三匹の蛇   作:休肝婆

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 業火に身を潜め、口に手を押し当てて息を殺す。
 火の粉の先でマッドアイ・ムーディが、血まみれの顔にローブを押し当ててよろめいた。エバンの血の気の失せた指から杖をぶん取って、こちらが伸ばした手に見向きもせずに姿眩まししていく。もしかしたら、魔法の眼はグルンとこちらを向いていたかもしれないが、構うものか。
 遅いということはわかっているが、走る。
 ゴウゴウと燃える炎に照らされているくせ、もう決してぬくもりを帯びることのない青い顔。
 息が止まってもにくたらしいエバンの側へ。
 今更、今更だけど。

 口の側へ手をかざしても、風はない。額の髪を避けてみても、あのふざけた眉の動きはない。そればかりか、緑の閃光に包まれたのを確かに見たのに、嘘のように安らかに閉じた瞼がどんどん柔らかさを失っていく。
 震える手でメテオロジンクスを唱えた。教科書通りの雨雲が杖の先に現れ、柔らかい雨が屋敷の炎をゆっくりと鎮めていく。炎に巻かれるのを待つよりはいいだろう。
 俯いて雨に打たれて、黙祷を捧げる。
 こんなところで死んでいいやつじゃなかった、愉快な我が友人。この世界に安息を求められなかった同士。
 エバンの服にポタポタと真新しい血が落ちて、はたときづいた。唇を噛みすぎてしまったらしい。すっかり濡れそぼった袖で、煤で薄汚れたエバンの頬をぬぐう。
「......こんなに静かな君は生まれて初めてだ。やっと四六時中五月蝿いのが治ったな。あいにくの天気で悪いけど、もう少しそこで待っていてくれ」
 僕に葬儀をやる権利はない。立ち上がり、足跡をこすって消しながら、最後に再び中庭で倒れたままのエバンを振り返って、邸宅の手前で姿眩ましした。

「ぼっちゃま?ずぶ濡れでございますよ!!」
「......ウィンキー。魔法でちょっと失敗してしまったんだ。乾かしてくれるか?」
「ぼっちゃまが失敗なされるなんて......はい!もちろんです。温かいお茶も淹れましょう」
「うん。母上もお呼びしよう」
「ぼっちゃま?そちらの腕のお印はいかがされたのですか?」
「何?」
 エバンを示す火星が掠れているのは予想通りだ。しっかりと確認してきた。だがなんだ?どうしてラクランを示すアンタレスが奇妙に揺らいで熱をもっている?
 まさか――




1981〜1982
三匹の蛇 27


 

 たい水のために落ち葉の分解が進まず、沈殿して水全体が黒く見えるというこのあたりの湖は、夜になると満点の星空を反射してまるで宇宙のようになる。

 腕を呪われてからこっち僕はすっかり運動不足だというのに、日々方々を飛び回っている大柄で筋肉質なラクランを背負うのは骨が折れた。

 星影の中、光を拒否してのっそりと聳える山々によって、かろうじて方角を判断する。数回魔法を使っただけで腕のかなり上の方まで壊疽が進んでいて、ひどい痛みと熱が出始めている。夏とはいえ夜だ。空気はひんやりしているのに、薄汚れたシャツが張り付いて蒸し暑い。

「これはまた、病院で怒られなければならなさそうだ、ね!」

 岩を乗り越えるのに、震える声で冗談を言ってみる。ラクランの革靴をガリガリと引きずって少しずつ登った。ラクランの靴も、僕の腕だってあとで治せる。今汗を流して運ぶ彼が、本当はいったい誰なのか。不安から目を逸らしてレギュラスはひたすら小屋を目指した。

 そろそろ窓の灯りが見えてもいいだろうというころ、正面の大岩が突然ゆらりと動いて半分に分かれ、のっそりとした人影が現れた。

 

 腕の痛みを堪えながら、レギュラスは杖を構える。

「誰だ」

「警戒呪文くらい唱えたらどうなんだ?」

 おじいさんであってくれ、という祈りに反して、若くて聞き覚えのあるツンケンした指摘が飛んできた。

「バーティ!?――エバン・ロジエールの守護霊は?」

「ハウンドだ。レギュラスで間違いないな。君たちも確認したのか?あいつが――死んだのを」

「ああ、見たよ......間に合わなくて、ここまでラクランを引っ張って戻ってくることしかできなかった」

 なんとか背負い直した背中の方へチラリと目をやって、上がらないが精一杯肩をすくめる。

「懸命......と言いたいところだが。じゃあどうしてラクランはそんなふうになっている?破れぬ誓いのせいじゃないのか!?」

 しかしバーティは落ち着いた素振りから一転、眉を吊り上げてレギュラスの背中の大きな人影のつかみかかり、背中を引っ叩いた。

「あえ!?おい!何する」

「起きろラクラン!今すぐ誓いの解釈を見直せ!一晩で友達を二人も亡くすつもりはないぞ......まだ僕がいるだろう!起きろ!起きろったら!」

 ついにドサッと意識のないラクランが落っこち、レギュラスもうつ伏せに倒れて、バーティは膝をついた。そうなってようやく、烈火のごとく怒っていたバーティが静かになった。

