未来産ラルトス系列ポンコツヤンデレメカ娘with薙刀   作:テツノポッポ

2 / 2
なんかあったやつ2個目です。続きはもうありません


テツノタビジュンビ

 

 エルを家に連れ帰るにあたっての1番の悩みは、明らかにエルレイドには見えないその存在そのものだった。ぱっと見エルレイドではあるが明らかにメタリックな装甲がついていて流石に誤魔化しがきかない。

 

 これがまだ古代種──例えばサケブシッポやハバタクカミの様な姿であればちょっと個性のある原種として紹介できたはずだ。

 未来種はテツノツツミ以外厳しいし、テツノツツミも首が弾け飛ぶからいずれ限界が来るだろう。コイツらを原種認定できるのはガラル人だけだ。

 

 しかしこの悩みは母さんの一言で一瞬にして解決した。

 

「おかえり、シラタキ。あら? その子もしかして……ブリムオンね!」

 

「エルレイドだよ!」

 

 いや、エルレイドじゃないテツノブジンだ! 

 百歩譲ってサーナイトならともかく、ブリムオンとは似ても似つかないだろ。頭ガラルかよ。そういやうちの母さんはガラル出身だったわ。

 

 と、まあこんな具合にいい感じに誤解してくれた結果、エルはエルレイドの特異個体として納得してくれた。

 なかなかブリムオン説を手放そうとしなかったのが予想外だったが、今はもうエルが可愛くて仕方ないのか普通に馴染んでいる。

 

 ただ1つ、現在の状況で不可解なことがある。

 

 

「なんで俺はエルの膝の上に乗せられてご飯食べてるんだ?」

 

 家に戻り、母さんにエルを紹介すると時間も時間なのですぐに夕飯となった。それはちょうど良い時間だしよく分かる。

 だが、何故俺はちょこんと椅子に座ったエルに抱え込まれる様にして捕まっている? 

 今の俺はエルが差し出してくる食事を自分の手も使わずにパクパク食べるだけだ。

 

 なんだこの状況??? 

 

 エルの身長は140cm、そして俺の身長は150cmなので俺の方が身長は高い。そのため、俺を膝に乗せているエルは完全に俺に隠れてしまっている状況になる。

 

『お義母さまはワタシに言ってくれました。「シラタキをよろしくね」と。これはもう親公認のケッコンということで問題ありませんね!!』

 

 エルは顔に取り付けられた画面に(°▽°)の様な表情を浮かべて何故か喜んでいる。

 なんで? 何がそんなに楽しいの? 実はその正体は奉仕種族かなんかなの? 

 

『さあ、マスター。口を開けてください。ワタシは既に夫婦が食事中に行う行為をラーニング済みです。はい、アーン』

 

 そうこうしながらも、エルは俺の口の中に食事を突っ込んでくる。

 

「あらあら、仲が良いのね」

 

 母さんはなんの役にも立たずニコニコしているだけ。

 

 

 いや、それくらい自分で出来るから!!! 

 

 

 なんとかしてエルを振り払って自分で食事を摂ることに成功した。けど、その時にめちゃくちゃ悲しそうな顔するのはやめてくれ。罪悪感がマシマシになる。

 

 そしてその後、風呂に入っている時にエルが普通に突撃してきた。風呂には1人で入りたい派の俺としては入ってこられるのは嫌だったけど、これからエルとは長い付き合いになる訳だしこのくらいならこれからもっとあるだろうと一緒に入った。

 

 ただ1つ懸念点があるとするならば、エルが水に浸かっても問題ないのかという点だ。

 テツノブジンは明らかに未来の精密機械に見える。ゲームにおいては水技を受けてもピンピンしていたが、現実ではそうもいかない。

 万が一ということもある。

 

 ……が、全然大丈夫そうだし、なんなら自分から水に濡れにいっているから多分問題ないのでしょう。

 

『ふふふ、マスターがワタシに見惚れていますね……! それも仕方ないことでしょう。何せこのワタシの計算され尽くしたパーフェクトボディーの前ではナニモノであろうともメロメロになってしまいますからね』

 

 ……何故かドヤ顔をしている気がしたので思いっきり水をかけてやった。

 

 風呂を出て、それからテレビを軽く見たあと寝ることにする。この身体はまだ子供のそれ。夜更かしなんて健康的に良くないことはできない。

 

 エルはタイマーボールの中に戻ってもらった。

 

 手作りはともかく、市販品のモンスターボールの中は意外と快適に作られているらしい。以前、テレビ番組のモンスターボール特集で職人が説明していたから知っている。

 

