三匹の蛇   作:休肝婆

16 / 41

 アランはリチャードがよこすようになった新聞に、ラクランの置いて行っている新聞を重ねる。
 端にのりをぬって、ぴったり貼り合わせた。
 写真が蠢くのには注意が必要だが、わかりきってちっとも変化のない自分たちの行く末より、孫の生きる世界のほうが、アランにとってはとっくのとうによっぽど大事になっていた。

「ゴホッゴホ」
 咳き込んで、ウィスキーのかわりにしぶしぶオルガンを治した教会でもらったワインを煽る。まだ若い味で、ものたりない。赤い液体が髭を伝って首元を濡らした。
 教会のオルガンを直すのはアランのもつ仕事のひとつだ。不協和音に塗れるので、良い気分になるものではなかったが、良い仕事と言えるだろう。カトリックのだって直してきたし、もちろんプロテスタントともかかわってきた。宗教の他にも、さまざまな事情から自分の生まれる前の世代からずっと続く動乱。世界大戦で下火になっても、戦後経済回復がままならないまま西ドイツや日本に追い抜かれる有様で、徐々に存在感を増してきている。

 だが――
 アランは乾いた笑い声を漏らして、のりで一体となった紙面をピシャリと弾く。その点、この新聞は酒の肴にうってつけだ。
 魔法界の賑やかな新聞――このところ凄惨な記事が載ることも増えたが――をみていると、マグル社会の混乱の影など、魔法界にいさえすればラクランに及ぶことはまずないだろうと思える。大陸のことも、アメリカのことも、アフリカのことも書いてあるくせ、"アルスター"についてなんて一文字も踊らない。
 
「アランじい、邪魔するぞ〜、オイ、どうした?」
「ハァア、またお前か」
「そういうあんたは、また酒か」
 リチャードの声に、アランは新聞をかき集めて束ね、深々とため息を吐く。部屋に入ってきて窓越しの青白い曇り空に照らされたリチャードは顔色が悪く、頬を赤く腫らしていた。

「どうした?薬物中毒者にでも襲われたか」
「そうじゃないよ、我が家の逆鱗に触れてね」
ライ麦パンを差し出してくるリチャードに椅子をすすめて、ワインを注いでやる。リチャードはすこし苦い顔をしたが、今は飲みたいらしく、黙ってグラスに手を伸ばした。
「アニーはアイリッシュだったか?」
「そうだ。彼女の友人がカトリックでね、先の爆破で亡くなったと知らせが入って...。その前に総選挙にむけて不用意なことを言ってたもんで、ついでに殴られてしまったんだ......」
「総選挙?決まり切った茶番だろう。お前にも文句をいう権利はあるぞ」
「そうは言っても家族なんだ。痛みは分かち合ってやらなくちゃ」
 労働党のキャラハンはなにもできなかった。となれば次の首相はあのミルク泥棒のサッチャーになることは既定路線。そうなりゃどの枝を切り落とすかなんて、どっちから日が昇るかくらいわかりきった話だ。ジョークくらいいってもいいはずだが......まあ、リチャードのそういうところが円満な家族を作っているんだろう。アランは何も言わないことにした。
「ま、飲め。罪は洗い流される」
「おあつらえむきにパンもあるしな」
 リチャードも、深いため息をついて肩をそびやかした。

 ラクランが生まれた頃から表面化し、ひどい状況が続いている北アイルランドの紛糾は、75年にアイルランド憲政協議会が失敗してこっち、いまだどちらも勝てない紛争が続いている。
 犠牲になるのは市民ばかりで、お偉い政治家どもはシークレットサービスとやりとり。最近はリビアのほうから武器輸送を〜なんて話もあるらしい。市民の望みからはとっくにかけ離れ、戦いは続く。デモに向かって発砲された憎しみと、言葉がもはやなんの意味も持たないというショッキングな気づきで始まった紛争なのだから、今更政府が無理やり紛争や主張を犯罪化したところで止まらない。お互いが許し合うには傷があまりに深すぎる。
 いや、話はこれに限らない。傷は負った当人にとって燃えるような氷のような、筆舌尽くしがたい痛みで、当事者以外は決して理解できない苦しみだ。
 誰も彼もがそんな傷を負うのを嫌がって、誰も彼もが他の人の痛みをわかってやることはできない。それこそ神の子によって、罪が贖われでもしない限り。

 リチャードと、今一度グラスをチンと鳴らして、ワインを煽る。改めて味わうと初物のワインのせいで、鮮やかな色ではあるが相変わらず味が若すぎる。リチャードは目をぱちくりとしてから、顔をしかめた。
「ちくしょう、口の端の傷のせいで鉄の味しかしねえや」
「足りなかったということだろう」
 アランはもう一杯、並々とワインを注いだ。



1978〜1979
三匹の蛇 16


 

 やつやとした石畳の、ときおり飛びでた石に注意しつつ、エバンの軽い足取りに従って歩く。道ゆく人の目は少し緊張でこわばっているものの、新学期に向けた和やかな買い物シーズンの雰囲気漂うダイアゴン横丁の通りから、徐々に遠ざかっていた。

