INFINITE CROSS FUTURE   作:ゲオザーグ

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で、年明け早々にもう1話追加と


鎧纏う時

「足元注意しろよ、乗る前にひっくり返って怪我でもしたら笑えねぇわ」

 

 すでに先ほどの部屋から付近のエレベーターで降り、現在はそれぞれの機体に搭乗するところだが、いざ間近で見たときに見せた反応は様々だった。自分のものであることを確かめるようにヘッドギアを撫でる一夏、改めて対峙した実物を前に、先ほどのホログラムモデルでは見られなかったところを眺める翔摩、おっかなびっくりな様子で前に佇む弾、到着するや否や真っ先に駆け寄り、各所の点検や細部の構造チェックをするシャルロット、そして正面に立ち、大きく姿を変えたかつて(『暮)の愛機(桜』)を懐かしむかのように目を閉じたままの千冬。それでも誰1人としてガルガロスの忠告に耳を傾けた様子のものがいないのは、ある意味では面白い共通点ともいえる。

 そんな中、最初に機体から目を離したのは弾で、困惑した様子でガルガロスの方を向く。

 

「えーっとぉ、これどうやって乗ればいいんですかね?」

 

 ガルガロス・モデルは全身に装甲が並べられているのは周知の事実だが、そうした構造上、機体そのものが極めて大型化する上、姿勢も全体的に前かがみとなっている。そのため人間と同様直立状態で設置できる通常のISと違い、腕を前方に伸ばすか、左右に広げて手を地面につけ、脚を大きく曲げた、さながらゴリラのナックルウォークのような待機姿勢をとらなくてはならない。そのため通常のISならそのまま背中を預けるように座れば問題なく搭乗できるが、ガルガロス・モデルで同じようにするには、下から潜り込んで背中を押し付けた状態をしばらく維持しなくてはならない。流石に危険すぎるためそのようなことはないはずだが、かといっていくら機体を触っても目立った反応はなく、それこそ一夏が初めて『打鉄』を装着した時のような、勝手に装着される様子もない。

 

「やっぱ聞いてくるか、だろうと思って準備はしてあるさ。とりあえずいったん離れな」

 

しかしガルガロスも開発者として当然対策は取っており、皆が1度機体周辺から離れると、機体を固定していたハンガーが形を変えていき、前かがみだった機体が頭を上に向け、手足を大きく広げた体勢に変化した。これなら通常のISと同様に搭乗できる。

 

「ほぉ~、これはまたすげぇ仕組みで……俺が最初に乗ったときは、機体をひっくり返してあおむけの状態で乗ったっけ」

 

「これなら心配なく乗れるだろ。さすがに通常のIS取り扱ってるようなとこじゃ、まだ設備は整ってないみてぇだからそうするのが一般的らしいがな」

 

これでやっと乗れると安堵したのか、感心した様子の翔摩の横を一夏が通り過ぎ、さっそく自身の機体『グレート・ホワイト』に乗り込む。直後ヘッドギアが下がってセットされ、左右から正面部装甲が展開、各所のロックが解除されると同時に前方へと倒れこむが、即座に両腕を地面につけ、転倒を防ぐ。

 

「どうだイチ、まだ初期化(フィッティング)途中だから多少反応が鈍いとこもあるようだが、勝手としちゃあ悪かねぇだろ?」

 

「大丈夫……。終わるまでは、このまま…で、いいのか?」

 

「おう、そのままじっとしときゃあ、あとは全部機体が終わらしてくれらぁ。お前らもこの後訓練あるから、さっさと乗り込んで慣らしとけよ」

 

 そのまま残りのメンバーをけしかけるように言い放つと、続けて前に進んだのは千冬とシャルロット。それから1歩遅れて弾と翔摩も駆け寄っていく。

 

 

 

 

 

「だいぶ慣れたみてぇだな。これならダンとフユ以外、明日明後日にでも戦闘訓練も可能か」

 

 全員が機体を装着してから20分後。無事第一形態移行(ファーストシフト)を終えた各機は無着色で鈍い銀色だったフレームも、それぞれ完了と同時にカラーリングが施され、細部のデザインも搭乗者(パイロット)に合わせ少しばかり変わった。現在はそれぞれ思い思いに各所を飛び回っているが、千冬だけはまだISを受け入れきれてないのか、10メートルもない高度でゆっくりと漂うように進んでいた。ガルガロスが戦闘訓練は尚早と判断したのは、そんな姿を見たがゆえだ。

 

「千冬姉、大丈夫?」

 

「あぁ、動かすこと自体は問題ないが、やはりブランクが長かったのと、機体の急激なハイスペック化に体がついていけてないみたいだ。これはもうしばらく、リハビリが必要なようだな……」

 

 そんな姿を見て、心配そうに降下してきた一夏に対し、千冬は姉としての威厳や、IS操縦については一日の長があることもあって気丈に振舞おうとするが、実際に乗ってみて、現状への不安やいくつかの感覚に対するギャップが隠し切れず、ついつい弱音を見せてしまう。実際弾は何度か暴走させ、地面に転落したり急激な上下運動を繰り返したり、急加速直後に停止してつんのめったりと、『打鉄』や『ラファール・リヴァイヴ』との勝手の違いに悪戦苦闘しており、シャルロットや翔摩も、停止や着地する位置が予定より多少上下前後にズレるなど、「慣れた」とはいえるもののまだ完全に「使いこなせる」ようにはなっていないようだ。

 

「もう少ししたら機体を待機形態にして戻りな。不調じゃ無理して訓練しても、大して成果も挙がらねぇだろうからよ」

 

「っててて……そうっすね。これ以上はもう体がもちそうにないです」

 

 流石にもう限界を迎えたようで、苦笑しながら体を起こす弾は早々と機体を待機形態にすると、腰にリングが交互に朱色と藍色に染まったチェーンとなった機体が装着される。それに倣い、翔摩も訓練を終えて機体が変化した黒いベルトを手首に装着するが、残りの3人はまだ訓練をするようで、解除する様子はない。

 

「私はもう少し慣らしておこうかと」

 

「俺も…もう少し付き合う」

 

「僕ももう少し動かして、機体の癖を掴んでおこうかなと」

 

「そうかい。じゃあ俺は先に戻るから、あとは好きにしてな」

 




あけおめっす~

我ながら随分暇だな、と・・・・・・

もっとスペース上げてかないとも思ったり・・・・・・
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