宿屋に戻ると相棒がTS美少女化して抱けと誘ってきた   作:名もなき魔導士

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相棒がTS!

 人生には、いくつも岐路があるという。

 今、冷静になれば取り返しのつかないことをしてしまったのだと俺は思う。

 

 俺の隣では、俺の相棒が眠っていた。すっかりと美少女化しているが、裸だ。やっちまった。

 

 時間は少し前に遡る。

 

 

 

 ***

 

 

 

 俺は宿屋に戻ってきた。

 名の知れたダンジョン探索系魔導士である俺たちは、その日暮らしの宿屋をとっていた。

 まぁ、魔神級の魔導士に違わない豪華な部屋だ。

 

 そんな部屋に、俺は相棒と暮らしていた……あぁ、いや、移動してきたばかりの時は当然ながら二部屋借りてるんだ。俺が金を女とギャンブルに使い果たしたから、相棒のところに転がり込んだというわけだ。

 まぁ、広いんだからいいだろう。

 

「おー、帰ってきたか! 我が相棒よ!」

 

 ベッドの上から手を挙げて、気さくに話しかけてくる。

 その仕草に、声の抑揚に、喋り方は俺の相棒そのものだった。だが、ちょっとなにか違和感がある。

 

「え、誰?」

 

 声が高いし、いつもより背が低いように感じられる。というかあれだ……女だった。

 

「いやぁ、実に酷いじゃないか。あれほど苦楽をともにした私のことがわからないなんて……なぁ? なぁ?」

 

 こちらに近づくと、肩を組んで、いつものように俺にウザ絡みをしてくる。

 だが、女だった。いい匂いもする。

 

「ごあいにく様、俺の知っているアーケンハイムは男なんだが」

 

「あぁ、私がアーケンハイムさ。わかるだろう?」

 

 ふと、思い立つ。あいつの、昔言っていたことを思い出した。

 

「てめぇ! ついにやりやがったな!!」

 

 胸ぐらを掴み、このクソ野郎を壁へと押し付ける。

 このクソ野郎は、それでもヘラヘラと笑ってやがる。

 

「やりやがったって、なんのことかい?」

 

「とぼけんじゃねぇ!! その体は誰の体だ!? いくらお前が、お前自身の固有魔導が嫌いだからって、体を乗り換えるだなんて……」

 

「あぁ、なんだその話か……。残念ながら、私の魔導は今も昔もグラビティさ」

 

「は……?」

 

 だから、その手を退けてくれよと、こいつは言った。

 意味がわからなかった。

 

「いやぁ、心外だな……ぁ。やるわけないじゃないか、そんな人道に悖ること。少なくとも、私は品行方正に生きているつもりなんだけどなぁ……君よりも」

 

「いや、いや……でも……」

 

 時たまに、危険思想を語ることはあれど、基本的には情に厚く、義を尊び、仁を尽くすことに生き甲斐を感じるような人間だった。危険思想を語ることはあれどもだ……。

 

 正直に言えば、こいつはいつか爆発してやっちまうんじゃないかと思っている部分がある。

 

「はぁ……どうやら、なりゆきを説明しないといけないみたいだね」

 

「あ、あぁ……」

 

 こいつが女になったという成り行きがあるというのなら、ぜひ聞きたかった。

 

「あれは、そう……私は今日の休日に、性についての見識を深めるために、歓楽街に赴いたときの話だ」

 

「お前、そういうのに興味ないんじゃ?」

 

 こいつに女っけを感じたことは、今までに一度もなかった。魔導の研鑽一筋で、近寄る女を切って捨てていたようなやつだ。

 

「ほんの気まぐれさ。それで、私はそれっぽいいかがわしさを醸し出す店に入ってみたわけだね」

 

「あぁ、そうか。店なんだな」

 

 俺たちは魔神級魔導士なわけで、その肩書きから、女も自分から近寄ってくるくらいだ。その場限りで抱くだけなら、金なんて払わなくともいくらでもできるはずだ。

 

「その店で、促されるままに怪しい薬を飲まされてしまったわけさ。なにぶん初めてだったものでね……いや、失敗だったね」

 

 やれやれと首を振って言った。

 

「その店って……」

 

「あぁ、うん。後で確かめたら、男性諸兄が女の悦びを味わうことができるって触れ込みのお店ってわけさ。気がつけば、この姿ということだよ。でもまぁ、せっかくだからと、それで私は女として性的な快楽を与えられたわけなのだけれど、あたたまったばかりでね」

 

 ――なにぶん、本義がなかったわけだ。

 

 俺は頭が痛くなった。

 ずっと思っていたが、こいつは頭がおかしい。

 

「そんなにしたかったんなら……追加で頼めば……」

 

「ほら? 売春は法律で規制されているだろう? もし私がそれを目にしたのなら、誅さなければならないわけだ。もちろん私がそういうことをするわけにも当然いかない」

 