 

「ハァ、バーティ、ゼェ、無理な相談だよ......今ラクランは寝てるわけじゃない」

「は?セーフハウスになるなんてぶち上げた破れぬ誓いを守れそうにない状況で、自己防衛から現実逃避で意識を失ったんじゃないのか?」

「それらしい推測だけど違うよ。たしかに現実逃避しかけたけど、なんとか受け入れたんだ。エバンが最後の最後に()()()()くれてね」

「エバンが......?」

 バーティは雨に濡れてどんどん冷えていっていたエバンを思い出して、盛大に顔を顰めた。レギュラスは黙ったまま彼を待った。

 エバンを見送ったのは、つい数時間前のことだ。魂の欠片の話をしても、彼が死んだ事実は変わらない。ラクランがはじめ事実を心で受け入れきれなかったように、こうしてラクランの安否を確かめるため現れたバーティは感情を整理できていないだろう。

 ゆっくり待つつもりだったレギュラスの予想に反して、バーティはうつむき、唇を素早くひと舐めして息を吐いた後、まっすぐに質問した。

「エバンの肉体が死んでいるのは、僕が確かに確認した。分霊箱でも作っていたのか?あるいは何かメッセージを残した?」

「分霊箱に少し近い。エバンは最期に、パトローナスチャームを使ってラクランに幸福な記憶を届けた。魂だけでも一緒にいたいと言ってね」

「魂というのは実体がなく、定義も様々だ......僕は仮に、肉体に宿る意識、としているが。記憶は意識の中か周縁にあるもので、たしかに意識と結びついている上、意識の俎上になくとも周縁に記憶されるからこそ、体たる実体がなければ記憶は記憶されないから......しかしそんなことが可能なのか?」

「わからない。守護霊ごとエバンの記憶を受け入れたラクランは、この通り意識を無くしてしまった。君の定義で言うと、ラクランも危険な状態だ」

 硬い地面に落っこちて仰向けになっているというのに、熟睡しているように静かに胸を上下させるだけのラクランを見る。

 あのとき二人は何かを成せてしまった。けれど、結果は予想すらできない。目が開いた時中身がラクランなのか、エバンなのか、ラクランとエバンがまじった全く違う人なのか、そもそも目を開いてくれるのか。

 特に聞き返すこともなく理解したらしいバーティが、腕の表面で未だ揺らぎ続けるアンタレスを確認してどっかりと座り込んだ。

「これはそういうことか......勝手なことを」

「そう言ってやるなよ。エバンだって死ぬつもりはなかったさ。ただエバンはいつからか知らないけれど、前々から決心があったみたいな口ぶりだった。ラクランは切羽詰まったところで大急ぎで受け入れてしまった。大丈夫なのか、僕もちっとも......」

 

「ううん。うるさい......」

 ラクランが不意にベッドで寝てるような気の抜けた寝言を言った。思わず、バーティとレギュラスは顔を見合わせる。

「うーん。さむい......」

「ラクラン!起きろ!!」

 再びバーティが大声を出すと、涙でくっついた睫毛に瞼が引き攣れて痛そうに動き、袖で目をこすってから紅茶色の瞳ゆっくりと現れた。

「ラクラン!気がついた?」

 今度はレギュラスも思い切り身を乗り出した。腕の痛みも構わず覆い被さって、矢継ぎ早に質問する。

「ここがわかるかい?さっきのことは覚えてる?とりあえずチョコでも食べる?」

「蛙チョコがあるなら」

 スルリと答えてから、言った張本人のラクランはまるまると目を見開いた。

「......蛙チョコだって」

 少し笑って、それからはらはらと涙を流した。

 

 

 

 うやら今のラクランは確かに本人であるようで、ひとしきり星や山の形を調べた後、汗が冷えて冷たい髪を額に貼り付けている二人を見て、軽い足取りで近くにあるという羊飼いの煮炊き場へ案内した。山に溶け込んでちっとも見えなかった大岩の下には確かにラクランの言う通りの空間があり、バーティの杖灯りで乾いた薪がたくさん集められているのが見えた。

