遊戯王 セカンド   作:ゆ9

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すいません、今回のデュエルシーンを3人称にしてみました。

また、いいなと思ったら、デュエルシーンは3人称に書き換えようかなって思ってます。






第六話 交わる魂

 スカルライダーネオの攻撃により、一面は煙が立ち込み、あたりが見えなくなる。

 

「やりましたか……。さすがにわいのロックコンボにかなう人は今までもおりませんでしたし……」

 

ホネヌキはチラッと向こうを見て、勝利を確信する。

 

 

「さぁ、アンティルールにより、あんさんのカードをもらいましょか」

 

 ホネヌキは目を閉じながらも、デュエリストの意識のある方へと進む。

彼が履いている下駄の音がコロンコロンと近づく。

 

 だが……。

 

「まだ、終わってなどいない……!」

「なんやて?」

 

 

 

 

 軌道 空樹(きどう くうき)LP200

 

 

 

 

「ッ……!?」

 

リアリティソリッドビジョンにより、表示されたライフポイントを見て、ホネヌキは目を疑った。

 

「な、なんでライフが減ってへんのや! わいは確かに攻撃したはず……! そして、あんさんは……!」

「確かに。お前は俺を攻撃した。だが……」

 

 空樹(くうき)が手を上げると、裏側のカードが表に上がる。

 そのカードは、

 

「俺は(トラップ)カード『和睦(わぼく)使者(ししゃ)』を発動した!!」

「わ、『和睦(わぼく)使者(ししゃ)やて!? それは伝説の超レアカード!!!」

 

 

 

 

 『和睦(わぼく)使者(ししゃ)』(OCG)

 通常罠

 このターン、相手モンスターから受ける

 全ての戦闘ダメージは0になり、

 自分のモンスターは戦闘では破壊されない。

 

 

 

 

和睦の使者により、俺の周りは守られ、邪悪なるアンデッド族であるスカルライダーネオを聖なるバリアーで包み込む。

ホネヌキはそれを見て、今までに見たことのないほどに顔を歪めた。

 

「…………ま、まぁいいでしょう。次のターンあんさんはなんもできひんやろし、1ターン持ったっていっしょですぅわぁ」

 

 ホネヌキは扇子を口に当てて、自らの動揺を隠した。

 彼は感じていたのだ。空樹からあふれ出す、先ほどとは比べものにならないデュエルパワーを。

 

(なんや、さっきまでとまるで迫力が違う……。なにかあったとは考えにくいやけど……しかし、わいが伏せた罠《トラップ》カードは……『奈落(ならく)()とし(あな)』……」

 

 

 

 

 

 『奈落(ならく)()とし(あな)』(OCG)

 

 通常罠 

 (1):相手が攻撃力1500以上のモンスターを召喚・反転召喚・特殊召喚した時に発動できる。

   その攻撃力1500以上のモンスターを破壊し除外する。

 

 

 

 

 

 

 

 

(このカードは攻撃力が1500のモンスターを破壊するカード。たとえ、何らかの魔法・罠カード破壊の効果を持ったカードをやったとしても、スカルライダーネオがシルバーアイズの召喚を許さへん……。わいの勝ちは決定やなぁ)

 

 

 ホネヌキは安心した。そして、勝利を確信する。

 

 シルバーアイズを召喚するには戦士族モンスターが必要だ。たとえ、彼が出すにしても上級の戦士族モンスターを素材にするに違いない。

 ましてや、攻撃力で勝っていないシルバーアイズを出されたところで結果はかわらないが……。

 

 

 その中、空樹は少女のことを思い出していた。

  

 

『伝説は一つでも、ましてや二つなんかじゃないよ』

 

 銀色の髪がなびく少女。彼女の目、口、体、全てを彼は思い出す。

 

(あの女……。何者かはわからんが、今ま、俺がやるべきことはわかった。)

 

 彼はデッキに手を当て、目を閉じ、耳を研ぎ澄ます。

 

 心に浮かべるは、あの伝説……。

 

 そしてそのための舞台……。

 

 

 彼の手がデッキにあたり、素早くドローする。

 

 

「俺のターン!! ドロォオオオー!!!」

 

 彼がドローすると、銀色の光が彼の右腕を包み、カードが上空に上がる。

 

 

 

 …………。

 ……………………。

 

 (感じるぞ! 貴様達の魂を……!)

 

 (そして、今。俺はその伝説一つを蘇らせる!!)

 

 

 彼は閉じた目を開き、引いたカードを発動する。

 

「俺は手札から『生贄の祭殿』を発動!!」

 

 

 

 『生贄(いけにえ)祭殿(さいでん)』(オリカ)

 フィールド魔法

 ①???

 ②???

 

 

 彼が魔法を発動すると、あたり一面の大地がゆるぎ、祭殿が生えてくる。

 

 その祭殿は彼が過去の世界でみたそれ、そのものだった。

 

 祭殿には神の姿が崇められており、生け贄の血を入れるための大きな器がある。

 

 そして、彼は祭殿に昇り、振り向く。

 

 

「な、なんや、上に登ってどうするんや!?」

「伝説により、我が王女をおみせしよう! 」

「伝……説……?」

 

(な、なんや、気が狂いはったんか!?)

