午後の強い日差しに、母上がチェアを浮かせて日向へ出る。そのとなりにはだいぶ育ったブルブル震える木が涼しげにそよぐ。入れられたばかりで赤く腫れ、じくじくと痛む左腕の印がなければ、もっと晴れやかな気持ちになれただろうに。
バーティは日の下に出るのも憚られて、屋敷の奥、影になって暗いソファに背中を預ける。
「ぼっちゃま!お手紙が!」
「ありがとう」
「でも妙なんです!文字が書いていないようで」
受け取った手紙は羊皮紙を簡単に巻いて紐で結んだもので、フクロウが運ぶ途中に解けたのか開いていた。
「いや、ラクランからだ。アスフォデルの好むもの......?」
アスフォデルは火を好む。魔法薬学でラクランの主張に、バーテミウスが補足をしたものだ。
燃やせば羊皮紙とて燃えるだろうから、温める?火にかざす?
徐に燭台の上にかざしたバーテミウスに、ウィンキーが慌てる。
「正解だ、文字が出てきた......あのバカ、またとんでもないことをやらかそうとしているな」
暖炉がゴオと音を立てて舞い上がる。
「ケホ、ケホ」
「こんな時期に暖炉を使うやつがあるか」
「急ぎだと思ったのにそちらさんが煙突飛行ネットワークも閉じてらっしゃるんでね!バーティ、ラクランから変な紙が来なかったか?!」
「来た。今解読したところだ」
右腕を捲り上げて、チラリと印を確認する。ラクランに命を脅かす敵はいまのところ迫っていない。
「印がチラとでも動いたら、すぐにでもグリモールド・プレイス12番地に乗り込んでやる」
ぐるぐると世界が周り、不安定な岩場に着地して、ラクランは慌てて手をつく。
一拍遅れて押し寄せる波の音が聞こえてきた。ベタつく風がゴオと顔を撫でていく。
目を開き顔をあげると、ちょうど水平線に日が沈もうとしている。赤く染まる岸壁をなぞって視線を上に上げていくと、首が痛くなるほど高い。氷河によって削られたであろうゴツゴツとした断崖絶壁の稜線は、すでに夜の黒を帯びはじめていた。
「クリーチャー、ここか?」
「はい、まちがいありません」
レギュラスはすぐさま岸壁にかけより、クリーチャーに確認する。
「岸壁になにやら魔法をかけるんだっけ?」
「手でなぞっているようでした」
ラクランも走っていって、横向きに走るおおきな亀裂をなぞってみるが、うんともすんともだ。
「手のひら......」
レギュラスが徐に自分の手に杖を向けた。スッと赤い線が生まれ、ぶわりと血が膨らんで出てくる。クリーチャーが叫び、ラクランも思わず声を上げた。
「魔法使いの血を捧げる、ヴォルデモートが好みそうじゃないか?」
レギュラスがなんでもない顔で素早く血をなすりつけるように亀裂をなぞると、ゴウと重い音を轟かせながら洞窟の入り口が現れた。
「悪趣味なしかけ。入り口で血が必要となると、この一回でどうにか解決しなくちゃだなあ。あ!ちょっと手を貸して」
流れる血もそのまま入っていこうとするので、ラクランはパッと腕に飛びついて無理やりアグアメンティで傷口を洗い、シャツをきちっと巻き直してやった。
「なんだか焦っているけど、傷がもとで死んだら馬鹿みたいだろ。きっとなんとかなる」
「......ああ。でもここからは後ろに続いてくれ」
杖先に明かりを灯したレギュラスが先導し、恐る恐る洞窟を歩く。照らした先からカサカサと虫たちが影に隠れていって不気味だ。そして、光を反射して奥が見通せない水面が見えてきた。
「ここが湖?」
「は、はい......どうかお気をつけを......小舟を呼びます」
クリーチャーがパチン、と指を打ち鳴らし指をさした。指差す先にかすかに白っぽいものがゆらゆらと現れる。ラクランは杖灯りを素早く放り投げた。
「オッケー、亡者はなし。やっぱり渡るまでは大丈夫なのかな」
二人で鎖を引き寄せ、着岸させる。レギュラスがまず舟に乗り、クリーチャーが続いた。ラクランも続いて一歩踏み出す。すると、ふいにグンと舟が沈んだ。
慌てて岸に戻り、再び杖灯りを照らす。舟は来た時と変わらず、安定してぷかぷか浮いている。
「どういうことだ?おれそんなに太ってないけど。クリーチャーが来た時は屋敷しもべ妖精たちと、闇の帝王ときたんだよな?すごいチビとか?」
「あなたより大きいですよ!」
「じゃあ身長じゃないか」
もう一度、今度は両足乗せてみて、やっぱりガクン!と沈むんで素早くジャンプして岸に戻った。
困惑してレギュラスとクリーチャーを見上げる。クリーチャーは考え込み、レギュラスは少し狼狽えていた。
「......魔法使いは、あのとき闇の帝王一人でした」
「一人の魔法使いしか渡れない、そういうこと?」
自分のか細い声が洞窟に響いてむかつく。自分の頬をピシッと叩いた。
「詳しいことはわからないけどとりあえずそう考えよう。検証の時間がもったいない。とにかくロケットだ」
「一人で行くっていうのか」
「クリーチャーが一緒だ。君だって岸から援護してくれるだろう?」
