速攻で羂索さんが倒されて呪霊陣営壊滅してるので、ナナミンや釘崎も含めて沢山の人が生き残ってます。
沢山の人は。
あと余談でミミナナはどうしたと言われそうですが、彼女らは夏油が家でお留守番を命じてます。九割九分九厘地獄絵図になると判断して、です。そもそも高専に入学すらさせてません。過保護げとさんパパ。
白に包まれた世界の中で、獄門疆に捕まっていたはずの五条が体を動かす。すると、獄門疆は砂のように崩れて粉々になった。
「な…!?」
「うっわやべーこれ。想像以上にえげつねーな…術式使えなくなってるし」
手を握り直しながら言いながら足元に目を向けると、ゆっくりと起き上がる夏油が。
肚の傷はとうに癒えきっていた。
「いったた…流石に堪えたよ…?」
「しくってんじゃねーぞ傑クゥン?」
「ハハ…コレに関しては本当に面目ないね」
「センセー達、大丈夫なの?」
「問題ないよ、離れていな」
そんなやり取りをしている最中、羂索は動揺に塗れていた。
獄門疆は特級呪物だ。
術師然り呪霊然り呪物然り、特級と名の付くものは何らかの特殊な事情がある。
特級呪物というのは人の破壊し得ない呪物に付けられる階級。つまり、破壊できないとされていた呪物が、今目の前で崩壊したのだ。
「問題ないさ。さて…
と、目をかっ開いて漏瑚と真人のいる方にぐりん、と首を向けた五条。同時に、その2体の特級呪霊は破裂して消失する。
「は…!?何が…!!」
羂索にとって漏瑚はともかく真人は絶対に祓われてはいけない存在だった。
五条を封印した後に始める予定だった死滅回遊、そのキーパーソンとなるのが真人の術式、無為転変だからだ。
「…へぇ、受肉体はここでも生きれるのか」
「それを言うなら虎杖君も受肉体だよ」
「確かに、そりゃ死なれちゃ困るね。悠仁にも僕に並ぶ位の術師になってもらわないと困るんだから」
そんな軽口を叩いていると、領域が閉じて視界が完全に元に戻る。
「虎杖、悠仁……」
「…悠仁。彼、頼める?僕と傑は…あいつを取っちめないといけなくてね」
「!…うっす!!」
バッ、と別れて虎杖は脹相に、五条と夏油は羂索に向かう。
「さあ、第三ラウンドだ。とは言っても…」
五条の目は不自然なほど見開かれ、獰猛な笑みを浮かばせる。
その隣で夏油も細い目が少し開いて口角が限界まで上がる。
「「もう勝敗は見えてるけどね…!!」」
無敵達のその声が力強く響く。
バッ、と先に飛び出したのは五条。
羂索の懐まで一瞬で飛び入って上に蹴り上げる。
「術式反転、赫」
そして目の前で赫を炸裂させ、更に上へ、上へ。地上の地面をぶち抜いて空中に放り出す。
もう術式が回復したのか…!と歯噛みしながら羂索は宙を舞う。
「ここなら思い切り暴れられるんだよ」
更に赫と蒼を駆使しながらの五条の凄まじい連撃をその体に叩き込まれ、羂索は防御側に回り込まされた。
呪霊容術を駆使して何とかダメージを最小限に抑えようとするが…
「後ろがガラ空きだよ」
エイのような呪霊に乗った夏油。
前では五条がピストルのような形に手を変えており、後ろでは夏油が中指を弾く形に手を整えている。
「(嘘だろ!?)」
普通、何かを挟むにしても味方と対面で技を撃ち合うなど御法度も御法度、仲間割れ行為も甚だしい。
対面の相手に当たるかもしれないのだ。しかし、二人は…
「「術式反転」」
迷わず撃ち出す。
空中の姿勢から何とか身を反らしてその一撃を躱すが、目の前に現れるのは大きく口を開いたサメのような呪霊。
「忘れたのかい?私の術式は呪霊操術だよ?」
実を言うと完全に失念していた。
呪霊操術の術式反転というとんでもない物を見せられたせいで、呪霊操術の本質が頭から抜けていた。
ガチン!と咬合されて左腕が持っていかれる。更に上からの鈍い衝撃で地面に叩き落された。
クソ…と考え直して急いで腕を再生させて胸の前で印を結ぶ。
「領域展開───
「……お、っと」
中心に悍ましいオブジェが立った瞬間、周囲が結界で閉じない領域に入れられる。
この領域の術式効果は、重力。二人に対して術式を行使して地面に押しつぶそうとした……のだが。
「何っ…!」
どちらも動じない。
夏油はまだ分かった。あの構えは落花の情だ。アレなら領域の押し合いをせずに防御ができる反面、この領域内では継続して発される術式効果に耐えられなくなるだろう。
しかし、五条は…?何の構えもせず、あまつさえ反撃に転じようとしている。
何故…と思ったその時だ。
五条がニヤリ、と笑う。
「領域、展延」
「何だと…!?」
さっき見たばかりのはずの領域展延を、その身でやってみせたのだ。
展延中は生得術式が使えないが、逆にその間は、相手のいかなる生得術式の効果も受けない。
