ようこそ純愛過激派の教室へ 作:妄想癖のメアリー
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魅惑の混合合宿
ホワイトルームのいざこざを片付けてから1か月と少しが経った木曜日の朝。俺たちAクラスは、高速道路を複数連なって走行するバスの一つに乗車していた。1クラス1台のバスを使い、前後左右には12台。つまり4クラス×3学年と、全校生徒がこぞって東名高速道路の上を移動している。
これからどこへ向かい、何をするかなどの説明は一切受けていない。学校側の指示としてはジャージを着用しての集合と、予備のジャージと替えの下着を複数枚用意することを推奨されたのみ。無人島試験の時と同じスタンスだ。
まあ、だからといって単なる旅行だと思っている生徒はもう居ないだろう。
「一体どちらへ向かうのでしょうか。十中八九、お楽しみが待っているとは思いますが」
ワクワクした様子を隠そうともしないのが、隣の席にすっぽりと収まっている有栖。見学のときも基本制服のままのため、ジャージ姿は結構新鮮だ。
「さあ。有栖も同行を許されてる時点で、無人島試験みたいなガチサバイバルはしないと思うけどね」
これが冬休み中だったらレジャーの可能性もワンチャンあったが、既に学校は始まっている。時期的には林間合宿の可能性は低いが、この学校にそういう常識を当てはめるのは悪手だ。
「ペーパーシャッフルでは敗北を喫してしまいましたから。遅れを取り戻さなければいけません。期待してますよ」
────クラス間対抗でテスト問題を出し合って、その結果で勝敗を決めるペーパーシャッフルでは、俺たちAクラスは僅差でBクラスに負けてしまった。これに関しては俺と有栖が使い物にならなかったことが結構痛かった。せめて有栖が問題を作れれば何とかなっただろうが……それを求めるのは酷だろう。逆に行方不明だったのにケロッとされてたら泣く自信がある。
退学者は学年で0人だったそうだ。俺はテストこそ受けていないが、日ごろの成績がいいからペアで退学にならない最低点を貰った。ありがたい。
「姫様やる気満々だな。これは九条も気を引き締めないといけないな?」
「はぁ……忙しい学校ねほんと」
「……」
ニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべて煽ってくるのは橋本君。変わらず気だるげにため息を吐いているのは神室さんだ。鬼頭君は窓枠に肘を乗せ、顎を手に乗せながら寝落ちしている。個性豊かで良い友人たちだが、入院中に芳さんが持ってきたお土産を全部食い散らかされたことは今でも根に持っている。
自然に口元が緩くなっていることを自覚していると、おもむろに担任の真嶋先生が立ち上がってマイクを手に取る。
「これから大事な話をさせてもらう。寝ている生徒が居たら起こしてほしい」
ざわざわとした喧騒が止み、クラスに緊張が走った。
「さて。このバスがどこに向かっていて、これから何をするのかを、そろそろ知りたい頃だと思う」
視界の端で橋本君が鬼頭君を小突いているところが目に入ると、辺りを少し見渡した後に真嶋先生が話し出した。
「勘のいい君達なら既に気づいているだろうが、これから新たなる特別試験を始めたいと思う。今頃他のバスの中でも同様の説明を受けていることだろう。だが、無人島試験の様な大掛かりな特別試験ではない。それに比べたら比較的簡単なものとなるだろう」
流石にあそこまで大規模な試験はそう頻繁に行うものではないらしい。しかし、比較的簡単と言われてはいるがそれを安易に信じていいかは疑問が残る。
「これから君たちをとある山中の林間学校へと案内する。恐らくあと1時間もしないうちに到着するだろう。つまり、説明に割く時間が短ければ、その分君たちが考える猶予が増えるということだ」
この時期に林間学校か。予想が外れたな。この時期の山中となると結構冷えそうだ。
「普段の学校生活では上級生と触れ合う機会……特に部活をしていない生徒は接触が少ないだろうが、今回の林間学校では学年を超えての集団行動を7泊8日で行ってもらう。試験の名称は『混合合宿』。これから試験について書かれた資料を配っていく」