「あぁ、うん」

 

 こいつは、こういう奴だった。その義を尊ぶ価値観から、目の前で行われる不正義は決して許さない。

 

「それで、まぁ、男なら、ちょうどいい奴がいるかと思って、こうして帰って来たわけだ」

 

「は……? いや、ちょっと待てよ……!?」

 

 俺の下半身をこいつはチラリと眺めた。とっさに俺は両手で視線の先にあるものを隠す。

 

「ふふ、お前は類まれなる女好きだろう?」

 

「俺は、男は無理だぞ!! ましてやお前なんて……というか……知ってるが、あそこの女体化の薬は効果時間があるんじゃないか?」

 

「あぁ、それなら、魔力操作で定着させたさ。今なら自由に性別を変換できる」

 

「それは、便利なことで……」

 

 高等技術を簡単にやってのけるところは相変わらずだった。

 

「ともかく、私はずっと悶々とした気分でいるわけだね。さぁさぁ、はじめないかい?」

 

 ベッドの上に仰向けに横たわると、両腕を開いて待ちの姿勢を俺に見せる。

 

「あいにくだが、今もシーシャちゃんとデートに行って来たところだよ。間に合ってる」

 

 俺の新しくできた恋人だった。

 彼女を裏切るわけにはいかない。

 

「は? どうせ三ヶ月で振られる女だろう? そんなのに義理立てをするというのかい?」

 

「なっ!? てめぇ……今度こそなぁ、俺は……!」

 

「ははっ、どうせ無理だ。お前が女と別れるたびに慰めてやるこっちの気持ちにもなってみろ?」

 

「くそ……っ。あぁ、悪い……悪いことをしてるとは思う。ただ、ただなぁ……今回こそはだ!」

 

 そう、俺はこいつの言う通り、三ヶ月続いたことはなかった。

 決まって俺は、そのくらいで振られてしまう。あぁ、振られても、俺は魔神級の魔導士だから、新しい子はすぐに見つかる。でも、振られるのは辛かった。

 

「いつも、そんなことを言ってダメだろうに。ま、今日は帰って来るのが早めだったということは、結局、同衾まではいかなかったんだろう? だったら問題ないじゃないか?」

 

「問題あるよ! お前、男だし! お前はそれでいいのかよ!?」

 

 魔導学園時代から、ともに馬鹿騒ぎをして過ごして来たこいつとの日々が頭には駆け巡る。

 流石に、無理だろう。

 

「まぁ、消去法かな。私としても、本意ではないが……やむをえまい」

 

「お前は、そういう奴だよな。あぁ」

 

 長い付き合いから、わかる。こいつは決して俺という対象に性的なものを感じているわけじゃない。ただちょうどいいところにいる、なんとなく言うことを聞いてくれそうな男だとしか認識していないのだ。

 

「さぁ、とっとと始めよう」

 

 体が重くなる。

 

「お前、魔術使いやがったな……!? くそ……っ、やめろ……! 来るな……っ! ひっ……」

 

 男は無理だ。

 俺は、女が好きだ。女が好き。女じゃないとダメなんだ。

 

 ――ふにっと、柔らかいものが押し当てられる。

 

 とても美しい巨乳だった。

 

「私は知っているんだ。お前がどうしようもないほど女好きだとねっ」

 

「あぁああああ!!」

 

 そこから先は、言うまでもないだろう。

 

 

 

 ***

 

 

 

「はぁ……」

 

「なんだよ、そのため息は?」

 

 起きて、俺を見るなり、女体化した相棒はそんなふうに、これみよがしなため息をついてみせた。

 

「五点だね」

 

「なんの点数だよ、急に……」

 

 恨みがましげに俺を見つめて、こいつは言った。

 

「正直に言うと、痛いだけでまるで気持ちよくなかった。だから五点だね」

 

「は……? お前、初めてなんだろう? だったら、痛いのだって当たり前だろ? そんなもんだろ?」

 

 俺が責められるいわれはないはずだった。

 

「はぁ……」

 

 だが、こいつはさらに深いため息を吐いてみせやがった。

 

「な、なんだよ?」

 

「まず、前の段階からして違うんじゃないかい? 撫でる力も強いし、口づけも乱暴だし……。それになんだい? 胸をあんなふうに鷲掴んで……指の跡、まだ残ってるんだけど、ねぇ?」

 

 立派な胸だった。俺は夢中だった。

 

「多少は、まぁ、しかたないんじゃないか? あぁ……」

 

「あと、強く擦るのはやめた方がいい。まだ、ヒリヒリしてるし……痛いよ。お店の人は、力加減がわかっていたから、あぁ、なんというか雲泥の差だね」

 

「く……っ」

 

 どことも知らない男と比べられ、俺のプライドが傷つく。

 どうにかして、言い返してやりたい。

 