「もちろんやる。でも......一人で毒を飲むの?」
あんなに苦しんだクリーチャーに、もう毒を飲ませたくないのはラクランも一緒だ。死にはしない毒のようだし、頑張って二人で半量ずつ飲む気でいたのに。
「ラクラン、これはそもそも僕の間違いに始まったことで、今はその償いなんだ。痛みはもともと僕だけが払うべきだ」
「なんでだよ、苦楽を共にしてこそ友達だろ!」
ラクランの喚きをきかず、レギュラスは岸を蹴った。舟がゆったりと進み出す。
「あ!おい待て、薬を持っていけよ!!」
ラクランは慌てて自分のカバンからベゾアール石の粉末を入れた紙袋を取り出して、浮遊呪文で舟に乗せた。
「ベゾアール石は飲む前に、毒液に粉末を半分入れてみて。解毒されなかったら、今度は飲んだ後の喉に注ぐんだ!鰓昆布は30分ぶん、右ポケットだぞ!幸運を!」
それからラクランは杖ホルダーのベルトにつけた小瓶をはずして持ち上げた。暗闇でも微かに輝いて見える、幸運の液体3時間分。
自分が向こうに渡れない以上、最も危険で、最も幸運が必要なのはレギュラスだ。でもレギュラスはこれから毒液とベゾアール石を飲む。どちらか、または両方が影響しあってどんな効果が出るともしれない。
何よりレギュラスは今、自己犠牲精神に燃えている。焦りすぎているようにも。確かに早いに越したことはないけど、失敗して死ぬより生き延びた方がマシだ。死んだら元も子もないのに、あまりにも難しそうなら一度退却して対策を練ることだってできるはずなのに、レギュラスにはこの一回で決めるか、死ぬかの二択になってるみたいなんだ。
ラクランは大きく息を吸ってから、自分の喉に杖をむけ、ソノーラスをかけた。
「クリーチャー!これは君が飲んで!」
クリーチャーの手元まで幸運の液体を浮遊呪文で届ける。クリーチャーは目をむいてまごついている。
「早く!この場所から全員で帰るには、ツキが不可欠だ。君にこの場の幸運の使い方を任せる。頼むよ!」
クリーチャーはしっかりとラクランと目を合わせてうなずき、きゅぽ!と小瓶を開けて一気に飲み干した。
いよいよ舟が着岸し、かすかな音とともに湖に波紋を立てる。
ラクランは汗ばむ拳を握りしめ、息を詰めて見守った。レギュラスがまず、舟から慎重に島へ飛び移る。クリーチャーも続いた。小さな島の中央、レギュラスの杖灯りの先にクリーチャーの話した通りの水盆があった。
「中にロケットがある......取り出せないな」
レギュラスが水面に触れながらつぶやくのが聞こえた。予定通り、まずベゾアール石の粉末を半量、投入するようだ。ラクランは目をこらした。
水盆の上で、ぱふ、とかすかな音を立てて粉が舞い上がる。そして水面におちつくことなく、粉がそのまま水盆の表面を滑り、地面へ広がっていくのが見えた。
「そんな......」
「やはり、飲むしかないようだ」
クリーチャーが両手で顔を覆うが、レギュラスはゆっくりと瞬きをして気合いを入れた。ラクランは組んだ手を痛いほど胸骨に押し当てて祈った。心臓が飛び出してきそうだ。
水盆の脇に添えられた盃をとりあげたレギュラスが、震える手でそっと液体をすくい、ふちに少しだけ口をつけてすっと吸う。
「う......コホ、コホ」
咳き込みながら、レギュラスは止まらず無理やりもう一杯、もう一杯と飲んだ。4杯目を飲み干す途中で咳き込んで手が止まる。
「飲まな、ければ......」
「お待ちください!」
クリーチャーが泣きながらとびついて、ベゾアール石の粉末を飲ませた。今度は口から粉末が流れ出るなんてことはないようだ。どうか、効いてくれ......。
肩で息をするレギュラスの虚ろな目と、ラクランの目が合う。
「大丈夫!君ならできる。頑張れ、もうクリーチャーを苦しめるわけにいかないだろ」
「......ああ、もちろんだ」
顔色の悪いレギュラスは口端を無理やり釣り上げて再び立ち上がり、水盆にもたれながらまた盃を傾けた。
息も絶え絶え、脂汗にまみれながら飲み続けたレギュラスが、よろよろと手を伸ばし、また一杯掬おうとしたとき、ついにカチャリと金属音が鳴った。
クリーチャーのさめざめと泣く声で聞こえづらかったが、今までと明らかに違う音だ。
「レギュラス、しっかりして!ロケットじゃないか?」
ラクランは声をかけてから、はたと自分の手がぬるつくのに気づいた。なんにもしちゃいないってのに、気づけば組んだ手に爪を立てすぎて流血していた。ローブでざっくりと拭っておく。ポケットの中には鰓昆布。このまま使わずに済めばいいのだけど。
レギュラスは水盆にもたれたまま、自分の首からブラック家の家宝のロケットを取り出そうと格闘していた。
「クリーチャー、ロケットをすり替えるのを助けてくれ。ロケットを持って」
クリーチャーが泣くのをやめて、慌てて手伝い、すり替えて、目的のロケットをレギュラスの首にかけた。
「一緒に帰りましょう、ぼっちゃま」
