朝、僕は学校で行われるデュエル合宿の荷物の確認をしていた。
昨日の入学式はまさか、あの軌道と同じクラスだったのも驚いたけれど、雲居さ……アイカとも同じだったのは驚きだった。
彼女と喋るとき、気にしちゃいけないのはわかるけど、つい胸を見てしまうんだよな。
昨日は忙しくてできなかったけど、クラスの人ともデュエルできたらなぁ。
あーだこーだ思ってる内に学校に着く。
未だに、こうやって登校してる間に、周りがデュエルして、ぶっとんだりしてる光景は慣れないけど。
やっぱり、学校から近いって楽だ。僕は校門に入る前に立ち止まる。
「おい! なんだその格好は!」
「はなせ! 俺のシルバーアイズに何をする!」
……なんだか、聞き覚えのある声だ。
僕が小走りで向かうと、そこには生徒指導の教員と、全身ドラゴン……多分シルバーアイズのかなぁ? ……の着ぐるみを着て言い争ってる軌道がいた。
「俺はシルバーアイズの新たな可能性を見つけるのだ!!」
「いいから、早く脱げ!!」
僕は彼を無視して、校門をくぐった。
―――――――
体操服登校だったので、集合場所のグラウンドをでると、みんな見分けがつかなかった。未だ、クラスでも話せるのって、アイカしかいないし、僕はアイカを探す。
「彼方くん、おはよ!」
「あ、アイカ、おはよ」
アイカは僕を待っていたかのように、やってきた。
彼女は立ち止まると、周りをきょろきょろと見渡す。
「あれ、軌道くんは?」
「え? 軌道? どうして?」
「いや、昨日のデュエル見てたら、仲良いのかなぁって」
「うーん……どうなんだろう……」
「?」
確かに、この町に来てから一番接点があるとしたら彼だけど……。
僕は、さっきの着ぐるみの軌道を思い出す。
ないない。絶対にない。
「まぁ、いいのかな……?」
「そうなんだ! それだったら、昨日はごめん、不良だ、とか言っちゃってさ」
「私、誤解してたのかな。レベル2のモンスターって、普通の人だったらバカにするのに……。軌道くんって単にデュエルが好きな人だったのかも」
「うーん……デュエルが好きって言うよりは……」
シルバーアイズが好きっと言ったほうが正しいような…………。
それに不良って言うよりは天然なのかな?
確かに、他の人よりはすごい情熱はあるのだろうけど。
「これから、点呼をとりまーす! 名簿順で早くクラスで並んでください」
点呼係の人が呼びかけながら、走り周り始めた。
「そろそろ、並ぼうか」
「うん!」
並んで、点呼を取り、校長先生の話や、注意などが終わると、
突然、身長が180cmあるリーゼント頭の筋肉ムキムキ、グラサンの男の人が校長台に上った。
「え、何あの筋肉……」
筋肉は生徒用のデュエルディスクをはめており、一応、この学校の生徒であるというのはわかった。
「おまぇらあああああああああ!!」
筋肉がマイクを持ち上げ、つばを飛ばしながら叫び始めた。
僕達はあまりにうるさい声に耳を塞ぐ。
「俺は3年、
……。
「えっと、彼も有名な人?」
僕は小さな声でアイカに聞く。
「いや、知らないけど……」
つまり、痛い人なのかな?