「あぁ、それに乱暴にされて、受け入れる準備が整う前だったからね。やっぱりというか、出血は必至だったね。ちゃんとやればもう少しマシにできたと思うんだけど、違うかな?」

 

「……血くらい出るだろ」

 

 あの征服感は、思い出すだけでもたまらないものがある。やっぱり、今まで誰のものでもなかった女は良い。

 

「はぁ……。それに、そう…… それでもなんとか痛みに耐えて、集中して快楽を探そうと思いはしたんだけど、あれはなんだい? 最後に急に速度が上がって、むちゃくちゃになって……すさまじい痛みに現実に引き戻されるあれだよ。正直、壊れるかと思った……物理的にね」

 

「それはお前が、慣れてないからで……っ!」

 

「これが、犯される女の気持ちなんだね。いい社会勉強になったよ。普通の女の子だったら、トラウマになって、男が怖くなるんじゃないかい?」

 

「言い過ぎだろ。さすがにそれは……」

 

「あぁ、それと……終わった後になんの心遣いもなくすぐに寝たのも最悪かな」

 

 その暢気な寝顔をぶん殴ってやりたかったと、こいつは続けてそう言った。

 

「あん? 文句があるんだろ? だったら、表にでやがれ」

 

 言われっぱなしで、さすがに俺も堪えられなくなってしまう。

 

「はぁ、これだから野蛮人は困るね。まぁ、ケンカなら買うけど、いつもみたいにね。それじゃ、男に戻ろうか……はぁ……萎えた」

 

「あ……っ、ちょっと待て!」

 

 俺は腕を掴んで止める。

 

「なんだい?」

 

「待ってくれ……。今男にお前が戻ったら、俺は男と関係を持ってしまったという現実を認識し、心が折れてしまう。しばらくは立ち直れない。頼むから、もう少し待ってくれ」

 

「……どうして私がお前に気を遣わなければならないんだい?」

 

「頼む……この通りだ……」

 

 俺は頭を下げて、平身低頭頼み込んだ。

 部屋に転がりこむ時でも、こんなにも頭を下げなかった。

 

「ま、いいけど……ギルドにはどう報告する予定だろうね? 魔神級魔導士の性別が変わったとか、大事件だろう」

 

「し、しばらくは偽名で……ほら、姉とか妹とか……」

 

「アーケンハイム失踪、代わりに姉が、あるいは妹が仕事を務めます……それは意味がわからないんじゃないかい? 社会としてそんなのが通用するとは思えないんだけどね……」

 

「そこをなんとか……」

 

「じゃあ、言い訳はお前が考えておくことだね。はぁ……」

 

「よし! 後でやっぱりやめたとか、なしだからな!!」

 

 話のわかる相棒でよかった。

 これで俺の精神の安定は保たれることになる。

 

「それじゃあ、行こうか……私らの仕事。迷宮探索に」

 

 

 

 ***

 

 

 

「混沌魔導――『融解(メルト)』……」

 

 目の前の巨大なサイのような魔物を魔術を使い爆散させる。

 魔障耐性の低い魔物は、体内に直接魔術を発生させることができるため、簡単にこうなる。

 

 一帯の魔物は、すでに駆除を完了させた。

 

「はぁ、相変わらず、お前の混沌魔導……万能魔導が羨ましいよ。生まれ持つなら、私もその魔導がよかった」

 

「いや、俺はお前の術式も、かなり便利だと思うんだけど。ていうか、またこの話か?」

 

「あぁ、誰かさんが、昨日思い出させてくれたからね。私の術式の不便さを」

 

 誰かの体に乗り移ったと、俺が疑ったときのことを言っているのだろう。

 

 こいつは俺の術式を勝手に万能魔導とか言って羨ましがっていた。

 こいつが言うほど、そんなに便利なものではないと俺は思っている。

 

「それにしてもこの上級迷宮、思ったより魔物が多いな」

 

 迷宮ごとに個性があるとはいえ、今まで倒してきた魔物の数が少し異常だった。

 一体一体が弱いからこそ、マージンを取って挑んでいる魔導士にとってはそれほどではないかもしれないが、上級魔導士一人でこの迷宮にダイブした場合、魔力切れもありうるだろう。

 

「あぁ、そうだね。迷宮が成長したのかもしれない。他の魔導士が心配だ。少し急ごうか」

 

 急ぎ足に、探索を続けて行く。

 俺たちは、魔神級魔導士だからこそ、上級迷宮が少し成長したくらいで、どうにかなることもない。

 

 手当たり次第、魔物を蹴散らしながら、俺たちは進んでいく。

 

「キャーァア!!」

 

 耳をつんざくほどの女性の悲鳴が聞こえてくる。

 

「アーク! ……て、もういないか……」

 

 あいつは、仁を尽くすことに生きがいを感じるようなやつだ。いつも他人の危機には俺がなにかを言うよりも前に向かっている。

 