「おい、そっちはノクターン横丁だ」

「入ったことないか?」

「僕は顔を見られるとまずい」

「......これでも被ってるかい?」

 ラクランは自分の肩掛けに突っ込んであったハンチング帽を後ろを歩くバーティにわしゃっと被せた。

「マグルっぽい......」

「ないよりいいでしょうが!」

 

 藁くず、割れたガラス、鳥の羽。ダイアゴン横丁より薄暗いくせ、埃でどことなく白っぽいノクターン横丁は、一歩踏み出すごとになにか嫌な音がザリッと靴の下で鳴る。こり、となにか小動物の骨を踏んで、ラクランは思わず前を歩くエバンのローブを引っ張った。

「おい!引っ張るな。ついたぞ、ボージン・アンド・バークスだ」

 薄暗く、愛想のよいランプなどどこにもない黒っぽい建物に、たしかにボージン・アンド・バークスと書かれている。格子に埃のたまったガラスごしに、大小様々な道具が所狭しと並べられているのが見えた。

「やたらめったら触って壊すなよ、ここはドケチだ」

「おやおや!」

 息を呑んで振り返ると、あまり綺麗とは言えない身なりの縮毛の男がいた。慇懃に胸に手を当てお辞儀する。

 一緒になって固まっていたエバンが、ひとつ咳払いして顎をつんと上げ進出る。

「やあボージン。久しぶりだな」

「こりゃまたお若い客人だ......失礼だがロジエール家の?」

「左様」

 左様だって!ラクランは目だけ動かしてバーティを見た。バーティも片眉を上げている。それを少しだけ鼻で笑ったら、エバンの脇からドンと肘が繰り出された。こりゃ見事なノールックエルボーだ。

「おたくの親戚筋から預かってるものはご本人がいらっしゃらないとお渡しできませんが」

「もちろん、今日は友人と売り物を見にきただけだ」

「ほほ、左様でございますか......でどんな品物を?」

 役者のように優雅に腕を広げて見せるボージンに反して、その指の先でゴトンとミイラの頭が落ちた。お店の品物はそれほどボージンに従っていないらしい。魔法界の店の品物は、たいていそんなものだが。

 今度は奥の方でパリンと何かが割れる音。

「おっと!こりゃいけね」

「勝手に見させてもらうぞ」

 

 肩をすくめてギシリと床板を軋ませながら歩く。いくつも戸棚がならぶ角まで来て、エバンを肘でこづいてみた。

「何を探すんだ?」

「鏡さ、二人とも鏡を探すんだ。とくに古びてるやつがいいな」

「鏡?」

「その古道具にかかってる魔法が面白いんだよ、昔流行ったらしいからきっとあるはずだ。それを見たい」

「わかった、とにかく鏡だな」

 早口に囁きあって、今度は三つに分かれる。干からびた手、爪がいっぱい入った瓶、おかしな望遠鏡、悪趣味な拷問器具。どれも埃をかぶっている。鏡はあんまりないなあ、これは......?

「おっとぼっちゃん!そりゃ触っちゃいけませんぞ。えらいことになる」

 後ろから声がかかってまたラクランは飛び上がった。ラクランが手を伸ばしていたケースの向こうには、キラキラとした大ぶりな石のネックレス。複雑に反射するのが、鏡に見えたのだけど、違ったらしい。

「オパールの呪いのネックレス。不幸な事故が必要な時にどうぞ」

「い、今は結構です」

 本当にやばい代物らしい。ラクランは精一杯口角を上げて返事して、手汗をさっとぬぐった。

 

「ミスター、これは?」

 奥の方からバーティが声をあげた。バーティの姿はすっかりかくれていて、手だけがぴらぴらとガラクタの山の向こうからのぞいていた。

「おー!お目が高い!こちらは敵鏡!お部屋に置いてもなーんら心配のない素晴らしい調度品です。ただ......」

 ボージンをおっかけていけば、二人はなにやらヴェールに覆われたひらたいものを手で指している。

「ただ?」

 バーティは言いながら、すばやくヴェールを落とした。ラクランも顔をよせてみるが、モヤと自分の顔が見えるだけの、古びた鏡だ。

「今はただの鏡ですが、所有者の敵が近づくと、鏡が映すのは鏡の前の人物ではなくなり、はっきりとした敵対者の姿になる!」

「敵意を抱いているものの顔じゃなく?一般的にはそっちの方が多い」

「接近も知らせてくれるのがこいつのいいとこです!」

「ほお」

 興味を惹かれたらしいエバンが鏡を覗き込もうとすると、とたんにボージンが背中で鏡を塞いだ。そっか、今の所有者はこの男。この食えない商人も弱みは晒したくないらしい。

「ふむ。正確らしいな、どんな魔法で探知してるんだ?」

「私はしがない古物商ですから、仕組みまではとんと......」

 エバンはラクランに目配せして、ぐるりと目を回してみせた。そこへ、腕組みを解いたバーティが口を開く。

 