事前に用意していたのであろう、席の先頭に資料の束を渡す真嶋先生。資料は比較的分厚く、最後のページを見ると19と書かれていた。
最後の一冊を受け取ったことを示すと、先生は頷いて説明を続けた。
「先に読み進めるのは自由だが、混合合宿について説明を始める。資料はバスを降りる前に回収するので、ルールはしっかりと把握するように。質問は最後に受け付ける」
とのことなので、話を聞ける程度にパラパラとめくってみる。最後に回収すると言っていたが、この程度の内容だったら30分もあれば覚えられるから問題ない。……もちろん俺じゃなくて有栖がだけど。
「まず、君たちには目的地に辿り着き次第、男女別に分かれてもらう。そして学年全体で話し合いを持ち、そこで6つのグループを作ってもらうことになっている。グループの人数等の条件は手元にある資料5ページに書いてある。しっかりと目を通しておくように」
一斉に資料の5ページへと目を落とす生徒たち。そこには合宿のグループにおけるルールが書かれていた。どうやら同学年の男女で分けた際の総人数で分岐するらしい。
「……仮に同一学年の男子生徒が60人以上であれば8人から13人。70人以上であれば9人から14人。80人以上であれば10人から15人が1グループにおける下限と上限の人数となる。ただし、60人を下回る場合は別途参照……どれだけ減ることを想定してるんだか」
「分かりませんよ真澄さん。卒業する頃には60人を下回っている可能性は大いにあります」
嫌味を込めて呟く神室さんに対して、有栖が可能性を示唆する。
あり得ない話ではないだろう。例年なら現時点で4,5人ほどの退学者が出ているらしいし、これから試験が更に激化することを考慮すると、3年生なら20人近くが退学していても何ら不思議じゃない。
「……なるほどね」
40人×4クラスで160人。男女比は5:5のためそれぞれ80人。退学者が1人も出ていない1年生の場合は10人から15人のグループを6つ作ることになるだろう。
……
「もう分かっていると思うが、男女別で6つということは、他クラスの生徒が混合した中でグループを作るということだ。そして、林間学校の間はそのグループで特別試験を乗り越えてもらうことになる。下にも記載されている通り、
大人しく話を聞いてきたAクラスだが、この発言にはさすがに動揺する生徒も多かった。
「面白くなってきましたね。資料の内容については話を聞きながらでも覚えられるので、旭君は気にせず先生の話に集中してください」
資料を流し読みしながら言うのは有栖。頼もしい限りだ。
そして、続く真嶋先生の話をまとめると以下の通りとなる。
・他クラスと混合で作ったグループで、試験期間内に行動を共にする。
・その内容は多岐に渡り、授業を受けるだけでなく炊事や洗濯、入浴や就寝まで行わなければならない。
・特別試験の結果は試験最終日に行われる総合テストによって決められ、評価項目は『道徳』『精神鍛錬』『規律』『主体性』の4点。
・同学年で作る6つのグループを『小グループ』と呼び、2,3年の小グループと合流し、最終的に6つの『大グループ』となる。
・大グループに所属する生徒全員の平均点で結果が決まり、所属する生徒は大グループの結果に応じて報酬やペナルティを受け取る。
「……とすると、小グループのメンバー以上に上級生のグループが大事になってきそうだな」
そう呟きながら、報酬とペナルティが書かれたページを見る。
『基本報酬・ペナルティ』
1位・プライベートポイントを1万ポイント。クラスポイントを3ポイント
2位・プライベートポイントを5000ポイント。クラスポイントを1ポイント
3位・プライベートポイントを3000ポイント
以上の報酬を生徒1人1人に配布する。
4位・プライベートポイントを5000ポイント
5位・プライベートポイントを1万ポイント。クラスポイントを3ポイント
6位・プライベートポイントを2万ポイント。クラスポイントを5ポイント
以上のペナルティを生徒1人1人受けるものとする。
報酬形態としてはこれ以外の選択肢はなさそうだが、この『1人1人に配布する』という所が中々ミソになってきそうだ。その上ペナルティが報酬より多いときた。