 急いで、俺も悲鳴の方に向かうが、もう遅かった。

 

「た、助けていただき、本当にありがとうございます!」

 

「いや、礼には及ばないさ。人と人との助け合いで世の中は回っているからね」

 

 粉微塵にされた魔物の血肉のすぐそばで、相棒と、女の子の魔導士が会話をしていた。

 

 女の子の魔導士の服はボロボロで、目のやり場に困ることになってしまっている。

 

「あの……相当な実力の魔導士にお見受けしますが……あの、お名前は……」

 

「あぁ、私は魔神級魔導士、アーケンハイム……」

 

「その妹のアリーカだな」

 

 割って入る。

 絶対に、こいつ、今自分が女だということを忘れていただろう。

 

「……っ!? あなたは! 魔神級魔導士のシュテルンヘルン様!? ということは……アーケンハイム様も、近くに……!?」

 

 女の子の魔導士は、目を輝かせて、キョロキョロと周りを探している。

 

「あぁ、アーケンハイムのやつは、里帰り中でな……」

 

 そういうことにしておかなければまずいだろう。

 迷宮攻略の際は、いつも二人で行動をしているわけだし、いないと不審だ。

 

「そうなんですか……。えっと、シュテルンヘルン様。お会いできて光栄です」

 

「あぁ、これはどうも」

 

 女の子の魔導士と、俺は握手をする。可愛い子だった。人気者は困るぜ。へへっ。

 

「それで君は……上級魔導士かい? 腕試しはいいけれど、今のこの迷宮は少し変異が起こりそうなんだ。異変があったら引き返す……それが迷宮探索の鉄則だと思うけれどね……迷宮の固有法則とかで、それができなかったのなら、参考のためにぜひ聞いておきたいのだけれど?」

 

「あ……うう……。その……私の実力なら、迷宮核までたどり着けるって、そう思って……」

 

「まぁ、助かったのだから、今はそれを喜ぼうか。これを羽織ったらいい」

 

 そうやって、相棒は上着を脱いで、服のボロボロになった女の子に、着せてあげている。

 

「あ、ありがとうございます……ぅ」

 

 だが、そう。

 相棒は今、女だ。女の子の代わりに、相棒がアラレもない姿になってしまった。

 

「これ、着ろよ?」

 

「ん? ま、いいけど」

 

 そうして、俺は相棒に上着を渡した。

 

「あ、あの……それで……っ! すみません……アリーカさん。私を助けたせいですよね? アリーカさんの魔力……っ、全然残ってなくって……」

 

「……む」

 

 相棒が眉を顰める。

 

 ダメだ……笑ってしまいそうだった。

 魔導士として、相棒の魔力量は少ない。一般的な魔導士が十として、相棒の魔力量は一だった。一般人と同じくらいだ。

 ちなみに俺は百ある。

 

 その生来の魔力量の低さから、今の魔力量の少なさは魔術を使ったせいだと思われている。

 相棒のコンプレックスを刺激する酷い勘違いだ。

 

「一緒に帰りましょう! アリーカさん。二人ならきっと、シュテルンヘルン様に守っていただかなくとも、まだ安全に帰れるはずです」

 

「いや、私はこのまま迷宮核へと行くんだけどね」

 

「ダメですよ! アリーカさん。魔力がこんなにも減っていたら、シュテルンヘルン様の足手纏いになってしまいます」

 

 なぜか、相棒が諭されてしまっている。

 相棒は、なんとかしてくれと、こっちを見つめてくるが、面白いから俺は首を振ってそれを断った。

 睨みつけられる。

 

「あぁ、大丈夫だ。こいつはとっても強いからな。私だろうと、君だろうと、足手纏いがいくらいたって、迷宮核のところへ連れて行ってくれるさ。な?」

 

 相棒は近寄って、肩を抱いてくる。

 俺を見るその目からは、後でただじゃすまないぞと、言葉にせずとも伝わってくる。

 

「あぁ、そうだな。俺にかかれば、上級迷宮なんて余裕も余裕さ。足手纏いもどんと来いだぜ」

 

 さすがに後が怖くなった俺は、相棒に話を合わせる。

 実際にそうでもあった。

 

「さすがシュテルンヘルン様!!」

 

 女の子は目を輝かせる。そんなふうに褒められると、少し照れてしまう。困ったなぁ。

 

 じとっと、相棒は流し目にこちらを見つめてきた。

 

「あぁ、帰りたいなら、あらかたここまでの魔物を殲滅してきたから、ああ、シュテルンヘルンがね。君一人でも安全に帰れると思うよ?」

 

 相変わらずの相棒だ。

 

「え、あ、はい。ありがとうございます! シュテルンヘルン様! じゃあ、私は帰りますね! アリーカさんも、ありがとうございました!」

 

「あぁ、気をつけて」

 