「買えば、所有権はきちんと移りますか?」

「はい、もちろんです」

「......買おう。ただし、所有権が移らなかった場合、同額で買い取っていただくという契約付きで.......おいくらですか?」

「ざっと100ガリオン!」

「100?......こんなに埃を被って錆も放置しているのに?鏡としては20ガリオンでもぼり過ぎだ」

 鏡のさびきった足を中指の爪でチリチリと鳴らして、エバンが悪い笑みを浮かべた。

「ロジエールのぼっちゃん...で、ですがこれは敵を探知できるのですぞ!」

「たしかに面白い魔法です。しかし実用的ではない。あなたは呪文飛び交う戦場でこの鏡をかかえて睨めっこしながら歩くのか?30ガリオンなら買いましょう」

「ええい、わかりましたよ、50ガリオン!これでどうだ!」

「よろしい......ああ、契約書に"所有権が移らない場合同額で買い取る"旨も」

 契約書をよく見ようとバーティが身を乗り出す。そこで、ボージンの羽ペンが止まった。

 

「その顔......クラウチの倅だな?」

「そうだが」

「ハ!魔法法執行部局長のご子息がノクターン横丁へおいでとは!これはこれは」

 途端にご機嫌にニタニタし始めたボージンに、ラクランはつい後ずさろうとしたが、後ろでまっすぐ立つエバンにぶつかって止められた。バーティも一歩も下がらず、邪魔くさそうにハンチング帽を脱ぐ。

「僕がここにいて何の問題が?」

「お父上は我々を取り締まっておられるのに、その息子が!」

「ほう?闇払いのお世話になるような闇の品々を、今、未成年と知りながら僕に売りつけたと?」

「敵鏡は闇の道具じゃございません!多少闇の魔法は入っとるはずですけども......」

「闇の魔法が入ってるだって?仕組みは知らないと言ったのに!」

 指を指して反論するラクランに、ボージンがさらに狼狽えてまごつく。

 その間にバーティがさっとサインを終えて、ボージンの胸に契約書を押し付ける。目配せに頷いてラクランとエバンは鏡を担いだ。

「30ガリオンだと?待て!クラウチを呼ぶぞ!」

「父上は、こんなところには来ない」

 

「いや〜痛快だった!いい買い物になったな?」

「まあな。ホグワーツについてからもっと解析が必要だが、本来は70ガリオンはくだらない品だろう」

「クラウチ家の御曹司ともあろうお方がなあ」

「家とは関係ない。これは僕が必要だから買ったものだ」

「俺たちが、だろうが」

 笑い声とともに漏れ鍋へかけこみ、ラクランの寝泊まりする細いベッドにどすんと鏡を置いて、埃をはらってからじっくり検分する。

 バーティがボージンへ吐いた捨て台詞が少しひっかかっていたけれど、ノクターン横丁への冒険を完了した高揚感で、頬が熱っていた。

「管理が杜撰で、呪文にも綻びが生じているようだが。お前の嗅覚も悪くない」

「へへ、おれは恨みをもつ奴を感知する鏡のことを考えたけど、掘り出し物があったな」

「これ使って何するんだい?」

「わかってねえなあ、いいか?このデカ鏡は敵意を持つ存在、危機の接近を感知して写す。この鏡にかかってる呪文をひもといて、破れぬ誓いの印に埋め込むことができれば、危険が迫っていることを察知して、印を通して伝達できる」

 

 ベッドを鏡に譲ったので、ラクランはカーペットの上に座ってエバンの講義にコクリとうなずいた。

「闇の印は焼けるように痛むようだが、あれはあの方が呼び出したい時押すものだ。そういう行動を取れない時や本人が気づいていない時でも、伝達が可能になる」

「そりゃすごい。でも伝達はどうするの?鏡を割ってルーンで繋げる?」

「いや、闇の印はおれの見立てでは変幻自在呪文で一個を変化させれば全部が変化する仕組みだ」

 ラクランはちょっと目を細めてバーティを見た。それから、ベッドのうえの鏡を触る。

「この鏡は敵の接近、つまり鏡がいつどこにあって、敵がいつどこにいるかわかる......どこへ助けにいけば良いかも?」

「うまくいけば、そうなるな。レデュシオ!」

「えー!!お預けかよ!」

「購入者は僕だ。それに、漏れ鍋のトムは部屋の掃除で魔法の解析なんて使わないだろ。破れぬ誓いは古い魔法だからどうとでもなるが、高度な魔法じゃ魔法省にばれてしまう」

 カラリと言ってのけるバーティに、ラクランとエバンはむっすりと腕を組むほかなかった。

 

 

 

 れぬ誓いを結んだからと言って、わかりやすくなにかが変わるわけでもない。ラクランはこれまで通り監督生をこなしながら、夏のお日様で一気に伸びた魔法植物の採取を手伝い、朝練終わりに家の前の湖で拾った石を研磨して、ルーンを刻んでみんなに送る石を作った。

