宿屋に戻ると相棒がTS美少女化して抱けと誘ってきた   作:名もなき魔導士

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魔人もどき

「今日も寄ってくにゃー!」

 

 俺は毎度のようにナターシャちゃんに捕まっていた。歓楽街の通りだった。

 

 俺たちは超級迷宮を楽に攻略した。結局、三日かかりやがったからな。久しぶりの地上の空気は気分がいい。

 

 そうして、わけ前をもらってふらついていたら、いつものように捕まったわけだ。

 ナターシャちゃんが、効率よく俺を捕まえられる仕組みを知ってしまったぶん、なんだか……という気分もある。

 

「たまには別の女の子とかも……」

 

「長年連れ添った、にゃあを見捨てて、他の女の子に!? シュテルンヘルン様は酷いやつにゃ」

 

 ベタベタとしてナターシャちゃんはそう言ってくる。

 

 ナターシャちゃんと俺の付き合いは、一年に満たない。この子は今年から入ってきた若い子だから、三か月くらいの付き合いだった。

 それに迷宮期が終われば、俺らはまた次の迷宮期までこの街を離れるし。まぁ、それ以上の付き合いはない。

 

「独占欲強い?」

 

「シュテルンヘルン様だからにゃ」

 

「じゃあ、今日もナターシャちゃんにしちゃおうか」

 

「そうしとくのがいいにゃ」

 

 そんなふうにイチャイチャしながら、俺たちは店へと向かう。

 もうちょっと胸の大きいウサギの子とか興味あったんだけど、この子でいいや。

 

「あ……?」

 

 店の前に立つ、影があった。

 

「久しいですわね、シュテルンヘルン?」

 

「うわ……っ」

 

 さっきまで一緒にいたセッカだ。なぜここにいるかはわからないが、嫌な予感がする。

 

「こんな店に……全く、私の横であんなにも愛し合っていた女性がいるというのに、理解に苦しみますわ?」

 

「起きてたのかよ……」

 

「見て見ぬフリは淑女の嗜みですわ」

 

 アーケンハイムは、たぶん気づいてただろうか。あいつのことだから、起きてるから割り切って声出すとかはしないだろうし。

 

 というか、俺、あいつがアーケンハイムだってバレるようなことは言ってないだろうか。

 いや、もし言いかけたらあいつが、なんか会話を誘導してたか。いい相棒を持って俺は幸せだ。

 

「んで、なんでここに?」

 

「それは、そうですね。この店には、魔人隠秘の疑いがかかっています。確保……と」

 

「にゃあぁああぁあ!?」

 

 そっと逃げようとしたナターシャちゃんが、セッカに取り押さえられていた。

 

 店の中では物騒がしく、バタバタと音がする。

 

 しばらくすると、獣人化していた女の子たちが、ぞろぞろと連れられて出てきた。

 中には、まあ、そういうことをしている間だったんだろうが、布一枚体に被せられた状態で出てきた女の子もいる。

 

「なぁ、俺、帰っていい?」

 

「あなたは今の恋人を大切になさい」

 

「わかってるよ」

 

 あいつはなぁ。俺が大切にするとか、しないとか、そういうやつじゃないよなぁ。

 だから、適当に相槌をうつ。

 

「シュテルンヘルン様ぁー。見捨てないで……ぇええ! うにゃぁあああ」

 

 ただ、このまま行くのも後味が悪すぎる……。どうしたものか。

 

「ま、知らない仲でもないし……顛末くらい教えてくれないか? なにかできるかもしれないし」

 

「わかりましたわ。ただ、そう……あなたにできることなんて、力での解決くらいでしょうに……」

 

「へいへい」

 

 どうしよっかなぁ。他の店に行こうか。

 

 

 

 ***

 

 

 

 それは、少し前の記憶だった。

 

「なんだい、ナターシャ。そんなにかしこまって」

 

「もうすぐ、だったかにゃ……と思って」

 

 ナターシャが話しかけているのは、キツネの獣人姿の女だった。

 彼女は、ここに来たばかりのナターシャの面倒を見て、客さえも譲ってくれた恩人でもあった。

 

「あぁ、あと三日か……もう少ししか、私はここにいれないね……」

 

 身受けだった。彼女を気にいる男のおかげで、彼女はこの店から自由になれる。

 

「プレゼントあげるにゃ。これを、にゃあだと思って、大事にするにゃ」

 

「これは……」

 

 ナターシャから手渡されたのは魔石のネックレスだった。迷宮で取れる魔石からは、大した魔力を抽出できない。それらを買い取ったギルドは、魔力の抽出に回さず、装飾品として扱うことがほとんどだった。

 

「大したものは、用意できなかったけどにゃ……」

 

「ありがとう! とっても大事にする」

 

「うにゃ!」

 

