両手に花を   作:いろはにロンドン

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よろしくお願いいたします。


積みゲーは紳士の嗜み

仕事に追われる日々。

 

我ながら、今の職場ではそこそこの戦力だと思う。

 

人より少し早く出社して、上司の愚痴をよく聞き、そこそこ仕事をしつつ、雑談も忘れない。

 

我ながら、うまく立ち回れていると思う。

 

唯一、足りないものがあるとすれば、

 

三十を目前に、浮いた話の一つもないということだろうか。

 

きっと、気持ちが冷めてしまっていたのを見抜かれていたんだろう。

 

数年連れ添った彼女は、端的に別れを告げて行ってしまった。

 

不思議と安堵したことを覚えている。

 

きっと、自分から告げなくていいことに安堵したのだろう。

 

我ながら、最低だと思う。

 

だから、周りがアプリを始めて彼女ができても、一人寂しくゲームをしているのだ。

 

 

そんなわけで、今日も、ほどほどに残業をして、職場の"お姉さま方"に別れを告げた。

 

明日から連休なのだ、特に予定はないが、あまり残業していては、浮いた話はないのかと、酒の肴にされかねない。

 

退散退散。

 

道すがら、明日からの空っぽのスケジュールについてぼんやりと考えていた。

 

 

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風呂上がりのビールを堪能しつつ、今や型落ちになりつつあるPCを立ち上げる。

 

もはや、日々のルーティーンだ。

 

いつも通り、チャットルームの"友人たち"に混ざってFPSでもするか。

 

はたまた、セール時に買いためた積みゲーを消化するか。

 

うーん。

 

明日から連休なのと、週末のゴールデンタイムなのも相まってか、今はまだオンラインの"友人たち"も少ない。

 

ここはひとつ、積みゲーでもしつつ様子を見ることにするか。

 

どんなゲームがあったかな。

 

 

 

セール品を確認してから、ライブラリに目を向ける。

 

そこにはセールにて買ったものの、インストールすらされていない遺物が目白押し。

 

・・・こ、こんなにあったんのか。

 

毎回セールで買うとはいえ、なかなかの金額になるんじゃ・・・

 

おっと、これ以上は考えないことにする。

 

今はそんなことより、これからやるゲームを選ぶのが先だ。

 

 

お、これなんて。あーこんなゲームあったなあ。

 

なかなかに迷う。どれも配信者の影響で興味をそそられたものばかりだ。

 

当然、面白そうだというのはわかる。

 

わかるのだが、いかんせん、普段は"友人たち"とゲームをすることが多く、手を付けれていないのだ。

 

ふと、今のストレージの容量が気になり、インストール済みのゲームを確認したところ、目に留まったゲームがあった。

 

「Cyberpunk2077」

 

色んな意味で世間を沸かせたゲームだ。

 

かくいう私も発売日に購入し、バグやら火を噴きそうなPCと格闘しながらどっぷりはまった。

 

世間ではいろいろと言われていたが、世界観、設定、キャラ、ストーリー、どれをとっても好きなゲームだった。

 

そう、だったのだ。

 

発売からそれなりの日数が経過したが、未だにクリアしていない。

 

なぜか。

 

それはとあるキャラとの出会いが原因だった。

 

"ジュディ・アルヴァレス"

 

彼女は、物語の舞台でモックスと呼ばれる女性たちが仕切るギャングの一員だった。

 

ストーリーの中で、彼女が持つBDエディターとしてのスキルを頼り、関係がスタートする。

 

だんだんと打ち解けていく二人。

 

"悲しみ"を共に乗り越えて、絆もできた。

 

 

そう、彼女はヒロインなのだ。

 

 

そう、ヒロインのはずなのだ。

 

"女性V"にとっては。

 

いや!予想できるかぁ!性癖ドストライクの女の子が出てきて、あたかもヒロインですって流れなのに!

 

女 性 限 定 !!!!

