呪い、呪われ、覚り、覚られ   作:謎の通行人 δ

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一応二年生組との関わりもありはしましたが、そこまで深いものではなかったのでカットします。
乙骨君と里香ちゃんとは一悶着ありましたが、一話にするには短すぎるのでまたそのうちチョロっと出てきます。
あ、なんやかんやあって解呪は成功してます。


原作開始
一年生達


そんなおもしろおかしい高校生活はすぐに過ぎ去り、またそれなりの年数が経った。

覚中達は呪術高専を卒業し、もうアラサーの年齢となっていた。

 

そんな中、四人全員。四人全員が東京呪術高専にて何らかの役職につき、職員という形で働いていた。

結局覚中もなんやかんや言いつつ呪術師としての道を進み、五条、夏油と共に教鞭を振るうこととなった。

まあ正確には、呪術方面の指導は五条と夏油が、一般教養面の座学などは覚中が受け持つ形だ。

相変わらず覚中の等級は二級のまま。そして、今年の一年生三人は何かと問題が多いらしい。

 

一人は、元姓禪院の名を持つ、伏黒(ふしぐろ)(めぐみ)という少年。

親のいない状況だった幼い頃に五条が介入して支援し、高専に入学した。既に二級術師である。

一人は、釘崎(くぎさき)野薔薇(のばら)。地方から上京してきた女子生徒で、祖母から受け継いだ芻霊呪法の使い手。呪術師としての経験はあり。

そして最後…急遽入学が決定した、虎杖(いたどり)悠仁(ゆうじ)

かの特級呪物、両面宿儺の指を取り込み、宿儺を内に()()事になった器、というのが実情。

上から殺せ殺せと言われたが五条と夏油がまた介入し、死刑執行猶予をつけてもらったらしい。

 

つくづくまた上の腐り具合を目の当たりにしたなぁ、と溢していた。

 

あと、去年の四人もそうだったが呪術師っていうのは中々クセの強い人が多いらしい。

 

そんなある日。

 

「心音、今日近場で生徒達3人連れて任務行くんだけど、来れる?教師陣の紹介くらいしときたくってさ」

 

「あー、任務が入ってるから微妙かもなぁ。あ、でもそれも割と近場だから行けるっちゃいけるかも。場所送っといて」

 

「おっけー」

そんな感じで話をし。

肘辺りまで伸びた髪を少しいじっていた覚中は電話を切り、件の廃ビルを見据える。

彼女の目論見通り、二級であるが故にそこまで大変な任務は押し付けられず。楽々と祓える…はずだった。

 

「うっそだぁ…」

割り当てられた廃ビルの中は半分生得領域化しており、オフィスの椅子やら机やらよくわからないことが書かれた書類やらが辺り一面に散らばっており。

おそらくかなり強い呪霊がいるものと思われた。

 

「…ま、こういうところでも術式が使えるのは強みか。夜視(よみ)

そうつぶやいて術式を発動、敵の位置を見定める。

 

「んー…一体だけか。報告じゃ二級って言われてたけどこれ準一級が近いんじゃないかな」

私で良かった、とは言わない。

死ぬのは嫌だし、痛いのも嫌い。それでも呪術師となったのは、自分より年下、しかもまだ子ども位の子でも任務に駆り出され、死んでしまうことも多いと知ったから。

子供を守る事ができるのは、大人の特権だと思えたからだろう。

 

「出てきなよ、呪霊」

胸元のペンダントをいじり、呼ぶ。

が、呪霊は期を待っているのか出てこない。

 

「…来ないつもりかな。なら…」

約束もあるし早々に祓おうか、とつぶやいて自分の中で術式の効果を変質させる。

 

忌忌(きき)

その瞬間、覚中視界の端から呪霊が現れる。

術式順転と、術式反転。

覚中の術式は相手の心を読む術式だが、これはその逆…というか、感覚的には自分から命令する感覚に近いそう。

今のは姿を表すように指示しただけだが、一級に近い呪霊にも効果を発させている上、代償らしい代償も無いと来た。

 

「…出てきたね」

 

「───、─。」

 

「…うん、分かんないけど、()()()

聞くことはできなくとも()()()()()()

手足をバタつかせながら向かってくる呪霊に対して、覚中はペンダントに触れて構える。

 

「一級呪物…覚瞳(かくどう)!」

胸の瞳で見られた呪霊の周りに赤い目が大量に出現し、呪霊を一転に見つめ続ける。

と、呪霊の動きが止まり、少しずつ体が崩れて消えていく。

 

「…はぁ、なるほどね」

完全に生得領域が消え、ただのコンクリートのフロアとなったその部屋の中で覚中は呟いて覚瞳を服の中にしまう。

 

さっきの呪霊はここにあった会社に関与する呪霊だったらしい。

なかなかブラックだったらしく、それに対する負の感情が呪霊化したものだったようだ。

覚中は呪霊相手には覚瞳を使ってその負の感情を軽減させ、弱体化、もしくはそのまま祓除する戦い方を主体としていた。

素の身体能力は、相変わらずナメクジレベルだそうだ。

 

 

───

 

 

覚中が任務をこなしている間に、五条と夏油は伏黒と虎杖と共に三人目の一年生を迎えるため原宿にいた。

 

そして、3人の前にいるのはスカウトマンにスカウト()()()行っている女学生。彼女が釘崎である。

 

「これからあれに話しかけんの?ちょっと恥ずかしいなぁ」

 