 撫でられる。

 この店に来てから、短い間だったが、本当に姉妹のようだった。最初は勝手のわからなかった男の相手のし方も、彼女から教えてもらったものだ。

 それがなければ、もっとずっと大変だったとナターシャは思う。

 

「にしても、私らは騙されて連れてこられたようなものだからね。ナターシャ、故郷に帰りたい?」

 

「うーん、どうかにゃあ。あそこが飽き飽きしたっていうのもほんとだしにゃあ。割と今、楽しいにゃ」

 

「あんたけっこう図太いね。それなら、私も心配せずにここを離れられそうだよ」

 

「うにゃ」

 

 照れたようにナターシャは笑う。心配をさせないように取り繕っているのかとも思ったが、そうではないようで、狐の獣人姿の女は、ほっとするように頬を緩める。

 

「あ、そうだ。シュテルンヘルンに酷いことされてないかい?」

 

「最近は優しいにゃ。女の子を頑張って気持ちよくしようとしてる感じにゃ」

 

「あの粗雑者がねぇ。そろそろ、落ち着く気にでもなったのか……」

 

 金払いはいいが、その粗雑さに手を焼いていた。無遠慮に女の体を傷つけるあの男に抱かれるのは純粋にキツかった。相手を傷付かせることに快楽を感じているとか、そういうわけではないけれども、やんわりと注意をしてものれんに腕押しだったことを覚えている。

 

 抱かれるのがキツくはあっても、やはり金銭的には頼もしく、ここに来てから数年、世話になった相手でもある。そういう変化の話は感慨深かった。

 

「シュテルンヘルン様に身請けしてもらうのもありかもしれないにゃ」

 

「それはやめた方がいいと思うけど」

 

 シュテルンヘルン自体は……まぁ、あの女の扱いがどうにかなったならいいかもしれない。だが、その隣にいるアーケンハイム……あの男だけはダメだ。

 

「いいかい、私たちは魔人……とはいえなくとも、少なくとも純粋な人間じゃない。人間化の薬を飲んで誤魔化しているけど、本当は人間の街にいてはいけない存在。あのアーケンハイムは、私たちのことを絶対に許してはおかない」

 

 アーケンハイムは規則に厳しい。この国へと侵入した手段は正当とは程遠いものだった。さらに魔人とくれば、あの男はきっとナターシャたちの存在を認めず、消し去る。

 

「わかってるにゃ」

 

 獣人系の魔人の作った小さな集落よりも、人間の街は大きく発展していると聞いていた。そんな話に憧れて、飛び出してきて、これだった。

 

 まず、容姿を誤魔化すための人間化の薬で借金ができた。

 通貨の価値すらわからないまま借金を抱えて、その法外な額を返すために、用意された居場所で女を売るしかなくなってしまった。

 

 身請け、ということで金持ちのもとへ行くが、その条件も厳しいものだった。

 当然のように外出は不可能。主人が死んだ際に自らの命がなくなるように契約魔法がかけられることになる。

 他にも細かい条件が課されて、あの小さな村から人間の街へと夢見た自由とは程遠い生活が待っている。

 

 それでもだ。今よりは良い暮らしだ。だから、きっと笑っていける。

 ナターシャは、そんな彼女の笑顔を見届けて――

 

 

 

 

「あ、あぁ……あ……あ……」

 

 ――そこには鎖に繋がれ、目もうつろに、だらしなくよだれを垂らす狐の獣人の姿がある。

 

「どうして……どうしてにゃ!!」

 

 同じく鎖に繋がれ、身動きの取れないナターシャだった。叫ぶ。

 

「チッ……またはずれ。首謀者がわからない。魔力波長の一つでも手掛かりが出れば……」

 

 水色の髪の女だった。華奢な体で、無機質な目をしている。悪態をつきながらも、表情ひとつ動かさず、彼女は狐の獣人の頭から手を離す。

 

「な、なにをしたんだにゃ! 無事なのかにゃ!」

 

「なにって……記憶を読む魔導を使っただけ。読んだ分だけ記憶はなくなって、廃人になったけど、必要経費」

 

「廃人……!?」

 

 優しく笑う姿が今でも思い出せる。うつろな顔で、今では見る影もない。

 その言葉が本当なら、あと少しで、身請けされて、体を売る生活から抜け出せるはずだった彼女の未来がなくなったということになる。

 

「次は、あなた……」

 

「ゆ、許さないにゃ! あとちょっとで……あとちょっとで、幸せになれたはずだったにゃ! それを……それを……っ!!」

 

「……自分の心配よりも他人の心配。人間が混じってるだけはあるか……」

 

「……っ!?」

 

 生い立ちをすでに知られている。

 あの店で働いていた獣人系の魔人たちは、みな、人間まじりだ。そうでもなければ、人間の村で働けるような協調性はなかっただろう。

 