理想的な勝ち方としてはAクラス14人、他クラス1人の小グループを作成し1位を取ることだが、そこまで単純に事は進まないだろう。しかも、仮に1位を取れたとしても得られるクラスポイントは14×3で42ポイント。正直かなりしょうもないポイントだ。ペナルティを考慮しても、自クラスで固めて勝ちに行く作戦はあまり有効的とは思えない。
「得られる報酬が少ないように感じただろう。しかし、この試験は
そして、それを最後という様に真嶋先生の説明は終わった。多くを語らないのはこちらを信用してのこと。見落としの無いように気を付けないと。
「……なるほど。報酬が変わる条件として『小グループの人数』『小グループに所属するクラスの数』……そして、『責任者』という概念があるそうです」
・小グループの人数によって報酬が倍増。
例:10人から15人のグループの場合、10人で等倍、1人増えるごとに0,1倍ずつ加算。
・小グループに所属するクラスの数が多いほど報酬が倍増。3クラスで2倍、4クラスで3倍
・小グループごとに『責任者』を1人決める。責任者の所属するクラスは報酬が2倍になる
・上記はペナルティには適応されない
つまりAクラス12人+各クラス1人の合計15人の小グループを作り、責任者をAクラスで出して1位を取った場合……336クラスポイントが最大で貰えるということだ。
そしてペナルティには適応されないため、最下位を取ったとしても減るクラスポイントは60ポイント。正直言って破格の条件だ。試験の期待値はかなり高いと言える。
「一見すると責任者になった者勝ちのように思えますが。ふふっ。流石、いやらしい条件が追加されています」
嬉しそうに呟いた有栖がこちらに資料を見せてきた。
そこには目を疑うような内容が書かれていた。
・最下位になった大グループにおいて、ボーダーラインの点数を下回った小グループの責任者は退学となる。
・責任者が退学する際、ボーダーを下回った一因とされる生徒を1人道連れに退学にすることができる。なお一因とされるかは学校側が判断する。
他の生徒も気が付いたのか、先ほど以上にざわつき始めた。
今までも学校側は退学という結果をちらつかせてはいたが、それはテストの点数や普段の素行などといった自身で解決できるものだった。ペーパーシャッフルでさえ小テストの点数から調節が可能だったし、現に1年生は今までに退学者を出していない。
「責任者が不在の場合どうなるのでしょうか」
それを、自身を含めた15人の成績にゆだねるのだ。確かにメリットは大きいが、わざわざ自分から責任者になろうとする生徒はそう多くない。
「その場合は小グループ全員が退学となる。そんな間抜けな生徒は今まで存在しなかったがな」
どこかから出てきた質問に、真嶋先生は表情を変えることなく答える。
「一因とされる生徒もわざと赤点を取ったり、試験をボイコットしなければ問題は起きない。その条件に関しては抑止力程度に考えてくれ」
「退学者が出た際のペナルティ、その救済措置はあるのでしょうか?」
退学者が出ることを前提とした質問を投げかけたのは有栖。流石、この程度では動揺のどの字もないな。
「こと今回の試験においては、退学者のペナルティは100クラスポイントだ。救済措置に関しては最終手段だが、退学そのものの取り消しをプライベートポイントで買うこともできる」
ここで入学当初説明された『この学校においてポイントで買えないものは存在しない』というルールが活きてくると。
その言葉に喜色を露わにするクラスメイトだが、現実はそう甘くなさそうだ。
「
「取り消しが行われた前例はあるのでしょうか」
ここで俺も質問してみる。2000万という膨大なポイントに加え、300クラスポイントも必要となるのだ。退学の取り消しを行うということは、クラス全員の同意があった上で行う必要がある。各々の懐からポイントを徴収する必要もあるだろう。
残酷な話だが、生徒一人に対してそこまでする価値をクラスメイトが見いだせるかは疑問が残る。……有栖が退学したら? そしたら俺も退学するからモーマンタイ。
「ある。とだけ言っておこう。君たちの経済状況なら、あるいは可能かもしれないな」
毎月16万近くのポイントを貰っているんだ。よほど浪費家でなければ50万ポイントは残っていると考えるのが自然だろう。クラス全員で出し合えば不可能な話じゃない。