 このところ破れぬ誓いにかける魔法の研究にバーティは没頭していて、おそくにアソル・ブローズを要求されることもしばしばだ。没頭したい気持ちはわかるから、放っておいた。

 

「それで、破れぬ誓いの印のほうはどうだ?」

「おれはあんまり」

「あいつは?」

 勢い込んで部屋へやってきて、前髪がふわふわと浮いているエバンに少し身を引きつつ、ラクランはぴっちり閉められているバーティのベッドのカーテンをあごでさした。

「昨日区切りのいいとこまで行ったらしくて、今は寝てるよ」

「チッ腕に入れる大事なタトゥーだろ??」

「大袈裟だよ、魔法でじゅっとやるだけだろ」

「お前特製の安らぎの水薬経皮タイプを腕に塗ってな!」

 去年O.W.L.試験にむけて散々作った水薬を、内服ではなく経皮で、塗った箇所の感覚を眠らせるかたちにしてみたのだ。暴れ柳と自分の腕で、既に効果は実証済み。

「それで?君のデザイン案は?おれに聞いてきたってことは、あるんだろ」

「へへ、みて驚け?こんな感じだ!」

 

 エバンがベストの胸ポケットから、切り取った羊皮紙を取り出した。エンブレムの形としては三角形で、立体的な線にからみついて蛇が三匹、お互いの尾を呑むように配置されている。真ん中にはX。三角形に沿ってズラズラと古代ルーン文字がかかれている。かなりストレートで、ちょっと恥ずかしい気もするデザインだ。

「どうだ?いいだろ」

「う、うん、真ん中のルーンとか、端的に意味がわかっていいと思う」

 いいだろ、と聞かれたらそう返す他はない。ラクランは視線をきょときょとと揺るがせて一応返答した。

「でもそうだな、わかりやすすぎるとこはよくないかも」

「なんだと?」

「考えてもみろ、おれたちはずいぶん長くつるんでる。うちの寮出身や、家族がデスイーターの人は多い」

 ラクランはそっと、まだまっさらな自分の右腕を押さえた。

「何かの拍子に見つかったとき、何かしら特別な魔法をほどこした印だってすぐバレちゃマズイ。ウロボロスに魔法数字で重要な三角、ルーン文字。あんまりいい印象じゃないな」

「おいおい、おれはカムフラージュのために全身タトゥーまみれにするのはごめんだぜ」

「それはわかってるよ、でもただの友情の証として入れてるように見えるのがいいと思うんだ。もし呪文に必要ならゲーボは極力小さく、中心点の目印かなってくらいに小さくして...」

 軽く杖を振って羊皮紙をカットし、羽根ペンを青色インクに浸して下書きしてみる。

「これも悪くないけど、ルーンが少ないと隙間が多くて寂しいぜ」

「ううん...」

 

 ラクランは頭をくしゃくしゃとやって、窓の外を見た。黒い湖の水中にあるスリザリン寮の窓の外では、いつでもコークティクスがゆらゆらと輝き、水生生物が気ままに漂っている。

 以前は随分気楽だった。まだわずかに夏の気配を残す強い光に目を細める。

 夏休みにクラウチ邸の湖畔で、泳いだり箒で飛んだりしながら、大騒ぎしたっけな。ふいに、思い出が瑞々しく蘇ってきた。

「星!星にしよう」

 身を屈めてエバンの手元の羊皮紙を覗き込み、ちょうど小さなゲーボ(X)の空白に一つずつ入るように、星印を書き入れてみる。斜線で立体感でもつければ、かなりいい感じだ。

「なんで星?」

「レギュラスだよ、レギュラスが昔、みんなを星に例えてた。レギュラスはレグルス、アークトゥルスだろ?おれはなんだっけ......バーティはカノープスって言ってた気がする。そういえば、君はあのとき寝てたな」

 ふーん、とエバンが訝しげに顎を触って、ラクランを睨み上げるように見つめてきた。

「レギュラスもこれに入れる気か?今のあいつじゃ、"私は遠慮しておくよ"とでも言いそうだけどな」

「学生時代の思い出として、彼を表すタトゥーを入れる了承くらいは取れるだろう。ただの星印だし」

 星印に、カノープス、レグルス、と軽く飾り文字を下書きしてみる。

「エバンはなにがいい?」

「決まってんだろ、戦いを表す星!火星!」

「はは、急に太陽系かよ。おれはなにがいいかなあ」

 下書きにマーズと書き加えて、杖をヒョイと振って図案のほうに飾り文字を移動させた。エバンの満更でもなさそうな顔を見届けて、立ちあがろうとしたところで、がしっと手首を捕まえられた。

 