「日が昇るまで休んでいこう。ここにはおれも昔、拾った薪を置いてたよ。みんなで集めて誰でも使える薪なんだ」

「石を焼いたり?」

「そんなこともあったね。おれは街でもらってたけど、羊を放してる人たちは今もやってるはず。あとは急な嵐や吹雪を避けたり」

 レギュラスは火と言われてカフェでもらったカラフルなマッチ箱をポケットから取り出してシャカシャカと振って合図する。火をつけるため屈むついでに、薪の側で頭を寄せた。

「家まで連れて行くのか?」

「帰るとは言ってないけど、じいちゃんならゲンコツひとつで許してくれるさ」

「そうではなくて......!」

 忘れたのか?エバンがくれた警告を。信じられないような気持ちでラクランの顔を見やったが、手早く薪を組んで顔を上げたラクランはレギュラスの気も知らず、バーティに堂々と尋ねた。

 

「そういえばバーティ、君"石"を使ってここへ辿り着いてないだろう?」

「ああ、使ってない。というとあれはやはりポートキーのようなものだったか」

「なんだって?」

「ポートキーはどこに辿り着くかわかったものじゃないだろう。君が今より安全と考えている場所――たとえばフランスなんか――に飛ばされる可能性もあると考えた」

「あーさすがに賢いな。でもそれじゃどうやってここへ?」

「忘れたか?電車に乗って何時間かかって、そこから車で行くという話は新学期の君の定番の愚痴だろう。僕だって君のノートを参考に、マグル学で優を取ったんだ」

 レギュラスは情報管理がガバガバもいいとこだ、とラクランを目で非難したが、ラクランは肩をすくめた。マグル学で優のデスイーターなんて、バーティしかいないだろう。彼に裏切りの心配など、ちらとも抱いたことはなかったのだ。ロケットの件までは。

 

「僕はただ君の印の妙な反応を確認したかっただけだ。こうしてフォート・ウィリアムから該当しそうな距離にある人家を虱潰しにする途中で正解をみつけたけれど......デスイーターである僕をマグルのお爺様の住む家に招けないというなら、それは当然のことだから気にするな」

「え!待って!!そんなこというつもりじゃないんだ!」

「なんだ。君たちが話していたのはそういうことだろう」

 少し恨めしさを滲ませてレギュラスを見た。バーティはおれたちの中じゃ一番賢いんだから、隠し事をするのは一番難しいんだ。

「やっとだ。やっと会って話すチャンスがきた。おれは話したい」

「僕に、話しておくことはない――それとも、君の家の所在地を僕が知ってしまったから口止めでもするか?」

「いざという時はウチに来て欲しいってのにそんなわけないだろ!舐めたこというならじいちゃんとプロレスしてもらっても構わないよ」

「ラクラン!」

 レギュラスに言われて身をすくめたが、言葉の割に疲れ切ってドロドロに汚れているバーティは、上等なスーツを着てはいるけれど在学中よりずっとやつれて見えた。じいちゃんと戦ったらギッタンギッタンにやられるだろう。それに、今引き止めなければ、もう二度と会えなくなる確信めいた予感があった。

 パン、と思いきり手を叩いて火をつける。

「ハイ!ほら岩の下に入る!えー火がついたよ!薪がもったいない。まずあったまって少し休む!話はそれから!」

「あーあ、せっかくマッチを披露しようと思ったのに......」

 この辺り一帯の人たちで少しずつ集めた薪だ。文句を言ってる時間がもったいない。ギュウギュウと押すラクランの勢いに負けてレギュラスがまず座り、バーティもしぶしぶ腰掛けた。こうして火を囲んでしまえるあたり、まだおれたちは立派に友達であるはずだ。まだ、まだ失ってない。ラクランは目を瞑って胸の前で軽く手を組んだ。

 

「君はまったく......しかしだな、僕にもやることがある。君だって就職したんだろう?ほら」

 バーティが指し示すのは黒々とした山々の隙間からのぞくグラデーションに染まっている東の空で、たしかに日が昇りつつあることが見て取れた。

「うわぁ朝だ......たしかに仕事はあるけど......!」

「ちょっと待って。君は就職してないはずだろう?仕事って......エバンが亡くなったばかりだというのに、もうマグルの襲撃にでもいくのか?」

 黙って火を囲んでいたレギュラスがマッチの代わりに杖をもつ。ラクランはレギュラスの袖を引いてみたが、元々デスイーターだったレギュラスの指摘をうまくいなす術などなかった。

「いいや、僕は戦線に加わっていない......。あのお方の話し相手だ。あのお方の目的を探ってもいる」

「ロケットはその過程での失敗だったと?」

「僕はロケットに数回、開心術をかけただけだが......それが君たちの探索で良くない影響を及ぼしたのなら、悪かった......。しかしどんな考えでどういう行動をしているのか知ることには意味があった。お陰で今はこの通り、デスイーターたちの中でも僕はあのお方のお側に置いていただいている」