 純粋な魔人というのは、もっと孤立的で、暴力的で、……なによりも、強大。魔導の魔の字も知らないようなナターシャ達とは、根本的に違っている。

 

「まぁ、いい」

 

 女は、首を振ると、ナターシャの頭へと手を伸ばす。

 

「許さないにゃ! 他人をそんなふうに弄んで……! お前は絶対地獄に堕ちるにゃ!」

 

「戯言……」

 

「ア……っ、ア……っ、ア……っ」

 

 記憶を読むという脳への直接の刺激に、体がピクピクと痙攣し、それに合わせて声が漏れる。

 

「チッ、こいつも外れ……」

 

 手を離す。思わず悪態をついてしまう。

 本来なら、記憶にある関係者をあたっていけば、首謀まで、芋づる式に検挙できるはずだった。

 だが、あの店のグループで関係が閉じてしまっている。この魔人もどきたちが接触したのは、首謀者に雇われた使い捨ての人間だけ……さらには手紙を使った通達が徹底されている。

 

「……――!?」

 

 ふと、人の気配に振り返る。

 

「おっと、あー……尋問は中止って伝えようとしたんだけど……もう全部やっちゃたか」

 

 女だった。初対面だが、どこか見覚えのある雰囲気だった。いや、やはり、初対面ではない。すぐに誰か理解する。

 

「久しぶり」

 

「人違いじゃないかい?」

 

「カマかけじゃない。ちゃんとわかってる」

 

「じゃ、久しぶり。シンシア」

 

「ん、アーケンハイム」

 

「よくわかったね……」

 

 ヤケに少ない魔力のくせに、気味が悪いほどに整った魔力の流れ。さらには正弦波に限りなく近い癖のない魔力波長。ここまで特徴が似ていれば、まぁ、気がつくだろう。

 

「それにしても、あの男に傷物にされた匂いがする」

 

「え? 匂う? シャワー浴びたんだけど……香水も使ったし……」

 

 そう言ってアーケンハイムは匂いを確認していた。どうせ今の状態に慣れてるんだろうし、自分ではわかるまい。

 

「どうして女になったかは、深くは聞かない。気になるけど、深くは聞かない。聞かないけど」

 

「すごく気になるんだね」

 

 シュテルンヘルンは、恋人よりもこいつとの友情を取るようなやつだった。それがただの友情ではなく、それにより性別を変えたというのなら納得もできる。

 

「結婚式には呼ばないでいい」

 

 シュテルンヘルンとは、学生時代に付き合っていた時期があった。当時内向的だったシンシアは、男性経験に乏しく、女漁り中のシュテルンヘルンにコロッと持ち帰られてしまった。

 

 シュテルンヘルンは顔もスタイルもいい魔力もすごいし、何よりも強い。だから、付き合うのも悪くはなかった。抱かれるのは痛かったけど、そういうものだと我慢できた。

 

 しかし、シュテルンヘルンは浮気をした。自己肯定感の低かったシンシアは、自らが身を引くという決断をした。

 

 だが、そこはシュテルンヘルン……浮気相手ともすぐに破局。それを聞いて、復縁を持ちかけてみようとしたが、シュテルンヘルンにはすでに次の相手がいた。

 常に女がいるシュテルンヘルンだ。学生の間から今まで、仕事や旅行でときおり会いはしていたが、そんなシュテルンヘルンに復縁の話を持ちかけられずにずるずるきた。

 

 実はシンシア……まだ、シュテルンヘルンのことが好きだったのだ。

 

「いやさ、あいつは私のこと、恋する相手みたいなふうに思ってないんだよね、たぶん。シンシアはどう思う?」

 

「別に」

 

 どうして、まだ好いている相手の恋人から恋愛相談を受けなきゃならない。理解に苦しむ。

 

「どう考えても、今までの関係に体の関係が増えただけなんだよね」

 

 それはもう、家族である。夫婦である。

 

「だまって結婚して、子ども作ればいい」

 

「こっちは真面目なんだけど」

 

「おめでとう」

 

 ちょっと泣きそうだった。

 

「あー、世間話はともかく……。この子たち……もう完全に廃人だね。シューティなら治せるだろうけど……」

 

 アーケンハイムは話を切り上げて、記憶を抜いた魔人もどきに近づいて言う。

 記憶を抜いたことにより、言葉の話し方や、歩き方すらも忘れ、ただ本能しかないのが今の彼女たちだ。

 

「さっき言ってた、尋問の中止ってどういうこと……?」

 

「この子たちの人権の有無で揉めたっていうのが一つ」

 

「それは……」

 

 記憶を完全に抜き出し、廃人にするこの魔導は、よほどの罪人相手か、魔人相手でなければ使用してはならないと制限があった。この魔人もどきたちを人間とするならば、使用対象にしてはならない……いや、外患誘致で使用許可はされるだろうが、そのために司法で罪を判断するというワンクッションが必要になる。

