ホグワーツの大広間は輝く粉を纏ったおおきなツリーに溢れていた。オーナメントは円形の虹を放っている。
「公現節はすぎてるけど、生徒が帰ってくるまで飾りを残しておいたようだな。ラッキーだ、こんな凝った魔法を見られるなんて」
ミンスパイを小さくしながら、バーテミウスが熱っぽく言ったが、ラクランは口を開けてボーッと大広間を眺めるので精一杯だった。
「綺麗だけど、片付けも大変そうだ。スプーキー達がやるのかな?」
ホグマニーでにぎやかな都会に出るわけでもなく、家でご馳走を楽しむでもなく、大掃除だけして悲しい思いをしたラクランは、この後始末を想像してちょっと屋敷しもべ妖精たちが気の毒になった。
「いつもホグワーツ中の洗濯や食事の準備をしてるんだぞ。大忙しにはなるだろうけど、彼らは魔法使いとは違った魔法を使うんだ。心配するのは彼らにとって失礼だろう」
「魔法使いとも魔法が違う...たしかに。まあ、それなら安心だ。掃除って一人でやるとものすごくしんどかったから」
ホッと息をついて、ラクランはミンスパイを二口で胃におさめた。スパイスがきいていてそれほど脂っこくないおかげでまだいけそうだ。十二等分に切り分けられているパイを一切れとり、一口大に切ってみたら、カツンとなにかがナイフにあたった。
「なんだこれ?」
つやつやとした淡い乳白色のそら豆型の陶器を手のひらにとって、よく観察してみる。中央部分に浮き彫りが施してあって、長い線が一本と、その途中から上に向かって二本、短い線が伸びている木のような形が見えた。
「これはルーン文字か?意味はわからないけど......もの自体はガレッド・デ・ロワだと思う。フェーヴ(そら豆)が入ってたらその日は王になれるというフランスの縁起物だ。おめでとう」
「王ってなんの王?君の家ではフランス流で新年を祝うの?」
「いや、クリスマスお邪魔したマルフォイ家のパーティで出たんだ。フランスの魔法族とも交流があるんじゃないか」
「すっげえ、おれの家は親族いないからなあ。今年は格別に寂しい休暇だったけど、じいちゃんがいてもうちはパーティはないよ。クリスマスは毎年聖書を読んでご馳走を食べるだけで、静かに過ごすものだから」
ちょっと恥ずかしくて小さな声でいえば、バーテミウスは思案顔で顎を撫でた。
「僕はそっちの方がいい。パーティに出ると休暇なのに休暇という感じが全然ないから。父上は一晩で4つもパーティへ挨拶に行かれるんだ」
ラクランもちょっと想像して、顔を顰める。
「お父上も大変だね、そりゃ大事なことなんだろうけど... いいプレゼントはもらえたのか?」
「杖ホルダーをいただいたよ、ほら」
バーテミウスはローブを少し避けて、ベルトから下げた杖ホルダーを見せた。
上質なヌメ革で、繊細なカットワークを施されている。杖との隙間に遊びはないけれど、カットワークのおかげで抜く時はスルリと取り出せるようだ。いずれにせよ、良い材料としっかりとした手間がかけられた品だ。
「かっこいい!もしよかったらおれのミンクオイルを使う?」
「ああ。今の季節は乾燥するから、借りていいなら...」
「もちろんいいとも。忙しかったようだけど、いいプレゼントに豪華な食事か。やっぱりうらやましいぜ」
あきらかに上等なプレゼントに、手作りの羽ペンをあげといてよかった、なんてみっともなく安堵しながら、ラクランは口を尖らせる。
「すごく大変だっただろうけど、結局おれよりずっといい休暇だったんじゃないか......」
「君にはちょっと申し訳ないけど、正直言うと僕もこのクリスマスは苦しんだ記憶ばかりなんだ」
「苦しんだって!?いや、ごめん。でも一体何に?」
「食事だよ。列車でも話しただろう。久しぶりに僕が帰ってくるからとウィンキーの気合いが入り過ぎて。でも父上はお忙しいし、母上はあまり食べる方じゃないから......」
「ゲッ、おれハロウィンのお礼でレシピをいくつか送っちゃった。まずかったか?」
「いや、脂っこくない料理は助かった。とくにスープは...トマトでもない赤いスープに、グリーンピースが入っているやつ。新しいレシピだから、君のだろうとあたりをつけたけど」
「赤いスコッチブロスのことかな?正解だ。家庭料理だけど、ビーツの赤とグリーンピースで、クリスマスに合うだろ?」
「なんの話?」
背後からニョキッと割って入ってきた明るい声に、バーテミウスとラクランは二人して飛び上がった。その拍子にラクランはフォークをほんなげてしまって、カランカランと石畳を打つ音が響き渡る。
「あっぶな!なにすんのさ?」
ひさびさに聞く、元気いっぱいな声に怒ればいいのかホッとすればいいのか複雑な気持ちになりながら、それでも勝手に笑う顔を抑えきれずに振り返ったラクランは、そのままコチンと固まった。
「久しぶりですね、体調は......」
同じく紳士な言葉をかけようとしたバーテミウスも、振り返ったのか言葉を途切れさせる。
イザベラは目をぱちくりさせてから、ゆるりと目を細めて上品に笑った。
「ひさしぶりだねえ、それよりキース、さっきの話、料理のことでしょ。レシピを教えてくれない?」
「えぇ!?なんだって急に」
「お元気になったようで何よりですけど、イザベラ、あなたは一体、どういう考えで?」
「なにさ二人して。私が料理について勉強したら悪いっての」
きゅっと少し不機嫌に目を細めたイザベラに、ラクランは心の表面を猫のざりざりとした舌で舐められるような、嫌だ、とまではいかなくても決して心地良くはない感覚を覚える。
「悪か...ないと思うけど、急すぎてなんでなのか気にもなるよ、その頭も」
「髪って言いな!いいでしょ?スリークイージーの直毛剤を退院祝いにたくさん買ってもらったんだ」
ひと束髪をすくって流してみせるイザベラは、少し縦に伸びてほっそりした。入院生活のせいもあるんだろうが、日焼けしてそばかすが散っていた頬も嘘のように真っ白だ。なにか塗っているんだろうか?