 お礼を言って、女の子は迷宮の入り口の方に向けて歩いて行った。

 

「それじゃあ、俺たちも急ぐか……」

 

 反対へと、俺たちは歩いて行く。

 俺たちの狙いはもちろん迷宮核だ。

 

 そこからは、なんのアクシデントもなく、俺たちは進んで行けた。異変を感じて、みんなは帰って行ったようだ。

 開けた部屋に迷宮核が、ただ静かに佇んでいる。

 

「今回は鉱石タイプみたいだね。さっさと終わらせようか」

 

 緑色の、宝石の原石のような迷宮核だった。

 

 一歩近づく。

 

「と、来たな」

 

 俺たちは、魔力障壁で身を守る。

 魔力障壁は迷宮核の攻略において必要な基礎技術だ。これができないと、迷宮核の間近で展開された固有法則に支配されて、最悪は死ぬ。

 

「うーん。今日のは気分じゃないね。任せていいかい?」

 

「あぁ、大丈夫だ」

 

 迷宮核からは魔物が生み出される。

 ありったけの魔力から吐き出されたのは、三つ首の犬の魔物だった。

 

「だいたい超級かな。うん、上級迷宮として、あまり良くないみたいだね」

 

 魔力から、相棒は目の前の魔物を査定してみせる。

 なんにせよ、俺たちの負ける相手ではない。

 

「混沌魔導――『融解(メルト)』! あ?」

 

 体から離れた瞬間に、術式が散逸した。

 ミツ首の犬の振るう牙を、俺は後ろに下がって躱す。

 

「これは、術式の散逸する固有法則? いや、それにしては散逸の仕方が……。あぁ、そっか……負の魔力で相殺されたみたいだね」

 

 魔力には、正と負がある。

 当然ながら、その二つは打ち消し合う。負の魔力で満たされた場所では、正の魔力で構築した術式は打ち消される。

 面倒だ。

 

「混沌()魔導――『氷結(フリーズ)』!」

 

 負の魔力を使えば、同じ術式でも起こる事象は()になる。

 三ツ首犬の氷像が出来上がりだ。

 

 ぱちぱちと拍手が聞こえる。相棒だ。

 

「お見事だね。番犬も倒したことだし、迷宮核をいただこうか」

 

「そうだな。とっとと帰ろう」

 

 迷宮核へと俺は触れ、魔力を調整し、完全に制圧する。

 

「使えそうかい?」

 

「いや、これは使えないな。上級に毛が生えた程度の迷宮核だ。固有法則も正の魔力の反転だし、これは売った方がいいな……」

 

「うん、そうだね。魔力の反転なら、私らは魔力操作でできるわけだし……」

 

 迷宮核を制圧したことにより、迷宮が崩れていく。

 迷宮内の拡張された空間が、完全に消え去り、俺たちは二人は気がつけば迷宮の入り口だった場所に立っていた。

 

「さて、帰る……ん?」

 

 重さを感じる。相棒が、俺にしなだれかかってきた。

 

「はぁ、女の体になるときに、筋肉をもっていかれたみたいだ。これだけでも、相当疲れた」

 

「そうか、大変だな……」

 

 体の構造を変えるわけだ。後遺症があってもおかしくはないだろう。

 

 相棒は、俺の体を指でなぞる。

 

「それでなんだけど、宿まで運んで行ってくれないかい?」

 

「嫌だよ。魔術で浮いて帰ればいいんじゃないか?」

 

「あれは頭が疲れるからね。運んで行ってくれないかい?」

 

「嫌だよ」

 

 俺だって、疲れている。

 というか、今回の迷宮探索で魔術を使ったのは、ほとんど俺だろう。

 

「えいや!」

 

 そうこうしていると、俺の背中にこいつは無理やりのしかかってくる。

 

「ふお……っ!?」

 

 ふにっと背中に、あたる。

 振り落とされまいと、ガッチリとしがみついているから、これまでにない密着感で、俺は押し付けられている。柔らかい。

 

 それにこいつは、あろうことか、足でもホールドしてきた。

 下半身も……下腹部や、なんやかんやもピッタリとくっつけられている。

 

 それは自然な成り行きだっただろう。

 俺は手を伸ばした。もちろん、おんぶする側の義務として、背負う相手がずり落ちないための行為だ。

 太ももの、その先へと手を伸ばす。

 

 幸せ……だった……。

 

「はぁ、仕方ないやつだ。その乱暴な触り方はなんとかならないのかい?」

 

「う、うるさい!!」

 

 もうすでに、俺は爆速で走っていた。

 本来は向かうべきはギルドだったが、そんなことよりも大切なことがある。

 女の体を背中に感じながら、宿屋に一直線だった。

 

 俺の力ならば一瞬だ。

 名残惜しいが背中の女を、ついた宿屋のベッドの上に転がせる。

 

「ねぇ、ゆうべのやつがまだ痛いんだけど……」

 