 

 ホネヌキは空樹の突然の行動に驚くが、油断はしなかった。

 

「俺は手札から『融合(ゆうごう)』を発動!」

 

 

 

 

 『融合(ゆうごう)』(OCG)

 通常魔法

 

 決められたモンスターとモンスターを融合させる。

 

 

 

 ホネヌキが一瞬、間抜けた表情をする。彼は知っていたのだ。空樹のデッキに融合モンスターがいないことを。

 

「あはは! 血迷いましたんどすえ? あんさんのデッキに融合モンスタ―なんていないはず!」

 

 

 その通りだった。空樹のデッキには「融合モンスター」はいない。

 

 

「確かに。だが……、俺は手札の『銀色(ぎんいろ)踊り姫(まいひめ)』一体を融合素材とする!」

 

「なんですぇ!? 融合言うのはモンスター二体以上で行うはずや!」

 

 

 ホネヌキの予想を彼ははるかに超えていた。

 

(融合モンスターがいないはずなのに、なぜ『融合』を?)

 

(一体で行う融合召喚!?)

 

 ホネヌキの考えが交差するなか、空樹のフィールドに美しい女王が現れる。

 

 だが、彼女が涙を流すと共に、彼女の王族であることを示すドレスは崩れ去り、代わりに踊り子の服装が彼女に施された。

 

 現れた『銀色(ぎんいろ)踊り姫(まいひめ)』が踊り出す。

 

 その踊りにより、彼女の姿がぼやきはじめ、二つとなり、一つが祭殿に現れる。

 

 

「『銀色(ぎんいろ)踊り姫(まいひめ)』は融合素材となるとき、その神聖なる舞により、二体のモンスターとして扱うことができる!」

 

 

 

 『銀色(ぎんいろ)踊り姫(まいひめ)』(オリカ)

 効果モンスター

 光属性 戦士族 レベル4 攻撃力1600 守備力1000

 「銀色の踊り姫」を素材とする融合召喚は1ターンに1度しか行う事が出来ず、このカードが「融合」の魔法カード以外で墓地に送られたターンはこのカードを融合素材にすることはできない。

 ①このモンスターを融合素材とするとき、モンスター二体分として扱い、融合召喚することができる。

 

 

 

「に、二体分のモンスターで扱うモンスターやって!?」

 

 空樹は拳を握り、胸の中で“伝説“を思い出す。

 

 

(そうか……あのビジョンは……)

 

 

「悲劇により、国を失い、信愛なる者を失い、幸せを失った王女よ!! 今、銀色の導きで新たな世界に出発せよ!」

 

 

 空樹は両手を上空で合わせ、顔まで拳を一気に下げた。

 

「融合召喚!!!」

 

 それと同時に、デュエルディスクにセットされた手札が光り出す。

 

「な、なんや、あんさんの手札が光って……!? まさか、融合召喚するモンスターって……」

 

 

 ホネヌキは表情が崩れ、驚きを隠せなかった。

 

(そんな、そんなことはありえへん!! だってあのモンスターは……ただの効果(・ ・)モンスターのはず!!)

 

 

 (わかっているぞ、お前の真の力を)

 

 空樹は穏やかに笑って、光った手札のモンスターをフィールドに出す。

 

 

 二つとなった『銀色(ぎんいろ)踊り姫(まいひめ)』が交わり、大きな渦ができる。

 

 そして、そこから銀色の光が輝き、一匹の竜の姿が現れる。

 

「銀色に輝く我が魂! シルバーアイズッ! セカンドドラゴン!!!」

 

 彼のシルバーアイズのテキストが光輝き、空白であった場所に効果が追加される。

 

 

 

 

 

  『銀色眼の二想竜(シルバーアイズ・セカンドドラゴン)』(オリカ)

 

  セカンドモンスター

 

 地属性/光属性 ドラゴン族/戦士族 レベル8 攻撃力3000 守備力2500

 

 メインフェイス時、このモンスターは戦士族モンスターを二体墓地に送る事で特殊召喚できる。

 また、このモンスターはあらゆる召喚法で召喚でき、その素材は戦士族モンスター二体でなければならない。

 そして、このモンスターの②の効果はこのモンスターを召喚した召喚法によって変わる。

 

 ①バトルフェイズ時、このモンスターが存在する限り、お互い戦闘を行うモンスター以外は効果を発動できず、効果は無効にされる。

 ②???

