ープロローグー
長い間、暗い所を歩いているとこの先も暗い過去ばかりだと思ってしまう。それはまるで星明かりも月明かりもなく、街頭もない暗い街を歩くように…。どれだけ手を伸ばそうとも…それは決して届かない。
人間という物は何かを欲しがる生き物だ。金、欲望、名誉…しかし俺が欲しい物はそんなものでは無い。俺が欲しい物は…
『自由』だ。
この冷たくそして外の世界から隔離されたこの地には決して届かない。鉄格子から一生懸命手を伸ばしてもそれは目の前にある絶望を再確認するものだ。まるで無いものを得るように…。俺はその希望という光を求めている。
これは俺の物語だ。何もかも失った俺が失った何かを取り戻すための物語だ。
ー第1章、脱出ー
ー?ー
コツコツ…
提督「…」
ギィィ…
天龍「飯だ」バシャ!
提督「…」
天龍「とっととくたばるんだな」スタスタ…
俺は3年間、この檻の中にいる。そもそも着任当初からあまりいい反応ではなかった。俺の言うことを聞かず、反応にも冷たかった。それでも頑張って接してきたが、艦娘の逆鱗に触れてこの檻に閉じ込められた。
提督「…足が動かなくなってきたか…」
3年間も動かなければ、足は動かなくなってくる。黒田官兵衛もかつては有岡城に閉じ込められた際、助けられた時にはもう足が動かなくなっていた。
提督「まだ…ここで死ぬ訳には…いかねえ…」
弱った体で鉄格子を開けるのは無理がある。俺はその辺の物で脱出を試した。
提督「…これで…脱出を…」←ヤスリ
提督「…ここまで艦娘にバレないように削って来たんだ…」ザスッ…ザスッ…
ー2時間後ー
バキッ!ギィィ…
提督「よし…開いた」
長く閉ざされた重き門が開いた。鉄格子は錆びていたので簡単に開くことが出来た。
提督「…くっ…まだ…死ぬ訳には…」スッ←ドライバー
提督「…まだ少しばかり歩けるか…」
提督「…これを杖にして…」←木の棒
ー地下牢、地下3階ー
提督「…くっ…やっとドアに…」
?「…」
赤城「提督…?」
加賀「提督…なの?」
提督「赤城…加賀…」バタッ!
赤城「提督!しっかりしてください!」
加賀「まずいわ!赤城さん!何か食べ物はありますか!」
赤城「えっ…おにぎりが…」
加賀「貸してください!」バッ!
赤城「あっ?!」
加賀「どうぞ…少しですが…」
赤城「わ…私のおにぎり…」( ᵒ̴̶̷̥́ ^ ᵒ̴̶̷̣̥̀ )
提督「…ありがとう…」
加賀「赤城さん、包帯をください」
赤城「…はい…」グズッ…
ー5分後ー
提督「…なぜ、お前らは…」
赤城「ここの見張りです。でも…」
加賀「私は提督を尊敬してます。私達は提督の艦娘ですから…」
提督「…ありがとう…」
赤城「私が背負います」よいしょ…
加賀「ここを脱出しましょう」
ー地下牢、地下2階ー
赤城「…提督、大丈夫ですか?」
提督「…ああ…」
?「…誰かいるんですか?」
?2「何をしてるんですか?」
赤城「?!」
加賀「…吹雪、白雪…」
吹雪「加賀さん?」
白雪「て…司令官!!」ダッ!
吹雪「大丈夫ですか!」
提督「…お前らは…俺を捕まえないのか…」
吹雪「私は司令官の初期艦ですよ!」
白雪「司令官はここまで育ててくれたじゃないですか!」
吹雪「白雪ちゃん!何か…」
提督「いい…それより…何か音がする」
コツコツ…
大淀「…なにしてるんですか?こんな所で」
吹雪「お…大淀さん…」
大淀「…!」
提督「…」
大淀「なんで、檻の中の犬が出てるんですか?」
提督「…」
白雪「大淀さん!その言い方は…」
大淀「そうですか…なら死んでもらうしかありませんね!」←短刀
加賀「?!」
赤城「…戦うしかないですね…」
大淀「死ね!!」ダッ!
赤城「来ます!」
加賀「はあ!!」ゲジっ!!
大淀「きゃあ?!」チリンチリン…←ドス飛び
吹雪「没収です!!」
大淀「よ…よくも…」
赤城「…」ガシッ!
大淀「なんですか?」
赤城「大淀さん、あなたは人の痛みを知った方がいいと思います」←拳
大淀「えっ…」
ドガッ!!ドガッ!!ドガッ!!ドガッ!!ドガッ!!
赤城「…」
吹雪「…」ガクガク…
白雪「…」ブルブル…
大淀「」←顔面から流血
加賀「…派手にやりましたね…」
赤城「行きますよ。早く脱出しましょう」
加賀「隠さなくていいんですか?」
赤城「そう時間が経たないうちにバレます。なら一刻もここを去るべきです」
加賀「…そうね」
ー地下1階ー
吹雪「ここを出れば地上です」
白雪「司令官、もう少しです」
赤城「…?!待ってください」
加賀「…そこにいるのは誰?姿を見せなさい」←弓構え
?「…」
?2「…」
響「…響だよ」
金剛「金剛デース」
吹雪「こ…金剛さん…」
金剛「ん?どうしたデース?」
提督「…?!テートク!!」ダッ!
響「司令官!」
金剛「大丈夫デスカ?!」
響「金剛、揺らしちゃダメだ!」
提督「…お前らは俺を殺さないのか…」
金剛「当たり前デース!」
響「司令官、無事でよかった…(無事と言っていいか分からないけど…)」
金剛「赤城、提督を助けてくれてThank youネ」
赤城「はい…しかし、すぐに病院に連れていかなければ…」
響「私が知っている抜け道を教えようか?」
さて…ここから先、提督はどのようにして脱出していくのか…。