「混沌反魔導――『治癒(ヒール)』」

 

「はーあ。私の術式のちっぽけさを思い知らされる」

 

 治癒の魔導を使えるのは、魔導士でも一握りだ。ただ、今はそんなことはどうでもいい。重要なことじゃない。

 

 そこから先は、言うまでもないだろう。

 

 

 

 ***

 

 

 

「はぁ、それで……私らの周りを嗅ぎ回らないでくれるかなぁ……」

 

 夕暮れの中、女と出会った。知らない女だ。

 正確には待ち伏せをされていたという方が正しいのかもしれない。

 

「ふぇえー。誰ですか、あなたは!」

 

「あぁ、そうか……そうだったね。じゃあ、こう言い直そう。シュテルンヘルンの周りうろちょろするのはやめてくれないかい?」

 

 その名前を聞いて、ピンとくる。

 シュテルンヘルンは魔神級魔導士だ。魔導士の頂点の一人でもあり、憧れる者も多い。

 きっと、こいつはその中でも自分こそが相応しいと思う勘違い女の一人だろう。

 

「ふぇえー。それでも私……シュテルンヘルン様に見初められて……その、その……お付き合いを……」

 

「シーシャちゃんだっけ。君のことなら、あいつから聞いているよ? でもそうだ――( )

 

 ――君、魔物だろう? その陰気な魔力、隠せてないな。

 

 とっさに距離を取る。術式を稼働させる。

 魔神級魔導士であるシュテルンヘルンでさえ騙した偽装を見破るとは、おそらくは名のある魔術師だろう。相手を注意深く観察する。

 

「は……?」

 

 その矮小な魔力量は、市井の民にも劣る様だ。

 わからない。わからないが、幸運だった。正体を知ったのなら、ここで殺せば済む話だ。

 

 もしこの者が、正体を別の者に話していたのならば少しまずいが、ともかくとして殺せばいい。全てはこいつを殺した後に考えればいいことだった。

 

「重力魔導――」

 

 おかしくてたまらない。

 この女、魔術を使った。たったあれだけの魔力量でだ。

 

「誘淫魔導――」

 

 魔力の量と出力は比例する。ゆえに、この女の術式は届かず、こちらの術式だけが敵を討つだろう。

 自明の理だった。

 

「うん、いい術式だね。羨ましい」

 

「ふぎゃっ!?」

 

 這いつくばる。押し潰されている。

 わからない。どうしてこの魔力量の差でこうなった。ただ、わかるのは、この重力には術式の効果さえも押し潰されてしまっていることだった。

 精神に異常きたすはずの魔導は、あの女には届いていない。

 

「術式の形式を見る限り、女には効きづらい……というのは推測通りか……。反魔導は使えないかい? それなら、ひょっとしたら私にも効くかもしれない」

 

 重圧が消える。自由になる。

 

「はぁ……はぁ……。この、クソアマがァアア!! 誘淫反魔導……! な……っ!?」

 

 明らかに、直撃をするはずの術式だった。放った瞬間、狙いがズレた。

 

「危ないな……。なるほど、反魔導は苦痛か……飴と鞭、といったところかな。応用幅も広そうだし、ますます羨ましくなる」

 

 たとえば、この女ではない誰かが、近くで術式を妨害している……気配を探ろうが、()()()()()

 

 落ち着く。深呼吸をし、一度冷静になる。

 この女の魔力は、もとよりわずか。あぁ、そうだ。このまま魔術の撃ち合いを続ければいい。

 一度はこちらを這いつくばらせたあの重くなる魔術を解いたのも、きっと魔力の節約のためだろう。

 

 あぁ、冷静になれた。こんなどことも知らない女などに、負けはしない。

 なぜなら――

 

「くく、貴様には特別に教えてやろう。私はそう……! 貴様らの呼び方に倣って言うのなら、そうだ! 魔神級魔物……『淫虐』のリリテイム」

 

 魔神級。

 それの意味するところは、それ以下の烏合がいくら集おうとも揺るがないその強さを持つこと。さらには無限の継戦能力、つまりは際限のない魔力を持つことだった。

 

 この『淫虐』のリリテイムは、誘惑した男どもや魔物を従え、人形として意のままに操り、魔力を簒奪し、それを実現した。

 だからこそ、魔神級と、世界は彼女を称していた。

 

「そうか、君が……」

 

「ふふ、特別に見せてあげるわ!! 超級の魔物千体に! 超級の魔導士百体!! 私の可愛いコレクションたち!」

 

 誘淫魔導により、召喚が行われる。

 一人の意思により統率の取れた魔物たちや、魔導士は、もはや軍隊……いや、それ以上だろう。

 

「重力魔導――『潮汐(スプリット)』『異空(ホール)』」

 

「は……!?」

 

 弾けた。召喚した魔物たちは弾けて死んだ。

 魔導士たちは虚空に消えて、反応は帰ってこない。

 

「あぁ、魔物が死んだのは潮汐力だよ? 引き裂いてやったわけ。ほら、常に押しつぶすだけじゃあ芸がないだろう? 私なりの応用なんだけど……。あと、魔導士の人たちは……まぁ、運が良ければ生きてるかな……」

 

 ありえない。あれだけの軍勢が、一瞬にして倒されてしまった。ありえない。ありえるはずがない。こんな、魔力の少ない娘一人に……。

 

 魔力……え……?