「オメェもだよ」

パーティメガネをかけてクレープを手に持つ虎杖に伏黒が突っ込みつつ、五条が釘崎を呼ぶ。

 

「そんじゃ改めて、釘崎野薔薇。喜べ男子、紅一点よ」

 

「俺、虎杖悠仁。仙台から」

 

「伏黒恵」

自己紹介が終わるやいなや釘崎が二人の顔を見てため息をつく。心のなかで割と失礼なことを考えたいたりするが…

 

「というか五条先生に夏油先生、もう一人先生がいるって聞いてたんだけど」

 

「ん?あぁ、心音は任務。このあたりだからそのうち来ると思うよ」

虎杖の質問にカラッと五条が答えると、ん?と釘崎が反応する。

 

「一年3人に対して教師も三人いんの?」

 

「うん。呪術関連には僕達二人が全学年受け持ってるからね。一般科目には一人、覚中心音って人がつくよ。ちなみに僕たちの同期で傑の幼馴染」

 

「あー、あと二人と違って普通に常識人」

 

「待って伏黒君、サラッと私達ディスった?」

五条の言葉に続けて伏黒が言うと、関わりの長いはずの彼にディスられて最強コンビはちょっと焦る。

 

「ま、まぁまぁそっちは来てからのお楽しみってことで後にとっとこうか。それよりさ、せっかく一年が三人揃ってるんだよ、しかもそのうち二人はおのぼりさんときてる。行くでしょ!東 京 観 光 !」

その言葉に、虎杖と釘崎の二人が目を輝かせる。

伏黒は「あぁー、な」と言った風に目をそらす。

 

「TDL!TDL行きたい!!」

「馬っ鹿、TDLは千葉だろ!中華街にしよ先生!」

「中華街だって横浜だろ!」

「横浜は東京だろ!!」

横浜は神奈川である。

まあそれはさておき、五条は喉を鳴らして一喝する。

 

「静まれ、行き先を発表する」

二人が五条の前に片膝をついたのを確認して、五条はニヤリと笑って行き先を発表する。

横で夏油が首を振っている。

 

「六本木」

その言葉に二人が表情を明るく一変させたのも束の間、連れてこられたのはまたボロい廃ビルの前だった。

 

「いますね、呪い」

「嘘つきー!!」

「地方民を弄びやがって!」

三者三様の反応を耳に、うんうんとうなづく五条と全く…と眉間を抑える夏油。

 

「やっぱこういう場所って呪いとか多いの?」

継続して騒ぐ釘崎をよそに、比較的早く切り替えた虎杖は伏黒に問いかける。

 

「墓地とかじゃなくて墓地=怖いってイメージが呪いを生むんだよ」

「ちょっと待って、こいつそんなことも知らないの?」

「あぁ、実はな」

伏黒は、虎杖が宿儺の指を飲み込んでも自我を保てる、宿儺の器であることを説明した。

その瞬間釘崎の顔色がさっと変わる。

 

「キッショ!?衛生観念どうなってんの!?無理無理無理無理!!」

「んだと?」

「それに関しては同感」

割と間違ったことは言っていない。

呪物とかなんとか以前に、宿儺の指は屍蝋である。味は石鹸に近いらしいし、そもそものビジュアルが既にやばい。

そして、事情の説明を終えると五条が話し出す。

 

「さてさて、今日は顔合わせと実地テストのために来たんだ。悠仁と野薔薇でこのビルの呪霊を祓ってもらうよ、終わったらご飯にしようか。その頃には心音も到着するだろうし、その時にまた紹介するよ」

そう促され、二人が廃ビルに潜っていった数分後、覚中は合流した。

 

「あれ、一足遅かったか」

「おー心音ー。お疲れサマンサー!」

「悟、それもう死語だよ。心音、お疲れ様」

「覚中さん、お疲れ様です」

三者三様な反応を聞きつつ、覚中は廃ビルの方を見直す。

ちなみに、覚中は自分が先生呼びされるのに違和感を感じているため普通にさん付けとかで良いよ、と言ってある。

 

「いやー…まさか生得領域持ってる相手とは思わなくてちょっと手こずったのが駄目だったな。…奥の手の縛り使えばよかったかも?」

 

「やりすぎだよ」

サラッと言う覚中に夏油が頭をかきつつ答える。

そして奥の手とはそんな簡単に使うものではない。

 

「悠仁君と野薔薇さんはもう入った感じ?」

 

「何ならもうそろそろ出てくる感じだね。…お、」

と夏油が答えると上階の窓が割れて呪霊が飛び出す。

 

「祓います」

 

「待って」

伏黒が手で影を作ろうとしたのを覚中はやんわりと制す。

すると、いきなり呪霊の体を釘が食い破り、呪霊は断末魔を残して消え去った。

 

「…へー、芻霊呪法ってあんな流れなんだ」

 

「あんな流れって…何が見えたんですか」

 

「ん?あぁー呪力の繋がりとその変化の仕方だね」

 

「…覚中さん、本当に六眼持ってないんですよね?」

ふと零した声を伏黒に拾われ、答えるとサラッと人外扱いされた覚中。

横を見ると苦笑いする夏油とニヤニヤと笑う五条。

 

「…まぁ、本当に全部見えてるわけじゃないんだけどね。何となくこんなやり方で術式が使われてるんだなーっていうのは、感覚的に」

それだけでも「まじで言ってんのかこの人」みたいな目で見られたのだが、事実だからしょうがないのである。

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