ボツ1話 参上!セカンドモンスター!
歓声がなり響く会場。そこには二人の決闘者《デュエリスト》が世界大会の決勝戦をしていた。『リターンメイク』と名の付くカード郡を操る決闘者《デュエリスト》騎遊 陽手《きゆう ようた》は相手側に押されていた。
「俺の操る『ヴェルズ・オピオン』、『ヴェルズ・ナイトメア』の効果で、お前お得意の特殊召喚も防いだ! そして、お前の手札は0枚! この勝負、俺の勝ちだなぁ!」
相手側の言う通り、騎遊 陽手の状況は絶望的だった。伏せカードはなく、手札も0枚。対して、相手側には『ヴェルズ・オピオン』と『ヴェルズ・ナイトメア』の二体がいる。誰からみても、この状況は絶望的だった。
しかし、彼はあきらめていなかった。
「それはどうかな」
「何?」
「これからドローするカード……。必ずあのカードが来ると俺は信じている!」
騎遊は引きがとても強いデュエリストとして有名だった。どんな危険な場も逆転のカードを引き当て、逆転する。
だが、相手はその騎遊の言葉を聞いて、笑い出す。
「ふんっ。どんなカードが来ようと、お前は勝てん! 教えてやろうか? 今、俺が伏せているこのカードは『神の宣告』! たとえ、お前が逆転の切り札を引こうがお前に勝ち目などない!」
相手の一言に会場がざわめく。『神の宣告』は魔法、罠カードの発動、モンスターの召喚を無効化するカード。どんなカードが来たとしても無効化される。騎遊がもし、弱点のカードを引いたとしても、その発動、召喚は無効化され、勝敗は決定する……。
「さぁ、いくぜ! 俺のターン! ドロー!」
騎遊はドローしたカードを相手に見せる。
「俺がドローしたカードは……『貪欲な壺』!」
そのカードが大きく会場のスクリーンに映し出される。
「「「「「すげえええええええええええ!!!!」」」」」
会場に鳴り響く声、しかし、相手はそれに驚かずに、すかさず伏せカードを発動させる。
「っく、それがどうしたというのだ! 罠カードオープン! 『神の宣告』! その壺にはご退場願おうか!」
『神の宣告』により、破壊される『貪欲な壺』。ARビジョンでは、上空に『神の宣告』から現れた神らしきおじいさんが現れ、雷で『貪欲な壺』を破壊した。
……が。なんと、破壊された壺から猿のモンスターが現れたのだ!
「な、なにぃ!?」
壺から現れたモンスターはせっせと壺を修理して、『貪欲な壺』を完成させた。
「俺は神の宣告で貪欲な壺の発動を無効化され破壊された時、墓地の『リターンメイク・サルベンジャーズ』の効果を発動させたのさ!」
『リターンメイク・サルベンジャーズ』
レベル4の効果モンスター! 1ターンに1度、自分の墓地、フィールド場のモンスターをデッキに戻す効果をもつカード!
「墓地から発動だと!? たしか、サルベンジャーの効果は自分のモンスターをデッキに戻す効果のはず……ハッ!」
相手は騎遊の顔を見る。
後ずさる相手。
「セカンドモンスターかっ!?」
その声に、会場が歓声に包まれ、実況者がやっと来たかと、マイクを持ち上げ、叫ぶ。
「キタァアアアアアッ-! 騎遊選手のセカンドモンスターァァ! 二つの種族、二つの属性、二つの効果を持つセカンドモンスターァァ! 強い! 強い! 強すぎるゥゥ!」
そう! 『リターンメイク・サルベンジャーズ』はセカンドモンスター! 獣族、獣戦士族。地属性、風属性。デッキにモンスターを戻す効果と、このモンスターをデッキに戻すことで、相手に破壊されたカードを再生させる効果、二つの効果、属性、種族を持つ!
「そして、もう一度、『貪欲な壺』を発動!」
「ひっ」
「俺は墓地の『リターンメイク・シャ―チク』と『リターンメイク・デストロイロバ』二体と『リターンメイク・エンジェルズクラッチ』二体をデッキに戻し、カードを二枚ドローする!」
その時、騎遊の横にデッキに戻したはずの『リターンメイク・デストロイロバ』と『リターンメイク・エンジェルズクラッチ』が二体ずつ現れる。
「そいつらは、今デッキに戻したモンスター! まさか……」
「そのまさかさ。この二体は、デッキに戻した場合に効果を発動する!」
会場からの声
「出たぞ! 騎遊さんのマジックコンボ!」
「エンジェルズクラッチをデッキに戻した時、俺はデッキから一枚ドローできる! 俺が戻したエンジェルズクラッチは二枚! よって二枚ドロー!」
「に、二枚ドローだと!?」
騎遊は二枚ドローしたあと、ビジョンの『リターンメイク・エンジェルズクラッチ』はデッキに戻る演出がなされた。
「そして、デストロイロバはデッキに戻された場合、相手の表側のカードを二枚破壊できる!」
「まじかよそんなの知らないうわああああああああああ!!!」
目の前で自分の二体のモンスターが『リターンメイク・デストロイロバ』にもぐもぐと音を立てられながら、食べられる光景を目にした相手は泣き崩れる。
「こんなのって……こんなのって……」
「まだだぜ! 俺は『貪欲な壺』の二枚のドローが残っている! ドロー!」
「すごい! すごいぞ騎遊選手! あの絶望的な場面から、二体のモンスターを破壊し、デッキから4枚もののドローを成し遂げた! すごい! すごいぞおおおおおおお!!!」
――ワァァァァァ!!