「やったな!」
「ああ、そうだな......喉が渇いた」
「早く屋敷でなにか飲もう。おれはあとからでいいから、とにかく脱出して......おい、おい!?」
クリーチャーが止める間もなく、ラクランの声が届くよりはやく、レギュラスはしゃがみ込んで地を這い、湖の水に手を伸ばした。
緩んだ緊張が急激に高まって、キーンと耳鳴りがする。
目を見開いても、心臓を早く鳴らしても、時は止まらない。ゆっくりとレギュラスの青白い手が湖面に触れ、波紋を起こすか起こさないかのうちに、水中から伸びた細く小さいいくつもの手が彼の腕を捉えた。
「クリーチャー!」
ラクランの叫びに硬直していたクリーチャーが動き出すより、レギュラスがほとんど無抵抗で引き摺り込まれる方が早かった。
「レギュラス!インセンディオ!クリーチャー!!レギュラスと姿眩ましできる?」
「あああ!レギュラス様!」
湖面に湧き出る亡者を焼き払い、ラクランが叫ぶが、クリーチャーはパニックだ。
「クリーチャー!!!レギュラスを連れて姿眩ましするんだ!!」
ソノーラスで思い切り叫び、洞窟が揺れる。やっとクリーチャーが正気にもどった。
「できません!どこにいらっしゃるかわからない!」
「分かればできるんだね?!」
ポケットの鰓昆布をひっつかみ、飲みこみながらラクランは湖に飛び込んだ。
思い切り飛び込んだから、亡者がわっと寄ってくる。瞬間的な苦しさが襲い、すぐに足にも立派な水かきができてすばやく泳げるようになった。亡者たちをぶっちぎって、大量の亡者にまとわりつかれて玉のようになっているレギュラスのところへ急ぐ。
「エクスパルソ!インカーセラス!コンフリンゴ!フリペンド!」
とにかく周りの亡者を引き剥がしたい。浮上するとして、あんまりいっぱいまとわりついたんじゃ浮上しきれない。
腕!レギュラスの腕にたどり着いた。そのまま引っ張って泳ぐ。まだまだ亡者はついてくる。
「ステューピファイ!くそ!」
もうレギュラスの意識はない。首にかけたロケットがギリギリとレギュラスの首を絞めている。ロケットがひとりでに殺そうとしている?鰓昆布を食べさせようにも、少しでも勢いを緩めると亡者が取り囲んでくる。
「ああもう、......悪霊の火!」
ラクランは無我夢中で杖を振った。闇の魔術だからか、炎は消えず水中で渦巻いて広がり、亡者もどよめきながら炎に飲まれていく。ロケットもバタバタと暴れてより一層首を締めるから、あわてて指二本を首と鎖の間に捩じ込んだ。
「怖いのか?おれも怖いよ。エバンと違って制御を知らないからな!アセンディオ!」
レギュラスをしっかり抱えて、ラクランは飛び出した。
バシャン!!!と音を立てて水から出る。その瞬間、クリーチャーがどこかから飛びついて来て一緒に姿眩ましした。
パチン!と音がなり、どちゃどちゃと濡れた音を立てていくつもの体が着地する。
バタバタと慌てた足音がきこえてきた。
「〜!!〜、〜!!」
「レギュラス様が、レギュラス様が!」
ラクランは首の辺りを押さえて体を痙攣させているし、真っ白な顔のレギュラスは横たわったまま。クリーチャーは咽び泣いている。
「何があった!?」
オリオン・ブラックの声だ。ラクランはしらみかける意識の中で、必死に自分のエラをみせた。
「エラ...!??アグアメンティ!」
察したらしいオリオンに水をかけてもらって、ラクランはやっと息ができる。クリーチャーがアワアワとして掃除用のバケツを呼び寄せ、水を溜める。
「クリーチャーはぼっちゃまのご友人まで殺すところだった!」
「......っ〜!!まだレギュラスも死んでない!!」
ラクランはバケツに顔を突っ込んで息をしながら、ボコボコと泡を出して話した。
「落ち着いて、まだレギュラスは生きてる。ロケットをはずして、レギュラスの状態を教えて」
「ぼっちゃま息をしてません!死んじゃった!」
「死んでない!とにかく呼吸だ。ロケットが絞めてたけど、水を飲んでるかも」
「アナプニオ!」
オリオン・ブラックの声がするが、ダメだったようでなんの音もない。気道確保ができない?心臓が止まってる可能性もある。
「息を吹き込みながら、心臓をマッサージして。もうすぐおれもできるようになる」
「クリーチャーがやります!ふん!ふん!ふん!ふん!」
泣きながらクリーチャーが懸命にやってるらしい。自分の背中へ汁気のあるものが飛んでくる。
エラ昆布は30分ぶんくらいを食べたはずだ。15分もたたないうちに戻ってこられた。あと10分程度でエラは消える。時折足を擦り合わせて、水かきがきえはじめたのを確認する。
「ぷは!クリーチャー、代わるよ!!」
ついにエラが消えて、バケツから顔をあげる。
クリーチャーでは体重もないし、遠慮もあっただろう。思い切り押し込めば、レギュラスがびくりと動いた。
「いいぞ!レギュラス!レギュラス!!」
声には反応しない。でも完全な意識喪失じゃない!