「分かりました。ありがとうございます」
もっとも、そんな状況はなるべく来ないで欲しいところだが。
「ほかに質問はあるか? なければ君たちで話し合うといい。スムーズに説明が終わったからな。他のクラスと比べてもかなり早い方だろう」
前列の生徒にマイクを渡すと、席に座り直す先生。
マイクを渡された子は遠慮がちにこちらを見つめ、後ろの席にマイクを渡した。その流れで俺の席までマイクが渡ってくる。
因みに俺の席は一番後ろの5人席の真ん中。左から鬼頭君、橋本君、俺、有栖、神室さんといった順で座っている。後ろは酔うから真ん中に座ろうと提案したのだが、有栖がここが良いとのことで仕方なくだ。
「よし。じゃあ話し合おっか。みんなルールで把握できてないところある?」
でも結果的に皆の顔が見渡せていい感じになっている。全員が通路の方に顔を出してこっちを見ているのは中々面白い。
「男女別って言ってたけど、もう完全に会わないって感じなのかな」
奥の方で女の子が手を振って質問をしてくる。それに関しても資料に記載済みだ。
「棟が2つあって、それぞれ男女で分けて使う感じだね。夕食の1時間を除いて会うことは禁止されてるっぽいよ」
「あ、そうなんだ。良かったねー九条君、愛しの坂柳さんと離れ離れにならなくて」
「やかましい」
そうツッコむと、バスの中に小さな笑い声が響いた。もう俺と有栖の関係はバカップルとして認識されている。間違いでは無いし、どこに出かけるにしても学校の人と鉢合うからどうしようもない。
ともかく、幾分かクラスの緊張も解けただろう。感謝しないとね。
「グループの作り方に関してはどのようにお考えですか?」
資料を膝の上に置き、いつもより大きな声で質問してくる有栖。
「主戦力で12人で固めて他クラスから1人づつ入れるのが理想だけど、果たして上手くいくかどうかだね」
「めちゃくちゃ警戒されそうだけどな」
「ですが、他のクラスから見てもそう悪い話ではないと思います」
「というと?」
橋本君の懸念に応えたのは有栖。明らかにAクラス有利な構成だが、他クラスのメリットとは一体何だろうか。
「単純に全てのクラスが同じ作戦で動けばいいんですよ。固まったクラスから責任者を選出すれば勝った際の報酬も多くなりますし、ペナルティに関してもクラスの主力を集めている以上最下位になってもボーダーを下回ることは考えづらいです。獲得したプライベートポイントは後にクラスで分配すれば不満も出ません」
確かに各クラスで割り切って編成すれば、ローリスクハイリターンで試験を続行することができる。責任者ボーナスがペナルティに付与されない以上、人数が多いクラスの誰かが責任者をするべきだ。
「なるほど……めっちゃいい作戦じゃねえか!」
どこからか感嘆の声が聞こえてくる。たしかに、一見すると悪くない作戦だが、この作戦には
「いいか、九条」
クラス全体が有栖の考えに賛成といった雰囲気の中、冷静な面持ちで手を挙げたのは葛城君。
「確かにグループ対抗の試験を実質クラス対抗にする案は効果的だ。しかし、その場合残りの5人にかかる負担が大きすぎる」
「どういうことですか?」
葛城君の隣に座る戸塚君が質問を投げかける。葛城君の言いたいことが何となく分かるが、他の生徒は戸塚と同じように疑問符を受かべている。
「言い方は悪くなるが、残った生徒というのはこの試験で高得点を納めることが難しい生徒ということになる。しかも残りのグループは各クラス2人か3人の小グループになる。それぞれ同じ人数だと連携を取るのも難しくなるだろう。そうなると残った2グループは恐らく5位か6位、
「あっ……確かに」
6グループというのも、先ほど有栖が言った作戦を実行されないための措置なのだろう。そう簡単には行かないということだ。
グループの組み方に関してはそれぞれ考えがあるだろう。選抜メンバーに選ばれる自信のある生徒はもちろん有栖の考えに賛成だろうし、逆もしかりだ。有栖のことだ。その懸念点にはとっくに気が付いているだろう。その上で「そんな生徒のことなど知ったことではない」とか思ってるんだろうなぁ……
「……なるほど。確かにその通りです」
にこやかに答える有栖。絶対思ってる。間違いない。だって目が笑ってないんだもん!