「この二日間のデュエル合宿のデュエル講習の特別講師としておめぇらと一緒にやらせてもらう!!」
「覚悟しな!!!」
いちいち彼はポーズを取りながらしゃべった。
そういえば、この学校のデュエル合宿の時に行われる二日めのクラス対抗戦のデュエル大会の前に行われる選抜テストの時に講師として3年生が見るって聞いたっけ。
6クラスだから……6人選ばれてるのだろうけど、あんなナリでも実力はあるのだろう。
「ふんっ……あのような雑魚に教えてもらう道理はない」
軌道は着ぐるみを着たまま、顔だけ出し腕を組み、言う。
どうやって許可を得たんだ……。
僕たちはそのままバスに乗って合宿の場所に向かい、部屋に行った。
「……まさか」
「どうした、彼方。次はデュエル大会の選抜テストだろう」
「同じ部屋って……」
確かに、クラスの席順が名列じゃなくて、くじだったからああなったんだけど、部屋割は名列だから、一緒の部屋だったんだ……。
しかも、二人きりって。
「ふんっ、心配するな。俺とお前ならクラストップなど楽勝だ」
いや、そういうことじゃなくて……。
「着ぐるみを着たまま、デュエルするの?」
「無論。俺はこの合宿でシルバーアイズの新たな可能性を見つけなければならない」
「僕にはその発想はないよ…………」
「ところで、彼方。貴様、なぜ自らの体を鍛えていない」
「え」
「デュエリストたるもの筋肉も必要、俺とライバルであろう男がそのような貧弱な体では困るからな、貴様専用のトレーニングを用意した」
彼は、シルバーアイズの着ぐるみのお腹のポケットから文字がびっしりと書かれた一枚の紙を取り出す。
え、えーと……。
「デュエルで筋肉って必要なの……?」
「当たり前だ、この町を生き残るためには必要だ」
軌道の声は真剣そのものだった。
「そんなの、デュエルに勝てばいい話なんじゃ……」
「いつ襲われてもおかしくはないんだぞ!!」
妙に説得力のある言い方だった。でも、
襲われるって……そんな、さすがのデュエルの町だからってそんなことはないと思うけど……。
僕はしぶしぶ着ぐるみの軌道と一緒に選抜会があるホールに向かう。
「おい、あれなに?」「なんだあのドラゴンの着ぐるみ……」
めちゃくちゃ見られてる。
軌道は顔も着ぐるみで被い、パッと見ると、小さなシルバーアイズが歩いているようだった。
「ついたよ」
僕は軌道に言うと、ホールに入る。ホールでは既に何人かの人が集まっていて、デッキを見せ合ったりしていた。
「あ、彼方くん、私のデッキ見てくれない?」
アイカがデッキを持ちながら、やってきた。
「デッキ? いいけど」
人のデッキを見るってなんだか慣れないんだよね……。
僕がアイカのデッキを受け取ろうとした時、ホールの扉が勢いよく開いた。
「おめぇえええらああああああ!!! 準備はできってっかぁあああああああ!!」
え。
みんな、扉の方を見る。
げっ……あの変な筋肉だ。
「ふん、誰かと思えば、あのガリガリ野郎じゃないか」
軌道は筋肉を見て言った。
あれのどこがガリガリなのだろうか。
まさか、あの人がこのクラスだなんて……。ついてないのかもしれない。
筋肉はドスドスと歩きながら、教壇に立った。
「俺が見て回るから、しばらく、お前らはデュエルをしろ! それからクラス代表を俺が決める!!」
そんなむちゃくちゃな……。
しぶしぶ、僕達は軌道以外みんなデュエルを始めた。
逆らったら、デュエルではなくあの筋肉で何されるかわからないからだ。
しばらく、筋肉はじろじろと見ながら見ていた。
が、彼は急に立ち止まり、叫びだした。
「なんでぇえいおめぇい!!!!」
「あ?」
一人、女子がデュエルをしていなかったらしい。
「おめぇじゃい! なんでデュエルしてないや!」
「あ、デッキ忘れたんだよ」
「ああん!? ふざけてんのか!!」
彼は女の子に自分のリーゼントをぶつけ、彼女を倒した。
「痛っ」
「!!!」
その光景にクラスがざわめく。
「デッキ忘れるなんぞ、なにや……」
彼は再びどなるかと思えば、彼女を見て、言うのをやめて、急ににやけだした。
倒れた彼女のポケットから、デッキが落ちていたのだ。
「なんでぇい、あるじゃねぇかよ……」
彼はそのデッキを拾った。
「か、かえせ!」
「なんでぇい、ちょっと見るだけじゃねぇかよ…………おいおいおい、なんでぇいこれはぁああ!!!」
彼は奪い取ったデッキを見て笑いだす。
「そりゃあ、こんなデッキじゃデュエルできんわ!! 上級モンスターなしに、低レベルモンスターと、汚れたカードだらけ!! デュエルなめとんのかぁああああ!!」
低……レベル……?
僕はその言葉に反応する。それだけじゃない、カードを、ましてや人の大切なカードをあんな風に扱うなんて。
筋肉は見終わったデッキを一枚だけ残し、地面に投げ捨てる。
彼女は捨てられたデッキを拾い集めようとする、が、筋肉は捨てたカードを踏みつけた。
「しかも、リバースモンスタぁ? そんな時代遅れのモンスターつかっとるの始めてみたわ!!」
最後の一枚のカードを彼は離して、彼女を蹴ろうとした。
僕は思わず、彼女の前に出る。
「ああん? おめぇ、デュエルはどうしたんでい」
「……僕と」
「ああん?」
「僕とデュエルしろ! 僕が勝てばこの子に土下座しろ!!」
筋肉は僕を見て笑いだし。
「ひぃひぃ、何言い出すかと思えば……」
彼は僕の顔を見て笑い出す。
「そういや、てめぇ、セカンドモンスターっつぅレアカードを持ってるじゃねぇか。おめぇが負けたら、俺がそれ全部いただくぜぇ!」
「……いいよ」
この人……ちょっと変な人だと思ってたけど。いや、変な人ならよかった。
こんなクズ、デュエリストじゃない!