 炎を見つめながら、バーティは落ち着いて座ったまま口を開いた。

「ラクランはお会いしたこともないし、君は初期に離脱したから無理もないが......君たちはあのお方を誤解している」

 

「僕があのお方の元にいる動機は以前伝えたと思うが......現状の魔法界が腐っているからだ。今回のエバンへの仕打ちもそうだ。裁判をされることもなく、死の呪文で殺された。目を閉じてな」

 咳払いして話始めたバーティは、エバンについて話し始めるとすぐに震える拳を作った。

「目を閉じてたらなにか違うのか?」

「僕はあのお方が死の呪文を使うのを側で見てきた。止めることなどできなかったが、試みたこともない......。死の呪いで殺された者は、大抵目を見開いて息絶える。最期の吐息を吐く間もなく突然死が訪れるからだ。エバンが安らかに目を閉じていたということは、最期の瞬間、エバンは無抵抗だったということに他ならない。君たちの方に守護霊が放たれたという話からもそれは明らかだ」

「それはちがう。死を受け入れていたんだ。いつか来る死を恐れながら、同じくらい待ち焦がれてた」

 間髪入れずラクランが反論する。守護霊によって聞かされたエバンの思いと重なる話ではあるが......レギュラスは眉を顰めた。

「......それは君の中のエバンが言ってるのか?」

「わからない。でもエバンならこう言うって今思ったんだ」

 火に手を翳して熱を感じる手のひらを確かめてから、ゆっくりと振り返れば、淡く染まった岩壁の上で自分の影が揺れている。

 手を振って、下げる。影もまた、同じように動く。

 

「......ねえバーティ、おれたちが闇の帝王を誤解しているというけど、人間の本質なんてどうやって測れると思う?開心術か?それとも魂というやつか?誰かについて話す時、内心というのは誰にも測れない。ともすると、その人本人にも。確かな事実というのはその人が何をしたかだけだ。

――君は闇の帝王の横で、彼が人を殺すのを見たんだろう?口ぶりからすると何回も」

「だが、あのお方はただの暴力的な愉快犯などでは」

「何をしたかが少なくとも外から見て確実に言えるその人の唯一の本質だ。口でどんなことを言ってたって、心がどうだったって、闇の帝王はたくさんの人を殺したり傷つけたりしている人だ。これは事実で、おれたちの解釈は関係ないだろう?君はどうしてその事実を無視するの」

 不思議だ。こんなふうにラクランの方から話の筋を正すなんて初めてのことかもしれない。バーティの解釈はバーティの主観としては正しくても、他者の認識を覆すに足らない主張だ。バーティもそれは納得したようで、しばし口を閉じた。

 

「......成すことが全てというなら、魔法省のやりくちはどうなんだ。君はマッドアイになにも思わなかったか?」

「思ったとも!どうしてあんなひどいことをって!おれには楽しそうな顔に見えた。恐ろしかった」

 ラクランだって魔法省や今のイギリス魔法界が全て正しいとは言わない。正しいなどとはとても思えなかった。

「魔法省は権勢欲の奴隷や凝り固まった派閥、前時代的で非生産的な法律で縛られている。闇の魔術の研究者、若き日のあのお方も!この脳みその腐った支配層のために辛酸を舐めた!」

「では君は魔法省を改革するために闇の陣営に?家族を顧みもしなかったお父上への個人的復讐でないと、本当に誓えるのか?」

 レギュラスが目を覗き込んで厳しく追求する。バーティがずっとうまく行っていないのは周りにいたおれたちが一番わかってる。私情が多分に混じっていて、そのために大きな目的を掲げて自己正当化するなんてこと、バーティはやらないと信じているけれど。いかんせん会って話せていないから......。

 谷から赤い光が一条現れ、バーティの足元に迫る。日の出だ。しかしそれに見向きもせず、バーティは勢いよく手を広げた。

「父上のこと?ハッ!ああいった外面ばかり気にする親が生まれる背景があることこそ、腐った行政の成り立ちにもつながる。魔法省だけではダメなんだ!背景から変わらないと。ホグワーツはもちろん、魔法界全てで血の入れ替えが必要だ」

「今生きてる人々を顧みられない政治家ほど恐ろしいものは確かにないとは思うよ、今のサッチャーもなかなかひどい。経済成長と躍進が第一で、労働者を切り離して非難が絶えないのをなんとか成長で誤魔化してる」

「まあミッテランの社会主義政策もやりすぎだけれどね......こうした議論がきちんとできるだけ、マグルの政治はまだマシだな」

 魔法界の法律や政治が腐っていたり埃をかぶった古臭い価値観に基づくアンバランスなものであるというのは、ラクランもレギュラスもひしひしと感じているから、頭を抱えるしかない。バーティもそのとおり、と膝を打った。

 