しかし1番の変化はなんといってもぼわぼわとして、味気ない茶色の髪紐で最低限束ねられていた彼女の髪だ。品がないとかそういうわけではないけれど、あの手この手でおしゃれする上級生ほど手間をかけていないのは明白だったのが、どうしたことだろう。
緩くカールして、複雑な模様が入っていて、そのへんのツリーに飾りとして引っかかってても違和感のないくらい、ツヤツヤしているのだ。どう見たって入院前の5倍はおしゃれになっていた。
「三つ編み、似合っていますね」
「アハハ、編み込みだよ、ありがと」
おっかなびっくりバーテミウスが褒めたのもけらけらとあしらわれて、ラクランの体はますますこわばる。
しかしベラは他の女子のように怒ったりはしなかった。気さくさはそのままなのに、笑いながら横髪を耳にかけるお上品なベラの仕草はまったく別人のようで、友人がいつのまにやらものすごく遠いところに行ってしまったような感じがした。
「あのう、レシピはよかったら屋敷妖精に送るよ。バーティのところのウィンキーにもお墨付きをもらったんだ」
「あんたの料理を家で食べたいわけじゃないの。私が料理を学びたいんだ!家に帰ったら料理なんてできないし」
ピシャリ!と言われてラクランは眉を下げた。
なんだって急に、料理をするなんて言い出すんだろう。屋敷しもべ妖精が家にいるなら、バーティのように彼らは仕事を取り上げられるとすごく悲しそうな顔をすることも知っているはずなのに。なんだかすごくザワザワする。
「おい、お前ブルストロードか?パーティで聞いた噂は本当だったか!」
「こいつはマーリンのヒゲ!」
マルシベールとエイブリーがやってきて、ベラを茶化す。よくない雰囲気に胸がざわざわする。
「うるさいね!私が何をしようと勝手でしょ!」
「勝手なもんか!お前も迷惑してるよな?ウィルクス?」
「はぁ?まあ同学年という意味で否定はしないが...」
マルシベールがベラの腕を捕まえてだる絡みするけれど、そこへレギュラスやベラと同学年のウィルクスまで通りがかって、バツが悪くなったのかついにベラは手を振り払い、踵を返して足早に去ってしまった。
「パーティで噂?一体どういう話なんだ?」
「僕はその話をしたくない...今は。彼女
を見極める時間が必要だろう。僕も、
彼女が何を考えてるか、噂でしか知らない」
イザベラに何があって何を考えているのか、関わる時間が大きく減っても、察するのはそう難しくなかった。それくらい、変化がわかりやすすぎたのだ。スリザリンなのに猪突猛進のケがあるイザベラは、取り繕うのが苦手だから。
わかりやすい変化としては、外見がおしゃれになったことに加えて、男子とはあまり話さなくなり、女子とつるんでクスクス雑誌を読んだりすることが増え、魔法薬の本を急に読み始めたこと。
でもどうして急にスリザリンの男子とつるまなくなったのかは謎だった。これが"パーティでの噂"に関係しているはず。予想はおおかたついていたけれど、べらべらとしゃべる子はスリザリンにあまりいないから確信がもてなかった。
「ギクシャクしてる子達は聖28一族の子が多かった。だから入院先の病院でマグルに惚れた、と騒いでしまって距離を置かれてるとか、そういう純血主義がらみのことじゃないかと...どうだろう?」
ラクランはキングズ・クロス駅のちかくの書店で買った病気の本をパラパラめくって、やっぱりちんぷんかんぷんなことに眉間を揉み、ランプを絞ってから、そっとバーテミウスにこの一週間の考察結果を話してみた。
「じいちゃんの病気がどういうものか、本を買ってみたけど、この通りちっともわからない。マグルの医学は馬鹿にできないし、聖マンゴ病院は知らないけど、マグル生まれでも技術や知恵がものをいいそうだから。きっとベラは、優れたマグルか、マグル生まれに入院中に出会ったんだ」
バーテミウスは目線もよこさず、ベッドを整えてながら相槌を打ってくる。
「そうだろうな。そういう噂が流れた。そして僕も、ほぼそれで間違いないと思う」
「ハァ〜!そっか!こんな結論に至るまでに一週間もかかった!!スネイプとの口喧嘩がいちばんのミスリードだった!」
「あの人が?」
ラクランがベッドに転がって悲鳴をあげれば、バーテミウスも
意外そうな声をだした。
「びっくりだよな?図書室で喧嘩してたんだ。28一族じゃないし、パーティに参加してたらあんなに痩せて休暇から帰ってこないだろうから、パーティの噂は知らないだろうって思ってたんだけど」
「ただ読もうと思っていた魔法薬学の本を借りられた、とかじゃないのか?」