 

「あとは、人間化の薬に残った魔力の残滓から、首謀者に近しい魔人が割れたってところだね」

 

「それは……」

 

「『先見』のガルシア」

 

「なかなかのビッグネーム」

 

 その魔人の持つ魔導は未来視と言われている。未来を見ることの可能なこの魔人は、長きに渡り人間と敵対してきた。

 未来が見ることが可能なゆえに、狡猾に立ち回り、致命的な戦いを避け、今に生き残ってきた魔人だった。

 

「千年以上も前の記録にも、この魔人の名前が刻まれているという話すらあるもんね」

 

「この件も、この国を滅ぼすための布石……?」

 

「まぁ、でも、もう詰んでるかな」

 

「それは……」

 

()()()()()()からかな」

 

 

 

 ***

 

 

 

「よ! あぁ、やっと会えた」

 

「なぜ……!?」

 

 見下ろされている。

 見上げた空には男がいた。この男ことは、嫌というほど()()ことがある。

 この男を、一言で形容するならば、そう……死神。

 

「いやぁ、年食った狸ジジイみたいな感じを想像してたんだけど、意外だなぁ……。かわい子ちゃんなんだね」

 

 本来ならばここで会うはずのない相手だった。

 

「シュテルンヘルン……!!」

 

 この男については知っている。会ったことなどはないが、何度も視た事がある。

 この男に戦ったのなら、決まって死ぬ。

 

「こ……降参だ!! なんなら、この体を好きにしてもいい……」

 

「は? 舐めてんの? 魔人抱くほど女に困ってないって……流石に。あいつには殺せって言われてるしな」

 

 交渉の席につければ、言いくるめられる自信があった。未来を知ることにより、望んだ結果を引き寄せるのが予見の魔導。

 とにかく、話し合うこと。それがこの状況を切り抜ける最善の手段。

 

「シュテルンヘルン。お前に私への恨みはないだろう?」

 

「は……っ、俺が学生の頃も暗躍してくれただろ? あれ、かなりうざかったんだよね」

 

 あれは、魔人の世という悲願を叶えるための戦いだった。そのために、魔王の一人として、魔人のみなと協力して人間の国を倒そうとしていた。

 

 結果としては惨敗。たった二人の人間により、魔人の連合は壊滅させられた。

 

「私がお前を恨む道理があっても、お前が私を恨む道理はないはずだ!!」

 

「お前、うざいし。生かしといてもロクなことないでしょ」

 

「いや……っ! やめろ!! 心を入れ替えて人間のために尽くす!」

 

「――混沌魔導『致死(エンド)』」

 

「くそ……!!」

 

 シュテルンヘルンの得意とする死の魔導だ。とっさに障壁を張り、身を守る。

 

「ん? 魔力障壁? にしては魔導が浸透しないな……?」

 

「魔力の結晶化だよ。ふ……私は『赤』の巫女でもあるんだ」

 

 これは原色の龍の一体でもある『輝赫』のアポリウスの持つ技術だった。あの龍の寵愛を受けることに成功し、巫女となり、加護を受けたために使えるものだ。まぁ、そうやって生まれた龍の子は、さきの戦いで死んでしまったわけだが。

 

「へぇ、やるじゃん」

 

 にやりと、シュテルンヘルンは笑みを浮かべる。狩人が手応えのある獲物に巡り合った時のような、獰猛な笑みだった。

 

「この戦闘狂がっ!!」

 

 次の瞬間には、目の前にいる。突き出された手をのけ反ってかわす。

 

 結晶とはいえ、魔力は魔力。魔導は防げても、物理的な接触は素通りする。

 体内での結晶化はできないため、触れられれば一巻の終わりだ。

 

「混沌魔導『融解(メルト)』」

 

 地面の融解。遠回りだが、有効的な手だった。足場を魔力結晶で覆い、かろうじて守る。

 

「は……っ」

 

 ナイフを取り出す。魔力の結晶化でナイフを覆い、魔導を拒絶する。シュテルンヘルンの懐に潜り込み、振るう。

 

「それ、体の拡張より、全然強いじゃん……!」

 

「く……っ!」

 

 ナイフは、シュテルンヘルンに刺さる。刺さったはずだ。

 

「わかってるんじゃない? 効かねぇ、てさ」

 

 そうだ。効かない。

 シュテルンヘルンに刺さったはずのナイフの刃は、シュテルンヘルンに触れた瞬間に消滅してしまっている。

 

「化け物め!」

 

 魔力結晶は繊細だ。人間の体内には魔力がめぐるが、その魔力に触れた瞬間に、呼応するように魔力の結晶化がとけてしまう。

 