「オリオンさん、もう一度!」
「ああ、アセンディオ!」
三度目の正直で、レギュラスの口から水が溢れてきた。慌てて横へ向けて水を吐かせる。
「よし、クリーチャー、酸素を送り込んで!」
クリーチャーが頷いてぶー!と息を送り込む。少しでも酸素を送り続けて、脳に酸素を回すんだ!ラクランは懸命にマッサージを続けた。
まだいっちゃだめだ。どうかいかないで、帰ってきて。
「アナプニオ!......リナベイト!」
「は!!はっ、はっ、はっ」
また水を吐いたレギュラスに、オリオンが失神からの蘇生呪文をかけた。ぱ!とレギュラスの目が開き、激しい呼吸を始める。
すぐに体を持ち上げようとするのを、ほとんど反射で抱きついて押さえ込んだ。クリーチャーが上から重なってくる。
「まだ動かないで。気づいてよかった......」
「生きてっらっしゃった...!生きてらっしゃる!」
「よかった......」
オリオン・ブラックまで上に覆い被さってきた。今度の塊は亡者と違って暖かい。そうしてしばらく、みんな一塊でいた。
レギュラスを水平のまま慎重に部屋のベッドへと運んだ。クリーチャーはまだ思い出し泣きするけど、ひとまずほっとチョコレートをつくりに向かったみたいだ。
ラクランも全身しとどに濡れていたので、着替えに古いシリウス・ブラックの服を借りた。
「ヴァルブルガ様が知ればクリーチャーをお叱りになるでしょうが...」
「彼女は今日、泊まらせているから気にすることはない。しかし、ピッタリだな」
ふいにエントランスの方で大きな音が鳴って、つづいてドタドタと大きなものが落ちる音がした。のぞきにいくと、二つの人影が立ち、いや、一人は足をおさえてピョンピョン飛び跳ねている。傘立てに足をしたたかにぶつけたらしい。
「エバン?バーティ!」
「お、まえは......!急になんて手紙をよこすんだ!」
二人して硬直した後、エバンがまずダー!っと走ってきて、ラクランにラリアットした。続いてバーティがやってきて、大丈夫なのか?と目を覗き込まれる。
「なんとか今、生還したところさ」
ラクランが二人に宛てて牛乳で書いた手紙には、レギュラスが記憶と友情を取り戻したこと、屋敷しもべ妖精を使い捨てにして闇の帝王が隠したものを盗みにいくこと、うまくいけば危ないので、フランスへ一緒に高跳びするため、偽造工作に付き合ってほしいことを書いていた。通りで真っ青な顔で来るわけだ。デスイーターになったと思ったらこれなんだもの。
「あら?ホットチョコレート追加ですか?」
「やめてくれそんなゲロ甘いもの。紅茶がいいな」
「エバン、クリーチャーは今回の功労者だぞ、もっと敬意をもって接したらどうだ」
「御託はいい、どういうことか早く話せ」
「それは私も、聞きたいところだ」
バーティとオリオンにせっつかれ、レギュラスの部屋に集まった。ベッドを囲んで座れば、レギュラスは少し気恥ずかしそうに枕の下からロケットを引っ張り出した。
「それがあのお方の隠した宝?薬入れが?」
「そうだ。だが見かけよりずっと恐ろしいものだ」
「その紋章......サラザール・スリザリンのロケットか」
オリオン・ブラックが顎に手を当てる。ブラック家当主がこういうのだ、偽物ということはまずないだろう。
「これを隠しにいくのに、ブラック家の屋敷しもべ妖精が使い捨てにされ、それに怒ったレギュラスは記憶を取り戻したと?」
「いや、それどころじゃなかった。どうにもできない自分の無力さとつく人を見誤った愚かしさに絶望するばかりで」
「お前の石がほんとに役に立つとはなあ〜」
エバンがしげしげと眺めてくるのがうざったくて、頭をはたく。左腕に闇の印を刻まれてるとは思えないくらい、二人ともなにも変わらない。
「とにかく、記憶を取り戻して縋った僕に応え、ラクランはクリーチャーを救ってくれた。そして復讐を考えた時、クリーチャーを使って隠した宝を奪い、どうにかして破壊してやろうと思い立った。だが問題はこのロケットの正体だ」
「勿体ぶるなよ、なんだったんだ?」
「......ホークラックス」
エバンとラクランが顔を見合わせる横で、バーティとオリオンが目を見開いた。
「作ったというのか......?」
「どういうことですか?」
「ホークラックスは分霊箱ともいう、古く罪深い闇の魔術だ。記録にあるのは腐ったハーポだけ......文字通り、魂を切り分け入れ物にうつすことで、肉体が死のうとも死を免れることができる」
「分霊箱なら知ってるぜ。でもあれ、肝心の切り分け方がどこにも文献ないんじゃなかったか」
「......殺人だ。人を殺す時、魂はその行為により引き裂かれる。それを利用して引き裂かれた一部を別の入れ物に映すのだ。闇の帝王が魔法使いもマグルも殺戮する意味がわかったな.......」