「あの人、ちょっと気に入らないことがあっても顔には出すけど声には出さないじゃないか」
よっぽどのことがあったんだろうけど、イザベラ研究に加えてスネイプ研究までなんてさすがに無理だったから、あの喧嘩の真相はわかってない。何より、今は穏やかだ。
「これからどうするんだ?」
「......ミスター・スネイプのことはわからないけど、一週間みていて、僕は彼女にはもう関わらないほうがいいと思った。家族や、僕、君の安全のためにも」
バーテミウスが一週間で出した答えは重たかった。そういうのを聞きたくなくて、寝る間際に勇気を出したのに。
「ベラにはいっぱい助けてもらったし、話していて楽しい友達だ。彼女が家の風潮と合わない人を好きになったって、まだ学校を辞めたわけでもないんだし」
「彼女は君に料理を教えろと言っただろう。家を出て暮らすつもりがある、屋敷しもべ妖精のいる家に行くつもりはない、と、ブルストロード家や同格の家で、純血の魔法族として生きていくつもりもないと、君を使って暗に仄めかしたんだ。君はあやうく彼女に巻き込まれるところだった!」
ベッドから立ち上がって詰め寄ってくるバーテミウスは本当にご立腹だ。どうどう、と落ち着けながら、ラクランはあれはそういうことだったのか、とモヤモヤしていたものが腑に落ちて、でもちっともすっきりしないのを、ため息でごまかした。
「でも、でもさ?おれだって自分が喋ってないことを都合よくベラに埋めてもらってたよ、おれは友達になる以前から、ベラの勘違いを利用させてもらっていたようなものだろ」
「それとこれとはわけが違う!君は自分の話を全部明かさなかっただけで、なにかに彼女を巻き込んだわけではない。何か起こっても、彼女は"知らなかった"で済ませられた」
利用されかけた、なんて言われるとショッキングな感じがするけれど、イザベラとの友人関係はそもそもイザベラの勘違いを都合よく利用するところから始まったんだ。イザベラもとっくに、おれが感じたような都合よく利用されてる、あの嫌な感じを感じ取っていたかもしれない。それならお互い様だ。
「マグル生まれを隠すことに利用されといて"知らなかった"で済むなら、マグルだか知らないけど、その人を好きになって家を出ていくのを応援するのもよくないか?友達ならそれくらい.......まだなにか害を被ったわけでもないし」
「被害が出てからでは遅い!すでに"前例"がいるんだ。君はいよいよ、身の上話をできなくなるぞ」
「前例って?」
「アンドロメダ・ブラックという、レギュラス・ブラックの従姉妹にあたる人がいるんだが、マグル生まれの魔法使いとホグワーツで一緒になってしまってね」
「ワオ、そりゃめでたい」
「不幸なことに、僕たちの入学の2年前にだ。結婚なんて同世代が一通り入学し終わるまで待てば良い話だというのに、下の世代の迷惑も考えずあの人は責任を放棄した。お陰で純血を守るつもりのある家は、ホグワーツでの交友関係にいっそう厳しくなったと言うわけさ」
ひどく軽蔑した口調で語るバーテミウスは厳しく、とりつく島がない。まごまごとラクランが口を動かす間に、椅子へどかっと乱暴に腰掛けて、バーテミウスは腕組みした。
「僕は君と、寮が違っても合同授業でくらいは協力してもいいか、と話したけれど。うちの学年で他寮と組んでいるスリザリン生を見たことは?」
「いや......スリザリンではみないな。ハッフルパフとグリフィンドールはよくみるかも。レイブンクローは個人戦って感じだし」
「寮を跨いで友人を作っちゃいけないなんて話は本来ないそうだ。寮内の結束が強いのはどこもそうだけど、サラザール・スリザリンが純血の魔法族を重視したから、旧家の魔法使いが集まりやすいというだけだと母上は言っていた。父上のご友人にももちろんスリザリン出身者はいる。しかし遥か年上の身勝手のせいで、僕たちの代は交友関係を随分厳しく見られている」
「まあ、お陰でこの最高な二人部屋が与えられたと思うと、不運ばかりでもないけどな...自分たちの幸せのために顔見知りの誰かが不幸せになってたら、普通は気まずいよな」
「ああ、まったくだ。人に迷惑をかけてまで幸せを掴み取って、幸せになれるか?僕はきっと自分に忘却呪文をかけたんだって推察してる」
もうすっかり目が冴えてしまったようだ。ラクランは絞ったランプをもう一度明るくして、小鍋でココアの粉を練る。
「レギュラス・ブラックは先輩たちの中でも立ち回りがうまいけれど、無神経な身内がいるからあれほど悪目立ちせず、誰とも馴れ合わない振る舞いをしてるんだと思うね」
あんなに警戒していたくせ、急に随分と高評価がきた。
