ダンジョンに遊園地の支配人が居るのは間違っているだろうか?   作:驚楽園の売店員

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支配人とヘスティア

 

「おかえりベルくーん!アルレキーノくん!」

 

「本人は寝てしまいましたがねぇ」

 

アルレキーノはベルを背負って帰って来た。

 

「おやおや、今日はいつにも増して疲れてるのかな?」

 

よいしょ、とアルレキーノはベルをソファに下ろす。

 

「ええ、ミノタウロスが現れたので」

 

「ミノタウロス!?ま、まさか君達三層より深い所に行ったんじゃないだろうね!?」

 

そう言ってずいっと迫るヘスティアは、白い手によって制される。

 

「それ以上支配人に近寄らないで下さい」

 

止めたのはコミカだった。

 

「っ!? だ、誰だい君は!?というか一体どうやって現れたんだい!?」

 

驚くヘスティアに、アルレキーノは告げる。

 

「ああ、彼女は我が遊園地の案内人をしているコミカです」

 

「はい、私は『驚楽園(アメイズメント)』でお客様へアトラクションの案内人をしているコミカと申します」

 

そう言ってコミカはニコリと笑う。

 

「…君、人間かい?魂の色がよく見えない…」

 

そう言ってコミカをじっとみるヘスティア

 

「いえ、私は人間ではありません。機械です」

 

「…機械…??」

 

その言葉にヘスティアは困惑する

 

「どうやらこの世界は私のような機械の種は居ないようですね、支配人」

 

「そうみたいだねぇ、人のお客様が多いというのも知れたね」

 

クスクスと笑うコミカと、ニコニコと笑うアルレキーノ。

 

そして、それを見たヘスティアは即座に距離を取る。

 

「…アルレキーノくん、君の魂…一瞬濁ったけど…何かあるかい?」

 

ジッとアルレキーノを見つめながら、ヘスティアはベルを守るように立つ

 

「いえいえ、何もありませんよ」

 

「ええ、私達は遊園地の支配人と案内人。このオラリオに楽しい遊園地を開く為、視察に来ているのです」

 

そう言って二人はヘスティアを見る

 

「そしてその地の事を知る為には、その地に馴染む事が1番」

 

「みんな反対したのですが…支配人はこうなると折れないので…」

 

笑うアルレキーノと、やれやれと肩を落とすコミカ。

 

側からみれば振り回すピエロ男に、振り回される案内人となるだろう。

 

しかし、ヘスティアは違った。

 

(違う…この子達は僕たちの知っている存在じゃない…神々(僕達)の知らない未知の存在だ…!)

 

ふぅ…と息を吐き、ヘスティアは今一度問う

 

「君達は、何か悪い事を起こすという訳ではないんだね?」

 

「ええ、勿論です」

 

「支配人は遊園地で遊ぶお客様を見るのが好きですから、貴女の思うような事はしませんよ」

 

そう言うとアルレキーノはクルリと身体を回転させて外へと向かう。

 

「この世界のお金もある程度貯まった事ですし、酒場でも行きましょうか、情報が集まりそうだ」

 

「お供します、支配人」

 

そう言ってコミカを伴ってアルレキーノは出て行く。

 

そして、居なくなったのを確認したヘスティアはヘナヘナと脱力してその身を床につけた。

 

「はぁ…悪い子では……ないはずだけど…とんでもない子を迎えたかもしれないなぁ…」

 

そう言ってヘスティアは笑った。

 

 

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