オリオンが顔を青ざめさせながら悍ましいことをいう。ラクランはふるりと身震いした。
「闇の帝王の命そのものが隠れていたなら、あの罠の手のこみようにも納得がいくな。君が焦ってた理由がわかったよ」
「知らないほうが安全だったとはいえ、言わないで突撃させてすまなかった。何かあっても、必ずロケットを奪い、君を死なすことがないよう、クリーチャーには厳命していた」
やっぱりな、とラクランは頷く。ロケットの奪取という作戦の成功より命はずっと重要なはずなのに、あの洞窟でのレギュラスはその順番が狂っていたんだ。
「フェリックス・フェリシスをクリーチャーに飲ませといて良かったぜ」
「ええ!あれ屋敷妖精に飲ませたのかよ!」
「まあな」
「クリーチャーも飲んでよかったです!クリーチャーが予定通りロケットを受け取り、レギュラス様がおひとりで引き摺り込まれれば、ラクラン様をお連れして逃げろと命じられていたでしょうから」
「なんたることだ、レジー......」
「ごめんなさい。でも僕はこれを成し遂げなければ、誰にも顔向けできなかったんです。ラクランとクリーチャーのおかげでこうして無事に戻って、もう一つ恐ろしい事実が確定した。ヴォルデモートのホークラックスは一つじゃない」
クリーチャーが思い出し泣きを始める前に、慌てて温め直しを頼んで気を逸らしたホットチョコレートを、少しだけ飲む。じんわりと腹の中で暖かさが広がって、気分がだいぶマシになった。
「ヴォルデモート、という名は、死の化身として他の人に死を与えるもの、という意味かと思っていたんだ。だがもしかすると、死から飛ぶことを意味しているのかも......」
「それは推測で、一つでない根拠にはならないだろう?ロケットを奪取しても闇の印が濃くなることも、捕捉されることもなかった、というのは結果論だ。復讐できる保証にはならない。君はそんなに大博打うちだったか?」
バーティは手厳しい。でも確かにそうだ。レギュラスは慎重派で、いかに復讐に燃えていようとただの無駄死にのために蛮勇にはしったりはしない方だ。
「たしかに復讐は賭けではあったが、もうひとつ根拠があるんだ。君たちが謁見した時、彼はどんな外見だった?」
「あまりはっきりおぼえていないが......フードをかぶって、青白い顔をしていたな」
「そうか......クリーチャーがハゲだ、といっていたんだ」
「なんだって!?見損なったぜ。自分の髪も守れないで純血魔法族を守れるのか?」
「いや、本来は髪があったんだと思うよ。ホークラックスを作ったことで、なくなってしまったんだ。事実僕が見た時は爪が恐ろしく長く肌が異様に白いくらいで、髪はあった」
「私が昔に会ったときにもフードをかぶっていたが、髪はあったな。皮膚は白かったが、異形のようではなかった。魂を切り分け分離していくと人間性を削ぎおとすばかりでなく、外見をも歪めてしまうというが...」
オリオンが静かに胸に手を当て、無数の奪われた命に黙祷した。この人は、クラウチ氏とは随分違う人柄だ。ひとくちに大人の魔法使いと言っても、本当にいろいろな人がいる。
「外見の変遷から、かなり昔からホークラックスを作っていたと結論づけていいだろう。複数個あるせいか、一つ一つとのつながりが希薄で、状況の捕捉もできない、と」
「ええ。これでやっと仕返し達成です。破壊ができれば、倍返し達成なんだけれど......」
「おいおい......破壊までしたら、いよいよデスイーターには戻れなくなるぞ」
エバンが咳払いして少し背筋を正していう。
「戻れなくなる?話を聞いていただろう、戻りたいわけがない!自分の命しか考えないあまり、自分の魂をも引き裂く指導者の元になんて。君たちも早く離れた方がいい」
「お前の家のように資産が潤沢な家ばかりじゃないんだ!離れたところでどうやって生きていく?魔法界にいる限り簡単に捕捉されるぞ」
「僕だって支援は受けない!ラクランと共にフランスで働くつもりだ!...ゲホ!」
「親に認めてもらってなにを!家族がバラバラになることすらないんじゃないか!」
「エバン、私たちも長らくレギュラスに色々課していた。家長の私がいうのもなさけないが、我が家はもとよりバラバラだ。何よりブラック家の至上の命題は世代を繋ぐこと。命を賭せといってくる闇の帝王とは反りが合わない」
「あーはいはい、つまり生まれが違うんだ」
「......そもそも、あのお方が人を尊べない理由を考えたことがあるのか?」
やけくそになってオリオンにまで毒を吐くエバンを押し除け、今度はバーティがレギュラスに向かって静かに聞いた。人を尊べない理由?