 さらにはシュテルンヘルンの魔導『致死(エンド)』。

 この魔導により、死へ導かれるのは生物だけではなかった。この魔導を受けた場合、火は消え、風は凪ぎ、形ある物は塵となる。

 これを体に纏うことにより、シュテルンヘルンへの攻撃は死をもって無効化される。

 

 そう、シュテルンヘルンに魔導を使われている限り、こちらの攻撃の一切が効かない。

 

「まだなんかある? なかったら、それが最後の言葉だけど」

 

「――っ!?」

 

 首を片手で鷲掴みにされてしまう。わかってる。最初から遊ばれていた。

 だけど、最後の足掻きだ。『致死(エンド)』の魔導の発動前に、魔力を動かす。

 一か八か――、

 

「て……。あ……っ!?」

 

「はぁ、なに遊んでますの」

 

 胸に、痛みが走る。

 

「がは……っ!?」

 

 剣だ。剣に貫かれていた。最後に聞いたのは女の声。

 

 知らない。何度も未来を視てきた。だが、こんな女は知らない。

 

「申し訳ないですが、知るはずがないですわ。あなたの魔導は未来を見て、最適な未来になるよう選択する。わたくしの魔導は、最適な未来を直接引き寄せるもの。最適な未来を選び出すことに関して言うならば、上位と下位の関係にある」

 

 そうだ。最初からおかしかった。

 この化け物――シュテルンヘルンと会わないように立ち回っていたはずだった。本来ならば、こんなところで終わるはずではなかった。

 

 だが、わからない。完璧な立ち回りだったはずだ。それが、いつからか、この女の魔導の影響下にあった。

 

「なんだよ、俺一人でじゅうぶんだっただろ?」

 

「知りませんわ。体が勝手に動きましたもの」

 

 遠く、声が聞こえる。これで、自分は終わりだろう。でも、きっと大丈夫だ。

 なぜならば、自分も、魔人の世を目指す上での歯車にすぎないからだ。人間の世の終わりも、きっと、すぐに――、

 

「混沌反魔導『蘇生(リザレクション)』」

 

 ――は?

 

 シュテルンヘルンがいる。そして、鎖に体が繋がれていた。今まで戦っていた場所とは違う。

 

「ん、シューティ。よくやった」

 

 水色の髪の女だった。

 

「なんだ……これは……」

 

「射影魔導『読込(ロード)』」

 

「ア……っ、ア……っ、ア……っ」

 

 

 

 

 ***

 

 

 俺は酒を飲まない。基本的に、魔導を使って、身体を万全な状態に保っている俺は酔うことがない。酔うためじゃなくて酒の味が好きだと飲んでいるという酔っぱらいもいるが、普通にまずいと俺は思って飲まなかった。

 

 相棒も、酒は飲まない。あいつに関しては性格と信条によるものだが、まぁ、あいつがそういう奴というのはわかるだろう。

 

「ふふ、シュテルンヘルン! あなたは飲まないのですの!」

 

「俺はいいよ」

 

「私の酒が飲めないのですの!」

 

「まずいから、いいよ」

 

 セッカに、酒場に連れられていた。俺は酒を飲まないが、酒の場に来ることはよくある。女の子といい雰囲気になれるかもしれないからだ。

 勧められて一口くらいは飲んでみるが、やっぱりまずいからやめるのがいつもだった。

 

「シュテルンヘルン。わたくし、思うのですけど、魔人相手なら、そくぶっ殺した方が絶対にいいですわ」

 

「お、相棒みたいなこと言うじゃん」

 

 あまり意識してはいないが、俺は魔人相手になると手加減というか、相手の技を全部見てから倒す癖があるらしい。

 

「予想外に反撃を受けることがあるでしょうに……」

 

「そんときは、アイツがいるからな」

 

「む……今はいないでしょう?」

 

 ぷくーっと、セッカはむくれてそう言った。なにか苛立っているのか、酒の入ったカップの縁を、ぐるぐると指でなぞっている。

 

「ま、あんな奴に俺がやられるって? ないない。全然大丈夫だっただろ?」

 

「……わたくしだって、魔神級ですわ……」

 

 ボソリと、セッカは言った。

 

「なになに? そんなに俺に頼られたいの?」

 

「それは……まぁ……」

 

「へぇ」

 

 そういえば、俺が頼るのは相棒くらいだ。他のやつに頼るって言っても、まぁ、俺より弱いんだよなぁって思うのがあるか。

 まず何かあったら相談するのは相棒だし、すごく頼りになる。そもそも、あいつのこと頼ればだいたいは解決するんだよな。

 

「今日はもう帰りますわよ」

 

 ふいと、目を逸らしてセッカは言った。酔いが回ったせいか、顔が赤い。言い切った後、カップに残った酒を一気に煽って飲み切っていた。

 時間的には、昨日より早いお開きだった。

 

