神の子   作:しろ0322

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誤字修正依頼ありがとうございます!
中々一から見返すことがないので、最新話以外の修正依頼大変有難いです

引き続きどうぞよろしくお願いします


死神と小さな偽神(前編)

 全治一ヶ月。幸いなことにアクアとルビーの怪我は特段酷くは無く、脳波についても問題が無かったが、まだ体が出来上がっていない四歳児ということもあったため、ゆっくり治療をすることとなった。

 

しかし傷ついたのは身体だけでなかった。

 

――

 

救急車によってアクアとルビーがアイと共に病院に向かった後、この中で唯一状況をしるライトは、後からきた社長とミヤコと共に警察と話をしていた。

 

話をする上で社長からは『どうせ調べれば血縁関係なんてすぐバレるから警察には正直に話せ』と言われていた。

もちろんアイとの血縁関係を隠すつもりはないが、デスノートと死神についてはハナから話そうというつもりはなかった。

 

「…はい、そうです。いきなり男が家に押し入って、兄さんと姉さんに暴力を振るいました」

「僕は母さんに警察への連絡をお願いして、男と対峙しました。…時間稼ぎの為しばらく話をしていると、男は突然大声を上げた後、急に何かに怯えたような動きをして、そのまま外へと走り去っていきました。」

「…そういえば、関係あるかわかりませんが、男は目が血走っていて焦点も変だった気がします」

 

「…ふむ、なるほど。思い出したくは無いだろうけど、よく話してくれた。そうなると…やっぱりあれを調べるしかないか…」

「…じゃあこれにて事情聴取は終わりっ!」

「いやぁ、それにしても君、大人顔負けの喋り方するなぁ!まだ四歳だっけ?おじさんが四歳の頃なんて、鼻滴らしながら女の子のケツばっかり追ってたよ!」

 

「ゴホンッ」

 

「!いやぁ、失礼した。この後あれを見に行くと思うと気が滅入ってな。ただ、あんなことがあった後に言うことじゃなかったな。すまん。」

「…おじさんたち、もう少し調査したら帰るから後ちょっとだけ我慢しててくれ。調査と言っても外はあんな事になってるが、ここには殆ど何も残ってないから、ん〜…そうだな30分くらいってところかな。」

「あとこれ名刺。もし何か思い出したら今日じゃなくてもいいから、いつでも連絡してくれ!……よしっ!仕事に取り掛かるぞ、お前ら」

 

「ハッ!」

 

少し癖のある警察官に解放されたライトたちは、現場検証が終わるまで待機することとなった。

そのうち、今日のライブを中止にする判断をした社長は諸々の手続きの電話をする為、ミヤコと共に寝室へと移動していった。

ライブを中止にせざるを得ない状況に悔しそうではあったが、最悪の事態が避けられたことは不幸中の幸いだった。

 

 

暫く経つと被疑者死亡ということと、遺体が外にあったことにより、予定通りの時間でライトたちの家から撤収しようとしていた。

 

 

「…それでどうでしたか?」

 

「大したものは何も見つからなかったので、これでこの部屋の捜査を終えたいと思います。」

「我々は下にいる班の作業が終わり次第帰りますが、ニュースでの報道後、模倣犯が出るかもしれませんので暫くは気をつけてください。もし不審な点に気付きましたらこちらにご連絡ください。今日担当した者が必ず折り返し電話をします。ご協力ありがとうございました。…では失礼いたします」

 

――

 

 

『おーい月〜。そろそろいいんじゃねぇか?退屈で堪んないぜ』

 

(半日も終えてないのに、長い一日だ…。兄さんたちは無事だろうか)

(それにしてもさっきからこの死神馴れ馴れしいな。あの時の捜査で仲良くなる要素なんてあったか…?)