「さあ?ゲホ、ゴホ、生まれつき冷酷なだけだろう」
「僕は君とあのお方なら、あのお方のほうに共感できる」
「何を......?ゲホ、ゲホ!」
「ちょっと、みんな落ち着いて。レギュラス、君苦しそうだ。今は無理に話さずゆっくり息を吐いて、呼吸をちゃんとして」
ラクランはたまらなくなって、間に割って入りレギュラスの背中をさすった。
「どうしちゃったんだよ二人とも。そりゃ、育った環境や家の事情はみんな違うさ。歪み合わなくたって良いだろう」
「君は......君はあのお方になにか思わないのか?」
オリオンの濁った灰色の目で問われるとやりづらい。また咳き込むレギュラスの横で深呼吸を指揮しつつ、うーんとなやむ。
「おれは会ったことないですし、みんなからの伝聞でしか知らないから......まあ、やってることは恐ろしいと思うけど、マグルを排除する思想は歴史からしてわからなくもないんです。ちょっと失礼」
レギュラスの口元に耳を寄せて、呼吸音をよく聴いてみる。呼吸はゼイゼイと苦しそうだが、音は普通で気道が詰まってるとかではなさそうだ。となると肺に水が入って起こる、二次溺水かも。小さい頃、隣町の がなったことがある。肺水腫、肺水腫の治し方は......頭の中で本をいくつかめくるが、なかなか即効性のあるものにはたどり着けない。利尿剤を飲んで水を出させる、呼吸の管理、あとは?
「呼吸が苦しそうな原因がわかったか?」
「ロケットが首を絞めていたんで、あんまり飲まずに済んだかなと思ったんですけど...。飲んでしまった水が、空気を交換して血液に取り込む器官に入っていたみたいです。汚い水だったから感染症の恐れもあるけど、余分な水分を体が排出するのを待つしかないので、利尿作用のあるハーブなんかがあれば良いんですけど」
「ハーブなんてまどろっこしいもん使わないで、咳には元気爆発薬だろ」
「エバン、君はわかんないかもしれないけど、咳にもいろいろあって.......いや、いいかもしれないな」
エバンの提案に、風邪の流行る時期マダムポンフリーのところから帰ってくる生徒がみんな耳から蒸気を噴き出しているのを思い出す。耳を塞ぐと鼻から蒸気が出てとても間抜けだが、あの蒸気がどこから出てるのかといえば、体内からだ。
オリオンがクリーチャーに命じて、元気爆発薬を持って来てもらった。飲んだそばから、レギュラスの耳から盛大に蒸気が溢れてくる。エバンはふふんとドヤ顔した。それで、ラクランはひとつ思い出した。
「あ、そうそう。闇の帝王、忠言する人だれもいないんだろうなって、洞窟見てて思ったんです。今はそれが一番強く思うかな」
「ほお......初めて聞く意見だ」
「いやあ実際そうなんですよ。なんていうか、視野が狭い。今おれがマグルの対処療法に囚われて、エバンから魔法界の処置を教えてもらったみたいなことができてないんだろうなって」
洞窟は手が込んでいて、熟練の魔法使いを誘い込み殺す意地の悪い設計だった。だが一方で、魔法使いが最も優れていて、その中でも自分は選りすぐりの優秀さだ、という自負に囚われるあまり、いろんな穴を見落としていると思った。おかげで生き延びることができたわけだけれど。
「屋敷しもべ妖精にきちんと関心を持っていれば、魔法使いができない場所でも姿眩ましできるという生態を持った屋敷しもべ妖精を、ただ薬を飲ませるためだけに使いすてたりしないでしょう?」
「フム......もしかして、鰓昆布を持っていったのはそれが理由かい?」
「はい。脱出には結局クリーチャーの力を借りましたけど、亡者をエラがもつうちにどうにかできれば、破れてしまう罠でした。そういう生き物がいることや、その生態をうまく使うという発想があんまりないみたいだなって。だからいい参謀がいなきゃ、先行きは明るくないだろうなって」
レギュラスの蒸気が出終わって、咳もだいぶ落ち着いてきたみたい。エバン様様だ。
「ほら、バカと鋏は使いようっていうでしょ?」
「バカは余計だよ。しかし白黒つけない意見だなー、お前らしいけど」
「おれは白黒なんてつける必要ないと思うよ。バーティはとくに、お父上が取り締まる側で闇の帝王に忠誠を誓おうとしてるから、忠誠を誓うか裏切るかの二択になっちゃうみたいだけど。本当は違う」
バーティの心が、去年あたりからいっさいお父上の方を向かなくなったのは知っている。突っ込まれるのも嫌そうだったから、そう深く触れもしなかったけれど。
ただ父上に反発するからといって、反対方向に突っ走らなくちゃいけないわけじゃない。それはお父上に囚われているだけで、バーティの自由じゃない。
