強制異世界転生者、延命配信始めます? 作:異世界神(代理)
その作家は神だった。文章が上手い、という比喩で使われる神ではなく本物の神様だった。
神は今現在、執筆フォームと睨めっこしていた。
■小説タイトル ※100文字以内
■本文 ※150,000文字以内
0文字
■関連付け
■編集メモ ※100文字以内
書いては消し、消しては書いて、時々SNSを見たりして。
あーでもないこーでもない。タイトルは後で決めるべきか先に決めるべきか。読者をグッと作品へ引き摺り込む強い書き出しはどうすればいいんだ。
「異世界モノわかんねえ〜!」
ついに筆を投げた。なお執筆活動に使用しているのは紙とペンではなくスマートフォンなので正しくはスマートフォンを投げた。
何故己は異世界の神なのに異世界モノが書けないんだ。それが神の悩みであった。
――異世界の神様も異世界モノ書くんですね、というツッコミが飛んできそうだが待って欲しい。時間停止モノのえっちビデオは本物が混ざっているという噂があるではないか。つまり投稿されている異世界モノの中にだって作者が異世界で体験してきたこと、又は異世界を見れる人による作品があってもおかしくないだろう。そんなわけないだろ! と批判したものは全員不幸なことに転生トラックの餌食となって――それはさておき。
――異世界モノさ、流行りが変わってくスピードおかしくない? ランキングに入ってる作品からタグやあらすじ、内容を確認し共通するネタを得て今一番熱い題材を書いて……。さて投稿しようとしたら書いていたネタはもう時代遅れだったりする。
――なんでこんな目に合わなきゃいけないんだ……神は……誰かの作った流行りに乗っかったテンプレ書いて読者の皆から評価されて感想欄で全肯定されて他の作家から褒められて書籍化や漫画化、アニメ化を狙っているだけなのに……!
神はクソだった。真面目に書いている人に謝れ異世界の邪神。なおコイツ、神と呼称されはするが中身がこの有様なので作品を投稿できたことはない。
いつもはそこで終わってしまうのに今回は違った。悩んで、悩んで……ついに閃いた。閃いてしまった。
――そうだ、実際に異世界転生とか転移させた日本人を用意してそれ参考に書けばいいじゃん! 異世界モノ知ってる日本人を複数人捕まえてー、自殺とかされたら困るし精神に手を加えて、あっ異世界モノ書くんだから異世界モノっぽい行動しない奴にはペナルティ与えられるようにここをちょいちょいっと弄って。忘れちゃいけない、スキルも持たせて。んー、人外モノに対応できるよう適当に人間辞めといてもらおっか。うん、これでヨシ!
何を見てヨシ! って言ったんですか……?
えー、というわけで。この物語はこのクソ異世界神によって異世界に誘拐された日本人達が異世界で生きる姿を一部抜粋したものになりま……。
――あー人間への説明つかれたー。異世界転生させる相手に土下座する神とかいるわけないんだよな神様ニワカ作者どもめ。あ、お気に入りしてるやつが更新されてる! うひょー、この曇らせ最高〜!
執筆から逃げるなァ! 逃げるなクソ外道神!