僕はディスクを広げようとすると、捨てられたリバースモンスターが視界に入った。
特にこれと言って弱いわけではない。それに、彼女のデッキだって。
……確かに、見たところレベルはバラバラで、効果もあまり使われない1、2、3のモンスターばかりだけど……。でも、このデッキって、なんだか、ある方向に向かうみたいなデッキだ。
「ねぇ、君、名前は?」
僕はデッキを拾っていた女の子に声を掛ける。
「え……オレの名前は
轟さんは不思議な顔をして、こちらをみた。
「お願いがあるんだけど……」
「……なに?」
「君のデッキ、貸してくれないかな」
「……え!?」
彼女は驚く。
「な、なんで弱いオレのデッキを!」
「…………あと、
彼女は気がついたように、ポケットから取り出した、小さな白いデッキケースを僕に渡した。
「ありがとう」
僕はディスクにはめてあった自分のデッキを取り出し、『デッキ・シャッフラー』を彼女のデッキに入れ、しまう。
僕だけなら、このデッキを使いこなせないかもしれないけど……。
頼んだよ、『デッキ・シャッフラー』。
「おいおい、俺をなめとるんか? そんな雑魚デッキでやるなんてよぉ」
「お前にはわからない」
「ああん?」
「このデッキの可能性を!」
僕はディスクを展開する。
「ああん? 可能性だとぉ?」
彼は笑いながらディスクを展開する。
「「デュエリストターゲット! ロックオン!!」」
先に僕の目標が定まる。
僕と筋肉はお互い詰め寄り。
「「デュエル!!!」」
【1ターン目 騎遊 彼方のターン】
「先行はもらったよ! 僕のターン!」
僕は手札を見る。
「僕は『
『きぃー!』
『
効果モンスター
地属性 戦士族 レベル2 攻撃力1000 守備力500
①1ターンに1度自分のメインフェイズに発動することができる。このターンのエンドフェイズ時まで、このカードのレベルは3になる。
小さな鍵の戦士が走りながら現れる。
「けっ、やっぱ雑魚じゃねぇか!」
「僕はカードを二枚セット。ターンエンド」
【2ターン目 騎遊 彼方→熊飼 龍哉】
「ふん、一年坊主に上級生のデュエルっつぅもんをみせてやるよ! 俺のターン、ドロー!!」
彼はドローしたカードを見ると、乱暴にカードをディスクに出した。
「俺は『
『ハァ!!』
『
地属性 戦士族 レベル3 攻撃力1200 守備力400
効果
①このカードが召喚に成功した時に発動できる。
手札からレベル4以下のモンスター1体を特殊召喚する。
②このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
相手は他の戦士族モンスターを攻撃対象に選択できない。
「そして、こいつの効果で、『ジェネティック・ワーウルフ』を特殊召喚!」
『ガルルルルゥ……』
『ジェネティック・ワーウルフ』(ocg)
通常モンスター
地属性 獣戦士族 レベル4 攻撃力2000 守備力100
遺伝子操作により強化された人狼。
本来の優しき心は完全に破壊され、
闘う事でしか生きる事ができない体になってしまった。
その破壊力は計り知れない。
「レベル4で攻撃力2000!?」
アイカが『ジェネティック・ワーウルフ』を見て驚く。
「へへ、俺は親のコネでレアカードをたんまりもってるのさ……もちろん、おめぇのクソデッキにないような上級モンスターもたんまりと、な」
彼は轟さんを見て笑う。
なるほど、なんで彼が特別講師なのかわかった気がする。
「さぁ! バトルいくぞおおおおおおお!!! おめぇのモンスターに『ジェネティック・ワーウルフ』で攻撃!!」
『ジェネティック・ワーウルフ』が『
「っく……」
騎遊 彼方LP4000→3000
「続けて、ダイレクトアタック! いきやがれ!」
『
僕はディスクを盾に防御する。
騎遊 彼方LP3000→1800
「はっは! なんでぇい! サレンダーするなら今のうちやぞ!!」
「…………」
「ひぃ、後悔してももう遅いわ! 俺様はこれでターンエンド!!!」
ここまでは読み通りだ。
でも、あとはこのデッキ次第だ……。
【3ターン目 熊飼 龍哉→騎遊 彼方】
「僕のターン! ドロー!」
……このカードは。
「僕は手札から『がらくたの
『がらくたの
通常魔法
自分の墓地がレベル2以下の効果モンスターのみの場合発動できる。
手札のレベル2以下の効果モンスターを2枚捨て、3枚ドローする。
「僕はこのカードの効果でレベル2のモンスターを二枚捨てるよ」
僕は一度、捨てるカードを見せて墓地に送った。
「はっっは!! おめぇ壁モンスター捨てるなんて、頭どないかしとるんか!!」
僕は彼を無視して続ける。
今引いた3枚のカード……。このコンボなら。
「僕はカードを2枚セット! モンスターをセット! ターンエンド!」
【4ターン目 騎遊 彼方→熊飼 龍哉】
「俺のターン! ドロー! へっへ、いくぞおおおおおお!!!!! 俺は二体のモンスターをリリースして、『
『オラアアアアアア!!!』
『
効果モンスター
