仮面ライダー流浪   作:ボルメテウスさん

72 / 78
凌馬の最後

(死ぬ瞬間、走馬灯を見るとは言うが、まさしくこの状況な訳か)

 

まさしく、今、目の前で自分の死が迫る。

その最中でも、凌馬は、冷静であった。

いや、それは既に達観であった。

 

(非常に残念だが、私はここまでのようだ。本当だったら、カチドキロックシードを解析して、貴虎用のを開発したかった所だけど、それはまぁ、あのDJサガラがやる可能性があるから、良いか)

 

そうしながらも、懐から取り出したのは写真。

未だに若い頃、凌馬、貴虎、悠の3人が出会った頃のばかりの写真。

その時は笑顔であり、同時に彼にとっての人生には大きな意味を齎した。

 

(私の人生は、天才故に孤独だった。周りの大人を利用する事ばかり。そして、自分を認めてくれない者ばかりで嫌になっていた)

 

まるで、過去の自分を見るように。

暗い道を歩いていた。

その前に現れたのは2人の人影だった。

自分の研究の最初の理解者である貴虎。自分の可能性を信じてくれた悠。

彼らとの出会いが、凌馬にとって、人間としての感情を手に入れるきっかけだった。

 

(これまでの人生では下らないと思っていた事も。理解出来なかった感情も。それらを彼らと共に手に入れる事が出来た。

だけど)

 

感情を得たはずなのに、自分の中では未だに狂気があった。

もっと力を。

神になる力を。

その為ならば、どのような手段も使わない。

むしろ、あの2人は邪魔なのではないか。

それが、これまでの凌馬の歩んできた道によって出来た確かな黒い影。

 

(この戦いで、オーバーロードを倒せた。そして狗道達を倒した。

だが、その後に待ち受けるのはなんだ?勿論、黄金の果実の争奪戦だ。

それに対して、私がどうするかなど、分かりきっている)

 

友を裏切る。

それが、凌馬にとっては、最善の手だろう。

そう考えるように出来ていた。

最も邪魔になる2人を始末する事。

それは、おそらくは、これから待ち受けていたのは間違いない。

 

(だから、これで良かったんだ。ここで彼らの為に戦い、そして死ねる事。私は、どうしようない悪人だけど、それを止める事が出来た)

 

同時に目を開けば、そこはおそらくはどこか別の場所。

それが、最後の幻影なのか。

 

『私の才能が、研究が、唯一価値のあるものなんだ……この世界の真理なんだ!』

 

それが、おそらくは自分の言葉だろうと分かる。

その光景を見ながらも、凌馬は笑みを浮かべる。

 

「真理などくそ食らえ。私が欲しかった物は、とっくに手に入っていたんだから」

 

そうして、最後に見えたのは、悠と貴虎だった。

彼らが、その腰には凌馬の最高傑作のベルトと共に世界を救った。

最後の最後に見た幻。

凌馬はそれを見ながら。

 

「これを現実にしてくれよ」

 

炎の中に消えた。

次回作の仮面ライダーの原作は

  • 響鬼
  • カブト
  • ウィザード
  • ドライブ
  • ゴースト
  • エグゼイド
  • ビルド
  • ゼロワン
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。