香「あら? 獠から電話……? もしもし?」
獠【香、今千束たちと一緒か?】
香「そうだけど、それがどうしたの?」
千束「獠さん、綾香さんも一緒だよ!」
獠【そりゃ都合が良い、今から送る住所の所まで来てくれ。】
香「分かったわ。」
獠からの電話が切れると、メールで住所が送られてきた
住所は新宿区のようだ
香「こ、ここの住所って……!」
たきな「香さん、知ってるんですか?」
香「……皆、これから行くところは危険よ! 十分注意してね?」
綾香はその言葉に身を震わせたが、千束とたきなは獠が指定する店ということで何となく察しがついた
千束「……香さん、私たちはどこまでもついてくよ!」
たきな「私たちで綾香さんを守りましょう!」
香「綾香さん、あなたは絶対にあたしたちが守り抜くと誓うわ!」
綾香「は、はぁ……?」
綾香には何のことやらさっぱりだったが、守り抜いてくれることを聞いたので、とりあえず言うままにした
そして到着した場所は……
綾香「え、えっと……?」
香「信じられないかもしれないけど、ここが獠の指定した場所なのよ……」
千束「多分、私たちの年齢じゃ入れない店ばかりですよね。」
ネオン煌めく新宿のゴールデン街である
周辺にある店は居酒屋や風俗店など、とても未成年の千束たちには似合わなさすぎる場所だった
たきな「行きましょう。」
香「千束ちゃんとたきなちゃんはあたしから離れないようにね? 2人はまだ未成年なんですからね。」
こんなゴールデン街で千束たちの身に何か起こってDAに問いただされるのは避けたいので、香は2人に自分から離れないよう忠告した
変なことが起きませんようにと、香は祈るばかりである
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〜志崎カンパニー〜
ナザロフ「よぉ、お前さんは飯食わなくていいのか?」
ロボ太「僕はこれで十分だ。」
ロボ太が飲んでいたのはゼリー飲料
素早く栄養補給ができ、ハッカーであるロボ太には欠かせないものだ
ナザロフ「おいおい、そんなもんじゃ身体に力入らねぇぜ? 俺の弁当の具材一つやるからよ〜。」
ロボ太「いや、いいって……」
ナザロフ「遠慮すんなって〜。」
ナザロフの押しに負け、ロボ太は箸で渡された煮物を一口貰う
逮捕以前でも、ちゃんと食べる食事は久々でロボットの被り物越しだったが、思わず表情が緩んだ
ロボ太「お前、敵なのに優しいんだな。」
ナザロフ「俺たちは仲間だろ? 少しは信用してくれよ。」
ロボ太「ナザロフだっけ? 何でこんな仕事してるんだ?」
ナザロフ「俺だって、誰かの言いなりになってまでスパイやりたくねぇよ。」
ロボ太「それじゃあ、どうして……」
ナザロフ「俺には俺の流儀があるんだよ、実力を認めて雇ってくれる主が居る、だったらそいつの命令を完遂するのが俺たち雇われ兵の使命なんじゃねぇのか?」
ロボ太「……お、おぉ、そうだな。」
チャラチャラした印象のナザロフから、かなり良い話を聞けてしまったなとロボ太は思った
ナザロフ「ロボ太、あの志崎は誰が狙いなのか分かるか?」
ロボ太「さぁ? 僕は依頼人のことは深く問い詰めないようにしてるんだ。」
ナザロフ「狙いは奴の娘を捕まえることなんだが、それともう一つ……ルパン三世とシティーハンターを排除することも企んでる。」
ロボ太「る、ルパン三世ってあの世界的な!? それにシティーハンターって確か新宿の……!」
ナザロフ「そうだ、それほどビッグネームの奴らを志崎は消そうとしてる、大量の殺し屋と傭兵を雇ってな。」
ロボ太「でも、何でそんなことを……」
ナザロフ「さぁな? 自分の職業柄、邪魔だと判断されたんだろ、それに志崎は多分それが初犯じゃないぜ。」
過去に志崎の周りでも、研究者が突然失踪するということは度々起きていた
だがそれは、全て志崎が証拠隠滅の為に裏切り者を排除していたからだった
ナザロフ「さ〜て仕事再開だ、行くぞロボ太!」
ロボ太「ぼ、僕に指図するな〜!」
出会ったばかりはデコボコな2人だったが、少しだけ距離の縮まったロボ太とナザロフなのであった
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〜警視庁〜
冴子「さて、皆が集めた情報を共有しようかしら。」