「んじゃ、行くか」

 

 金は全部俺が払う。こういう飲みの場では、俺が払うのがいつもだった。女には金がかかる。

 まぁ、アーケンハイムと外に飯に行くときは、金がないと払ってもらうのがいつもだった。でも、あいつ女だしなぁ。

 

 宿に着く。今は魔人ガルシアの討伐からの帰りの道中だ。俺とセッカは同じ宿だが、違う部屋だ。

 

「では、また明日も」

 

「今日はこっちだろ?」

 

「きゃっ……」

 

 肩を掴んで、部屋に連れ込む。

 悲鳴の割には、すんなりと連れ込まれてくれる。

 

「ベッドの上にでも座ってろよ?」

 

「けだもの! 最初からそのつもりでしたの?」

 

 そうは言いつつも、靴を脱いで、服の金具を外して緩めてる。断ってくるときは、普通に出ていくから、そのつもりなんだろうことはわかる。

 

「これでも飲んで落ち着けって」

 

「……気が利きますわね」

 

 酒臭さを抑えるジュースだった。これで、ちょっとはマシになる。

 セッカは渡されてだそれを、一気飲む。さっきまで酒飲んでたけど、もう喉乾いてるんだろうか。

 

 適当にセッカが空になったカップを放り投げると、いい感じにテーブルに着地する。魔導を使ったんだろう。

 そのままに、ベッドに寝そべる。

 

「くるなら、こいですわぁ」

 

 酔っているからか、どこか投げやりだった。

 

「そういやさ、俺のせいでできなくなったって言ってたけど」

 

「それはわたくしがトラウマから反射的に抵抗するからですわ。シュテルンヘルン、あなたならねじ伏せられるでしょう?」

 

「そりゃそうだけど」

 

 こういう雰囲気だ。もしかしたら、セッカはねじ伏せられるつもりでここにいるのかもしれない。

 

 覆い被さって、服を脱がせる。

 上半身が露わになる。胸は、前と変わらず上品な形だった。小さめのナターシャちゃんより少し大きいくらいか。

 指でなぞる。

 

「さ……触り方がいやらしいですわ!」

 

「嫌か?」

 

「好き……」

 

 あいつから言われて、直しただけはある。好評だった。

 しばらくは上半身を味わう。正直、すぐに飽きるが少し我慢をしてみる。辛抱強く、続けていく。

 

 そして、表情を見て、下へと手を滑らせる。

 

「あ……、そっちは!」

 

「どうだ?」

 

「むりっ! むりぃ!」

 

 首をブンブンと横に振って、ばたばたとする。そんな言動の割には、抵抗は本気じゃない。むしろ望むように、腰をこちらへと浮かせている。

 

 そして、その瞬間がくる。

 

「は……っ、あ……あ……あっ」

 

 体を痙攣させて、硬直している。自分の体への感覚の処理で精一杯なのか、視線を俺より上に逸らして、ピクピクと震えている。

 

 いちいちねじ伏せるのは面倒だった。今なら、俺のことは眼中にない。

 両手で股を開かせて抑える。

 

「あっ……あっ……。え……あ……え……」

 

 思った通り、抵抗はなかった。丁寧にしておいたおかげか、ぬるりと、一瞬だった。

 

「どうだ?」

 

「ひん……」

 

「は……っ?」

 

 セッカは、そんな声とともに白目をむく。

 そこから、なにをしても反応がない。気を失っていた。

 

「マジかよ」

 

 このまま続けるのは違う。というか萎える。体を拭いて、横になる。なんというか、損をした気分だった。

 

 だいたい五分経つか経たないくらいに時間がすぎる。

 

「は……、これは……」

 

「起きるのか」

 

 そのまま寝てしまうとも思ったが、意識を取り戻していた。

 

「ふふ、わたくしのこと、抱きましたわね」

 

「あ、うん」

 

 調子良く、セッカは腕に抱きついてくる。何か面倒な気配がした。

 

「責任、とってくださいまし。わたくし、あなたと以外、できないみたいですわ。結婚ですわ!」

 

「嫌だけど」

 

 頭にあるのは相棒のことだった。とにかく帰って、あいつのことを抱きたい気分だった。

 

「残念でしたわね! わたくしの魔導ならば、一発で子どもができますわ! ねぇ、パパ」

 

「俺の避妊は百パーセントだぞ?」

 

 体から出す前に、殺し尽くしてる。万が一にも子どもができる可能性はない。

 こいつ、酔って適当なこと言ってるだけだ。

 

「あなたが、子どもを作ることにセンチメンタルなのは知ってますわ……」

 

「……っ。つーか、お前、焦ってんの?」

 

「まぁ、焦ってますわ。男性に抱かれることのできない女に価値があります?」

 