レギュラスを微妙な言い回しとはいえ褒めるバーテミウスに、ラクランはひょいと眉をあげた。
「クリスマスパーティでなにかあったの?」
「パーティにレギュラス・ブラックも参加していたんだ。今までシリウス・ブラックが台無しにしていたのが嘘のように、きちんとしていたし、ブラック家のご両親も落ち着いていた。あの人はまだ、信頼できると思う」
好きなように食事した暁には魔法界から追放されそうなパーティの話にラクランは身震いした。そりゃ、バーテミウスもレギュラスも、四六時中背筋をピンとしているわけだ。
「クリスマスパーティを羨ましがってごめんよ」
ココアを差し出しながらいえば、バーテミウスはフンと鼻を鳴らして肩をすくめた。
「別に、疲れはするが小さい頃から当たり前のことだ。対してイザベラは愚かだ。家で守ってきたものに反する感情を持つなんて...」
「いや、それはちょっと待ってよ、感情は好きにできないから感情だろ」
ホグワーツ行きの列車に乗る前、ウィンキーとバーテミウスに抱いた好奇心、バーテミウスやレギュラス達と話す内、楽しいなと弾む感情。そういうのも馬鹿にされたような気がして、つい口をはさむ。
「そういう気持ちを持ってしまうのが百歩譲って仕方ないとして、隠すことなく表に出すのは大問題だろう!」
「そりゃ、時と場合によっては隠すのも大事だけど......隠すのが苦しいこともあるよ」
「苦しくてもやらなくちゃいけないことだ。一人のわがままでみんなを不幸にしてはいけない。僕たち子供にだって、責任があるんだ。......君には、わからないかもしれないが」
そう言われてしまうと、ラクランはなにも言えなかった。古い家柄の子供が背負う役目というのもわからなかった。家の名前を残すとか、"問題ない"人と結婚すること?家族が望んだ通りのひとになること?
たった一人の家族であるじいちゃんのために何をしてあげたらいいか、何になったらじいちゃんにもらったいろんなものに報いることができるのかすら、おれはわからない。
迷惑をかけてごめんと謝ると、じいちゃんはおれに、水臭いことを言うなと必ず怒る。でも、かけちゃいけない迷惑だってたくさんあることは知ってる。
どこまでがかけていい迷惑で、どこからがかけてはいけない迷惑?おれはどうしたら、じいちゃんの責任とやらを背負えるんだろう。
「ああ。......おれはたしかに、わかってない」
「うっ!」
「大丈夫!?指折れた?」
風に撫でられて波のようにクラストした雪面をザクザク鳴らして歩いていたら、ふーふー息をする汗まみれのレギュラスに遭遇した。
誘われるまま風のない中庭へ出てみれば、ちゃっかりクアッフルなんかをおさめたトランクの横に二本の箒もあって、なんとなく嵌められたような気分になったけれど、朝焼けに染まる冷たい空気の中箒に乗るのは気持ちが良いぞと言われてしまっては、乗らないわけにもいかなかった。
鼻を真っ赤にしながらウロンスキーフェイントをこなした後、クアッフルを高速パスしてみよう、というので付き合っていたのだが、何回かやるうち、つい強めにラクランが箒で打ち返した球にレギュラスがうめいたのだった。
箒の上でちょっとよろめいたりなんてするから、ラクランは慌てて箒から飛び降りて駆け寄る。箒でそばまで寄ってホバリングするよりこっちのほうがまだ確実だった。レギュラスは片手運転でゆっくり螺旋を描いて着陸して、手をひらひら振ってみせる。
「悴んでいたからちょっと痛かったんだ。大丈夫」
「なんだって?」
なんともなさそうに言われて、凍った地面に飛び降りた足の裏が、途端にジンジンしてきた。焦って損した!ラクランはむかついてレギュラスを肘でつつく。
「うちの寮のシーカーですよね?!手くらいちゃんとあっためといてくださいよ」
「まだ正シーカーじゃない。しかたないよ、ウールや厚手の革グローブじゃスニッチもクアッフルも掴めないから」
「魔法は!?」
「衣服に魔法をかけることはあるけど、指先を覆ってしまって万一滑った時を考えるとね......」
そういってどう見ても夏用の指抜きグローブを見せてくる。指は不気味な青紫色だ。
「滑らないからってこんな手で取れると思うんですか?」
ラクランはウンザリして、ポケットに突っ込んであった陶器の豆(年明けにガレット・デ・ロワからゲットしたフェーヴだ)を取り出して、握らせる。
レギュラスは不思議そうな顔をしてフェーヴをつまんで、それからどんな宝物より大事そうに握りしめた。
「ふふん、あったかいだろ。寝る前に談話室の暖炉の灰の中にいれといたんだ」
「焼くのか......考えたこともなかった」