「もう一度聞くぞ。お前、破れぬ誓いにレギュラスも加えようってんじゃないよな」

「それは無理だってわかってるよ。でも友達に変わりはない。それなら友好の印にくらい入っていてもいいだろ?だから確認をとりに――」

「嘘だろう?」

 音を立てて椅子を引き、エバンが立ち上がる。カーテンのむこうのベッドから、バーティの呻き声がした。

「エバン、しずかに」

「いいや。あいつの家はブラック家で、あいつはほぼ次期当主確定、すでにあのお方に忠誠を誓い、お前の出自にまつわる記憶を全て消した、デスイーター。お前は、少なくともマグル育ち、悪くすればマグル生まれだ!」

「わかってる、わかってるさ」

「わかってない!」

 目の前で人差し指をブンブン振られ怒鳴られるのがいやで、ラクランは手を突き出したが、すぐさま両手首とも絡め取られて、鋭い目で睨み上げられた。

「お前は狩りの対象で、あいつは狩る側なんだ...!」

「......わかってるよ。でも今の状況も本当なら、友達だったのも変わらない、本当のことだろう?」

 

「おれをどうにか生かそうとしてくれてありがとう。もちろん、二人に誓ってもらった破れぬ誓いをそうそうに破る気なんてない。でもさ、おれはレギュラスも友達だったし、まだ友達だと思ってるんだ。だから、せめてうちの石くらい渡せたらって......」

「マグルの爺さんの家を、教える気か!?」

 ポンポン落ち着かせようと肩を叩きながら行ってみたが、ついに胸ぐらを掴まれる。

 シャッ!と勢いよくカーテンが開いて、バーティが吠えた。

「うるさいぞエバン・ロジエール!」

「バーティ!聞けよ、こいつが!」

「うぅ......とにかく声を抑えろ、頭に響く......」

 

 裸足で歩いてきた真っ黒なクマを目の下にこさえたバーティが哀れで、椅子を差し出しつつ、杖を一振りしてミルクを温めていた小鍋を呼び寄せる。

 ハチミツをひとさじすくって、マグに注いだホットミルクにクルッとひと回しして突っ込む。ふわふわと手元へ渡ったマグを両手で受け取ったバーティは、青白い顔で抱えこむようにして飲んだ。

「ふぅ......安全性はともかく。僕はいざという時お前の家に行ける石があったとして、それで助かるほどデスイーターはぬるい組織じゃないと思うが。君の心がそれで少し軽くなるなら、やればいいさ」

 ごめんと絞り出そうと息を吸ったところで、バーティはスンと顔から表情をなくして、背筋を正した。

 

「やるのは勝手だが、いいか?たとえそれが徒労に終わっても僕たちを恨むなよ。あくまで、勝手に頑張ったのは君なんだから」

「ああ......わかってる」

 また、おれにはなにもできやしないと暗に言われてる。いっそ、デスイーターに参加でもすればいいかもしれない。ミスター・スネイプのように、この場の誰よりも闇の魔術に傾倒して......。

 今度は、ラクランが背を丸めた。

 

 目を瞑れば、柔らかな陽射しに、冬の星々のように朝露が瞬いて、ほのかに命の気配を見せるヒースが見える。その終わり、あらあらしい岩壁にじいちゃんの横顔を思い出す。

 一方で、しゃがんで土に指を差し込めば、魔力で満たされて甘い香りを放つ、温かい腐葉土が爪にはいりこんでくる。風に乗って聞こえてくる魔法生物たちのざわめきは、もはやないと寂しいくらいだ。

 この世界をこんなに自由に歩けているのは、この友人たちがいたからこそ。その友人たちと、道を共にできないのは不甲斐なくて仕方がない。

 けれど、けれどどうしても。闇の魔術の好む、圧倒的な力や、死という存在への探求、争い、破壊、攻撃。そういうことのほうへ、杖が向いてくれないのだ。

 ラクランは奥歯を噛み締めて、杖でトントン膝を叩く。杖先から幾度か火の粉が散ったが、すぐに消えた。

 

 

 

 い湖にだって日は差し込む。どんなに深くまで潜っても、朝から逃れることはできない。

 監督生が気乗りしないから授業をサボる、というわけにも行かず、重い足取りで授業へ向かったラクランを迎えたのは、有頂天と呼んでいいだろうハイテンションのスラグホーンだった。

「やあ!来たね、今日は楽しみにしているよ」

「先生?おはようございます。ずいぶんご機嫌ですね」

「夏休みの前、素晴らしいプレゼントをもらったからね」

 ぱちり、と赤ら顔でウィンクされたのを受け流し、視線をおうと小さな小鉢に美しい魚が泳いでいるのを見つけた。この教授が魔法薬の材料にならないものを教卓に置くだなんて珍しい。よっぽど気に入ったのだろう。

「たしかに、美しいプレゼントですね」

 ひとこといって、ラクランはそそくさと席へついた。

 

「フクロウ試験で優秀な成績を収めた諸君、おめでとう!ご想像のとおり、上級魔法薬はより難解に、そして危険になる。一年生のような失敗がこの一年、起こらないことを祈るよ」