 

「魔力が……減ってない……!?」

 

 意味がわからない。魔術を使えば魔力が減る。それがこの世界の常識だ。

 外部からの供給があるなら……いや、それなら魔力の線が見えるはずだ。そんなもの、目を凝らしても見えはしない。

 

「あぁ、私の魔力か。それなら、そう……正の魔力と負の魔力は、重ねたら消滅するだろう? だから、そうだね……その逆だ。無から正と負の魔力を対にして、生成させてやるわけだ」

 

「だけど、結局は、そんなことをしても、正と負で消滅するはず……」

 

「いや、私の術式は対称術式だ。正の魔力でも負の魔力でも、一度術式にして回してやれば、起こる事象は同じになる。打ち消し合わない。本当は正と負で反対の事象が起こる反対称術式の方が私は便利でいいと思うのだけれど、ままならないよ」

 

 反術式と順術式を同時に回す、ということなのだろうか。言葉にすれば簡単だが、その難易度は想像を絶する。精密に、両手で別々の絵を描くようなものだろう。

 それにそうだ。魔力もそう……生成したのち、消滅してしまうであろう一瞬で術式に組み込まなければならないことを考えれば、絶技と言う他にない所業だ。

 

 あぁ、そんなことが本当にできてしまうのなら、この女に魔力切れはないと言える。

 

「貴様! まさか! 魔神級魔導士……『相称』のアーケンハイム!!」

 

 それならば、全てに説明がつく。

 ()()アーケンハイムがこんなふうに娘に扮しているとは思いもしなかった。

 

「気がつくのが遅すぎる」

 

「くそ……っ、化け物め!! 相手をしていられるか!?」

 

 同じ魔神級ではあるが、二人の間には大きな隔たりが存在する。なぜならそう、魔神級は魔導士、魔物、迷宮の最高位。その上はない。だからこそ、条件を満たしただけの超級よりも僅かに上の魔神級と、はるか高みの魔神級では隔絶とした差が存在する。

 

 そんな桁外れな魔神級と戦うなら、そう。超級などではいないと同じだ。魔神級をぶつけるほかない。

 あぁ、あるいはシュテルンヘルンを籠絡した後、ぶつけてやるか。また姿を変えて接触すればあの男は籠絡できる。確信している。

 

 なんにせよ、まずは撤退しなくてはならない。

 リリテイムは、コウモリのような翼を広げて、飛んで逃げる。自身の軍隊がなくなってしまった以上、逃げて、もう一度体勢を立て直す必要があった。

 

「やぁ?」

 

 逃げたはずだ。

 そのはずなのに、目の前には女が……アーケンハイムがそこにはいる。

 

「ひ……っ」

 

「逃げてもいいけど、もう私と相対した時点で詰みかな」

 

「そんな……っ。なんで!?」

 

 どの方角に飛んで逃げても、その先にはアーケンハイムが待っている。

 おかしい。空間がそのものがおかしい。

 あぁ、違和感に気がつくのに遅れてしまった。周囲には、町中なのに()()()()()()()()()()()

 

 

 ゆっくりと、アーケンハイムは語り出す。

 

「ちょうど今、魔神級を冠する人間は五、魔物で十、迷宮で七、存在する」

 

 ――あぁ、厳密には……魔物は魔石も含めて、迷宮は迷宮核も含めてだけれどね。

 

 魔物は魔石として、迷宮は迷宮核として、死後も人間に酷使される。酷い話だ。

 

「ここらを覆う固有法則は、魔神級迷宮『還らずの虚』――その迷宮核に手を加えたものでね。私の重力魔導と相性が良かったんだ」

 

 その魔神級迷宮の攻略をもって、アーケンハイムとシュテルンヘルンは正式に魔神級魔導士として認められていた。

 出現から三千年、誰一人として生還者のいなかった『還らずの虚』。まことしやかに語られる、その固有法則は――( )

 

 囚われてしまった以上、いまさら魔力障壁をはっても遅い。

 

「そ、そうだ上なら!」

 

 人間の術式は、上が脆いことも多い。人間は普通、空を飛べないからだ。

 

 だから、飛ぶ。空高く飛ぶ。

 あぁ、術式が無限に届くなんてことはない、いくらか空を飛んで範囲外に出ることができたら、今度こそ脱出できる。

 もう二度と、あの化け物には手を出さないと心に誓った。逃げ切るために、天に届くまで飛んでいく。

 