「こらっ」
「んっ……」
ムッとしている有栖の頬をつまんで引っ張る。もちもちとした弾力に癒された俺は、別の視点から提案を投げかけた。
「グループ決めもそうだけど、まずは方針と男女のリーダーを決めた方が良いかもね。ついた途端に即分断! みたいなことになったらどうしようもないし」
「うわ、そうなったら大変だね」
携帯も没収されるとなると、とうとう何も指示が出せなくなってしまう。その前に信用できる子に方針を与えて動いてもらうのが吉だ。
「誰がリーダーにふさわしいかは旭君が決めてください」
暗に『私をリーダーにしてください』と言っている有栖。輝きをふんだんに含んだ瞳をこちらから離さない。自分から立候補すればよいものを。
「その場合は有栖にお願いしようかな。体のことに関してはいつも通り神室さんに」
「ふふっ、任せてください。真澄さんもお願いしますね」
「……いつも通りって何よ。いつも通りって」
指名されてご機嫌の有栖と、文句を言いつつもまんざらでもない神室さん。正反対の返答だが、どっちも可愛いことは間違いない。
「そもそもの方針に関してはどうするつもりだ? 勝ちに行くのか、それとも守りに行くのか」
リーダー決めを終えたと悟ってか、橋本君が聞いてくる。
「
「ってことは、積極的に責任者になるってことだよな。それ相応のリスクも大きいと思うが」
「ドベを取って当人が退学になること以外、責任者のデメリットってマジで無いんだよね。ボーダーの高さがどの程度かが分からない以上リスクは高いけど、それはどのクラスにも言えることだし割り切っていいのかなって」
「肝据わった考えだな。だが少なくとも俺は嫌だぜ? 退学のリスクはほとんどの生徒にとってデカすぎる」
橋本君との応答が続く。尖った考え方なのは間違いないし自覚してるから、それを皆に強要するつもりは甚だ無い。
「もちろん、全ての小グループで責任者になれとは言わないよ。グループ数的に1人か2人も居れば十分。当人のメリットって殆ど無いし。だから俺は有栖の言った、報酬を平等に分けるって案にも反対なんだよね」
「とすると、責任者が貰う報酬の割合を増やすということか?」
葛城君から確認されたが、正直少し増やすだけでは全然割に合わないからもっとあげたい。
「うん。何なら報酬の半分くらいはあげちゃっても良いかなって。上手く行けば54万ポイントのお小遣いが貰えるかもね。上手く行けばだけど」
お金の話を出した途端に色めきだすクラス。毎月大金を貰ってるAクラスでも、4か月分のボーナスには惹かれるものがあるそうだ。
「そ、そんなに貰っていいのか?」
「いいよいいよ。だってその子がリスクを負ってくれたおかげで増えたポイントだもん。何だったら倍増したクラスポイント分の、プライベートポイントをあげても誰も文句は言わないでしょ。最大で……大体1万5千×40人で毎月60万ポイント。大富豪も夢じゃないね」
Aクラス12人の小グループで1位を取ったときの報酬108万ppt、336cptを基に計算した。理想論も理想論だが、実際生徒一人一人の能力値が高いAクラスならば、そう現実離れした提案でもないはずだ。
今お金に困ってる子は流石に居ないだろうし、他クラスとのポイント差が広がるなら皆受け入れてくれると思う。現に誰も文句言ってないし。
「俺やろっかなぁ……」
「ただし、万が一それで退学になっても助けるつもりは無いからね。そこは予め言っておくよ」
リスクを取った者にこそ報酬が与えられる。退学者を救済するくらいならAクラスからは責任者0で行った方が良い。
「うっ……」
「さっき俺が言ったリスクと報酬を天秤にかけて、それでもやりたいって言う人が居たらその人にお願いする。誰もやりたくなかったら俺責任者やってもいいよ。もちろん無償でやるから、その時は皆で割り勘しようね」
バスが到着するまでの40分の間に大いに悩んでほしい。そこまで難しい話でもないはずだ。
「……無償って、あんた頭おかしいんじゃないの?」
「え、何で?」
突然神室さんから暴言を吐かれた。意味が分からない。
「あんたにメリット無いじゃない」
「メリットはあるよ。Aクラスが他クラスよりポイント貰えるじゃん」
「それだけで、退学のリスクを許容するってこと?」
リーダーを任されている以上、これ以上に喜ばしいことなんてないだろうに。
というか、退学退学言ってるけど、みんなビビりすぎなんだよなマジで。Aクラスの人たちなら絶対余裕で勝てると思うんだけど。
「まあね。ってか、正直負けると思ってないし」
自分の仲間を信じないリーダーがいてどうするんだか。俺は最初から勝つことしか考えてないぞ。
「……気持ち悪」
「俺も同意だ」
「えっ……」
ペーパーシャッフルはAクラスの負けです。原作でも僅差だったししょうがないね。
龍園のやる気スイッチオフ+綾小路が本気とのことでCクラスが勝利です。
Aクラス:1556cpt
Bクラス:553cpt
Cクラス(堀北):488cpt
Dクラス(龍園):142cpt
坂柳に認められ、葛城から託されたから覚悟ガンギマリの旭君です。神室さんと橋本はは普通にドン引きしてます。
といってもそう簡単にはいかないでしょうね。龍園のやる気スイッチもつきましたし、Cクラスには綾小路が居ます。綾小路と龍園の関係性も結構変わってるので、そこら辺も描写出来たらなと思ってます。
高評価や感想等頂けると作者のモチベーションがぐんと上がります!
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