 茶目っけたっぷりに言われても、実際上級魔法薬の教科書はレベルが高い。予習した限り、見たこともなない材料も多かった。けれどラクランは好成績をおさめて、きちんとスラグホーン先生に紹介状を書いてもらえなければこの先路頭に迷ってしまうのだ。チラリと隣に座るバーティをみてから、ラクランはさらに背筋を伸ばした。

 

「今までの授業と違うところに気づいた人は?」

「先生、この周りにある魔法薬はアモルテンシアですか?」

 女子が目をらんらんと輝かせて質問する。

「オー!そのとおり、レイブンクローに10点!残念ながら譲ることはできないよ、危険だからね。

 ほかにもこれまでより格段に強力で、貴重、それに危険な魔法薬をみんなに見せようと思っていくつか煎じておいた。ほかの魔法薬がなんだかわかる人はいるかな?」

 ひとつにつき10点も加点がもらえるのだ。大小様々な鍋をみんなが覗き込む。

 スッとバーティが手を挙げた。

「右端の、ぼこぼこと泡立って粘度のある魔法薬はポリジュース薬だと思います」

「その通り!スリザリンに10点。頭髪や爪など、変身する相手の一部をこれに加えてのめば、瓜二つな外見になれてしまう恐ろしい薬だ......ジョークで使うには時間がかかりすぎる」

 たしか声は真似できないんだよなー、とバーティとコッソリ囁き合う。有用な魔法薬だから、だれか併用可能な声帯模写薬も作っていたって良さそうだけど。

 

「他には?」

「はい先生、真ん中の綺麗な小鍋。見たところ煙にも液体にも匂いや色がありません。真実薬だと思います」

「正解だラクラン!スリザリンに10点!これも途方もない時間がかかるが、わずか一滴で聞かれたことをどんな犯罪者もベラベラと白状する。もし知己に使うなら、友情が壊れる覚悟が必要だ」

「ご経験が?」

 言ってしまってから、ラクランはしまった!と口を塞いだけれど、スラグホーンは肩をそびやかしてうなずいた。

「実は昔に使われそうになったことがある」

「その、お気の毒に......」

「気にすることはない!人生経験は我々教師が自信を持って教えられる数少ないことだからね」

 陽気さに少し影を落としたけれど、スラグホーン先生は苦く笑ってながしてくれた。

「それじゃ、おれは自分で飲む以外、使わないことにします」

「若いうちは、そうしたほうがいいだろう。しかしラクラン、疑われること、そして疑われて困ったり傷ついたりする体験は...年を重ねれば慣れるものだ。あまり良いことではないけれどね」

 

「さて!最後の薬はどうかな?スリザリンにこれ以上点をあげると寮監の贔屓だとマクゴナガル先生に文句を言われてしまうんだが...どうかね?」

 あとひとつ。スラグホーン先生が見せびらかすのは美しい金色の液体だ。思い当たるのは一つ。本当にあれだろうか?

 バーティとラクランはうずうずとしながらも、チクリと注意されたので懸命に黙る。結局、他寮の誰も見当がつかないようだった。

 

「他にいないようだ。点はやれんが、では一番にわかったようだったバーティ。これは?」

「幸運の液体、フェリックス・フェリシスです。毒性が強いですが、服用したものに幸運をもたらす薬です」

「その通り!」

 一気に教室にどよめきが広がる。それを満足そうに受け止める先生に、ハッフルパフ生が待ちきれないとばかり立ち上がってきいた。

「先生、先生は使ったことがあるんですか?」

「実は――ある」

 今度は驚嘆の声が沸き起こり、スラグホーン先生は顔から一度失せた赤みを徐々に取り戻していった。

「といっても一度だけだ。バーティが言った通り毒性が強く、常用は危険だからね。使ったのは24歳のときだったが、全てがありえないほど成功した一日で、今でも鮮明に覚えているよ」

 夢でも見るような口調でうっとりと語ったスラグホーン先生はゆっくりと目をあけ、せわしく左手をローブのポケットにつっこみ、一度とまって、わざとらしく生徒を見渡した。

「今日の実習の褒美として、提供しよう――」

 

 教室がしんと静まり返り、みんなの目線がスラグホーン先生のポケットに注がれる。

 もったいぶった動きで、先生は親指ほどの小さな瓶を取り出した。みんなの期待通り、金色の液体が揺れている。

「約12時間、幸運を体験するには十分な量のフェリックス・フェリシスだ。

課題は、上級魔法薬の10ページに載っている『生ける屍の水薬』。これを最も上手く煎じた者に進呈しよう。さあ、調合をはじめて!」

 

 10ページをめくる時間が惜しいとばかり、皆勢いよく教科書を開いた。今すぐ勝者になって飲みたい!といわんばかりの勢いだ。

 対してラクランは、魔法薬として興味はあったけれど、いざそれが手にはいる可能性があるとなると、とたんに足がすくんでしまった。

 幸運になるって、そもそも幸運であるってなんなんだろう?みんな今すぐ幸運になりたい!と言わんばかりだけど、副作用は?あるいは、飲んで何も起こらないなんてことは?