 結婚破棄とか、そういう話をしているときは、平気そうで別にどうってことないんだろうと思っていた。でも今聞いて、割とこたえてる感じだった。

 

「知らねぇ。強けりゃ関係ねぇだろ」

 

「ふふ……はは。そうですわね……シュテルンヘルンはそういう男ですわね……!」

 

 笑って、セッカは言った。いや、でも、泣いてもいた。

 

「大丈夫かよ……?」

 

「わたくし、まだまだ強くなりますわ!」

 

 付き合ってから、別れたときを思い出す。あのときもこいつは、今と同じことを言っていた気がする。

 

 

 ***

 

 

「シンシアから、君の記録を精査させてもらったよ」

 

「…………」

 

 目の前にいるのは女だった。ナターシャは面会をしている。後見人代理という話だった。

 ナターシャの知っている女だった。シュテルンヘルンの今の恋人で、アーケンハイムの妹という。シュテルンヘルンと一緒になってつけまわしたのを覚えている。

 

 彼女の手元には一つの魔石があった。記録用の魔石だ。記憶を読み取られて、その魔石に記録として封じられたという話をナターシャは聞いている。

 

「どうやら、君の父親は、人間のようだね」

 

「…………」

 

 そんなことまで知られている。いや、記憶を見られたのだから当たり前かと納得する。

 

 そうなると、シュテルンヘルンとのことも見られている。

 あれは浮気だ。お店だからとか、そんな理由で浮気じゃないと言ってしまうのは、男の理屈でしかない。

 

 不法入国だとか、不法滞在だとか、外患誘致だとか、それ以前に軽蔑されきっているだろうと、ナターシャは落ち込む。

 

「君の故郷は、人間と魔物、どちらの血も流れる部族の村だったね」

 

「…………」

 

 頷く。純粋な魔人の大婆様がいて、人間との戯れの交配から始まった村だと聞く。ときおり迷い込んだ人間がいて、それが父親だった。物心つく前に死んで、ナターシャの記憶にはあまりないが、優しかったことだけは覚えている。

 

「あまりにも悪辣かつ違法なビジネスモデルで搾取されていたっていう情状酌量の余地はあるからね……大した罪には問われないかな。この国の法は弱者に寛容にできてる。ただ、このままだと、国外追放ってとこが落とし所かな。君は不法入国者であるわけだし」

 

「…………」

 

 これでも頑張ったんだよと、目の前の彼女が言う。本来なら魔人として処分されるはずだったナターシャだった。

 それがなぜか、助かっている。シュテルンヘルンの働きかけで、目の前の彼女が動いて、人権や情状酌量を勝ち取ったという話だった。

 

 頭が上がらない思いだが、シュテルンヘルンとの関係のせいで、どう言葉を切り出していいのかわからない。

 

「この国に、残りたいかい?」

 

「……!?」

 

「ところで、この国の法律には、生まれた子どもの父親と母親の戸籍が別々の国であった場合、成人までにどちらの国の戸籍になるか決めるというものがあってね」

 

「それって……」

 

「調べてわかった。君の父親は、この国にちゃんと国籍がある」

 

「でも、お仕事ないにゃ。きっと、クビだにゃ」

 

 別のところで夜の仕事をまたやるくらいだ。だって、人間じゃない。まともなところは雇ってなんかくれないだろう。

 

「君にはギルドの仕事があるだろう? 大丈夫さ、法律は君を守ってくれる。あとはギルドがどう出るかだけど、私はちょっと顔が聞くからね」

 

「……!? どうして、そこまで」

 

「私が見過ごせなかったからかな」

 

 笑って、彼女は言った。シュテルンヘルンの言葉を借りれば、目の間の彼女はそう、情に厚く、義を尊び、仁を尽くすことに生き甲斐を感じるような人間だった。

 

「……ありが……とう」

 

 

 

 ***

 

 

 ちょっとした遠征から、俺は帰ってきた。

 

「それでシューティ。あの子についてはこんなところだけど、納得いったかい?」

 

「まぁ、うん。悪くなかったよ」

 

 ナターシャちゃんは、ここ数ヶ月お世話になった子だった。さすがにあのまま見捨てるのは後味が悪いと感じてしまった。

 あそこから、迷うことなくアーケンハイムに相談をして、今の感じの落とし所になった。

 

「ふふ、それはよかった」

 

「なんだよ。そんなふうに笑って」

 

「いや、ちょっと昔を思い出してね。昔だったら、こんなふうに他人を気にかけたりしなかっただろ?」

 

「いつの話だよ……」

 

 その話は、あんまりしたくなかった。今の俺を見て、アーケンハイムは嬉しそうに笑っている。

 

 帰ってきて、さっそくこいつのことを抱いた。今は終わって、ベッドの上での会話だった。

 