新鮮だ、と言わんばかりにいうレギュラスにラクランはしまった、と思った。
通学途中にある村の空き地で焚き火してるじいさんたちから火に突っ込んであった石をもらって、革手なんかにくるんで腹に当てるのがラクランにとっては当たり前だったが、魔法界ではそんなことするわけない。あの瞬間移動でビューンと行くか、漏れ鍋みたいに暖炉から暖炉へ移動するんだから外にも出ないのかも。
「アー、原始的な暖の取り方ですけどおれはそんなに魔法うまくないし......ねえちょっと」
ラクランはレギュラスの顔をぐいと覗きこんだ。さっきから違和感はあったけど、この人、
「やっぱり震えてる!指だけ温めたって話にならない顔色だぜ、なんかローブも凍ってるし!」
「いや、僕は...」
「手、今痛いでしょ?血が通ってきたんだろうけど、石はあっという間に冷えるし、そのまま置いといたら凍傷になるぞ」
さっきまでありがたそうに握っていたフェーヴを袖ごしにそっと持っていることを矢継ぎ早に指摘すれば、レギュラスは降参だ、と肩をすくめた。
「バーテミウス、起きてる?ちょっと相談があるんだけど」
「......なんだ」
ドンドン、とドアをノックしてきけば、ドアの向こうからむっすりした声が聞こえてきた。最近あんまり喋ってないけれど、人命にかかわる事態だ。気が重いとか言っている場合じゃない。
「レギュラスが顔面蒼白唇紫で歯をガチガチ言わせてるくせに、同室を起こしたくないらしくてさ。大広間でエッグノックを飲んでどうにかするって言ってきかないんだ。大広間が開くまで置いといたらそのまま凍死しそうでスープ飲ませるために引きずってきた。部屋へ入れても?」
早口で言えば、ガバッとドアが開いた。寝癖がぴょんぴょんしてるバーテミウスが現れる。よかった、不機嫌だけど怒ってはいないや。
「なにやってるんだ?僕は問題ないが」
「とりあえずありがと、呼んでくる」
談話室へ戻れば、暖炉から少し離れたソファに品よく座って震えているレギュラスがいた。暖炉は熾火も熾火だったからあんなに離れちゃ意味ないし、床へ座っておれのローブ使えって言ったのに!ちっとも顔色良くなってない。
「バーテミウスも入っていいって、ほら!」
無理やり脇を掴んで立たせ、部屋へ連れていけば、バーテミウスは大鍋でたっぷりの湯を沸かしてくれていた。
「うわ、何をしたらこんな顔色になるんだ?」
「まったくだ」
二人がかりでレギュラスを濡れて凍りついたローブをひんむいて毛布でぐるぐる巻きにしてから、大鍋の縁にタオルをかけて足をつけさせた。足はもちろん、鍋からあがる蒸気でだんだん肌が人らしい色になっていくのを横目に、小鍋でトマトスープをあたためる。
「こんなに汗かいてたならおれに付き合わずさっさと着替えにいきゃあよかったのに。なんだってそう痩せ我慢するんだか」
もともとほとんどつくってあったトマトスープに仕上げにタイムを散らして、7分目まで注いだマグを手渡せば、レギュラスは毛布の間から手を出して抱え込んだ。今は何も話したくないらしい。
頬が薄いピンクに戻ってきたレギュラスが、トマトスープを煽ってほっと息をつく。
「タイムの香りが効いてるな」
「禁じられた森のそばでつんで、乾燥させたやつだよ、タイムは万病に効くけど、寒さの中じゃ死を近づける。身に染みてお分かりいただけましたかね?」
「ああ、そっちの"タイム"ね」
つまらない洒落でクスクス笑うレギュラスに、バーテミウスのほうへ視線をやれば、向こうも肩をすくめた。こりゃあやばい。
「君がくる前から1時間ほど、空を飛ばずにトレーニングしていたんだけど、それで暖まって汗をかいていたんだ。せっかく君がきたからと思っていざ箒に乗って飛んでみたら、思ったより汗が冷えてね......しかも僕は上空にいたから、あっという間に凍ってしまった。迷惑をかけたね」
ラクランは聴きながら、マグカップの水面で揺れる光を見つめて、なんとなくもやもやするのを解明しようとした。イザベラに思ったのとも違う、もやもやだ。
グイッとスープを飲み干して、わざとガシャンとマグをおく。
突然の無作法にびっくりしてこっちを見る二人の腕を、ガシッとつかんだ。
「いいか、こういうのはね、ちっとも迷惑ってやつじゃない!」
「はぁ?」
「おれも久しぶりに箒で飛びたいなと思ったから朝練にノッたんだし、部屋に連れてきたのも、大広間の朝食を待ってあなたが風邪をひいたらおれが嫌だからだ。
おれの好きでやったことを、勝手におれの迷惑にしないでください。水臭いったらありゃしない!」
「そうは言ってもね」
