彼岸花は燃えているか…?   作:ローマン

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泥棒とテロリスト

 

 

 

 

真島(くそ……爆発に巻き込まれたのか……?)

 

 

 

 真島は先程の爆風を受け、意識が朦朧としていた

 

 過去にこんな出来事は何度も経験しているが、そう直ぐには立ち上がれる状況でない

 

 部下もリコリスたちに制圧されてしまった状態のため、真島からすれば万事急すなだった

 

 だがその矢先、謎の爆発と共に辺りが煙で覆われたのだ

 

 周りがよく見えないが、車が一台こちらへ勢いよく走ってくる音が聞こえた

 

 エンジンの音を聞いてみると、かなり年代物のベンツと似たような音がする

 

 現代では中々聞くことのできない音だったので、真島は死んでしまったのかと錯覚したが……

 

 

 

?「よぉ真島、立てるか?」

 

 

 

 話しかけてきたのは男

 

 だが初めて聞く声だったので、アラン機関の連中を疑って逃げようとした

 

 

 

?「随分と派手にやられたなぁ〜、リコリスが来ねぇ内に逃げようぜ?」

 

真島「お前……一体……?」

 

?「後で説明してやんよ、とにかく今は乗れっての。」

 

 

 

 言われるがままに、真島はその男が乗ってきたベンツの助手席に座った

 

 男は左側に乗ってハンドルを握っているため、間違いなく日本の車でないことは理解できた

 

 辺りが霧のようにもくもくとしていて視界が遮られる中、ベンツは走り始める

 

 このまま走り去ろうとしたその時、目の前に銃を構えたセカンドリコリスが立ち塞がっていた

 

 そう、たきなである

 

 

 

?「ヌフフ、俺様に挑むなんて百年早いっつーの!」

 

 

 

 男はそのままハンドルを切り車体を右側に傾け片輪走行をし始める

 

 たきなは狙いを運転手の男に定めたまま引き金を引こうとするが、ベンツが猛スピードでこちらへと迫ってきていたため、横にジャンプしたまま銃を撃った

 

 だが、運転手の男もこちらに銃を向けており、引き金を同時に引いていた

 

 どちらの弾も命中しなかったが、たきなは受け身を取り、ベンツは一瞬バランスを崩しそうになるも直ぐに立て直しそのまま走り去っていった

 

 たきなはベンツを追いかけようとしたが、車やバイクも炎上してしまっているため追跡ができなかったのである

 

 

 

スイレン「痛たた……何だあの車……?」

 

夏織「きっと、真島の仲間ね。」

 

沙里「そんな!? さっき部下は全員倒したじゃないですか!?」

 

たきな「……あれは真島の仲間じゃないです。」

 

スイレン「仲間じゃない……?」

 

 

 

 たきなは運転手の男と互いに銃を構えた時に、一瞬男の顔を見た

 

 サル顔で女性に目がない、最近になって関わりが増えた人物……

 

 

 

たきな「ルパン三世です……」

 

 

 

 

 

_____________________________________

 

 

 

 

 

真島「おい、俺をどこへ連れて行こうってんだ?」

 

ルパン「ちょ〜っと、相棒との待ち合わせ場所にな。」

 

真島「何で俺の名前を知ってる? あんた何者なんだよ?」

 

ルパン「俺の名はルパン三世、泥棒だ。」

 

真島「ルパン……なるほど、お前が峰不二子の狙っていた男か。」

 

 

 

 ルパンは、真島からかなり敵対心を向けられていた

 

 見ず知らずの男に助けられ、おまけにDAの存在を知る人物

 

 そんなルパンを前にして、警戒しないはずがなかった

 

 

 

ルパン「着いたぜ。」

 

真島「何だここ? デッカい木が一本生えてるだけじゃねぇか。」

 

ルパン「ここが相棒との待ち合わせ場所なんだよ、お〜噂をすれば……」

 

 

 

 その時、遠くからクリーム色の車が走ってくるのが見えた

 

 次元である

 

 

 

ルパン「よぉ次元、そっちも上手くいったみたいだな〜。」

 

次元「ルパンこそな、女はしっかり連れてきたぜ。」

 

静流「あれ? 何で真島がここに……?」

 

真島「静流、その傷は……お前もリコリスにやられたってことか。」

 

静流「お前もってことは……中々の癖者だったよ。」

 

 

 

 不二子と手を組んでいたはずの2人

 

 今この2人に共通するのは、ルパンと次元に助けられたということ

 

 そして静流はルパンを見つめると、こう口を開いた

 

 

 

静流「ルパン、私のこと覚えてる?」

 

ルパン「静流だろ? 元気そうじゃねぇか。」

 

次元「ルパン、この女と知り合いなのか?」

 

ルパン「昔、ちょっとな。」

 

静流「死にかけてた私を助けてくれた、仕事に私情は挟まない主義だけど、今回ばかりは相手が悪かったみたいだね。」

 

