〜警視庁、刑務所〜
「はぁ……」
刑務所の中で深いため息をついていたのは、ロボット頭の謎めいたハッカー、ロボ太
彼は延空木事件の首謀者として、現在その身柄は警視庁に引き渡されていた
「な、何だ貴様は!?」
「ぐっ……!」
(な、何だ……?)
その時、看守たちの倒れる声が聞こえた
ロボ太はハッカーのため、手元に電子機器が無い限りはここから出ることはできない
そう思っていた
?「お前か〜? ロボ太ってのは?」
ロボ太「だ、誰だ、お前!」
?「俺の雇い主がお前を攫ってこいってうるさくてよ、とにかくここから出るぞ。」
ロボ太「あ、ありがとう。」
薄緑のジャケットを着た男は、近くの看守を全員気絶させていた
ロボ太は男が普通の悪党ではないことを悟りつつ、牢屋から出してくれたことに感謝を伝える
ナザロフ「ナザロフだ。」
ロボ太「え?」
ナザロフ「俺の名前だよ。」
ロボ太「ナザロフか、よろしくな。」
警視庁内部の留置所に侵入し、ロボ太を逃がした男の名はナザロフ
どうやら、何者かに雇われているようだ
ナザロフ「おっと、サツも勘付いてきやがったな、急ぐぞ。」
ロボ太「ま、待てって〜!」
こうしてロボ太はナザロフの力を借りて、警視庁の留置所から脱獄したのだった
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〜翌日〜
冴子「見事にやられたわね……」
翌日、警視庁では現場検証が行われていた
その現場に立ち会っているのは、警視庁の敏腕刑事である野上冴子だ
阿部「やぁ野上刑事、現場の状況は?」
冴子「看守室から鍵が盗まれてる、これは外部から何者かが侵入して脱走させたに違いないわ。」
阿部「見張りが何人か負傷しちまったが、死者が出なかったのが奇跡だよ。」
銭形「ご苦労、野上刑事。」
冴子「銭形警部、お久しぶりね。」
そこにやって来たのは、ルパン専任捜査官である銭形警部
2人は警視庁時代からの知り合いで、かつて香の義兄である槇村とも捜査を共にしたこともあった
銭形「それで阿部、どうして俺をここに?」
阿部「例の受刑者の牢屋前に落ちてたんだよ。」
銭形「こ、これは……!」
そこに落ちていたのは、ルパンマークの描かれた予告状だった
[ハッカーは頂いた、ルパン三世]と書かれている
銭形「阿部、ルパンが攫ったっていう受刑者は?」
阿部「それが、まだ身元が分かってなくてな、本人はロボ太って名乗ってる。」
冴子「ロボ太は延空木のモニターをハッキングして、偽の映像を流したとして逮捕されてるわ。」
ロボ太は真島と共謀して延空木を乗っ取り、DAを白日のもとに晒すという作戦を行っていたが、最終的にはクルミに居場所を突き止められ、偽の映像(実際はDAが揉み消した)を流したとして警視庁に逮捕されていた
銭形からすれば、何故そんな一介のハッカーを攫ったのか
謎は深まるばかりである
冴子「とりあえず、阿部刑事はここの捜査をお願い、警部は私と一緒に来て、会わせたい人がいるの。」
銭形「会わせたい人?」
冴子「来れば分かるわ。」
そして冴子と銭形がやって来たのは、新宿駅だ
銭形「新宿駅? 誰かと待ち合わせするのか?」
冴子「えぇ、その為には……」
冴子は駅構内に設置されている伝言板の前に来る
そしてチョークを取ると、最初にXYZと書き、そのまま彼女の連絡先を記入していく
冴子「これでOKね。」
銭形「野上刑事、これは一体?」
冴子「今回の捜査に協力してくれる助っ人に連絡したのよ。」
銭形「ここまで来て依頼するということは……警察外部の人間か?」
冴子「その通り。」
ちょうどその時、冴子の電話が鳴った
きっと捜査に進展があったのだろう
冴子「さぁ銭形警部、一旦本部に戻りましょう?」
銭形「あ、あぁ、そうだな。」
銭形は、この依頼方法がシティーハンターに繋がっていることを知らない
こうして、事件は警察関係者をも巻き込んでいくのだった
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〜ルパンのアジト〜