「自分がやりたくてやったことを、迷惑をかけてごめんって言われたらさ。なんか線を一本引かれたみたいでいい気持ちがしなくないか?君はどう思う?」
バーテミウスに振ってみたが、早口で捲し立てるラクランに、コチンと固まってしまってこっちを見返すばかりだ。
「君が頑張ったクリスマスパーティを、迷惑かけてごめんって君のお母上は言ったかい?」
仕方なくラクランは、ゆっくりと問いかけてみた。
「いや、よくやったと褒めてくれたし、素敵なプレゼントもいただいた」
「迷惑かけてごめんって言われたら、君はどう思う?」
「僕がやるべきだと思って、僕がやりたくてこなしたからそれは違うと言うだろうな。それに、その程度のことも大変なことだと思われているんだろうか、と不安になる」
「気持ちはよくわかるよ。家族とか友達にはさ、あったかい格好していてほしい。風邪なんてひかないでいて欲しいし、元気でいてほしい。それはこっちが勝手に思ってること、やりたくてやってることなんだよね」
どこまでがじいちゃんにとって迷惑じゃなくて、どこからが迷惑か。どうやったらじいちゃんにゆるしてもらえるか。どうやったらじいちゃんに恩返しできるか。悩まなかった日はない。
でもほとんど耳鳴りのように、奥深くの方で、水臭い!と叫ぶしゃがれたじいちゃんの声が聞こえるんだ。おれがなにか遠慮しようするたびに、ゲンコツと共に降ってきていた声が。
「迷惑じゃなければさ、こっちが好きでやってることは、喜んで受け取ってもらえた方が、断然!絶対!嬉しいんだぜ」
レギュラスもバーテミウスも、こくりと頷いたが、その拍子にレギュラスは肘にむかって思い切りくしゃみした。
「ブレスユー!(お大事に!)」
ラクランは反射的にテーブルに手を置いて言ってから、途端に恥ずかしくなって、バッ!と立ち上がりガチャガチャと小鍋を片付け始めた。
「そろそろ大広間に食事が並ぶんじゃない?エッグノックを飲みに行こう!」
「このところ、エーット、感じ悪くてごめん。君が言ったことで納得もしたんだけど、モヤモヤしてて、でもそれをうまく言えなくて、あんまり喋ってなかった」
夕食のポテトを切り分けながら、ラクランはバーテミウスを横目で伺う。バーテミウスは紅茶を一口のんで、首を傾げる。
「別に。なんでも迷惑だっていうのも嫌な感じだって、おれも言われなきゃわかんなかったし。君もそれでもやもやしてたんだろう?」
「そうだけど、ちょっと違うかも。迷惑っていうのもなんかもやもやしたけど、責任ってやつは君のいう通りたしかにまだよくわかんなくて......」
「僕が言いたかったのは、血を裏切るものとかそういう汚名を着せられて、仕事にまで差し障ったりすることなんだ。子供が言ったことでも、子供を教育しているのは親。そういうふうにいろんな人に影響がおよぶ。君の家族はお祖父さん一人だけで、勤め人でもないだろう?だから...ああいう言い方になってしまった」
「たしかにじいちゃんは好き勝手やってるし、おれにはない悩みだな。でもそうなんだ、そこまで考えなくちゃいけないなんて大変だな...ああいや、それもやるべきだからやってるのか」
「はは、確かに大変だ。つらいだろう、迷惑だろうと言われたら違うけれど」
「なるほど?それが君やみんなの責任ってやつか......あのロジエールも?」
テーブルの隅で、ウサギの目!ハープの音色!とあきらかに言葉遊びの呪文を唱えているロジエールを指さしてラクランは聞いてみる。
「ロジエールは......あの家は闇の魔術に秀でているんだ。あそこまで偏りがある魔法使いは稀だという噂だが。あれで、家では代々危険な魔法具を管理している。
大変だけど、それをこなすことは"迷惑"じゃない。自分の役目だからね」
バーテミウスやレギュラスと腹を割って話す時間が増えると、イザベラと話す時間はますます減った。呪文について、クィディッチの戦術について、授業の予習、ちょっとした愚痴、話すことはいくらでもあった。
イースター休暇中は課題まみれでなにもできなかったが、ラクランにとっては祖父が退院した一報が届いただけで大満足で、これまで送れなかった手紙を束にして送った。
課題はぽこぽこ暖かい室内では捗らなかったので、雪がとけた草原にローブを敷いて腰をおろし、本を膝に置いて3人で湖を眺めた。陽光を反射して銀色に輝く湖面がどんなに眩しく美しくても、その中で重たい石がずっと沈み続けているような感じがした。
今朝はレギュラスとの練習を断って、セブルス・スネイプにもらった薬草学の古本片手にぶらついた後、暴れ柳に話しかけに出た。
