遊戯王 セカンド   作:ゆ9

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気分でやりなおします


夜見町編
第一話 未来へ


 空に浮かぶ無数の飛行船のライトで、キラキラと光るフィールド。

 幼かった僕はその中で繰り広げられる決闘(デュエル)を見ていた。

 僕は父さんからもらったレベル2のモンスターカードを手にし、デュエルする父さんを応援していた。

 

 対戦相手は「ヴェルズ」というカードを使用した、相手の行動を封じ込めるロックデッキだった。

 特殊召喚を得意とする父さんの「リターン・メイク」の行動は封じ込まれ、手札は0。誰もが見て、父さんが負けるんだって思ってた。

 

「俺のレベル5以上のモンスターの特殊召喚を封じる『ヴェルズ・オピオン』、特殊召喚したモンスターを裏側に変更させる『ヴェルズ・ナイトメア』の前では、お得意の特殊召喚もできまい!」

 

 父さんの場には父さんを守るモンスターも、伏せカードもない。ライフもわずか100。会場は冷めていて、帰る人だっていた。

 

「それはどうかな」

「なに?」

決闘(デュエル)はどんな結果が待ってるかはわからない! 俺は未来を信じている!」

 

 僕は父さんが言っている事が信じられなかった。父さんはこのターンまで低レベルモンスターで攻撃をしのいでいただけだった。勝てるはずなんかない。

 

「俺のターン! ドロー!」

 

 カードを引いた時、父さんは笑った。

 

 引いたカードを相手に見せ、カードが会場の巨大モニターに映し出される。

 

 僕は、目の前で何が起こっているかわからなかった。

 たった1枚のカードから、今まで倒された低レベルモンスターが現れ……。

 

「儀式召喚! 創生の使者! 『リターン・メイク-アルティメット!』」

 

 【レベル8 攻撃力3000 守備力2100】

 

「こ、攻撃力3000だと!?」

「俺は『リターン・メイク-アルティメット』で、プレイヤーにダイレクトアタック!」

 

 父さんのモンスターが空を飛び、相手に向かって、手を握り、垂直に降りる。

 

『決まったァァァ! 騎遊 陽手《きゆう ようた》選手! 軌跡の大逆転で見事、優勝だァァ! 優勝した騎遊選手には賞金と新たなに開発されたセカンドカードが贈呈されるぞ!』

 

 実況の声で会場は盛り上がり、大声援がかかった。

 

―――――――

 

「父さん!」

 

 会場から出てきた父さんに僕は抱きついた。

 

「優勝おめでとう!」

「か、奏多《かなた》ぁ、見てくれていたのか?」

 

 父さんは少し照れくさそうにしていた。

 

「うん! やっぱり、『リターン・メイク-アルティメット』は強いね!」

「いや、本当に強いのは『アルティメット』じゃない」

「え?」

 

 父さんはデッキから何枚かのモンスターを出した。

 

「本当に強いのはこいつたちだ」

「て、低レベルのモンスター? 壁にしかなってなかったじゃん!」

「いいや、こいつたちがもし俺のデッキにいなかったら、俺は『アルティメット』をだすことができなかった。それだけじゃない。あの勝利まで、俺を連れて行ってくれたのはこいつらのおかげなんだ」

 

 たしかに、『アルティメット』をだすための儀式カードは低レベルモンスターがそろえ、そして出すための素材となった。

 

「確かに、強いカードが存在するのも事実だ、でもな。弱いカードにはそれ以上の無限の可能性があるんだ」

「無限の……可能性?」

 

 僕は昔に父さんからもらった低レベルモンスターをポケットから取り出した。

 父さんはそれを見て、思い出したように、スーツケースから一つのデッキを取り出した。

 

「これ、お前へのプレゼント」

「え?」

 

 それは、優勝者に与えられた、新たなに開発されたカードのデッキだった。

 

「これって、さっき……」

「うん、さっきもらったやつ」

「え、でも、これって強いデッキなんでしょ? 僕には無理だよ……」

「大丈夫だって、お前ならきっと、使いこなせる。それに、もしお前がピンチの時はそのカードが助けてくれるさ」

 

 僕が取り出したカードを指さして、父さんは少し悪っぽく笑った。

 

 あれから十年後……。

 

 




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