「古臭いのは必ずしも悪いことではない。けれど、時代の流れに合わせてきちんと批判に耳を傾け、よりよくしていく機能がないというのは致命的だ。決してよくなる未来がないということだからな。

実は君たちの調べものでわかったこともある。トム・リドルがどんなルートでホークラックスの知識を得たのかについて調べただろう」

「ああ、ダンブルドアが校長に就任したタイミングで、闇の魔術に関する書籍が閲覧禁止にされていたね」

「たしかにボーバトンや研究所の人たちの中でも、おれは群を抜いて知識が浅い。立地の差もあるだろうけど、正直許されざる呪文が何たるかについては君たちと一緒に勉強していて助かったと思ってる」

「僕たちの代では、歴史ある家の子供でなければそうした書物を読むことすらできなかった。マルシベールあたりが清い目的だったという気はないが、僕やスネイプは間違いなく彼の悪趣味の恩恵を受けている......それでマグル生まれやマグルへの差別反対だと?」

 バーティは皮肉げに失笑した。

 ダンブルドアはその功績もあって、魔法界における発言力が強い一方で、闇の魔術に反する立場を公にとっている人物でもある。 

 ホグワーツでの蔵書の制限をはじめとする闇の魔術の排除は、来る戦いに備えるべき生徒達から知識と牙を奪っていた、と言い換えることもできる。

 その制限がもっとも悪影響を及ぼすのは、学校以外の学ぶ場所がないマグル生まれや半純血。差を生み出しておいて差別を許さないと豪語しているという形だ。

 その上、理事、他教員などを始めとした魔法界の大人たちがそれを批判するような動きも記録には残っていない。たしかに、絶望的だ。

 

「魔法省の大規模改革に、ホグワーツ上層部の解体再編、たしかに達成は難しそうだ......そのために、戦争をやっているというのか?」

「他のデスイーターがどうか知らないが、少なくとも僕はそうだ。あのお方もまた、力を証明することのほかに、魔法界全体に関して同様のお考えをお持ちだった。腐った枝を切り落とすのには、嵐がいる」

 レギュラスは問いの答えになにか言おうとして、口を閉じた。ラクランの方へちらりと目線をよこす。ラクランのほうも口ごもったが、なんとか声を出した。

「君の腹はわかった。わかったけど......君は魔法界を良くするために、エバンのような理不尽な......落ちなくたってよかった枝、倒されるべきじゃなかった若木、そういう最期を迎える人をさらに増やすって言っているんだ。その意味と、罪を本当にわかっている?」

「当然だ。そのエバンの死を無駄にしないためにも、僕はやらなければならない」

 強い風でヒースしか生えない岩壁のように、荒涼とした瞳でバーティは断言した。

 言葉や、外国からの批判、そういう手段を取れないものかと提案できればどれほどよかっただろう。けれど在学中からずっと、バーティは一番言葉を尽くすやつだったし、お父上との関係にしたって長く耐え忍んでいた。その彼をどうやって説き伏せられるだろう?今の僕らにその答えはなかった。

 何より、瞼の裏にはつい数時間前目撃した、緑の閃光に包まれるエバンの姿が焼き付いている。

 彼の理不尽な最期は、闇の勢力と魔法省という時代のうねりによって生み出されたものといえるだろう。

 闇の勢力がなければ起こらなかった理不尽ではなく、魔法省やひいては魔法界そのもののねじれによって起こった悲劇。闇の勢力がそもそもどうやって生まれたかにまで遡れば、魔法界全体の革命なくして、エバンは浮かばれないというのは、まったくの真実だ。

 

 山々から、もうすっかり明るくなった太陽が顔を出す。言いながら砂をかけて火を消して、バーティの手首を掴んで立たせ、陽光の当たる岩の外へ引っ張る。

「君の思う問題はおれも同じ意見だ。君たちがいたからおれはなんとか生きてここにいるけど、下の代の子たち同じ苦労を味わって欲しいとは思わない」

「君はわかってくれるだろうと思っていた。僕たちは皆、ダンブルドアが校長をやってるホグワーツのスリザリン生として、貴族趣味に凝り固まったスリザリンの異端として、歪んだ魔法省の被害者だったからな」

 バーティは柄にもなく嬉しそうに、自分を引っ張ったラクランの手の甲をペシペシと叩いた。

「でもおれは!別の方法をもっと探すよ。今すぐ良い代案は浮かばないけれど」

「どうしてだ?あのお方も世代が違うだけで僕らと同じだ。ずっと昔から続いてきたことなんだ」

「そうだったとしても、おれは人を傷つけたり、屍までをも利用する闇の帝王のやり方が好きじゃない。でも志はたしかに同じだ」

「僕もラクランについていく。もはや僕は表では死んだ身だが、マグルの中にも驚くべき賢者はいるものさ。魔法界にはない方策を見つけ出して見せる。エバンの言葉を借りれば、違う方を向いて違うことして、違うものを好きでいても、僕たちは友達だ」

