呪い、呪われ、覚り、覚られ   作:謎の通行人 δ

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日間総合25位…?なにそれ…?
本当にありがとうございます。ですが、書き貯めを吐ききったのでまた貯めるためにちょっと休んできます。


誤字報告ありがとうございます。
できるだけ無いように努めていますが見つけ次第送ってください。


交流会

京都姉妹校交流会。

その教師陣の待機所に、五条と覚中、それに加えて京都校の引率、(いおり)歌姫(うたひめ)がいた。

 

「それで、話って?」

歌姫は五条の方に目を向けて聞く。

ここに集まる前、五条が「少し話がある」と珍しく真剣そうな顔で言ってきたからだ。

…正直な所、彼女的には五条のことは気に入らないのだが、実力は買っている。

 

「?なんでキレてんの?」

「別にキレてないけど」

「だよね。僕何もしてないし」

そんな事を言いながら、歌姫は青筋を浮かべる。

とりあえず生意気なのだ。

 

「…悟、本題。あと毎回言ってる気がするけど庵先輩年上だからね?」

 

「でも僕より弱いじゃん」

そうじゃない、と言いたげな覚中は小さくため息を付いて歌姫の方を向き、でも大事なことなので聞いてください、と付け加える。

 

「…高専に呪詛師、或いは呪霊と通じている奴がいる」

出されたお茶を少し飲み、五条は本題を切り出した。

それは何やかんやで信頼している歌姫にしか相談出来ない事で、人が少ないうちにできる相談だった。

それを聞いて、歌姫は目を見開いて驚きを顕にする。

 

「有り得ない!呪詛師ならまだしも呪霊!?」

基本的に呪霊というのは意思疎通が出来ない。

というかそもそも、呪霊と人間では脳の構造が物理的に違うのだ。

さらに、例えば宿儺の指を取り込んだ呪霊は特級相当だったが言葉は話せなかったように、ただ単に等級が高ければ話せるというわけでもなく、そんな芸当ができるとなると上澄みの中の本当に上澄みだろう。そんな異常事態を察したのか歌姫は五条の方を真剣に見る。

 

「そういうレベルのが最近ゴロゴロ出てきてんだよね。まぁ本人は呪詛師とだけ通じてるつもりかもしれないけどね」

現在把握しているだけでも少なくとも4体。

しかし、現時点でそれというだけでもしかしたら更にいる、もしくは増えるかも知れない。

 

「…それで、京都側の調査を歌姫に頼みたい」

そう真剣に切り出した五条に、歌姫は少し眉をひそめて咎めるように言う。

まあ当然違うのだが、そんな可能性も考えられるわけで、考え無しに頼んでるんじゃないでしょうね、と五条の方を訝しむように見るが…

 

「…私が内通者だったらどうすんの?」

「ないない。歌姫弱いし、そんな度胸もないでしょ」

根拠が完全に舐め腐っていたのもあり、五条が言い終わる前に歌姫は緊張していた空気もまとめて湯呑みごと投げつけた。

五条の無限に阻まれて湯呑みはお茶を散らして床に落ちたが、気迫はとんでもなかった。

 

「……怖っ。ヒスはモテないよ?」

「私の!方が!先輩なんだよ!!」

 

「悟、煽りすぎ。庵先輩も、もうこれは防ぎようがないのでできるだけ慣れて下さい…」

と、覚中はパシ、と後ろから五条の頭を叩き、歌姫を宥める。

恐らく、覚中は素で五条にダメージを与えられる唯一の存在だろう。

ちなみにどうやっているのかと言うと無下限呪術のオート発動にこちらから干渉し、反応しないようにして頭をひっぱたいている。尚気付かれるとオートではなく意識的に発動されて防がれるため、呪力は込められない。

まあ本人はそこまで意識的にしているわけではなく、曰く「なんとなく感覚で」だそう。

 

「それに…言い方は悪いですけど、その点においては庵先輩は白だと判断していました。悟も一応は信頼してるみたいですし」

 

「…なるほどね。…というか何でそんな、内通者がいるなんて分かったの?」

覚中の言葉に一度落ち着いたのか、椅子に座り直して今度は覚中の方に視線を飛ばす歌姫。が…

 

「!…それ、は………」

 

「心音、話したくないなら話さなくていいぞ。七海から事情は話してもらってるし。歌姫も、あんまりそこには触れないでやってよ。ただ、内通者がいるのはほぼ事実だ」

覚中が口籠ると五条が制す。

 