本音を言えばバーティも一緒に来て欲しい。頼れる優しい友人だ。だけどこっちに来てくれといって、その優しさを利用したんじゃ、それはそれでバーティを縛ってる。
「表面上は従うのだってアリだろうし、心は共感したからって命をかけなきゃいけないなんてことはない。無性になにかしてあげたくてたまらないなら、してやればいい。法律って大前提はあるわけだけどさ、何にどう思ってどうするかは君の自由だよ、バーティ。君の人生なんだから」
「......じゃあ、君はどうするんだ?」
「さてね、おれは前に誓ったとおり、君たちみんなが寄りかかれるような、頼り甲斐のある家だの樹だのになりたいけど。それはみんなが寄りかかってくれるかどうかにかかってるから」
「人任せだな」
「ああ、まったくそうだ!だからおれが寂しくないように、寄りかかりに来てくれよな」
「仕方ねーな、寄りかかってやる...う!ぐ!?」
「エバン?バーティ、みんな?」
うめき出したエバンに続いて、レギュラス、バーティも左腕を押さえて苦しむ。
「こんな夜更けに召集か。グッドタイミングだな」
オリオンが皮肉を言った。
黄金の光が車窓から差し込む。秋になると日が落ちるのが本当に早い。時はこのように、あっというまに飛び去っていく。
「さて、そろそろ新入生へ着替えの声かけに行かなくちゃ」
ラクランが本をパタンと閉じて立ち上がると、どよどよと後輩たちも立ち上がった。
「ラクランは座ってて!僕らで行ってくるから」
「7年生を年寄り扱いしなくたって良いんだけどな、はは、わかったよ」
はにかんで笑えば、じゃ、じゃあとドタドタコンパートメントを出ていってしまった。
「名優だな」
ラクランのほか誰もいなくなったコンパートメントに、トランクから笑いを含んだ声がした。ドンと1発蹴ってやる。
「誰のせいだと」
夕食の大広間でも腫れ物扱いは続いた。遠目にヒソヒソされるのはもちろん、クィレルにも気の毒に、と言われるし、スラグホーン先生からは見回りの後準備室に来るようにと紙飛行機のお手紙を頂戴した。エバンとバーティにぶちまけるわけにも行かず、遠巻きにしてるから余計にストレスだ。どうせあっちは、面白がってるんだろうけど。
寮の案内と部屋分けが終わって、見回りをこなした後、魔法薬学準備室をノックする。
「先生、ラクランです」
「ああ!ラクラン、よく来たね?」
招かれて部屋へ入れば、スラグ・クラブの時にしばしば登場する砂時計が目に入った。緊張気味らしいスラグホーン先生の感情を反映してか、砂がなかなか落ちていかない。
「へ、部屋はどうだい?」
「今まで通り変わりありません」
「そ、そうかね。ブラックは――」
「救えなかった友人のことは、話さないでください。おれにはもう、悲しむ資格も語る資格もないので」
「そうか......そうか。やはり部屋は」
「先生、いまさら友人だった人たちから距離を置いて、なんになりましょう?おれは彼らと6年間友人だった。それは変わらぬ事実です。それに、彼らはバカじゃない」
砂時計のガラス部分を、爪でぴーんとはじく。
「先生、おれは信じているんです。ダンブルドア校長のご威光を。そのお膝元にあるうちは、罪を犯せば必ず罰せられることでしょう。優秀な先生がたもいらっしゃる。これほど安全な場所は、他にはない」
「そうだとも、安心してよろしい」
先生の顔に、少し赤みが戻る。時計の砂が少しずつ流れ始めた。
ラクランは力なく椅子に腰掛け、眉を下げ、目を伏せる。わざとらしいのはわかっているが、こうでもしないと儚くなれない。
「裏を返せば、おれは来年から心より安心できる場所を失うということです......先生、おれはひどく不安です」
「それは......そうだろうとも。ホグワーツで匿ったりはできないが、必ず良い就職先を見つけよう!」
「......本当ですか?マグル生まれでは、先生だけが頼みです」
「なにをいうか。君は立派に監督生も努めている!君のような生徒が就職に困るようでは、ホグワーツの名折れだ。まあまかせなさい......おっと、それではそろそろ帰って寝る時間だな。ラクラン、あと一年の辛抱だ」
「はい.......それでは先生、ご心配いただいてありがとうございました。おやすみなさい」
「ああゴホン、アーその髪は弔いかね?」
立ち上がって扉を開けたところで、これまたものすごく気まずそうなスラグホーン先生の声がかかった。
すっかり短くした艶やかな黒髪を一房摘んでみせる。
「これですか?......ええ、まあ」
「ヒー!!!お前!そのガタイで儚げな生き残りは無理だろ!!」
「未亡人ぽく振舞って哀れませとけって言ったのお前だろ!」