地属性 悪魔族 レベル8 攻撃力3000 守備力0
①このカードが装備カードを装備した場合、攻撃力を500アップする。
「はっっはっはは!! これぞ俺の最強のレアカード! 『
僕は驚く。
モンスターと筋肉の姿が全く同じであることに。
身長が180cmあるリーゼント頭の筋肉ムキムキ、グラサンの男のモンスター。
そうか、あの服装ってコスプレだったのか。
「そして俺は手札の3枚の『デーモンの
『デーモンの
装備魔法
①装備モンスターの攻撃力は1000アップする。
②このカードがフィールドから墓地へ送られた時、
自分フィールドのモンスター1体をリリースして発動できる。
このカードをデッキの一番上に戻す。
『
攻撃力3000→7500
「そして、『メテオ・ストライク』を装備! このカードは装備したモンスターに貫通能力をあたえるぜぇ!!」
『メテオ・ストライク』
装備魔法
装備モンスターが守備表示モンスターを攻撃した時、
その守備力を攻撃力が超えていれば、
その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。
『
攻撃力7500→8000
「……まずいな」
着ぐるみ姿の軌道がつぶやいた。
「貫通能力を得た奴のモンスターにあのセットモンスターを倒されれば彼方はイチコロだ」
「そ、そんな、やっぱりオレのデッキなんか渡すんじゃなかった、あいつまで巻き込んじまって……」
「不容だ、女」
「え?」
「彼方なら、どんな弱いモンスターだろうと使いこなす」
軌道は僕を見て……いや、着ぐるみ着た状態だから見てるのかはわからないけど、彼は頷く。
「バトルだ! セットしたモンスターを攻撃!! はっは!! これでおめぇもおだぶつよ!!!!」
『
「…………」
「これで終わりだ!! おめぇのカードも全て奪ってやるぜぇえええ!」
『
「ああ……!! オレのせいで……」
「……よくみろ」
「あ……れ?」
騎遊 彼方LP1800
リアリティソリッドビジョンで僕のライフが映し出される。
「な、なんで!?」
「なーにがおこってるんでぃ……?」
煙が消えると、僕の視界が戻り。
「かかったね!」
「!?」
筋肉は驚いた顔をして、辺りを見渡しディスクを叩く。
「な、なんで、おめぇ、ディスクに細工でもしたのか!?」
「ううん。僕の場を見てごらんよ」
「なんだ……っ!?」
僕のフィールドには一体の中性的な顔立ちをしている男の子が、
四つん這いになった、昇天したような顔の『
「な、なんじゃごりゃぁああああ!?」
「僕は攻撃される前に『
『
通常魔法
フィールド上に裏側表示で存在するモンスター1体を選択し、表側攻撃表示にする
『DNA
永続罠
発動時に1種類の属性を宣言する。
このカードがフィールド上に存在する限り、
フィールド上の全ての表側表示モンスターは自分が宣言した属性になる。
「まずは『太陽の書』を先に発動して、『DNA移植手術』を発動し、まず、全てのモンスターの属性を闇に変えて……。僕のセットモンスターを裏返したのさ!」
「な、なんでぇい!? まだ訳がわからんわ! なんで、セットモンスターを裏返しただけでそんな……そん……!?」
彼はモンスターの顔を見て驚く。
「そうだ。このモンスターはさっきお前がバカにしていたカード……、リバースモンスター『
『
効果モンスター
闇属性 魔法使い族 レベル3 攻撃力500 守備力1500
リバース:このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、
相手フィールド上の闇属性モンスター1体を選択してコントロールを得る。
「ダルクは闇属性モンスターのコントロールを奪う効果を持つ。! つまり、僕は闇属性になった『
「な、なんだとお…………」
彼の顔は真っ青になる。
「よし、これなら次のターン彼方がペットにした『
「す、すげぇ……あんな使い方あったんだ」
「ふん、当たり前だ。騎遊 彼方と張り合う人間など、この俺以外にいるわけがないのだからな」
確かに、このペットで攻撃すれば、僕の勝ちだ。
……このデッキの本当の力は見せることができなかったけれど、これでいいだろう。
「弱いカードだろうと、手を取り合うことで大きな可能性になる! 自分のカードさえ使いこなせないやつに人のカードを馬鹿にする資格なんてないよ!」
「っく、くそぉお……この俺様が……下級生に負ける!?」
(これで次のターンが来たら、俺は自分のモンスターの攻撃されて負ける……俺が土下座だと…………む、むりだろぅ……! )
「さぁ、早くターンエンドするんだ! お前の手札は0枚だし、何もすることはないはずだよ!」
「っく……」
……? 筋肉の様子がおかしい。
いや、彼のデッキの方だ。彼はたいしたことはない。なんだか、おぞましいナニカがいるような……。
(そ、そうだ……今日、変な格好した女が渡した黒色のカード!! あのカードは……あのカードは……れ、れあ? れあかーど……そうだ、俺がもっているのは最強のレアカード!!)