口籠るのも無理はない。

覚中がその事に気づいたのはヤツ…荘士の思考から取ってきたものだからだ。

乱れた呪力で無理やり読心操術を順転発動して彼の心を読んだ結果、高専側に内通者がおり、交流会の存在も流れていることが判明したのだ。

長い時間は使えなかったのもあり取得できた情報はそれだけだったが、逆にそれが分かればある程度の対策の取りようがあった。

相手の親玉の荘士というのが間違いなくヤツであることも掴めたのだ。

 

「そう…ごめんね、心音」

 

「…いえ、私情ですし、庵先輩のせいじゃないですよ。…私も色々と考えないといけないことですし」

敵陣営としてアレがいるということはいずれにせよ交戦は避けられない。

特級呪霊が4体ついている上にあの術式持ち、あの言いよう。何もしない訳がないだろう。

 

交流会のことが漏れているということは交流会中に乱入してくる可能性だってあり得るのだ。

と、

 

「何やら面白そうな話をしてるね」

 

「あ、冥さん」

こちらも覚中達の先輩に当たる冥冥がやってきた。当然だが偽名である。

五条も、歌姫に対しては舐め腐った態度を取っているが「強い」と判断している冥冥には多少は敬った態度を取っている。

 

「おや、二人しかいないのかい。君達は四人でいつも固まっているイメージがあったけれど」

 

「傑は任務です。硝子は交流会の生徒の治療のために別行動で」

覚中が答えると、なら夏油君は一人さみしく呪霊退治かい、と小さく笑いながら答える。

 

「まーまー、あいつも呪霊の中に友達でもいるんでしょ」

「いるわけないでしょ…」

何いってんだこいつと思いながら五条の方を一瞥する覚中。

 

「さて…そろそろ各校の作戦会議が終わる頃かな?となると学巌寺学長も来るかな」

 

「京都校の方はわざわざおじいちゃんから作戦言われるのかー、もっと生徒の自主性を重んじてほしいよね。まー保守派筆頭のおじいちゃんだから分かんなくもないけど」

 

「…作戦というか。まああらかた考えは読めるけど」

はぁ、と小さくため息を付いて覚中は呟く。

最初の顔合わせのときに見せた虎杖に対する目線や態度からの読み取った感情。

おそらく、交流会にカマかけて虎杖を殺そうとしているのであろうことは読み取れていた。

 

「それは僕も気付いてる。…でも、そんな簡単にやられるようにはしてないでしょ?」

 

「まあね」

五条に言われ、ふふ、と笑って頷く。

一週間だ。

虎杖には呪力操作のコツを教え、体術を磨かせ、伏黒と同じようにとまでは行かなくとも軽く相手の動きを予想する練習をさせてきた。

伏黒への特訓も順調で…というか当人の飲み込みがかなり早く、かなり加減しているとはいえ呪力で強化した覚中の動きを反応できるまではいかなくとも捉えられるまでは行った。

釘崎に対しては何もできていないが、そもそも彼女の戦闘スタイルが覚中と違いすぎるためアドバイスが難しい。二年生のパンダや真希の扱きを受けたらしいため、それなりに強くはなっているはずだ。

 

ちなみに順平についてだが、彼はまだ入学手続きができていないため今回の交流会は不参加である。

 

 

「…よし、そろそろ時間だね。んじゃ…『ハイ、開始一分前でーす。ではここで歌姫先生のありがたーい激励のお言葉をいただきまーす』」

 

『はぁ!?え、えーっと、あー…ある程度の怪我は仕方ないですけが、そのぉ…時々は助け合い的な?アレが…『時間でーす』』

 

「ちょっ、五条!!アンタねぇ」

 

『それでは、姉妹高校交流会スタァートォ!!!』

アナウンス側が完全にグッダグダな状態だが、そのままで京都姉妹校交流会が開始された。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ、学巌寺学長は?」

「そういえば来てないね」

 

「年寄を急かすでない」

 

「あ、やーっときた。まあおじいちゃんだからしょーがないっかぁ。お散歩はどうだった〜?」

 

「五条悟…!」

 

「悟…ヘイト売りすぎだよ…」

 

「…心音、大変そうね」

 

「ほんとそうですよ」

 

そんな会話があったとか無かったとか。

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