暴れ柳はラクランの入学前に先輩たちが度胸試しで近づいて、接近禁止令が出るほど怪我人を出した木だが、そんなことができるほど賢いということは、話せばわかってくれるかもとラクランは考えた。そこで丁寧に挨拶し続けたら、2ヶ月かかったもののバーテミウスに羽ペンを作るための枝をくれたのだ。
もうすっかり友達のつもりだったけれど、冬の間はシンと静かに寒さに耐えていて、暴れ柳はうんともすんとも言わなくなってしまったから、随分寂しい思いをした。
「おはよう、久しぶり。もうすぐで日がのぼってくるよ!ふわふわの花穂、触らせてくれない?」
ごつごつとしたラグビー選手みたいな雰囲気なのに、柳だから花穂はふわふわだ。お願いしてみれば、暴れ柳はちょっと大枝を傾けて、垂れた枝先を近づけてくれた。
「!!元気そうで良かった、ふわふわだ!!」
灰色で、根元がちょっと赤紫色のふわふわはビロードのようになめらかだ。感動していれば、ふわりと枝をしならせて鼻先をくすぐられる。
「ふふ、くすぐったいよ...ネズミでも食べた?今度持ってこようか?」
枝を握手するように握ったままなんとなく見上げながら話して、木ってどこが顔なんだろう??なんて思っていたら、幹の方からひょろりと長い人影が現れた。
「君は......ここでなにを?」
「わ!え??そんなことよりあなたの怪我が!!あ、柳から離れて!」
嫌に沈んだ声で話しかけられて驚いたけれど、そんなことよりこの人顔や頭が傷だらけだ!まあたらしく血が滲んでいる傷跡にラクランは飛び上がって、それから柳から遠ざけようと腕を引っ張る。
「これはなんでもない、僕は大丈夫だ!」
「嘘つけ大丈夫なもんか!ハナハッカ!」
柳にピシッと軽くしばかれて、ラクランは自分がちゃんとポケットの中にハナハッカの小瓶を持ってることを思い出す。もういじめられるようなことはないけれど、バーテミウスと頑張って作った力作だ。取り出して即座に小瓶を傷にぶっかけるも、自分の怪我にやった時のようには傷が塞がらない。
「何をした!?」
「そんな、効かない??期限切れとか?と、とりあえずマダムポンフリーのところに!」
膝を擦りむいたりうっかり腕をスッと切ったりすることはあったけれど、頭をこんなに傷だらけにした人を見るのは初めてで、ラクランはすっかり動転していた。がっしり腕を掴んだまま走って校医のところに行こうとして、数ヤード引き摺ったところで肩を押さえつけられた。
「傷なんてどうでもいいんだ。君はどうしてここにいる?何を僕にかけた?」
振り向いた先でギラギラと揺れるくすんだ緑色の瞳があった。両肩を抑える手はラクランをそのまま沈めんとしているかのようで、とても重い。
「あなたにかけたのはバ......友達と調合したハナハッカ。なぜか効かないけど...ここにいるのはこの柳に会いにきたから」
「日ものぼらないうちから暴れ柳に?接近禁止令が出されているだろう?」
鼻で笑われて、ラクランはちょっとムッとする。
「友達なんだ。いいやつだよ、たまにボディランゲージがつよいけど。それより早くマダム・ポンフリーのところへ」
「君が一緒に行く必要はない。目を失いたくなかったら二度と柳に近づかないことだ」
「どうして?立派な友達なのに。ほら」
手を振り忘れていたと、思い出して、バイバイと手を振れば、暴れ柳も左右に幹を揺らして応えてくれた。どうだ!と笑顔を向けても、青ざめた顔はニコリともしなかった。
「まあ、ひとりで行けるならいいや。それじゃ、気をつけて!」
ハナハッカの効きが悪かったことを談話室で机を占領するバーテミウスに報告しても、学年末試験の勉強に全神経を集中している彼の反応はおざなりだった。それより大きく反応したのはエバンだ。
「上級生に断りもなく魔法薬をぶっかけたって!?善意でやってようとお前、呪われてもおかしくないぜ。警戒しろよ」
「警戒って?いつもプロテゴを張るなんてできないよ」
「プロテゴなんて俺もできないね、呪い方なんて上級生はいくらでも知ってるに決まってるだろ、お守りを身につけて大人しくしとくんだよ」
全くお前は〜といいながら、杖でトントンと肩を叩かれる。とりあえず今身につけてるものが闇の魔術とかで呪われていないか、見てくれているらしい。
「兄さんは世話焼きだな〜」
「お前の兄貴になった覚えはない、うちは闇の魔術には詳しいんだ。とりあえず今は大丈夫だな」
神妙にしてるのをちゃかすように、エバンはラクランの頭を軽く叩いた。
「やったな!」
「ラクラン、エバン。変身術と呪文学は?」