 とにかくいい成績を収めなければ、と頭では分かっていても、フェリックス・フェリシスそのものへの漠然とした不安がいっきに立ち込めて前に進めない。

 隣でバーティが立ち上がって、ついラクランは眉を下げて見上げた。バーティもおおよそ思考を把握したのか、少し屈んで囁いてくる。

「この薬が危険を回避するのに役立つかは分かり切らないけど、調合に半年かかる魔法薬をタダで試すのは悪くない。違うかい?」

 まだあまり気乗りしないが、バーティのいうことはもっともだ。これが命を救えるなら、今後調合する意味もある。

 予習は済ませてあるから、教科書を熟読する必要はない。ラクランは気合を入れて立ち上がった。

 

 ニガヨモギやカノコソウは危険がないからさっと刻んでしまう。それから少しアスフォデルの粉末にさわってみて、ラクランはフムと手をとめた。

 これらの材料は安いし、その辺で栽培できるものだ。催眠豆とナマケモノの脳みそが少し割り高だけれど、ダイアゴン横丁の薬草問屋で見かけたことがある。今日見せられた薬のなかだと、ポリジュース薬なんかは材料の入手で躓く内容だったが、これは違う。

 安らぎの水薬も、一度にたくさん飲みすぎると体内で水分が吸収され濃度を増し、おそろしい効果を発揮するために監督生として厳密な管理が必要だった。では、こっちの水薬は?

 やらない後悔より、やって後悔するべきだ。それに論理的思考に基づく失敗を、スラグホーン先生がひどく扱ったことはない。

 バーティが手早くニガヨモギを煎じていくのを横目に、ラクランはアスフォデルの粉末をドラゴン革の手袋の上にあけ、金網にのせてあぶり始めた。

 

「ラクラン!?一体何をしているんだね?」

 ちょうど通りかかったスラグホーン先生が素っ頓狂な声をあげて、ラクランも頬をかく。

「すみません、すこし湿気っているようだったので。アスフォデルは食べると有毒ですが、煙は無毒です」

「私の準備した材料が湿気っていると?」

「先生の管理は徹底されてると思いますよ。でもこの教室はいろんな薬品の湯気でいっぱいですから、持ってくる間にも吸収してるかも」

 本当は卵みたいにナマケモノの脳みそもサイズや水分量を知るべきだけど、教科書からじゃ"正しい"数値はわからない。粉末はすくなくとも、きちんと乾燥してる前提のはずだ。それに、行ける屍の水薬の開発者は腐ったハーポ。イギリスよりは暖かく乾燥した地域だ。

「先生、アスフォデルと火との相性は馬鹿にできません。ギリシャでは山火事の灰のなかから生き返る不死の花と言われているくらいです。一番出来のいいものを目指すのがこの実験の目的ですよね?ならば意義ある試行錯誤だと僕は思います」

 バーティの援護射撃のおかげで、無事に水分を飛ばしきるまで火にかけさせてもらえることになった。ラクランはお礼にあぶっていた粉末をバーティに譲って、自分の分をまた火にかけた。

 

 ラクランが二回目の粉末をあぶっている間に、周りは催眠豆をきざみはじめたらしい。ぬめってそこらじゅうで勢いよくはねている。

「おれの袋を使うかい?」

 さっき助けてもらったお礼に、ルーンを刻む石をあつめては入れていた麻袋をとりだして、バーティに提供した。

「これでなんになるんだ?」

「氷を割る時だって、タオルでくるんでハンマーで殴るでしょ?摩擦を増やして、物が逃げるのをふせげばいいのさ」

「君の袋ごと切るわけにはいかないな」

「君は魔法使いだと思っていたけれど?」

 バーティが肩をすくめたので、まだ使っていないラクランの大鍋に袋ごといれて、ディフィンドをかけてみた。幸い爆発などはしなかったけれど、麻袋のなかで細切れになった催眠豆は袋に小さなしみを作った程度だった。

「おかしいな、全然汁が出ない」

「細切れはまずかった?ジューサーにでもかけてみるべきか?」

「アクシオしなくても、ここにあるものでどうにかなる」

 杖をふり上げたラクランを止めて、バーティは細切れになった催眠豆を教室にころがっていた小鍋にいれて、もうひとまわり小さい小鍋をかさね、ぎゅっと圧迫した。するとどうだ、一体どこからこんなに?という量の汁があふれてくるじゃないか!