真島「……どうも引っかかるな。」

 

静流「引っかかるって何が?」

 

真島「お前ほどのプロが、ルパン1人のために殺しを中断するのか? そいつはお前の中のプロ根性ってものが黙ってないんじゃないか?」

 

静流「……何でそういう時鋭いのかなぁ〜。」

 

ルパン「てことは、俺以外に何か理由があったとか?」

 

 

 

 真島にそう問い詰められ、静流は負傷した腕に触れながら語り始める

 

 

 

静流「戦ったサードリコリスの中に私の妹がいたの、名前は桜木栞、海外で内戦に巻き込まれてから行方が分からなくなってたんだけど……日本で暗殺者の仕事をしてたとはね。」

 

次元「血は争えねぇってとこか。」

 

ルパン「それで捕まったってわけか?」

 

静流「ううん、単純に私の実力が及ばなかった、日本にこんな凄い連中がいたなんて……正直ナメてたよ。」

 

真島「なぁルパンさんよ、この縄さっさとほどいてくれないか? キツくてしょうがねぇ。」

 

ルパン「なら、俺の質問に答えてからだな。」

 

静流「だと思った。」

 

真島「それで、何を聞きたいんだ?」

 

ルパン「不二子が密輸した宝石の隠し場所だよ。」

 

静流「私は知らないけど。」

 

真島「奴は俺と同じ場所から密輸をしてた、だとしたら○○だな。」

 

ルパン「ありがとよ、教えてくれて。」

 

静流「はぁ、また借りができちゃったね。」

 

真島「この借りは、いつか必ず返してやる。」

 

ルパン「おう、そんじゃ気をつけてな。」

 

 

 

 ルパンの質問は今回狙っていたお宝の在処

 

 不二子が密輸した宝石の中に、1億以上の値があるダイヤがあることを知り、ルパンは盗み出そうとしていたのだ

 

 真島は武器を持ち出した場所と同じ所だったのを確認していたため、その場所をルパンに教えた

 

 答えを聞いたルパンは、質問へ素直に答えてくれた2人の縄をほどき、次元と車に乗り込み彼方へと消えていくのであった

 

 

 

 

 

________________________________________

 

 

 

 

 〜花丸軒〜

 

 

 

 

昌「いらっしゃい、悪いがもう店じまいで……」

 

静流「動かないで、動いたら撃つよ。」

 

 

 

 花丸軒にやって来た客は静流1人

 

 その手にはオートマチック拳銃のブローニングが握られており、大将の昌に銃口が向けられている

 

 

 

昌「何の用だい? そんな物騒な物しまいなよ。」

 

静流「この女の子2人はここに居るんでしょ? 調べはついてるよ。」

 

千束「はぁ〜、やっぱり出し抜けなかったか〜。」

 

 

 

 厨房の奥から現れたのは、千束と千咲

 

 本物の姉妹のように瓜二つな2人が静流のターゲットである

 

 

 

昌「千束ちゃん、よかったのかい? こんなあっさり出てきちゃって。」

 

千束「大丈夫ですよ、この殺し屋さんにもひとつ出し抜けなかったことがありますから。」

 

静流「聞き捨てならないね、私が何を出し抜けなかったっていうの?」

 

千束「それは……こういうことっ!!」

 

 

 

 千束は距離を詰めながら、自らの銃を静流の頬辺りに構えて引き金を引く

 

 すると、見事に彼女の化けの皮が剥がれたのである

 

 

 

千束「……やっぱり不二子さんだったんだ、パッと見じゃ分からなかったよ。」

 

不二子「……いつ私だと気づいたの?」

 

千束「その銃は不二子さん愛用のブローニングでしょ? まぁ、それだけじゃ断定できなかったからこれをね。」

 

 

 

 千束は不二子にスマホの画面を見せる

 

 そこにはGPSと表記がされていた

 

 

 

不二子「発信機!? いつの間に……!?」

 

千束「付けたのは私たちじゃないけどね。」

 

不二子「だとしたら……」

 

 

 

 不二子の脳裏をよぎったのは、勿論あの男である……

 

 

 

千束「初めからルパンさんたちは気づいてたのかもしれないね。」

 

不二子「そんな……じゃあ静流と真島はどうしたのよ!?」

 

千束「仲間が捕まえようとしたらしいんだけどさ、2人とも連れ去られちゃったよ、ルパンさんと次元さんそっくりな人たちに。」

 

不二子「もうルパンってば〜……!!」

 

千束「さてと、密輸した宝石の在処を喋ってもらおうかな? あっ、でももうルパンさんたちに先越されちゃったかな〜?」

 

 

 

 ちなみにその後、不二子も立ち会って宝石の隠し場所へと向かったのだが、千束の言葉通り、宝石は全て姿を消していたのであった

 

 

 

 

 

 







 ということで、対決編は以上です

 次回は、後日談的なお話で最終回となります

 お楽しみに!!





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