「まだだ! 俺は手札から『リターンメイク・シャーチク』を召喚!」
ビジョンで現れるサラリーマン姿のシャチ。
「このモンスターは召喚された時、手札の『リターンメイク』をデッキに戻し、1枚ドローすることが出来る! 俺は手札の『リターンメイク・エンジェルズクラッチ』をデッキに戻す!」
「また二枚ドロー!? どんだけドローするんだよおお!」
「二枚ドロー! ……きた!」
騎遊は引いたカードを見て、勝利を確信する。
「俺は、手札から『リターンメイキング』を発動する!」
「リターンメイキングだと!?」
「このカードは儀式魔法! 手札にある『リターンメイク』と名の付く儀式モンスターを特殊召喚するカード! 俺は『リターンメイク・アルティメット』を特殊召喚するため、レベルの合計が7以上になるようにモンスターをデッキに戻すぜ!」
「そ、そんな、今時儀式召喚だと! ハッ! 周りが儀式の場に!」
ARビジョンにより辺りが暗くなり、2本の大きなろうそくが現れる。
「ここは儀式の場……いらない私語は慎んでもらうぜ!」
騎遊は口に手を当て、静かにするようにサインを送る。
急に静かになる会場。相手は周りをきょろきょろしながら少し頭を下げた。
「こ、これは失礼した!」
周りが静かになったのを確認すると、騎遊は手札の二枚のカードを相手に見せる。
「俺はレベル4『リターンメイク・デストロイロバ』と、レベル4『リターンメイク・エンジェルズクラッチ』をデッキに戻す!」
二体のモンスターが2本のろうそくの方へ、光となって飛んでいく。
「黒き雷に身を包み、その力を示せ! 儀式召喚! 現れよ、『リターンメイク・アルティメット!』」
2本のろうそくから、黒い鎧をかぶったモンスターが現れる。
『リターンメイク・アルティメット』。レベル7の儀式モンスター! このモンスターが戦闘を行った時、このモンスターの攻撃力分のダメージを相手にあたえるぞ!
「出たァ-! 騎遊選手のエースモンスタァー!! セカンドモンスターでもあり、儀式モンスターでもある最強カードッ! このカードを目にして帰った決闘者《デュエリスト》はいない!」
「え、まじで!?」
実況者の声に驚く相手。
「そして、デッキに戻したエンジェルズクラッチで一枚ドロー!」
「儀式召喚してるのに手札が二枚も残ってるだと!?」
「バトルだ! 『リターンメイク・アルティメット』で攻撃! まずは効果で2500のダメージ!」
「うわあああああああああああああ!!!」
相手ライフ1500
「そして、攻撃! アルティメットクロス!」
ビジョンで、『リターンメイク・アルティメット』が両手から炎を産みだし、相手をXの字に切りつける。
「おほぉおおおおおおおおおお!!」
相手ライフ0
デュエルの勝敗が決まり、周りが元の会場へと変わる。
「よっしゃ! デュエルサンキュー!!」
「っく……さすがは世界チャンピオンだけはある……強かったぜ」
両者が手を取り、握手する。
「うおおおおおおぉぉぉお! 最高のデュエルを見せてくれた二人に拍手だああああ!!」
二人の決闘者《デュエリスト》に送られる拍手。
「優勝した騎遊選手には新たなセカンドモンスターのデッキが送られるぞ!」
騎遊は待ってましたと、優勝のトロフィーとデッキが入ったケースを受け取ると、騎遊は会場の方の観客席を向く。
(お前のために、ここまで頑張ったぜ)
彼は会場に座っている、ある少年の姿を見る。その少年は彼のデュエルを瞳を輝かせて笑っていた。騎遊はその顔を見ると、なんだか嬉しくなって照れ笑いをした。
「お前のデッキだぜ、暁」
少年の名前をつぶやいて、彼は笑った。
カード紹介コーナ!
今回紹介するカードは『リターンメイク・サルベンジャーズ』! 世界に3枚ずつしかないセカンドカードの一枚だ!
地属性 獣族 レベル4 セカンド
攻撃力800 守備力1200
このモンスターはルール上 獣戦士族、風属性としても扱う。
①1ターンに1度、自分のフィールド場・墓地の『リターンメイク』モンスターをデッキに戻し、デッキからレベル4の『リターンメイク』モンスターを墓地に送る。
②自分が発動したカードが破壊された場合発動できる。墓地のこのカードをデッキに戻し、相手のカードによって破壊された自分のカードを手札に戻すことができる。
とっても強いセカンドモンスターだぞ!