「やったな!これで一番乗りだ」

 いっきに12粒分の催眠豆を絞れて、ずいぶん時間を稼いだ。なにせ、周りはまだ4、5粒の催眠豆をいらいらと刻んでいる。焦りのあまり豆を刻むより先にナマケモノの脳みそまで先に火にかけてしまった生徒たちの魔法薬は、すでに煮たたせすぎておかしな色になっていた。

 湯気が上がっているということは、それだけ水が蒸気となって逃げて行っているということ。マグルの科学をちょっとでも勉強していれば自然とこのへんの理解は進むのにな。

 

 大鍋にまずニガヨモギ、そしてカラカラになったアスフォデルの球根の粉末を加え、二度攪拌。次にナマケモノの脳みそ、そしてたっぷり絞れた催眠豆の汁。

 手早く加えていったところで、ラクランは以前教科書を下読みしたとき、自分が予習で線を引いた箇所に行き当たった。

「ああそうだった、このへんなとこ。水が澄むまで、反時計回りってやつ」

 ひとまず指示通り何度かかき混ぜてみるけれど、やっぱりおかしい。

「どうした?」

「同じ方にだけまぜてると渦巻きができて、水とうまくまざらないでしょ?ほら、底のほうの粉も脳みそもうまく溶けてない。お湯自体が回っちゃうんだ。澄んだ色になるってことは、空気をふくませて泡が出るようじゃダメなんだろうけど、だからって反時計周りにだけまぜろって指示は妙じゃないか?」

 水薬と名乗るからには、均一に成分が溶けこんだ水溶液にならないといけないはずだ。

 卵白を泡立てる時は、容器のふちをこそいで空気をとりこむようにして縦にまぜる。泡立てちゃダメなら、ゆっくり縦にまぜるのはどうだろう。

 

「一か八か、おれは縦にやってみる。君はそのまま教科書通りやって賞品を勝ち取りなよ。いつかは溶けるだろ」

「いや、今20回ほど攪拌してるけど、全然だ。僕は3回反時計、3回時計でやってみる」

「まって、あまりはげしく混ぜ方を変えると空気が混ざりやすい。12とかがいいんじゃないか?」

「よく僕がギリシャの数秘学で数を選んだとわかったな?たしかに、それもそうだ」

「君がアスフォデルはギリシャ原産って言ったんだろ」

 さっそく反転してかき混ぜたバーティが、おお!と興奮気味の声を上げた。

「煙が青みどりになった。やっぱり十分に反応が進んで無かったらしい」

「でも、まだ液が白濁してるね。澄むってことは溶解が進んできれいに透き通るはずだけど…おれのほうも青みどりになったな」

「縦では澄んでいく前に泡立ちそうだな」

 

 そこへスラグホーン先生が覗きに来た。

「おお!これはこれは。でも少し濁っているね?」

「はい、これでも攪拌方法を工夫したら随分マシになってきました」

 結局ラクランのほうは泡ができてしまったのか澄んだ色にはならなくて、バーティのほうが若干色はついているものの、鍋底のこげも見て取れる程度には澄んだ薬になった。すくなくとも、クラスでは一番のできだ。目の覚めるような黄緑色になったり、水分をとばしすぎたのかねばねばしたスライム状になったりとさんざんだった。

 バーティの鍋へ、ナナカマドの葉を一枚スラグホーン先生がおとす。わずかに色づいた葉は、鍋底につくころには溶けてきえてしまった。

「うーーむ、見た目はいまいちだが効果はバッチリ、及第点!今年の勝者は君だ、バーティ!おめでとう!」

 悔しさはあっても、薬の難しさはみんな実践して感じたばかりだ。まばらに気のない拍手が送られると、バーティは前へ進み出た。

「おめでとう!」

 ラクランはバーティの背中を思い切りバシバシ叩いた。

 

 

 




またまた長くなってしまった...羊皮紙にしたら何mいくんでしょう...

◽️サッチャー首相
 就任が1979、劇薬的な政治家さんですが、「弱者」には全然優しくない政策方針であるのは間違いないかな、と思います。マグル界も混乱と低迷を極めている時代。スコットランドは逆に時間が止まっている感があるにはあるのですが、若いリチャードには響くでしょう。

◽️敵鏡
 バーティがムーディに成り代わって闇の魔術に対する防衛術教師をしている時代、お部屋に置いてあったイカす魔法道具。ムーディも持ってそうですが、杖ほど厳密に使用者が動くのか?などの疑問もあり、とりあえず一度購入してもらいました。単なる闇の印の真似っこではなく、闇の印より一段グレードの高いものを目指そうとするところがホグワーツ主席らしさかな、と...。

◽️生ける屍の水薬調合
 ハリポタ作中随一のハイレベル魔法薬調合シーンで、とても好きです。
 フェリックス・フェリシスを賞品に初回NEWT授業で毎回スラグホーン先生がやっていたかは不明なのですが(高価だし時間がかかる薬故)、スラグホーン先生は勝者やセレブリティが好きな人なので、(実力を発揮させ競わせ、素晴らしい宝石を見つけるためならコストを厭わなそう、スリザリンだし)毎年やってる説を採用しました。
 スラグホーン先生とスネイプ先生の会話から、半純血のプリンスも複数回実験してあの書き込みにたどり着いているようなので、ハリーレベルの成功はしないけど、ハーマイオニーのように素直に教科書通りの調合もしないはず。結果、マグルや他国の魔法など、バーティ、ラクラン双方が持つ幅広い知識を活かしてなんとかそこそこの出来の薬を完成させるかな、という結論に至りました。フェリックス・フェリシス、なにに使うか乞うご期待です。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。