 バーティは手を離してしまったが、ラクランがもう一度飛びついて肩を揉む。

「そうさ!君の荷物をおれたちも一緒に背負って隣を歩く。エバンには間に合わなかったけど......今度は彼の魂も一緒にね」

「それに一体何の意味がある」

 ラクランにのしかかられながら、呆然と足だけ動かすバーティに、レギュラスがさらに後ろからタックルした。

「意味なんてなくていいだろう、僕たちがやりたいからやるんだ。君が面白いやつなのをこの一晩で思い出したよ。だから、そう簡単にひとりにしないぞ」

「さ、みんなの腹を明かしたところで、今度ははらぺこだろ?すっかり明るくなった!家に帰ろう」

 辺り一面の草からふくらむ夜露が朝日にきらきらと輝く。目的地はもうしっかり見えている。ラクランが二人の手を取って付き添い姿眩ましした。

 

 着地した途端、薪ストーブの煙のにおいや暖かいパンの匂いが肺を満たした。

 姿現しの音を聞きつけたのか、中で何か怒鳴る声が聞こえて、どたどたと小屋の板がなり、かんぬきを外す音がする。

「ラクラン、ラッキー、この風来坊!帰るなら帰ると一報よこしやがれ!」

「じいちゃん!」

 ラクランはパッと顔を輝かせてドアの目の前に駆け寄った。ほぼ同時に、バーティが逆方向に後ずさる。

「バーティ?」

 ひだまりのようにぽかぽかとした気持ち。暖かい家庭の匂い。損得も遠慮もないやり取り。

 振り返ったレギュラスに、かつての影はない。ラクランと同じように真新しい太陽に照らされ、充実しているのが目に見える。二人の目にはまだ、昨夜エバンのために流した涙の名残が見えるが、そのエバンの魂だってあの居心地の良さそうなところで洗われ、悲しみは掠れていくだろう。

 

 風の音が、耳の横を通り過ぎていく。

「悪い......僕は、食事はいらない」

 ボソリと言って、バーティは後退りながらその場で姿眩ましした。

 

 

 

 ーティを示すカノープスを気にかけながらも、メディから聞いていたニースやコルシカ島での優雅なバカンスなど楽しむ間などなく、忙しい日々がまた当たり前に流れていった。フラメル氏が出してきた新しい魔法薬の治験や調合の試作、レベル分けやらマグルの外科的知識を前提とした負荷の少ない治癒魔法の共著論文の仕上げ。どれも集中の大事な仕事で、やる意味があるから手は抜けない。そのために、エバンのために開けておきたい頭の隙間は、こっちの望みに関わらずどんどん埋まっていってしまった。

 このところ熱心にカフェに通っているレギュラスの提案で、エバンの墓を建てることにした。羊飼いたちの煮炊き場ちかくの柱状節理をハンマーで叩いて、小ぶりな岩盤をボートに積み、バイクで引っ張っていって湖畔に空っぽの墓は完成した。魔法使いなのにノックオンウッドなんていうマグルのおまじないを好んで使っていた彼に倣って、マグルのやり方で作った。

 墓なんてやめてくれよ!とエバンならいうだろうけど、これは彼がおれたちの友達として、たしかに愉快に生きていた証だ。どんなに忙しくなっても、頭の中がいっぱいになっても、ここに帰ってくれば頭の中から思い出を引っ張り出せるように。

「一体どこで石の選び方なんか?」

「カフェで驚くべき賢者に会ってね、最近は弟子入りしているんだ」

「前に話していたマグルかい?いったいどうやって――」

「今度会わせる。君も感服するはずさ」

 

 そうやって夏が過ぎ、冷たい雨の降る秋が来た。

 三日月よりも細い月がわずかに窓から差し込む静かな夜、それは突然起こった。

 夜もいい時間だというのに、4階のアパルトマンの扉がドンドンドンと叩かれたのだ。

「ゼナイド?共著論文でミスが......?」

「夜分に悪いけど、イギリスの方で天文学者の誰も予想していなかった突発的流星群モドキが起こってる!なにか知らないか?!」

 ゼナイドにせっつかれてコートを羽織り、エッフェル塔まで姿現ししたラクランは、弾んでいた息をピタリと止めた。

 夜空一面に、50、60はあろうかという流れ星が流れ続けている。メディは隣で口笛を吹き、レギュラスはコンパス片手に位置を同定していた。

「方角的に、ケント州のあたりか。大きなイベントや花火の予定がないなら、魔法事故?」

「それが、イギリス上空のそこらじゅうでおかしな天体現象が起こってるんだよ!」

「失礼、あなたは......?」

「ああ申し遅れたね、ゼナイドの夫のアドリアンだ」

「この人はESA(欧州宇宙機関)勤めなんだ」

「流星群というなら地上からの観測では空の一点から放射線状に観測できるはずなんだが、どのポイントのアマチュア天文学者たちもみな一様に右斜め並行に降り注ぐ()()()()()()()()()()()流星群だと訝しがっている」

