両手に花を   作:いろはにロンドン

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最近は、アイデアをスマホでメモっておいて、あとからOneNoteに移して、
執筆するときにそれを見つつ、今後の話に齟齬がないようにしています。
投稿した4話は、当初予定していた内容の半分くらいで3000字超えてました。笑
そんなわけで、続けて執筆した5話目になります。どうぞ。


空腹は最高のスパイス

 

夕暮れ時。

 

比較的治安が良く、企業が目を光らせるこのエリアを歩く人々は、企業連に魂を売ったコーポかその下請け連中が多い。

 

私のサイバーウェアは優秀で、街行く人々の手配状況を映し出す。

 

いくら群雄割拠のナイトシティといえど、手配度の高い人物はそうそういないみたいだ。

 

ま、当然、コーポの連中は裏でどんな悪行を重ねたとしても、ノーマッドのように安々と手配度がつくことはないだろうが。

 

今気にしてもしょうがない。

 

アラサカやミリテクなど、コーポの連中はたしかに脅威だが、それは悪い意味で彼らに目をつけられてしまった場合に限るだろう。

 

資産状況や戦闘力を考えたら、今後は目をつけられてしまうこともあるだろうが、今はまだ関係ない。

 

さてと。

 

道路沿いに停まっているビークルに近寄る。

 

TYPE-66 "JAVELINA"

 

落ち着いた黄金色のボディに強化装甲のあさぎ色が映える。

 

2055年の発売から、長く重用されてきたTYPE-66をベースに、剥き出しのV型チューンナップエンジンと強化装甲を搭載。

 

さらにはオフロード走行を想定して、大胆にもフロントフェンダーを廃し、新しく差し替えたサスペンションとオフロードタイヤを装備。

 

ウイングはフェンダーと一体型にして、リアバンパーからの一体感が凄まじい。

 

フロントからリアにかけての足元は、強化装甲でガッチリ固めつつ、車高もあげているので、巻き上げられた小石なんぞ屁でもないだろう。

 

エキパイも装甲で覆われており、本来リアバンパーの下から出すはずのマフラーはこれまた大胆にもテール側から天を向いている。

 

カスタムによって、脅威の1000馬力、総量4057ポンド、全輪駆動(4WD)のモンスターマシンだ。

 

馬力はカリバーンには劣るが、十分すぎるといっていい。

 

所有者認証を行い、ドアをあける。

 

おお、電動ガルウィングだ。

 

知ってはいるが、実際にこうして目の前にすると興奮する。

 

ゲーム内でもジャッキーのアーチに次いで愛用していた。

 

乗り込むとドアが勝手に閉まり、エンジンが始動し、投影型の装甲が外界を映し出す。

 

なにからなにまで現代に生きていた私には新鮮だ。

 

スイッチと一通りの操作を確認するが、問題なく動かせそうだ。

 

目的地は、ジャパンタウンのほうか。

 

そんなに時間はかからなそうだ。

 

ハンドルを握り、いざ、今生?最初の食事へ行くとしようか。

 

アクセルを軽く踏むと、排気量にふさわしいエンジンサウンドが響く。

 

感無量とはこのことか。

 

時間帯もあってか、そこそこ交通量が多いナイトシティをゆっくりと走行する。

 

街並みはコーポエリアの名にふさわしいと言えるだろう。

 

一体、どれだけの資産を投じたら天空を覆い、空を狭めるだけの摩天楼を築けるのか。

 

どうしようもない期待感とともに、どこか恐ろしいと思った。

 

しばらく走らせると、ヘイウッドとジャパンタウンをつなげる橋が見えてきた。

 

対岸には一際目を引く建造物がある。

 

メガビルディングだ。

 

先程までの摩天楼とはうってかわって、企業の広告やら集合住宅、所狭しと並ぶ自販機など、ごちゃごちゃとした街並みに変わる。

 

道沿いを歩く人々も様々だ、チンピラ、浮浪者、水商売、筋者。

 

予想通りではあるが、治安はあまり良くなさそうだな。

 

街行く人々を見ていると、あっという間に着いてしまった。

 

道路沿いに寄せ、停車する。

 

カーネイジは助手席に立てかけ、置いていくことにする。

 

短時間ではあったが、すっかり馴染んだ愛車を降り、あたりを見渡す。

 

場所的にはあまり良くはないが、ご飯を食べるだけだし、大丈夫だろう。

 

まさか、家を出て初日にチンピラに絡まれることもないだろうし。

 

念のため、近場の監視カメラをブリーチし、フレンドリーモードにしておく。

 

ついでにTYPE-66を監視対象にする。

 

よし、これで、万が一何かあってもアラートが出てわかるはず。

 

準備万端。

 

店舗の入り口は、非常に質素だ。

 

自動ドア一枚くぐり抜けると、エレベーターがあるだけの小部屋だ。

 

店舗はこの上らしい。

 

エレベーター前にはセキュリティガードが立っており、なかなかの偉丈夫だ。

 

「失礼、お名前をお伺いできますか。」

 

「ああ、テディだ。」

 

「テディ様ですね、少々お待ち下さい。」

 

そういうとセキュリティガードは自身のウェアに投影されたデータを確認している。

 

恐らく、会員のリストだろう。

 

受付嬢から受け取ったデータチップによると、ここは一見さんはお断りらしい。

 

だが問題ない。

 

受付嬢は優秀なのだよ、ふふふ。

 

データチップにはばっちり会員登録されている旨が記載されている。

 

これは本当に優秀だと認識せざるを得ない。

 