 

 

 

 

 

 

 

「て、手札のモンスターを融合召喚やって!? そんなバカな!!」

 

 ホネヌキはまさかの自体に驚く。手札のモンスターを融合召喚なんて聞いたことがなかったからだ。

 だが、彼はすぐに戦闘態勢に戻り、罠カードを発動する。

 

「し、しかしや! 罠カード発動! 『奈落(ならく)()とし(あな)』発動! これであんさんのシルバーアイズを破……」

 

 

 シルバーアイズの下に奈落の者達が現れ、ドラゴンを引きづろうとする……が。

 

 

「まだ気づいていないのか」

 

 空樹はホネヌキの3枚の罠カードを指さし、ニヤっと笑った。

 

 

「? ……な、なんやこれは!?」

 

 ホネヌキの場の罠カード3枚が次々と破壊されていく。

それだけじゃない。空樹が発動した祭殿もまた、銀色の光に崩れていく。

 

「俺は融合召喚する前、 『銀色眼の二想竜(シルバーアイズ・セカンドドラゴン)』の効果を発動していた……!」

「召喚する前に発動する効果……!?」

「そうだ。『銀色眼の二想竜(シルバーアイズ・セカンドドラゴン)』は融合召喚される前に、場の全ての魔法・罠カードを破壊する効果を持つ!」

 

 

 

 

 

  『銀色眼の二想竜(シルバーアイズ・セカンドドラゴン)』(オリカ)

 

  セカンドモンスター

 

 地属性/光属性 ドラゴン族/戦士族 レベル8 攻撃力3000 守備力2500

 

 メインフェイス時、このモンスターは戦士族モンスターを二体墓地に送る事で特殊召喚できる。

 また、このモンスターはあらゆる召喚法で召喚でき、その素材は戦士族モンスター二体でなければならない。

 

 ①バトルフェイズ時、このモンスターが存在する限り、お互い戦闘を行うモンスター以外は効果を発動できず、効果は無効にされる。

 ②このモンスターが融合召喚する場合、発動できる。フィールド上の魔法・罠カードを全て破壊し、このモンスターを融合召喚する。そして、その破壊した×300ポイントこのモンスターの攻撃力をアップする。

 

 

 

「そして、その破壊した枚数分攻撃力を300ポイントアップさせる!!」

「そうかっ……わいの『スキルドレイン』の範囲はフィールドだけですぅ! つまり、プレイヤーがもつ手札の効果は無効化できない……!!!」

 

  

 

 

 『銀色眼の二想竜(シルバーアイズ・セカンドドラゴン)

 

 攻撃力3000→4200

 

 

 

 

「攻撃力4200!? スカルライダーネオを上回りはった!!」

 

空樹は融合召喚したシルバーアイズを見る。

(……俺は勘違いしていたのかもしれないな。

こいつ(シルバーアイズ)の力を呼び起こすのはセカンドモンスターだと、いや必ずそうであると確信していた。)

 

 空樹は、改めて、自分のデッキを見る。

 

 

 (だが……。)

 

 彼は今までにない暖かい気持ちに包まれた。

 銀色の強さは一枚だけではない。このデッキこそが『銀色眼の二想竜(シルバーアイズ・セカンドドラゴン)』であると。

 

 

「俺は、スカルライダーネオをシルバーアイズで攻撃! 」

 

 シルバーアイズが上空に上がり、翼を広げ、輝く。

 

 ホネヌキは上がったシルバーアイズを見上げる。

 

「なんや、たいへん美しい竜どすなぁ…………」

「【銀色の光る音波線(シルバーライトショックウェーブ)】!!」

 

シルバーアイズから放たれた光線により、スカルライダーネオが消えていく。

 

 

 

 ホネヌキLP4000→3600

 

 

「……これで、まだ終わりじゃないんやろ。あんさんが無駄に自分のフィールド魔法を破壊するはずない」

 

 ホネヌキは満足した顔で空樹に話しかけた。

 

「…………『生贄(いけにえ)祭殿(さいでん)』は融合召喚されたモンスターによって破壊された場合、エンドフェイズにこのカードを破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを与える」

 

 空樹に静かな声で告げられると、ホネヌキは少し笑った。

 

「はは……やっぱりなぁ…………」

 

 

 

 

  『生贄(いけにえ)祭殿(さいでん)』(オリカ)

 フィールド魔法

 ①このカードがレベル8の融合モンスターによって破壊された場合、このカードを破壊したモンスターの攻撃力分のダメ―ジを与える。

 ②???

 

 

 

 ホネヌキLP3600→0

 

 

 ホネヌキのLPゲージが表示されると、ソリッドビジョンの映像は消えていった。

 

 空樹はそのまま立ち去ろうとする。

 

「ちょいまち、どこいかはるんや」

「……戦わなければならない奴がいる」

 

 ホネヌキはその言葉を聞いて、デッキから一枚カードを取り出した。

 

「その様子じゃ、あんさんアンティルールでわいのデッキとらへんやろし、せめてもののプレゼントや」

 

 そして、ホネヌキはそのカードを空樹の手に向けてなげ、彼はそのカードを一差し指で受け取った。

 

「このカードは……」

 

 空樹はそれを見て、驚く。

 

「デュエル、がんばりや」

 

 空樹は返事もせず、カードをデッキに入れて、その場を後にした。




 次回から夜見高校編です!

 そして、因縁の対決(かなり早いですが)!

 こうご期待!
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