「でもどうやら写真は撮れちまってるようなんだ。まあ国際魔法使い機密保持法違反案件だろうね」

「と、とりあえず、イザベラに電話してみる」

 そうはいったが、病院としての資質を疑うほど回線が混み合っていてちっとも繋がらなかった。結局夜中に姿現しでロンドンへ渡り、お祭り騒ぎの漏れ鍋にかけこんで号外の日刊予言者新聞を勝ち取り、噂話に耳を傾けた。

 見出しは夜を徹した情報収集に足るもので、ラクランは見知らぬお爺さんたちのファイアウィスキーの誘いを断ってすぐさま公衆電話を探した。高くはつくが魔法界だけのお祭り騒ぎとは無関係だ。運良く音のする公衆電話に2回目で巡り合って、20ポンドを放り込んだ。

 

「暗黒の時代の終わり、闇の帝王失墜......?そんなはずない」

「ああ、すぐロケットの状態を確認してくる。それから戻るよ。ゼナイドに報告をよろしく」

 チャリン、と10ポンド硬貨を落とす。

「魔法省も機能していないようだから、ゼナイドが難しいならメディにも連絡して、フランス魔法界から魔法使い鎮静の圧力をかけてもらいたい」

「ラクランダメだ!もしロケットに闇の帝王が身を寄せていたらどうする?」

「薬入れは正直、もっとも危険がないと思うんだ。ほら、近づきがたい店にあるだろ?指輪の方が怪しいと思う。あっちには行かない」

 一応、周囲を警戒しながら言葉を濁して伝え、通話を切った。ひとまずグリモールド・プレイスに......。分霊箱が残った状態で持ち主が死ぬ事例なんてわからない。割いた魂をなんとか戻す手段はあるようだし、分霊箱を回収しにくる可能性は十分あると見た方がいい。

 そこらじゅうで警戒心なくさまざまな噂をくっちゃべる魔法族にイライラして、足早にバスターミナルを目指す。

 かねてからなぜか闇の帝王が付け狙っていたというポッター夫妻の家を、噂通り闇の帝王が襲撃した結果、奇妙にも生き残ったのは1歳になった男の子ハリー・ポッターだけで、ポッター夫妻――リリー・エバンズはあのポッターと結婚したらしい――は死亡した、というのが現時点で固そうな情報だ。あの二人が賢いと感じたことはあまりないが、魔法の腕は確かだった。そう簡単に死んでしまうとは思えないが......。

 そして闇の帝王は単に消息を絶っているだけで、骸などの確認ができているという話は一切なかった。ただデスイーターが各所で主人探しをしているということから失墜したに違いないと嬉しそうなひそひそ話があちこちで聞こえてくる。

 世間は安直に呪文の失敗か魔法事故で闇の帝王が去ったと結論づけているが、そんなはずはもちろんない。

 しかし複数の分霊箱の存在を把握しているのは、僕と、レギュラス、バーティの三人だけだ。脅威は去っていないとどう叫んでも、このタイミング、この雰囲気では効果がないだろう

 

 ドン、と肩が人とぶつかる。物思いに耽っていたせいだ。調査だの実験だので鍛え上げられているラクランはビクともせず、反省とともにぐらついた相手の腕を引っ張る。

「すみません!失礼を」

「チッ、はやくどけ!......お前は!?」

 一時は変装させてもらっていたハンサムな顔がそこにはあった。シリウス・ブラック。ずいぶん憔悴して、目だけが異様な光で満ちている。いつも優雅にカールしていた長髪は乱れている。マグルの多いキングズクロスの周辺だというのに、その右手には杖が握りしめられていた。

「その杖で何をするつもりです?」

「黙れ!お前も殺してやるところだデスイーター」

「はて。おれは今日の1時までパリにいて、流星群が騒動になったんで事態を調べにきたんですが」

「パリィ?デスイーターじゃないならすっこんでろ!」

「良識ある一般魔法使いだから聞いたんです。そのご様子ですと、ご友人を亡くされたのは本当ですか?そしてそのあなたは、これからなにを?」

 目を見ればわかる。この人はレギュラスと違って、昔からギラギラと過激な光を目に浮かべるから。知らず、ギリギリと腕を掴む手に力が入る。

「この目で確認した。ジェームズとリリーは、死んでしまった......!俺はこれから裏切りものを殺しにいく!」

「あっ待って!......あのていたらくじゃ自分で動いちまうのもわかるけど......」

 思い切り腕を振られて手は離されてしまった。

 しかしあの人なら、嘘でも親友が死んだなどと言うことはできないはずだ。これで真相にはほとんど迫れたはず。

 