筋肉は突然だまりこんだ。そして、顔が変わり突然、大きく叫ぶ出す。
「……あっひゃあああっはっははっハハッハハハ!!!!!! バッカでぇやんのぉ!! 俺はデッキからモンスターの効果を発動するぜぇ……!」
「デッキから……!?」
「そんなクズカード、いくらでもくれてやらぁ……。このモンスターは自分のモンスターが自分のフィールドから離れた時、特殊召喚できる!!!! あらわれよぉおおおお!!!」
彼のデッキから闇色の光が輝く。そして、彼の体が紫色に変わり、目が白色になる。
そして、部屋の電気が真っ暗になる。
「な、なんだ!?」「なにもみえねぇ!?」「だ、だれか!」
クラスのみんなは突然の出来事に慌てる。
「いっひっっひ!」
「彼方、一体なにが起きている」
「わぁあ!?」
僕は軌道が横から現れて驚いた。
彼はシルバーアイズの着ぐるみを着てるのが幸運してか、一人だけ銀色に輝いており、目立っていた。
「わからないけど……はやく、みんなをここから出して! なんか危ない気がする!!」
「わかった。おい、貴様ら! 俺の輝きについてくるんだ!」
幸いにも、軌道はただでさえクラスで目立っており、みんな彼の声ですぐに気がついた。軌道の誘導でクラスの大半が逃げる。
「あーひゃっひゃひゃ!!」
筋肉は目は狂っていた。
デッキから黒色の光をするカードを取り出し、ディスクにセッティングした。
「いったい何をした!」
「俺ぇ? 俺は神をよんだだけさぁ」
「か、神……?」
神……? 神って名前の付くカードはたくさんあるけれど……。
彼の体から新たに2本の腕が映えて、ゴリラのように太鼓をならす。
「これこそが最強のレアカァァァアアアアアドォォォオ!! 『
彼がそう叫んだ瞬間、突風が起き、僕は飛ばされかける。
そして、火の玉が11飛び交い、門のような形となり、黒い色に光り出す。
4つの手で一つの大きな鏡をもった二つの顔をもつ壊れた石像が4本足で地面にたち、首を切り落として、現れた。
『
???モンスター
???属性 ???族 レベル??? 攻撃力??? 守備力???
①???
②???
③???
④???
筋肉の姿はもはや人間ではなかった。
――妖怪。
そう言うのが相応しいのだろう。
「……なんだ……これ」
さすがの僕でさえ、恐怖を感じた。
不気味に笑った二つの頭が僕に笑いかけてくる。
「レアカードは全部俺のもんだぁ……いひっっひひひ」
今日のオリカ
『がらくたの
通常魔法
自分の墓地がレベル2以下の効果モンスターのみの場合発動できる。
手札のレベル2以下の効果モンスターを2枚捨て、3枚ドローする。
がらくたデッキの轟さんのドローカードだ。
使える機会は少ないが、使うととても協力だ!
次回予告
彼方「突如、現れた幻像器のカード。熊飼はその効果で弱いモンスター達を上級モンスターに書き換える。許さないぞ! カードを書き換えるなんて!」
轟「オレのデッキであんなバケモノと戦えるのかよ!?」
軌道「彼方を信じるんだ。奴ならば、あの強大なモンスターでさえ、倒せるはずだ」
次回、遊戯王セカンド
微かな一筋
デュエリストターゲット! ロックオン!
次回、あのモンスターが登場です。