警視庁の捜査本部では、違法な実験を行なっているとされる志崎カンパニーへの捜査令状を作成すべく、証拠集めに奮闘していた
そして今、各刑事たちが集めた情報を共有しているところである
銭形「まずは俺から、志崎カンパニーで殺し屋が複数名雇われているという情報が入った。」
冴子「銭形警部、その殺し屋っていうのは?」
銭形「ベイリー兄妹、トンファー使いの黄、ナザロフ、そして先日警視庁から脱獄したロボ太の5人だ。」
冴子「5人……確かロボ太以外は、インターポールに国際手配されているはずよ。」
銭形「あぁ、いずれも狙った獲物は逃がさない凶悪犯ばかりだ。」
阿部「そんな奴らがここ日本に? 一体何で?」
銭形「それは間違いなく……ルパンの命を狙っているからだろうな。」
阿部「ルパン三世を?」
銭形「あぁ。」
冴子「警部、ターゲットはルパン三世の他にもう1人居るわ。」
銭形「な、何だと!? 誰だそれは!?」
冴子はある男の顔写真を、銭形たちに見せた
冴子「冴羽獠……新宿を拠点にしてるスイーパーよ。」
阿部「野上刑事、そりゃ一体何処情報で?」
冴子「獠本人から聞いたのよ。」
銭形「本人から……あの時の伝言板か。」
冴子「そう、彼とコンタクトを取る唯一の手段なの。」
ちなみに、冴子が仕入れた情報はほとんど獠ルートで調べたものだ
それが故に、もっこり99発分という借りができてしまうのだが……
冴子「とにかく、獠とルパン三世が危険よ、今すぐにでも保護しなくちゃ!」
銭形「分かった! 俺は今すぐルパンを……!」
阿部「銭形、ルパンの居場所は分かるのかよ……」
銭形「……き、近辺の聞き込みからだ! 野上刑事、一緒に来てくれ!」
冴子「分かったわ。」
命を狙われているルパンを捕えようと奮闘する銭形だったが、肝心の居場所が分からない
行くあてもない中、銭形は冴子を連れて東京の街へと繰り出すのだった
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イメージBGM
ゴーゴーヘブン
大沢誉志幸
(シティーハンター、後期OP)
獠「イェーイ! 獠ちゃんで〜す!! そして〜……!」
ルパン「ルパンで〜す!!」
香「あちゃ〜……」
千束&たきな「えぇっ……」
指定された店に獠は居たのだが……何故かルパンもおり、一緒に裸で盆踊りをしていた(大事なところはお盆で隠しているが)
この光景に千束とたきなは困惑し、背景にカラスが横切ったように感じた
香「こんの〜!! いい加減にせんか〜!!」
ルパン&獠「ぎゃああぁ〜!!?」
そして案の定、香の巨大100tハンマーに2人とも押し潰される
千束「ルパンさん、獠さん、こんなところで何してたの?」
獠「い、いや〜、ちょっとルパンとハシゴしてただけで……」
ルパン「つい悪ノリしちまってよ〜……」
たきな「悪ノリって……汚らわしいので今後は控えて下さい。」
ルパンと獠は正座させられ、千束たちからお説教をされている(ちなみに服はちゃんと着直した)
獠「なぁたきなちゃ〜ん、もう立ち上がってもいいかな〜?」
たきな「動かないでください、動いたら撃ちます。」
ルパン「俺たちの考えた作戦、聞きたくねぇのか〜?」
香「作戦? またろくでもないことじゃないでしょうね〜?」
綾香「その話、詳しく聞かせて下さい!」
ルパン「ヘヘッ、そう来なくっちゃな!」
獠「分かった、じゃあまずは……」
銭形「とうとう見つけたぞ〜! ルパン〜!!」
獠が話そうとしたその瞬間、店の扉を勢いよく開けて登場したのは銭形と冴子だった
お祭り騒ぎだった店内は一変し、空気がしんと静まり返る
ルパン「とっつあん!?」
銭形「ルパン、逮捕だ〜!!」
獠「な、何だ何だ!?」
冴子「獠、あなたもよ!!」
獠「ぎょぇぇ〜!?」
ルパンと獠はあっさりと手錠をかけられてしまい、そのままパトカーで連行されていってしまった
千束たちは、ただその様子を立ち尽くして見るしかなかった
香「ど、どうなってんだ、こりゃ……?」
たきな「……一旦、香さんの家に戻ります?」
綾香「あ、その前に私の家に寄っていいですか? お泊まりセット忘れちゃって……」
千束「良いですよ〜! 今日は香さん家でパジャマパーティーですからね!!」
こうして千束たちは綾香の家を経由してから、獠のマンションへ向かうことした
……謎の男につけられているとも知らずに