 足早にグリモールド・プレイス近くの公園を経由するバスに乗り、窓ガラスから寒々しいロンドンの空を見上げる。

 あの日朝飯を食べないまま帰ってしまったバーティはどうしているだろう。頭が裁かれることもなくいなくなったら、待つのはさっきシリウス・ブラックがやったようなデスイーター狩りだ......。

 グリモールド・プレイス近くの公園の茂みで、まず警戒呪文とマグル避けをかける。それから屋敷を思い浮かべて、重々しい音を立てて現れた館のドアへ飛びついたところで、手が重なった。

「捕まえた!まったく、一人で行動したツケは僕だって払いきれていないのに!」

「あー......君たちやっぱり似てるな」

「兄だった人に会ったのか。それより警戒が薄いぞ」

「とにかく一旦中へ」

 ドアノブに同時に触ったのはもちろんレギュラスだ。レギュラスが生きているという情報自体稀だから、彼に確認は必要ない。ぐい!と扉の中に彼を押し込んで自分も入る。

「カーべイニミカムとホムナムレベリオを唱えていたんだ。君は敵でもマグルでもないからね。しかし......目眩しの呪文でもかけておくか?」

「そうだな。さっさと確認してさっさと出る」

 ラクランが杖を振ってレギュラスを隠したと同時、クリーチャーがひどくだるそうに掃除用具を引いて現れた。

「クリーチャー!」

 ラクランと同時にレギュラスも叫ぶので、目がありそうなあたりをひとにらみして、クリーチャーの元へ走った。

「ずいぶん弱っているけど大丈夫かい?ロケットになにかおかしなことは」

「ラクラン様......はい、私の寝床に置いてございます。この傷は奥様からいただいた罰です」

「そんな......軟膏をまた届けるよ。それよりお母様、は......」

 ラクランが言い切らないうちに、誰かの手が肩に触れて振り返った。レギュラスはこういうときに肩を叩いてからかったりはしない。振り返れば、目を大きく見開いた土気色の肌のヴァルプルガがいた。

「母さん......」

「おかしいわね......うちの息子はそんな瞳の色をしていたかしら?」

「ペトリフィカス・トタルス!」

 両肩をガシッと押さえ込まれたラクランが恐怖に目を見開くまま、ヴァルプルガが怒りの形相を浮かべた瞬間に、レギュラスが呪文を唱えた。

「レギュラス!お母様を石にしちゃうなんて!」

「〜〜!必要な処置だ。クリーチャー、ロケットは君の寝床ではなく、バケツの中にでも入れておきなさい。ただし間違って捨てないように。もしロケットの様子がおかしくなったら、すぐに僕のところへ逃げてきて」

「レギュラス様......お屋敷が...ヴァルプルガ様が......」

「君が住んで仕事をしているのはこの屋敷だが、君が仕えているのはブラック家であって、この屋敷ではない。そして母上は見ての通りだ」

 ラクランが浮遊呪文でヴァルプルガをソファに立てかけたのを確認して、レギュラスは顎をしゃくった。

「クリーチャー、軟膏を届けるからね。ヴァルプルガさんと二人にして申し訳ないけど、どうか頑張って」

「フィニート」

 レギュラスが唱えると同時、ラクランはレギュラスを連れて付き添い姿眩ましした。

 

 

 




 ずいぶん遅くなってしまいました......暗い!
 ラクラン、ポッター家とニアミス程度の関わりしかないので10月31日があっさりです。いよいよしんどいパートが来てしまいました。

・バーティの胸中
 レギュラスが指摘しているように、お父さんへの反発もないではないんでしょうが、それだけで突っ走ってしまうほど単純な人物ではないし、何より裁判のシーンがあるんですね......。
 ということで内心のどうこうより何をどう行動するか、という議論と
 スリザリンの三人で現在のイギリス魔法界に対して感じる問題点を共有しました。バーティは闇の帝王とも志を同じくしているつもりのようですが、(そしてレギュラス、ラクランとは違うと感じてしまったようですが)、果たして......。

・シリウス・ブラック
 ただ一人誰の裏切りが10月31日を招いたのか知っている人物。ハグリットに叔父さんのバイクを譲ったので、姿現しや徒歩で移動をしています。漏れ鍋で情報収集してどこかへいく途中のようです。

・うっかり!ヴァルプルガとの遭遇
 本人に遭遇した衝撃もあり、十分な変装をせずにブラック邸に来てしまいました。今回は石になれ!でなんとかしましたが、シリウスの動向が不安です。


 
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