そのまま五条は突っ込み、大ぶりに右腕を振り抜き…と見せかけて左腕で相手の首を狙い、そのまま足を払って転がせて蹴り飛ばす。
これでは領域にこだわりすぎて逆に五条に殺されると判断した羂索は領域を解く。
次はどんな手で攻めて来る…と思っていた…が。
五条が少し声を漏らし、夏油に何かのサインをした。それを見て一度夏油は羂索から離れる。
「何を…」
なにかあるに違いないが何があるかがわからない。
その瞬間。
大きく一つ拍動の音が聞こえ、身体が言うことを聞かなくなった。
「っ!!」
身体への命令が聞かないくせして意識だけが妙にはっきりとしてくる。
視界の奥には、赤い瞳でじっとその姿を見つめる覚中がいた。少し、目が充血している。
しかし、呪力は練れる。
少し離れた所で五条が嘲笑いながら羂索に声をかける。
「動けねーだろ。ほらちゃんと受け止めろよ?」
彼がすっ、と一歩後ろにずれるとその隣に夏油も並ぶ。
「
ガタガタガタ、と周囲のビル群の窓ガラスが悲鳴を上げ始め、街路樹が葉でバサバサと激しく拍手を鳴らし始めた。
その詠唱は、蒼と赫を顕現させて茈へと繋ぐもの。しかしただのソレではない。
まだ顕現すらさせていないと言うのに、とてつもない呪力の出力がその瞬間周囲を襲った。
その中で…
「術式、反転…!!」
こちらもギリギリと身体に悲鳴を上げさせながら夏油が己の呪力を捻出していた。
しかし、今回ぶつけるのはただの術式反転ではない。
現在彼が所持している
「ぐ…!!呪霊容術…極の番…!!キメラ…!!」
羂索は手持ちの呪霊を極の番、それも防御方面に全て費やす。
身代わりもできない、回避もできない。
ならば死なないように硬度を、その体の不死性を上げるのみ。
元より不死性は高い術式だ、更に現在彼が取り込んでいる呪霊は数万を下らない。その呪霊を全て防御と体の再生に注ぎ込む。
羂索の目論見では、今所持している呪霊全てを防御につぎ込めば五条の茈と夏油のうずまきや術式反転、その全てを同時にぶつけられても問題なく耐えうる自信があった。
しかし、その目論見は甘かった。
「悪いな、友人の頼みなんだ。塵も残さず終わらせてやるよ。辞世の句なんか言わせねえぞ」
「悪いね、親友の頼みなんだ。屑も残さず終わらせてあげよう。最後の言葉は地獄で吐くといい」
「
五条の前に赫と蒼の術式が現れる。そして、その真ん中に存在しないはずの色が現れた。
五条家相伝の術式、無下限呪術には赫と蒼と茈しか存在しなかったはずなのに、そこに現れた術式は左右の赫と蒼を取り込んでいき、光を消していく。
「呪霊操術、極の番…!!」
夏油の頭上で、
その場で押さえつけられた呪力は勢いを殺すことなくその場で蠢き、呪いの意識の残穢をその場で体現し続ける。
「虚構【
「反、うずまき…!」
一瞬。ほんの一瞬その世界から音が、色が、光が、消え去った。
五条の目の前の小さな小さな黒い球体が黎い火花を散り、と散らして消失し、夏油の頭上のどす黒い呪力が静かに空に撃ち出されて消えた。
次の瞬間。
「ごぁぁああがっ!?」
羂索の、荘士のその体を漆黒の光が食い破った。更に空から振ってきた呪力の塊は幾万の呪霊の意思を体現し、ありとあらゆる物を食らいつくさんとその身に襲いかかった。
オーバーキルもオーバーキル。
キメラを全力で使っているにも関わらず、その極大出力の二つの奥義は荘士、及び羂索の身の生体情報を一片も残さず完全にこの世から消し去ってしまった。
同時に渋谷の一部の地面をかなり大規模に抉り取り、地下道を数十メートルにも渡って崩落させるに至った。
数瞬遅れてきた爆発音はそれだけで建物と共鳴し、それとほぼ同時。
渋谷一帯に降ろされていた帳が弾け飛ぶように上がった。
オリ技達↓
拡張術式【黃】
無限が存在する場合、その場から動かなくなる。
その場における情報が膨大すぎて物質すら無量空所状態になる感じ。着想は8話、「術式」の覚中さんの発言。
頭の中である程度のイメージは立てられてるけど説明が難しい…
虚構【黎】
簡単に言うと、茈は仮想質量を押し出す技だが、そこに黃を混ぜて「その場から動かない縛り」を設けて威力を底上げする技。
呪詞も使ってるから実質無制限茈より強い。
ここまで来ると押し出す仮想質量、って言うよりは特定座標に出現するブラックホール、とかの方が正しげ。
本来はその場に生成する自爆技にしようか迷ったけど、やっぱ羂索相手位には五条さんには無傷勝利してほしかったのと、自爆すると原作の無制限茈とさして変わらない事になるからこうなった。
反うずまき
術式反転で生み出された呪力をうずまきにねじ込んだ技。平常出力でもバカ火力だけどそれよりバカになる。
おまけに術式抽出を放棄する縛りを使ってるのでもうやばい。0の純愛砲とタメ張れそう。何なら普通に勝てそう。所持呪霊増えてるし。