 

自キャラはほとんど何も考えずに男性で作る癖があるため、当然男。

 

当時の俺は、メインストーリーそっちのけで彼女のサブクエストに勤しみ、選択肢が間違っていないかどうか、慎重に慎重にセーブしながら進める日々。

 

ロマンスが発生しないと分かった時、それはもう見事に心が折れた。

 

もともと、感情移入しやすいタイプなのだ。

 

先の"悲劇"の際にも、その後の"悲劇"の際にも、乗り越えられたのは、彼女とのストーリーを進められることに期待していたからだ。

 

なのに。それなのに。

 

どおおして旅立つんだよおおおおおおおお!!!!

 

旅立ったジュディからのホロメールを最後に、このゲームは一切触っていなかった。

 

 

閑話休題

 

 

いかん、取り乱した。

 

どうやら近々、有償アップデートが来るらしい。

 

もう一度やってみるのもいいかもしれないな・・・

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

・・・よし、連休中にやることを決めた。

 

俺はジュディとのロマンスに至るのだ!

 

それも、ただロマンスを求めるだけではだめだ。

 

こうなったら、自キャラも好みに仕上げよう。

 

よし、決めたら即行動だ、ついでに普段は使わないModも入れて、より"完璧なキャラ"を目指そう。

 

イメージは美人系モックスだ!!!

 

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あれから数時間、慣れないModに悪戦苦闘しつつ、何とかキャラを仕上げた。

 

ようやく、チュートリアルも終わり、本格的に序章だ。

 

誰しもがこの時点では思いもしないだろう。

 

我らが愛すべき、チューマがあんなことに。。。

 

いや、これもジュディとのロマンスのため!

 

下心ではなく、推しのハッピーエンドを見るためだ!

 

・・・断じて!下心ではなく!

 

 

 

 

そうして、若干鼻息荒く、ストーリーを進めること、丸三日。

 

連休の半分以上を費やして、すべてのフィクサーの仕事。

 

アイコニック武器や装備。

 

全エンディング。

 

大方、全クリといえるだけの成果を上げた。

 

どうせModを入れたんだからと、若干のグリッチ(アイテム複製)をしつつ、

 

とにかく最短でクリアすることを目標に頑張ったのだ。

 

そして、ついに自分が思うところの全クリを果たした。

 

長いって?そりゃそうだろう。

 

なんせ、メインストーリーよりも。

 

 "ジ ュ デ ィ と の ロ マ ン ス" の方をリピっていたのだから。

 

ただ、後半はエンディングに納得がいかず、そっちを試行錯誤していたら意外とかかってしまった。

 

あのエンドはないだろう・・・

 

監督さすがだよ、見事にやられました。

 

最終ミッション。

 

選択肢が多く、作中の人物たちに手伝ってもらうこともできる。

 

誰かに手伝ってもらうと、死亡フラグを感じたので、十分にレベル上げをしたキャラで突撃した。

 

隠しエンドってやつだ。

 

戻ってきたらジュディにフラれた。

 

なんでやねん。

 

おっと。

 

お次は、節制エンド。

 

ジュディ病んだ。詳しくは描かれていなかったけど、なんだかやばそう。

 

いや、なんでやねん。

 

気を取り直して、太陽エンド。

 

よしよし、ちゃんとジュディがいるねぇ。

 

なんと!シャワーシーンまで。ほくほく。

 

・・・ん?不穏じゃね?

 

・・・・・・・フラれた、Why??

 

 

クソが!!じゃあアラサカと協力じゃ!

 

となって、悪魔エンド。

 

いや、普通にホラーやん。無理。

 

といった具合に、試行錯誤の結果、星ルートを最後にやってめでたしめでたし。

 

・・・とはいかなかった。

 

なんというか、あれが、ハッピーエンドなのか、わからないのだ。

 

色々なエンディングを見た中では一番いいように思う。

 

だが、これでは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・・・もう高級ジョイトイのお姉さんと遊べなくね!?

 

おっと。疲れと眠気で欲が漏れたな。

 

冗談()はさておき、なんというか、海外ドラマのシーズン1が終わっただけのような。

 

シーズン2ではしれっと破局していそうな。

 

そんな不安を覚える。

 

眠くて考えがまとまらない。

 

でも。

 

でも、もしこの世界に入れたら。

 

俺が・・・・

 

おれが・・・・・はっぴー・・えんどに・・・・

 

して・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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目が覚めると、美人系モックスになっていました。

 

はい?

 

 

 

 




文章ってむずいですね。
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