 

ライトは携帯の画面に「少し待っててくれ」と打ち込み、後ろの死神にだけ見えるように画面を傾けた。

 

『早くしてくれよぉ〜。最近林檎食ってないしそろそろ禁断症状が…』

 

林檎なら今まで散々勝手に食べてただろと思ったライトであった。

星野家では林檎が無くなるたびにルビーやアイなんかは幽霊の仕業かと思い背筋を震わせていた。

 

「ライト…。俺は今から関係者に挨拶しに行かなきゃならないから、ミヤコと待っててくれ。さっき病院に電話したら、明日の夕方なら面会出来るそうだから、それまで寂しいと思うが我慢してくれ。…ミヤコ、ここが踏ん張り所だ。頑張るぞ」

 

「ええ、わかったわ」

 

そう言って斉藤社長は出かけて行った。

 

「ライトさん。お腹空いたでしょ?デリバリーは…あっ、チャイムが怖いわよね。私が作るから30分位待っててくれるかしら?」

 

「気を遣ってくれてありがとう。ミヤコさんの手料理の方がホッとできるかも…。自分の部屋で待ってるから急がなくていいよ」

 

「よかったわ。できたら呼びに行くから、寝ててもいいわよ」

 

ライトは手を挙げ同意の意を示しながら自室に向かった。

 

――

 

「死神。どうして僕を助けた?僕とお前にそこまでの接点はないはずだ」

 

『クククッ、お前は覚えていないかもしれないが、俺たちは深ーーい仲だったんだぜ!』

 

「深い仲だと?そんな記憶僕にはない!第一、僕は二代目LとしてLの意志を継ぎ、人生を賭けてキラと対峙してきた!!そんな僕が死神と深い仲だと。冗談はよせ!」

 

『まあまあ、落ち着けって。熱くなると思考が鈍るところ月の悪いところだぞ』

 

「……」

「…はあ、まさかこの僕が死神に宥められるとはな。それでその右手に持ってるのはなんだ?まさかデスノートとか言わないだろうな」

 

『そのまさかだ!月、これにお前の全てが詰まってる』

 

「全てか…。確かに転生した直後は幾度となく自分の記憶に疑問は持ったが、今更どうでもいい。…助けた礼に今回は従うがこれっきりだ。僕は人を殺す力なんて使う気は更々ないのを覚えとけ」

 

(大丈夫だ。これを触った事で何も起きたりしない。明日は兄さん達のお見舞いに行ってまた四人で仲良く…)

 

怪しい笑みを浮かべる死神を不審に思うライトであったが、従うと言った以上引き返す事はできない。

漆黒のノートに宿る不思議な魅力に抗うため、ライトは自らを暗示するかのように、明るい未来を心に描こうとする。

 

だがノートに触れたその刹那、ライトの脳、いや魂に膨大な量の記憶が流れてくる。

苦しみに声をあげそうになるライトだったが、キッチンにミヤコがいるのを思い出し、必死に抑え込む。

 

 

 

 

 

やがて苦しみは収まり、荒い息を吐きながら顔を上げる。

 

(…そうだ…僕はキラだ)

 

『どうだ気分は?』

 

「…ああ、問題ないよ。リューク」

「それにしても…、知ってたならもっと早く来てくれても良かったんじゃないか?」

 

『クククッまあな。でも幼児のライトが中々面白くてなぁ、すっかり忘れてたぜ』

 

「…それでまた僕のところに来たって事は、退屈だったんだろ」

 

『ああ。ライトが死んだ後はずっと退屈でな。暫く死神界にいたんだが、まあ今に至るって感じだ』

 

「…ふっ。まあ詳しい事は今はいい。色々聞きたいことがあるが、そろそろご飯ができる時間だ。…僕はリビングに戻るよ」

 

『林檎っ!食っていいかっ!』

 

「あとでな」




おまけ

「…それにしてもリューク。そのマントと髪型似合ってないからやめた方がいいよ。…ハッキリ言って凄く汚らしい(リライトの序盤に映ってるリューク参照)」

『えっ、そうなのか月!?死神界だと人気だったんだがなぁ…』

「…そんながっかりするなよ。そのマントいくらしたんだ?」

『林檎5個』

「…はぁ、仕方のないやつだ。それなら今度買ってあげるよ」
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