現時点でですけどこの小説、多分渋谷事変で原作終わります。
その後ちょこっと話が入って完結です。
たくさんの誤字報告ありがとうございます。ですが若干とはいえ内容を改変するような報告はやめていただけると幸いです。
「特級!?二年で!?」
「虎杖、うるさい」
グラウンドにて一、二年生が体術訓練をしている最中、一人の男子生徒が帰ってきていた。
周りは皆黒い制服ににも関わらず彼だけ白い制服を身にまとい、圧倒的な呪力を宿している。
二年生と伏黒は親しげに挨拶をし、虎杖と釘崎はハテナマークを頭の上に浮かばせる。
そんな中説明を受けた虎杖は驚愕をあらわにする。
「じゃあ改めて、乙骨憂太っていうよ。よろしく」
「憂太、
真希に言われて、勿論するよ、と返す乙骨。
それと同時。
「ひさ、ひざ久しぶり゙ィ゙ィ゙ィ゙!」
「うわ!?」
唐突に出現した白い異形に虎杖と釘崎は仰け反る。
それと同時。
「な、ななな゙ぁに゙ぃ…!!」
グオ、と異形は虎杖と釘崎、特に釘崎に向けて飛ぶ。が、
「はいはい久しぶり、リカちゃん」
ぱしん、と。
横から覚中が手を出してその異形の腕を取り、動きを止める。
「覚中さん、お久しぶりです」
「久しぶり、憂太君。傑は今日はいないから安心していいよ」
「そ、そうですか」
グイグイと腕を引っ張って異形、特級過呪怨霊の折本里香…改め「リカ」を乙骨の方に持っていく覚中。というかいつの間にか25%解放である。というかそれで呪力量で言えばギリ負け
「ん?夏油先生は今日はいるんじゃないんですか?」
「いや、色々あって悟と任務を代わってもらってるんだよ」
伏黒が疑問を浮かべたが覚中が答える。
なんというか…色々とあって乙骨、というよりは乙骨とリカの二人と相性が悪いのだ。
いやまあ10:0で夏油が悪かったのだが、そのせいでちょっと乙骨にも「信頼はされているが好まれてはいない」状態になっている。
「色々…」
「聞かねえほうが良いぞ」
「しゃけしゃけ」
「そーだな」
「まあ…夏油先生のイメージが崩れちゃうかも」
呟く虎杖に二年生全員(乙骨含む)から「やめとけ」が飛んだ。
「何したんだ夏油先生…」
「一見まともそうに見えて十分やらかしてるからな、あの人も」
その場にいない間にこの言われようである。
ちなみにだが何をやらかしたかと言うと、去年乙骨が五条の推薦で高専に入学したときのこと、まだ制御しきれていない状態の「折本里香」が顕現したのを見て一言、「欲しいな」と呟いていたのを聞かれていたのだ。聞かれていたのに気づくと開き直って「ちょっとだけ!本当にちょっとだけ、先っぽだけでいいから!」と言い始め、五条と覚中にひっぱたかれていた。折本里香からは完全に敵認定されかけたが、覚中が説得してなんとか敵ではなく味方の中でも嫌いな奴、止まりとなった。
また、乙骨の…というか折本里香の術式は「コピー」なのだが、そんな彼に対して一度、「ちょっと呪霊操術コピーしてみて」と迫ったりしていたのもあって当人からも避けられ気味なのである。
「お、憂太じゃん、やっと一段落付いたの?」
「五条先生。はい、何とか」
「今度からは大変そうなら僕とか傑にも任務投げるといいよ。まだ学生なんだから、しっかり楽しまないと」
と、校舎から五条が出てきた。
この男もなんでもないようにしているが、さっきまで昨日の反動で寝ており完全に乙骨が帰ってくるのを忘れていた民である。
「五条先生がまともなこと言ってる…」
「悟、酒でも飲んでんのか」
「五条先生調子悪いんですか?」
「いくら、ツナマヨ」
「君たち今日の課題三倍ね」
教え子たちからの流れるような悪態に子どものような反応をする五条。酒を飲んでいたのは正解だが。と、そこに覚中が加わった。
「昨日…というか今日の早朝まで先輩の家で騒ぎ散らかして寝坊するほうが悪いでしょ」
帰ってきてすぐ寝たし、と責めるようにジト目を向けると顔を背けられる。
「それ正論?僕正論嫌いなんだけど」
「正論どころか一般論だよ」
そしてこの調子である。
まあここまでは良かった。いや良いと言えるのか微妙な方でるが、まだマシであった。ここまでは…
「………」
「いや、私の方をそんなに見られても困るというか」
誤算だったのは想像以上に
そこから1時間もする間もなく
「げ、夏油先生、」
視界に入った、今帰ってきた夏油に乙骨が若干引きつった笑みを浮かべながら挨拶をすると同時に、
「はいはいリカちゃん落ち着いて。何かあったらこっちで適当にシバいとくから」