ルパン「ぐぬぬぬ〜……!」
ルパンはテレビの画面をイライラしながら見つめている
何故かといえば……
キャスター「昨夜未明、ルパン三世が警視庁から囚人を誘拐するという事件が起きました、現場にはルパン三世の物と思われる予告状もあったとのことです、続いては……」
ルパン「ちっきしょ〜、俺の名を騙ってるのはどこのどいつだ〜!?」
そう、ロボ太を攫ったのはルパン本人ではない偽者
そんな本人が日本に滞在している中で、自分の名前を騙った偽者がルパンは許せなかったのだ
次元「囚人を1人誘拐したのか、それは誰なんだ?」
ルパン「今クルミに調べてもらってるんだけどよ、どうもそれが延空木事件の時のハッカーらしいんだよ。」
次元「となると、そのハッカーは真島と組んでたのか?」
ルパン「あぁ、間違いねぇ。」
ルパンたちも、延空木事件の詳細は知っている
DAを危機に追い込んだハッカーが誘拐されたとなると、これはまた別の大きな犯罪が起きるのではないかとルパンたちは感じ取っていたのだった
五エ門「御免。」
ルパン「よぉ五エ門、早かったな〜。」
五エ門「仕事か?」
ルパン「あぁ、ちょいと面倒なことになりそうでよ〜。」
次元「ルパン、これからどうするんだ?」
ルパン「とりあえず、クルミからデータが送られてくるまで俺たちは非番だ、さ〜て、何か食いに行こうぜ〜!」
その頃、喫茶リコリコでは……
クルミ「警視庁の監視カメラのハッキングから、偽ルパンの正体が掴めたぞ。」
千束「おっ、偽ルパンの正体は誰なんだ〜?」
クルミ「名前はナザロフ、フリーの諜報工作員みたいだな。」
ミズキ「なんか女癖の悪そうな顔してるわね……」
そんな偽ルパンの正体は、ナザロフという男であることが判明した
ナザロフは、かつてルパンと不二子とお宝を巡って戦った過去があり、その後銭形に逮捕されたはずだったが、数日前、刑務所から脱獄したらしい
たきな「フリーの工作員ということは……」
クルミ「あぁ、こいつは今志崎カンパニーでスパイをやってる、色々と繋がってきたな。」
千束「志崎カンパニーはベイリー兄妹と、このナザロフってのを雇ってるのか〜、あ〜あとロボ太も。」
ミカ「もう1人いるぞ。」
ミカは携帯で、ある男の写真を出した
ミカ「楠木から連絡があったんだが、黄(ファン)という殺し屋も入国したらしい、おそらくこいつも志崎誠の手下だろう。」
千束「トンファー使い!? いかにも中華系マフィアって感じだな〜……」
DAからの情報によると、黄という男も志崎カンパニーに雇われた殺し屋らしい
トンファー銃を装備しており、その戦闘力はかなり高いと噂されている
ミズキ「にしても殺し屋殺し屋って……戦争でもおっぱじめる気なの?」
ミカ「ルパンと獠が相手なんだ、それぐらいの戦力がないと勝ち目が無いんだろうな。」
千束「にしてもだよ!」
たきな「流石に敵が多過ぎます、これはDAが動くべき事案だと思います!」
クルミ「既にDAは動いてるだろうな。」
ミカ「千束とたきなは、香と合流して綾香さんを護衛してくれ。」
たきな「了解です。」
ミカ「ミズキとクルミは、志崎カンパニーの情報を出来る限り集めてくれ。」
ミズキ「ばっちこい!」
クルミ「任せろ。」
こうして千束とたきなは綾香の護衛、ミズキとクルミは志崎カンパニーの情報収集、ミカは楠木に連絡を取るのだった
今回、冴子が初登場しましたね
ロボ太を脱獄させたナザロフは、【TVSP ルパン三世 愛のダ・カーポ 〜FUJIKO'S Unlucky Days 〜 】にて登場した敵キャラクターです
敵なのにかなり癖のある性格と、ルパンたちとがっつり敵対したのに死亡しなかった部分も含めて、個人的にかなり好きなキャラクターだったので,登場させてみました
一応ルパン三世は本編内の世界でも有名な泥棒なので、人々もルパンが囚人を盗み出したぞ〜!的なテンションになってます(平和ボケ、恐るべし)
さてさて、次回は獠たちも動き出します
それではお楽しみに!!