「そういえば、シンシアに私がアーケンハイムだってバレたんだけど」

 

「げっ……、マジ?」

 

 シンシアには、さっき会ったばかりだった。学生時代に付き合っていたこともある。そんなヤツにアーケンハイムの素性がバレるとか、まずい。

 

「概ね好意的な反応だったよ。彼女なら、言いふらしたりはしないだろうし」

 

「マジか……」

 

 学生時代の同期とかは、みんな全然会わないんだけど、あいつとは、なぜか年に数回会うんだよな。

 

「君に好意的な感じがあったけど」

 

 ジトっとした目でこちらをアーケンハイムは見てくる。嫉妬だろう。

 

「でも、あいつ……マグロなんだよな……」

 

 学生時代に付き合って、あいつは何をしても全然反応してくれなかった。適当に遊ぶなら、店の女の子の方が絶対にいい。いや、久しぶりに抱いてみたら変わってるかもな。

 

「……シューティ……」

 

 呆れたように、アーケンハイムはこちらを見ていた。ちょっとよくわからない。

 

「いいだろ? お前の方が絶対に抱きたいし」

 

「お前の女を語る基準に物申したいね」

 

「それはいいけど、よくあの魔人の場所がわかったよな」

 

 未来を見る魔導なんてのを使う魔人だ。こいつの言う通りの場所に行ったら、本当にいたのは驚きだった。

 

「ちょっと最近、手掛かりがあってね。ほんとは違う目的だったんだけど、そのついでさ」

 

「でも、あの魔導だぞ?」

 

「ま、未来視の魔導って情報はあったからね。未来視だろう? 視界にさえ映らないように気をつければ、ね」

 

 確かに、そうかもしれない。視界に映らなければ未来視もなにもないか。思わぬ攻略法に感嘆する。さすがはアーケンハイムだ。

 

「じゃあ、本当の目的って……」

 

「龍狩り」

 

 アーケンハイムはそう言い切る。龍といえば、魔物の中でも最強の存在だった。

 

「いいね。最近、雑魚ばっかで、なまってたんだよなぁ」

 

「次の目標は、『輝赫』のアポリウス。原色の龍の一角だよ。情報がちょうど入ったからね」

 

「じゃ、明日から出発か」

 

「いや、まだ超級迷宮、全部制覇してないからね。それからになるかなぁ。やらないと迷宮核の流通が滞るし」

 

 超級迷宮嫌なんだよな……。

 まぁ、それでも相棒が言うなら頑張るか。

 

「あ、そうだ。今日は五十点あげよう」

 

「マジ……? なんで?」

 

 最高の点数と並ぶ。しばらく相棒とは離ればなれで、一緒にいなかったらぶん、熱中した。

 こいつと一緒にいて思うけど、なんというか安心感がある。俺の居場所はやっぱりこいつの隣なんだと感じていた。

 

「準備に時間をかけてくれなかったけど……熱烈だったからかな……?」

 

 理由が相棒にしては曖昧だった。もしかして、ちょっと甘くなってるのかもしれない。

 

 

 ***

 

 

 少女がいた。青色の髪の少女だった。

 

「嬢ちゃん、一人かい?」

 

「うん、パパを探してるの」

 

 人が良さそうな笑みを浮かべた男だった。少女へと手を伸ばす。

 

「実は嬢ちゃんのパパと友達でな。いま、おじちゃんの家にパパがいるんだ。一緒にくるかい?」

 

「うん! ほんと? パパ、早く会いたいな」

 

 手を繋いで、二人は歩いていく。街道をしばらく歩いて、裏路地へ……建物の中へと入っていく。

 

「到着だよ?」

 

「パパは……?」

 

 柄の悪そうな男たちが、建物の中にはひしめいていた。

 

「嬢ちゃん。知らない人について行ってはいけないって教わらなかったかい? 嬢ちゃんは、これからおじさんたちに売られて女衒行きさ」

 

「そっか。おじさんたち、悪い人たちだったんだね」

 

「そうさ、おじさんたちは悪い人さ」

 

 少女は顔を俯かせる。とてもショックを受けたような少女の反応に、男たちはいやらしくニヤニヤと笑う。

 

「悪い人たちには、お仕置きが必要だね。()()()()

 

「魔導!? いや、ちょっと待て……!!」

 

「――『風化(エンド)』」

 

 瞬間、建物がパラパラと崩れ始める。椅子が、机が、壁が、天井が、形あるものが、すべて土くれへと変わっていく。

 

「まて! まってくれ!! ぐぁああぁああ」

 

 悲鳴とともに、建物は崩れ去り、風へと流され消えていく。

 立っているのは少女一人。

 

「あぁ、パパ。向こうの街にいるんだよね……? 早く会いたいな」

 





続き……ぃ。現れろ……ぉ。降臨の儀!
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