部屋へ戻った途端、エバンが泣きながら背中を叩いてくるので、ラクランも応えて殴り返す。
「まあ、実際お笑いだよな」
「そう言うなよ、これでも本気で心配されたんだ。スラグホーン先生が気の毒なくらい」
「デスイーターだったレギュラスを友人として弔ったラクランに、魔法法執行部局長の息子であるバーティ、それにデスイーターとして疑惑の上がる俺!先生でなくともまともな人ならそりゃ引き離すだろ」
笑うエバンとバーティの腕には変わらず闇の印。部屋だからかエバンは堂々と腕まくりしているし、バーティも袖の緩い寝巻きを着ている。そして、ラクランのトランクの上にはレギュラスが優雅に座って、編み針を両手に持って編み物をしていた。
「まったく!レギュラスのせいだからな」
「おや?表で間違って聞き咎められたらどうするんだい。僕のことは兄さんと呼ぶように言われたろう?」
「ハイハイお義兄様」
ぐるりと目玉を回してみせれば、エバンと目が合ってまた爆笑される。
「しかしうまくやったよなあ」
「手の調子はどう?」
「ご覧の通り、クリーチャーの服...じゃなくて毛糸の塊がもうじき完成しそうだ」
ヒョイと小さなセーターと一緒に掲げられた左腕には、闇の印はない。鈍く光沢を放つ硬い肌色の腕はなめらかに動き、新しい毛糸玉をとった。
「不便をしてないならいい......これからしっかり、おれたちは生きなくちゃいけないんだからな」
長かったーーーまだ全容はあかせていませんが、なんとか生き延びてくれました。よかった!
◽️洞窟からの生存に繋がる主な変更点
・成人魔法使いが二人いる(一人は純血、一人はマグル育ち)
・課題解決のため知恵を絞り冷静になる時間があった
・一人はホークラックスの正体を共有されておらず、命をかけた一発勝負ではなく最悪トライアンドエラーをやるつもりでいた
逆にデバフになってしまったのは
・成人が二人のため小舟に一人乗れない
・ベゾアール石で中途半端に解毒したため、正気を保っており、ロケットとわずかに会話をして自ら湖に向かった
この辺りでしょうか。
ラクランはあくまでトライアンドエラーをする前提で動いているため、命重視、フェリックス・フェリシスを飲んだクリーチャーも、命令の拡大解釈をする柔軟さを発揮し、レギュラスの首にロケットをかけることでレギュラスによる命を引き換えにした任務遂行を防ぎました。優秀な魔法使い目線だけでなく、屋敷しもべ妖精、魔法薬や薬草学を活用しようというスタンスが合わさってのクリアです。
〈余談〉
賢者の石でのスネイプ先生の課題もそうなんですけど、魔法族として優秀な敵を想定した時、マグル的発想の有無が勝敗を決する、というシーンがハリポタではちょくちょくある気がしています。
ヴォルデモートは魔法族の母親に固執している人ですが、マグルの孤児院で行った洞窟にスリザリンのロケットを隠しているわけですし、優秀な魔法族を嘲笑うような向きもあるのか...?!などと少し思っています。
初見殺しゲーなだけで、確殺要素はないんですよねあの洞窟...。ラクランは性格悪いわ〜と何度か言ってますが、罠なんで性格は悪くて正解です。
◽️ホークラックス
さすがに有識者が多いので、話は早めにしました。
どのタイミングでハゲたかは不明ですが、ベラトリックス・レストレンジの加入時期や活動が激化するタイミングを考えても、わりとあの年代に何個か作っていそうです。大量の亡者を作ったのもそういう関係がありそうです。ということで早めに挨拶に行ったレギュラスは、さらに昔を知る父の話と照らし合わせ、分霊箱作成による容貌の変化に気づいた、という形です。
◽️オリオン・ブラック
当初予定していたより、ずいぶんたくさん登場しました。
ヴァルブルガママは癖強キャラですし、家系図的にもベラトリックスたちの叔母?なので、オリオンさんに頑張っていただきました。死因は不明なのですが拙作では病気っぽいですね。
原作クリーチャーからもとくに言及がないあたり、家族の中での立ち位置は特殊そうだと思ってます。
◽️今後の三人
レギュラスは何とか生き延びられましたが、闇の印から逃れるため大きな代償を払ったようです。
バーティは親が機能不全で孤独と自分の優秀さを強く感じている人なので、死への恐怖や力への探究に強く共感してしまう側面があると思います。とはいえ道義心も多少あるので、ヴォルデモートに忠義を感じるのと同じくらい後ろめたくも思っているようです。
エバンは最も平均的経済状況かつ急進的闇の魔法使いなご家庭なので、環境にかなり苦しんでいます。三者それぞれ異なる迷いや苦しみがあります。
いよいよ最後の学年、社会人です.......!