バーテミウスの素晴らしい集中力と、同じ一年生とは思えないピリついた雰囲気のおかげで、ラクランもロジエールも、苦手教科でもかなり健闘できた。バーテミウスはもちろん、レギュラスも首席だ。素晴らしい点数なのに、なにかこそこそ話されていたのは気に障ったが。ラクランも上位の方だったし、エバンはラクランと僅差だった。
「変身術のお題、"ネズミを美しい嗅ぎタバコ入れに"は、ひどいよ、おれは丸缶にはいった嗅ぎタバコしか見たことないのに」
スリザリンは古いコレクションなどをきちんと残している家が多いから、加点について、どういう装飾に変身させた、と話し合うみんなを横目にラクランは口をとがらせた。
「じゃあどうしたんだ?ネズミから丸缶は難しいだろう」
「缶じゃ味気ないし、尻尾を残さない自信がなかったから、触ったことのあるパイプを飾り立てることにしたよ。ツヤツヤできれいな木目に、マウスピースとの繋ぎ目にはシルバーの蛇を巻きつけた。"嗅ぎタバコ"じゃないけど、葉っぱを入れるのは一緒だろ?一応ちょっとだけ加点がもらえたぜ」
ラクランとバーテミウスは、はじめスリザリンの中で下に見られないために、一生懸命点を稼いでいたが、お陰で二人合わせてクィディッチ一試合分以上は貢献したはずだ。その甲斐あってか、学年末パーティは緑と銀に装飾され、先輩たちからも代わる代わるもみくちゃにされた。
これでもうマグル生まれだろう、とあたりをつけて、面と向かって嫌がらせしてくる人も、バーテミウスにお父上への恨みをぶつける人もいなくなるだろう。なんて言おうと、彼らよりずっとスリザリンに貢献したのは僕らだから。ラクランはバーテミウスと二人で勝ち取った地位がとても誇らしかった。
寮杯を獲得してのぼせあがったおかげで、スプーキーにたくさんのオートクッキーを渡して、もくもくと煙を吐くホグワーツ特急に乗ってからも、みんな試験や加点の話で持ちきりだった。
列車がスピードを落とし、制服からマグルらしい装いに着替えて、トランクを取り出しに行く。ラクランはこれからまたスコットランドへとんぼ返りだ。ごった返す中をせかせかと動き回っていれば、レギュラスにクスクス笑われた。
「そんなに家に帰れるのが楽しみかい?」
「もちろん!友達に寮杯に成績に、話したいことがたくさんある!なにより、久しぶりのじいちゃんだ」
「寂しいな、"兄さん"はどうでもいいって?」
エバンが茶化してくるのにトランクをドンとぶつけてやる。
「また会えるんだ、別に寂しくないだろ。ああでも、みんなに手紙を出したいな。君たちも暇な時に送ってくれる?」
「僕に暇な時はあまりないけど......送るよ、約束だ」
「俺も気が向いたら送ってやるよ」
「僕も送るよ、では、また学校で」
またまたなっがくて申し訳ない...。でもやっとだいぶお友達になれたしリーマスも出せて嬉しいです!これから先はちょっとずつ早送りして早いとこ原作に近づきたい所存。
ドラコがハリーにいった、「付き合う友達は選んだ方がいい」、おそらくスリザリン寮の気風においてそれは確かに処世術の一つであり、闇の帝王が消息をたった時代ですらその色が残っているのだから、闇の帝王が勢力を伸ばしていた時代はより緊張感があっただろうな、と。
そのうえアンドロメダ・トンクスさんとシリウス・ブラックなので、下の世代の緊迫感は相当なものだったはずです。彼らの自分の考え、思いを大切に生きる生き方は素晴らしいものではありますが、同時に別のものにもウェイトをおく人間は当然にいるんですよね。
バーテミウスは自分が大切にしているものに対して、同じ立場、思考であったはず、あるいはあるべきだ、と考えている人がそこから逸脱する(裏切る)のを大変に嫌っていそうなので、気づいたらブチギレあそばされていました.......。
一点、7話でマグル育ち梟なしなのに平然とクリスマスプレゼントを梟便してるラクラン、という矛盾点を産んでしまいましたことお詫びいたします。当作主人公はわりと小賢しいので、きちんと感謝を込めつつ早めのクリスマスカードをスプーキーあたりに帰り際渡し、ホグワーツから梟便でお返しお菓子を頂戴してその子を流用した、という感じで....。
マグル且つ梟なしの事例として、ハーマイオニーは炎のゴブレットでも「手紙を書いてね」、アズカバンではハリーの誕生日に「フランスにいるけどプレゼントが税関で引っかかるかもしれないからどうしようか考えていたらヘドウィグがきた」と書いているんですよね〜
でもそうなるとドビーがハーマイオニーからのハリー宛の手紙回収してたのは本当に謎なんだよな。マグルの手段で送られたであろうものを感知して回収...???覚悟を決めた屋敷しもべ妖精やばい。