「確認できました、テディ様。では、IDの確認をお願いします。」

 

受付嬢に感心している私に、セキュリティガードがレジのバーコード読み取り機のようなものを向ける。

 

手首を差し出し、スキャンを受け入れる。

 

しれっとブリーチプロトコルを使用して、どういったデータを確認しているのか見てみたが、大した情報群ではなかった。

 

よし、私のICEはそれなりに優秀のようだな。

 

「ありがとうございました、それでは、ごゆっくりとお楽しみください。」

 

彼は道をあけると、エレベーターに促してくる。

 

「ああ、ありがとう。」

 

テナントは35階のラウンジか。

 

しばらくすると停止し、ドアが開く。

 

ラウンジに入ると、まずステージが目につく。

 

ダンサーが音楽に合わせて踊っているが、過度な露出はなく下品さはない。

 

そばにあるのはバーカウンターだから、ここが併設しているバーか。

 

かなり広いラウンジだが、ソファやテーブルは間隔をあけて設置しており、開放感がある。

 

全体的に上品な雰囲気ではあるのだが、調度品やインテリアが黄金色なのは、安直に感じてしまう。

 

決して、下品ではないのだが、特権階級を感じさせる雰囲気に、卑屈な自分が出てきてしまう。

 

それと、なにやら既視感があるが、前世で似たようなクラブに行ったことがあったかもしれない。

 

受付嬢の情報によると、この奥のエレベーターからテラスに上がり、食事ができるようだ。

 

ラウンジを通さずに上がりたいところだが、この回りくどさがいかにもという感じだ。

 

腹の虫が治まらない私にはいささか鬱陶しく感じる。

 

七面倒臭いステップを踏んで、テラスに上がると、開放感あふれる空間が広がっていた。

 

ここも金色がメインで目が回るようだが、カウンターそばの二人がけの丸テーブルに腰掛ける。

 

メニューを見るが、写真も値段も載っていないので、正直良くわからない。

 

いくつかの料理の中で、自然肉の香草焼き?らしきものがあったので、店員に声をかけ注文する。

 

他の物は良く分からなかったので、料理に合う飲み物とつまめるものを適当に持ってきてくれと言うと、店員はあっさりと引き受けて下がっていった。

 

しばらくして運ばれてきたのは、赤ワインとチーズの盛り合わせだ。

 

チーズをかじると、燻製チップの香りと熟成されたチーズの風味が口に広がる。

 

うん、普通にうまい。

 

だが、現代っ子の私からすると、あまり驚きはない。

 

生鮮食品は貴重らしいので、恐らくこれはとても贅沢なのだろうが。

 

ワインを口に含み、舌の上で転がす。

 

だが、正直な話、ワインの味なんてわからない。

 

そこそこの酒精だが、この体はかなり酒に強いらしく、カパカパと進んでしまう。

 

チーズ、ワインと交互に進めていくうちに、メインが運ばれてきた。

 

うん。300gくらいのステーキだ。

 

店員はなにやら料理の説明をしてくれたが、正直、料理の説明よりも、量が気になる。

 

これでは足りないと判断し、口を付ける前にもう二皿持ってきてくれと頼むと、驚いた顔をしていた。

 

切り分けたステーキを頬張ると、香草の風味と肉牛のほのかに甘い脂分が口いっぱいに広がる。

 

これはかなりあたりだ。

 

先程のチーズは正直期待外れだったが、このステーキは中々に旨い。

 

空腹と相まって、ことさら食が進む。

 

あっという間に食べ進めていると、次が運ばれてくる。

 

脂をワインで流し込み、またステーキを頬張る。

 

箸休めにチーズと、追加で運ばれてきたザワークラウトに似た酢漬けを食べる。

 

さっぱりとして、程よい酸味がステーキの重さを軽くしてくれる。

 

結局、5皿ほどのステーキを平らげ、赤ワインを飲んで一息つく。

 

1.5kgほど平らげただろうか、我ながら随分な大食漢だ。

 

ワインも丸々1本飲み干してしまった。

 

それでもほろ酔い程度、だと思う。

 

一体、この細い体のどこにそんなに入ったのか、自分でも驚いている。

 

店員なんて、私以上に驚いていた。

 

デザート代わりの甘いカクテルを頼んだときなんて、もう呆れていたと言ってもいい。

 

そうこうして、食事を楽しんでいる間に、日はすっかり落ちた。

 

メガビルディングの灯りに照らされ、ジャパンタウンの夜風を浴びる。

 

最初はどうなるかと思ったが、なかなか満足の行く食事だった。

 

料理の代金と多めのチップを払い、席を後にする。

 

私がステーキをあっという間に食べたときより驚いている店員を無視して、ラウンジで飲み直すことにした。

 

食欲が満たされたことと、ほろ酔いも相まって、気分がいい。

 

今なら階下のダンサーに盛大におひねりを投げてしまいそうだ。

 

鼻歌交じりに、エレベーターに乗り込む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつの間にやら寝ていた私が目覚めると、見知らぬ美女と同衾していた。

 

うん、なにがあった。

 




皆さんは思い出深いゲームはありますか?
私は、大学生のときにやった「Life is Strange」というゲームが印象深いです。
はい、お察しのとおり、登場する女性キャラがもろに性癖どストライクでしたw
もちろん内容も大好きですよ、何周もしましたね。
誰か、クロエをでろっでろに甘やかす作品書いてくれないだろうか。
エンディング後のストーリーでも良いんですが。はあ。
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