「お帰り」

 

 なぜか目の前には、軽く手を振るアーケンハイムの姿がある。地面の上に立っていた。

 

「あ、あぁ……あぁあアああァアああ!!」

 

 へたり込む。もはや立つことさえできなかった。

 化け物を前に、なす術がなかった。

 

 涙に鼻水がとめどなくあふれてくる。

 

「いやぁ、とんだ拾い物だったね。魔神級の魔石が手に入るなんて……」

 

「ゆ、許して……! お願い!! なんでもする! 言うこと聞くから! 殺さないで……」

 

 他者を誘惑することはあれども、命乞いの経験はない。プライドを捨て、地に這いつくばる。

 

「残念ながら私の魔導は重力魔導。君みたいにとっても便利な使役系の魔導じゃないからね。今回はご縁がなかったと思って」

 

「あが……!?」

 

 ――死んでくれ。

 

 そうして、『淫虐』のリリテイムは、その生を終える。

 

 アーケンハイムは、その胸から魔石を抜きとり、噛み砕いて飲み込んだ。

 

「これは、良い術式だ。ふふ、使役相手を一人に集中すれば、籠絡したその相手の術式の模倣も可能か……。魔石容量的には、いけるか。せっかくだから試してみよう……」

 

 アーケンハイムの頭に浮かぶのは、最強の術式を持つ一人の男だ。

 けれどもアーケンハイムは情に厚い。長年、苦楽を共にした相棒をただ利用するなどはできる人間などではなかった。

 

 

 

 ***

 

 

 

「八点だね」

 

 朝起きると、相棒はまずそんなことを言っていた。

 

「なんでだ! 今度は、ちゃんと言う通りにしただろ……!」

 

「たしかにお前は私の言うことを聞いたね、あぁ……初めのうちは。すぐに忘れて乱暴するんだから……はぁ、鳥の方がもっと記憶力がいいんじゃないかい?」

 

 いや、まぁ、ゆうべは素晴らしい夜だったと思う。

 女性として完璧な体だ。胸だけでなく、お尻の方もそうだった。だから、満たされた、とても幸せな気分な目覚めだ。

 

「どうして、そんなこと言うんだよ。幸せな気分が台無しだぜ」

 

「やっぱり、そうだな。諦めよう。男に戻るかぁ……」

 

「いや、待て! ちょっと待て! それだけはやめてくれ……お願いだ!」

 

 いま、この、裸でベッドの上に二人の時で男に戻られたら地獄だ。一生のトラウマになる自信がある。

 

 そもそもあれだ。俺は、今、こいつは出会った時から女だったと混沌魔導で脳を錯覚させ、耐えている部分がある。

 

「また、血が出たしなぁ……乱暴にするからだよ」

 

「あぁ、たぶん、それは俺が治しすぎたからだな……」

 

 まぁ、うん。俺としてはお得な気分だった。

 

「は? お前、最低だね。いろいろと」

 

 軽蔑の目で、こいつは俺を見つめてくる。事故だった。信じてほしい。

 

「でも、そうだ! 要するに、二人でするものだろう? だから俺が楽しんだって……そうだ! 今回は俺が楽しむ番だったんだ」

 

「二連続だよね。順番的におかしいんじゃないかい? 断言するよ。お前は前借りを続けるだろうから、一生私の番はこないね」

 

「く……っ。俺の信頼が……」

 

「女とギャンブルで私の部屋に転がり込んだ時点でね。このクズ……」

 

「くそ……ぉ……」

 

 プライドがズタズタだった。

 俺は誰からも尊敬される魔神級魔導士だ。そう心の中で唱えて耐え忍ぶ。

 

「んしょ……」

 

 こいつはなにか手を伸ばした。

 ベッドの近くに置いてある本棚だった。勤勉なこいつは、よく魔導学や、医学、化学や物理学といった本を読んで勉強している。

 

 その努力によって、少ない魔力と、扱いづらい術式で、魔神級魔導士にまで成り上がったこいつのことを、俺は素直に尊敬しているし賞賛している。

 

 ポンと肩を叩かれる。

 本が目の前に置かれた。

 

「こ、これは……」

 

 その本の題名は、『男女の身体の構造と、正しい性的快楽の与え方』だった。

 なんてもん読んでやがる、こいつは。

 

「ああ、医学の新書に置いてあったんだ。著者で選んでみたわけだけど……あまり、学術的な本ではなかったかな。まぁ、君には役に立つだろうね……はぁ……」

 

 深いため息を吐いて、ベッドから出ていく。

 いい体だ。俺は着替えをまじまじと見つめながら、受け取った本をチラ見しつつパラパラとめくる。

 

 

 ――!? へ、変態だ!?

 

 

 






 続き、誰か……書いて……。
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