「ホントに嫌われてんな…何したんだ夏油先生…」
ボソ、とそんな事を呟く虎杖がいたり、無視無視行くぞー、と乙骨を連れて校舎に戻っていく真希がいたりしたがそれどころではないようで、
「流石にこれからは自重はするから、ね?」「これからは、って何さ」「いや…まあ言葉の綾と言うか」「信用できないよ、それ」「なんでさ」「自分の胸に聞いてみると良いよ」「……………さぁ?」「ガッツリ心当たりあったね、おい目をそらさない」
とそんな応酬をする幼馴染二人がいたとかなんとか。
「そしたらその時の伏黒、マジで死んでんじゃねーのって思ったぐらいボロッボロで!」
「目開いたときめっちゃホッとしたわ」
「しょうがねぇだろ一人で特級相手だぞ!?」
「いやでもその年でもう領域を使えるっていうだけでもすごいんだよ。ボクが同い年の頃はそもそも里香ちゃんが言うことすら聞いてくれなくて大変だったし…」
教室内、乙骨の前で既に仲良くなったらしい虎杖達一年生達が先日あった八十八橋の呪霊祓除の任務の話をしていると、乙骨が若干遠い目をしながら反応した。
「…ちょっと思ってたんすけど、乙骨先輩のその…リカちゃん?って何者なんスか?」
「あー、うん、実を言うとね…」
と、昔を思い出すように乙骨は話し始めた。
事の起こり…昔病院で一緒にいた友達であった折本里香という少女の話から、交通事故によって起こったバグのような縛り、それによってその身に憑依させることになった、全くの突発的に暴れ出す特級過呪怨霊、「折本里香」の話まで。
「うぇっ、マジで?」
「まじまじ、大マジだよ」
釘崎の素の反応にもアハハ、と笑って乙骨は応えた。
「それで、なんだけどね。そこまでは里香ちゃんが僕に呪いをかけたんだと思ってたんだ。でも実際は違って、僕が里香ちゃんに呪いをかけてたことがわかったんだ。それに気付くきっかけをくれたのが、覚中さんだったんだ」
曰く。
覚中はその二人の関係に逸早く疑問を抱いて真相に若干気づき気味ではあったらしいのだが、あえて本人に教えるようなことはせずに、人が過呪怨霊となる条件やその双方向に干渉する縛りについてなど、遠回しにヒントを出しながら他でもない乙骨自身に気付かせるようにしたのだと言う。
ちなみに、その裏で覚中は五条に別に直接言ってやっても良いと思うんだけど、とか言われていたらしいが、これは本人が気づかないと意味がない事だから、と突き通したらしい。
あと、会って二週間経つ頃には既に確信していたらしい。早い。
「そう考えると覚中さんいろんな方面にアドバイスとかしてるよな。俺も体術とか教わってるし」
「俺も。正直相手の動きの予備動作見ての行動予測とかフィクションだと思ってた。教えるの上手いし教師向きだよな」
「え゙っ、あんたらそんな事してたの…」
虎杖と伏黒の言葉に対して、何も知らないの私だけ?という風に釘崎が反応する。
まあ本来覚中は普通教科担当であり、体術、術式訓練は五条や夏油がついているわけで、頼まれない限り覚中が動くことはそうないため当たり前といえば当たり前なのだが。
「まぁ補習分野的なやつだな。でも正直、覚中さんのやつは先読みと言うか攻撃を当てる、攻撃を躱すことに重点を置いた物だから釘崎の芻霊呪法とはちょっと相容れにくそうだがな」
そんなに接触すること無さげだし、と伏黒は付け足す。
そこである。いくら一発で芻霊呪法の呪力の流れを観測できた覚中でも芻霊呪法の強化方法なんて知らないし、そもそも遠距離系の戦闘スタイルではないため相性が少し悪い。
「ふーん…まあそういうもんか」
そんな話をしながら四人は談笑したりしていた。
本作の里香ちゃんの置き土産の「リカ」は顕現だけならいつでもできますし、原作よりちょっと強化されています。
まあその理由は…完全な私のただの考察になってしまうんですが、生前呪いに転じても里香ちゃんは「一緒にいたいから周りの人を排除する」と同時に「いじめられやすい乙骨くんを守ってあげたい」という考えが強かったんだと思ってます。
でも原作の0の夏油さんとのガチバトルで「これなら一緒にいなくてもちゃんとやっていけるね」と判断されて、でも完全に離れるのは嫌だったからああいうナーフされた置き土産の「リカ」を付けて成仏したんだと勝手に解釈してます。
なので本作ではそういうバトルがなかったため、そこら辺の縛りが緩くなってます。
呪力量も本体よりは減ってはいても十二分にありますし、顕現だけなら自由、完全顕現時間と術式も多分原作より長く使えると思います。