 ただ、ポケモン自体にも好みがありボールの中で過ごすことが嫌な個体も少なくないとのこと。サトシくんのピカチュウなんかがこのポケモンに該当するだろう。

 

 軽く見た限りではエルが苦しんでいる様子はないので、特に配慮をする必要はなさそうだ。

 

『マスター、夜這いに来ましたよ!』

 

 ポンと音を立ててエルがボールの中から抜け出して俺の布団の中に潜り込んでくる。

 

 まあ、ボールに入るのが好きか嫌いかに関しては好みの問題だし、強要せずに本人の好きにさせてあげるのが1番だ。俺も特にボールに入っていて欲しいとか思ってないしな。

 ただ、人がいる中でエルを出しっぱなしにするのは危険だ。それも、あまり強くない今はなおさら。そこら辺はその都度相談して決めていくことにしよう。

 

「ベッド1つしかないからこっちから?」

 

『マスターからワタシをベッドに誘う? つまりこれはゴウイということでよろしいですね! マスターはなんの心配もいりませんよ。ただ、テンジョウと窓に張り付いているゴースの数を数えているだけで良いので』

 

 この後普通に寝た。エルとの絆が深まったのを感じる1日だった。

 

 

 翌日

 

 

『ひ、ひどい……。何も手をダシテコナイなんて……』

 

 何故かエルが泣いていた。なんか面白そうなのでそのまましばらく放置しておこう。

 

 顔を洗い、服を着替えて、朝食を取る。これで朝の準備は終了だ。

 

 そうして戻ってくるとまだ泣いていた。面白そうなのでしばらく放置しておこう。

 

 エルと旅に出るつもりであることは既に母さんには伝えてある。バッグやテント、調理器具といった旅に必要なものはこの日に備えて既に用意をしておいたらしい。さすがポケモン世界。ナチュラルに旅するという選択肢が日常にあるとは……。

 なので今日は、きずぐすりやモンスターボールなどのチャンピオンを目指すのに必要な品を買いに行こうと思う。

 幸いなことに同じ街にフレンドリーショップがある。街を移動する必要がないのは楽で良い。

 

 という訳で、やってきましたフレンドリーショップ! 

 新しい作品だとポケモンセンターと一緒になってたけど、昔はバラバラだったんだよなぁ。久しぶりにポケモンセンターに組み込まれていないフレンドリーショップを見かけてテンションが上がってしまった。まるでテーマパークに来たみたいだぜ! 

 

「あれ? シラタキじゃん、どうしたんだ?」

 

 野原ひろし状態だった俺に声をかけてきたのはお隣のケンイチ。そして何故か片手でエアームドを締め上げている。

 

「え、ああ……。いや、そろそろ旅に出ようかなって思ってさ。ボールとか買おうと思って」

 

「おっ、奇遇だな。俺もそうなんだよ。パートナーポケモン決まったのか?」

 

「ああ、決まったよ。ケンイチはそのエアームドがパートナーポケモン?」

 

「ん? いや、これは野生のポケモン。捕まえたんだけどボール持ってなかったからさぁ、急いで買いに来たんだよ」

 

「へぇー、エアームドを倒すとかすごいな。どんなポケモンで倒したんだ?」

 

「素手」

 

「え?」

 

「いや、俺まだポケモン持ってないからさ、素手で捕まえるしかないじゃん?」

 

「お、おう」

 

「だから素手でエアームド倒してここまで引っ張ってきた訳。こいつ空飛んで逃げるから俺も空間蹴って空飛ばなきゃダメでさぁ……。捕まえるのマジで大変だったぜ!」

 

「????」

 

「決め手はやっぱり効果抜群の炎タイプの技だったぜ。摩擦で着火した拳を何度か叩き込んでようやく仕留められたんだ。お前も覚えておけよ? 鋼タイプに炎タイプの技は効果抜群だってな!」

 

 じゃっ! と片手を挙げるとケンイチはエアームドを引きずったままフレンドリーショップの中へと入っていった。俺はあのエアームドの哀愁漂う顔を一生忘れることはないだろう……。

 

「でも普通は……ポケモンが居ないから素手で捕まえようとはならんし平然と空も飛ばんし拳に摩擦で炎が着くこともないやろ……」

 

 おかしいのは俺か? 世界か? 

 

 どう考えても世界です。あいつだけなんか世界観違くない??? 

 

「……帰るか」

 

 この後必要な分のアイテムを購入して家に帰ってエルを抱きしめて寝た。

 

 冷静に考えたらまだ昼だったので全く寝られなかった。当たり前である。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。