう、彼女には殺しの才能があるからさ。」
ルパン「その才能を本人が活かさないと言ったら……?」
吉松「そこはミカに任せてあるから大丈夫だ、彼はしくじらないと信じているからね。」
ミカの葛藤を知っているルパンは、吉松に対して何も告げなかった
子供の面倒を見るのは苦手と称していたミカが、自分の娘のように千束を可愛がっている姿をルパンは見たからだ
ルパン「ま、そこはミカ次第ってとこだな。」
吉松「あぁ、ミカならきっと……千束を優秀な殺し屋に育ててくれるはずだ。」
ルパン「……そうかい。」
才能のある者を支援する団体であるアラン機関
才能を活かす為に支援をしてくれるのはありがたい話だが、本人の望まない才能を支援するのはどうなのかとルパンは考えた
まだ8つになるかならないかぐらいの千束に殺しの才能を開花させる訓練を今のミカがするとは思えない
他人に人生や生き方を決められることが大嫌いなルパンは、吐き捨てるような返事を返し、そのBARを後にした
それから約10年後、延空木での事件が起こるのだった
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〜現在、喫茶リコリコ〜
ミカ「あれから10年か……」
ルパン「あぁ、千束は俺のことを覚えてはいなかったみたいだな。」
ジン「……ミカ、今は開いてるか?」
ルパン「ジンじゃねぇか! 懐かしいなぁ〜!」
ここは喫茶リコリコ
店は既に閉店しているが、店内にはルパンとミカ、そして最近顔を出すようになってくれたサイレントジンの3人が居た
ミカ「何であの時、探偵なんて名乗ったんだ?」
ルパン「あんな状況で泥棒なんて言えるかよ〜? 探偵って言っておいた方がカッコいいだろ?」
ミカ「確かに、千束はそういうのが好きだからな。」
ミカは一升瓶に入った日本酒を片手に話を続ける
ミカ「ルパン、あの時のバーネットは自分だって千束に伝えるのか?」
ルパン「言わねぇよ、それにあの時の探偵が実はルパンだったなんて千束をがっかりさせるだけだぜ。」
ミカ「変わらないな、ルパンは。」
ジン「全くだ。」
ルパン「そういうジンは結構変わったんじゃねぇか? こんなとこに来るなんて意外だよなぁ〜。」
ジン「ミカの娘に一杯食わされてな、それきっかけだったが……ここは居心地が良い。」
ミカ「それは良かった。」
ルパン「3人で飲む酒も悪くねぇな……」
ルパンとミカとジンは、互いに日本酒を飲み合う
結局朝まで3人で話し込んでしまい、翌朝一番にやって来たミズキに説教されてしまうのはまた別のお話
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イメージED
Destiny Love 大野えり
(TVSP ルパン三世 ルパン暗殺指令 ED)
ルパン三世 錦木千束
ミカ
吉松シンジ
ジン
いかがだったでしょうか?
吉松とルパンは過去に顔合わせしてそうなイメージがあったので、今回描かせていただきました
第一章でも匂わせていたルパンとミカ&ジンの出会いにも少しだけ触れました
今後、千束があの時の探偵をルパンだと気づく日が来るのか!?
次回、遂に第二章の開幕です!
投稿日は7月2日、リコリコのアニメが始まった日です!!
お楽しみに!!
※6月3日追記
5月20日、1977年から2010年に渡って峰不二子を演じた、声優の増山江威子さんが亡くなりました、心よりご冥福をお祈りいたします