呪い、呪われ、覚り、覚られ   作:謎の通行人 δ

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思いついたので挿入しました。
あと、もしかしたらこういうのがまたあるかもしれないので、サブタイトルの番号を消しておきます。


術式

「悟の無下限呪術ってどうなってるの?」

呪術高専のグラウンドにて、術式の訓練をしている時ふと覚中は隣で継続した無限の発生をやっている五条に聞いた。

 

他二人はわかりやすいのだ。

夏油の呪霊操術は呪霊を取り込む→取り込んだ呪霊を使役できる。

家入の反転術式は反転した呪力を流し込む→治癒治療ができる。

だが、五条は?

無限を作り出す、としか伝えられていないがゆえに、正直あまり意味がわからない。

まあ当人としては「自分の術式に応用できる部分とか無いかなー」というふうにしか考えていなかったのだが…

 

「あー?そうだな、俺の術式は無限をこの世界に顕現させる術式っつーか。ずっと俺の周りに()()()()()を出すことで俺に触れなくしたり、無限の内側…無下限っていう『負の自然数』みたいになった物を作り出すの。マイナス一個のリンゴみたいな。で、それが収束して引っ張る力になったのが『蒼』で、逆に発散して弾く力になったのが『赫』って感じ」

 

「…?…??」

が、言われた方が訳分からなくなった。

むかげん?ふのしぜんすう…?まいなすいっこのりんご……???となって結局宇宙を背負う羽目になった。

まあ、当人も半分くらい感覚でやってそうなものだが。

 

「まあまあ、悟の術式を理解するのは無理だよ。どうせ悟も半分感覚だろ?」

 

「否定はしねーけど」

と、隣で筋トレをしていた夏油に言われてツーンとそっぽを向く五条。当たっているらしい。

 

「じ、じゃあ茈ってのは?」

うーんと思いながら覚中は追加で聞いた。

何で普通の術式も理解できないのにそれを発展させた術式を聞きにかかるのかと夏油に言われたが、気になったから、で済ます。それで良いのか…

 

「余計意味分かんなくなりそうだけどな…簡単に言うと仮想の質量ってやつ?引っ張る力と弾き飛ばす力が合わさってその場でものすごいエネルギーが発生して、実在しない無限の質量が生まれてんの」

 

「うん、ダメだね意味わかんない」

 

「だろうね」

残念ながら意味が分からなかった。無論横にいる夏油は、完全に無視しているし、家入はそっと離脱している。

 

「まあアレ相伝の技だし、仕組みは俺も詳しくは知らね。使えてりゃ良いでしよ」

 

「…うんそうだね」

結局考えるのを放棄した覚中である。

結果論結果論、使えれば良いんだ、うん、と難しいことは頭の隅っこに寄せ固めておく事にした。

 

「でもさ、赤と青で紫って結構単純だよね、ネーミング。どうせなら黄色も作って黒でも作ってみたら?」

 

「出来るかよ」

大体黄色って何だと言う五条。

 

「あれ、違うかったっけ、赤と青と黄色で黒になるの」

 

「…いやそこは間違ってねーけど。あのなぁ、」

と、五条は説明を続ける。

無下限呪術における『蒼』『赫』『茈』は相伝の技と言われるものであり、ずっと前から伝えられてきた技であること。

そして無下限呪術に限らず相伝の術式というのは例に漏れず強いのだが、術式の仕組みそのものがとてつもなく難しく、技を作り出すということだけでも並の術式と比べても難易度が跳ね上がること。

そして無下限呪術は六眼がないとまともに扱うことが難しいが、六眼自体が珍しくその二つを抱き合わせて生まれてくるのは100年に一度とか何とか言われるくらいで。そのため受け継いだ技自体が少なく、技がそこまで発展しきっていないこと。

 

「ほえー…そんなもんなんだ」

 

「そう考えると心音の術式は割と単純だよな。発展がさせやすい分基盤が割と緩いみたいだし、こりゃ領域使うのもムズそうだ」

 

「…?何で?」

カチャ、とサングラスを傾けながら五条が言う。

と、唐突にでてきた領域の話題にハテナマークを頭の上に出す覚中。

それには夏油が答えた。

 

「領域展開を使うには主に4つの条件があるんだ。一つは生得術式を所持していて扱えていること、心音で言う読心操術、私で言う呪霊操術みたいなやつだね。で、二つ目は領域を維持させるための莫大な呪力を一気に押し出せること、でなきゃ領域は広げられない。三つ目は結界術に精通していること、領域を展開するにあたって結界で領域を閉じないといけないからね。んで四つ目、自分の生得術式をよく理解していること、何ができて何ができないのかをよく理解して、自分の術式の解釈を広げる必要があるんだ」

だから、私は呪霊を取り込んで使役することしかできないから解釈を広げることができなくて領域が使えない、と付け加えた。

 

「なるほど、できることが多いとそのできることを全部把握してないと領域を使えないから難しいってわけか」

 

「正解」

なるほどねー、と言いながらふんふんと考え、よし、と考えを纏めた。

 

「ならまず目標は術式の解釈だ!」

 

「その前に心音は反転術式覚えとけよ」

が、真ん前から五条に呆れたように言われた。ド正論である。

覚中は継戦能力はあれど瞬発的な戦闘能力を持たないため、しょっちゅう怪我をして家入に治してもらっているのだ。三人の中で等級も低いとはいえ並よりも怪我の頻度は高い。

五条には「一回死にかけたら使えるようになるっしょー」と言われたのだが、流石に喉元と足と頭を犠牲にするのはキツい。

というかそこまでやられてよく生きてたな、とは今でも思う。

 

「俺も傑も覚えてんだから使えるようになっとけよー」

 

「…おっしゃる通りで」

しかし反転術式は感覚を掴むのが難しく、それくらい窮地に追い込まれなければ発現させることすら難しい高等技術というのもまた事実。

しかしそれを使えるようになればその応用、術式反転のステップに進めるようになるのだという。

 

「道は長いね」

 

「何を今更」

やれやれ、というように夏油が肩をすくめる。

と、五条がサングラスを傾けたまま、少し怪訝そうな顔をした。

 

「にしてもだけどさ、心音ってホントに心読んで、ちょっと操って、しかできねーの?」

 

「?うん」

 

「…そ」

 

「いや待って何何」

なにか思わしげに応えた五条。だが、そこから話を続ける気はないらしく、再度聞いてみても「知ーらね」と言われて終わってしまった。

 

「気になる所で止めるなぁ…」

 

「まあまあ、悟にも考えはあるんだろう。それより、心音は反転術式がどうのこうのもそうだけど、そもそもまず体力をつけるところからじゃないかい?」

 

「それはそうだね…」

気分を切り替えて覚中は夏油の方に向き直す。

後ろの方で少し鋭い目つきで五条が覚中の方を見ていたのには、気付かなかった。

 

ちなみにこの後家入の所に反転術式を教えてもらいに行って、一週間で身につけてきていたりした。

当人曰く、「たしかにこれひゅーっひょいだ」と言っていた。

五条と夏油の二人には呆れられた。




書き溜め中ですので続きはもうしばしお待ち下さい…
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