ご都合主義のキリノ推しヴァルキューレ生   作:りっくらっくろっく

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前回のアンケートで1位は大体予想がついてたんですけど、百鬼夜行が思いの外票を取っていて驚きました。

キキョウ、小豆色のシャツの上から白いスーツを着てくれ。


気分次第の番外編(他校ver)
ある夢の話


 

 

「.......?」

 

 

その日、男は体への強烈な違和感により目を覚ます

 

(頭と腰がすんげぇ重く感じる....)

 

 

しかし身に降り掛かる違和感はそれだけではない

 

「見たことない部屋だ....それに服もいつものスーツじゃない。」

 

 

体を引っ張られるような感覚を覚えながら部屋を出ようとするが

 

ガンッ

 

「は?なん!で!?」

 

 

何度も扉を抜けようとするも、頭の上で何が突っ掛かる感覚がやがてほんの少しの痛みに変わる

 

「何がどうなってるってんだよ。....って、

 

 

何じゃこりゃあああ!!!」

 

 

自身の頭をインカメで写すと、そこには砂色の角が生え、左角が右角よりやや短く先端が三股に分かれたような異様な形状になっている

 

「な、なんだ、誰かのイタズラか?ぐぅぅ...抜けねぇ!」

 

 

更に後ろを向けば、腰よりも少し上から臙脂色で刺々しく分厚い尻尾まで伸びていた

 

「うわなっが...こんなの、猛獣通り越して唯の怪物じゃねえか....」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そんなに悲しそうな顔をされてどうしました?そんな顔をされたら私まで悲しくなってしまいます。」

 

「....氷室セナ?」

 

 

再び扉へ振り返るとブラシを持ったセナが立っていた

 

「何故フルネーム呼びなのですか?いつもみたいにヒーちゃんと呼んでください。」

 

「ヒーちゃん!?」

 

「何を今更驚くことがありますか。キョウタロウがいつまでも名前で呼んでくれず、妥協案としてこの呼び方になったのですよ?頭の打ちすぎで忘れてしまいましたか?」

 

 

唐突すぎる出来事の連続に戸惑っているとセナがソファへ座り膝を軽く叩く

 

「えっと....なんだ?」

 

「なにって、()()()のですよ。角のお手入れの時間です。寝転んでください。」

 

「いやぁ...遠慮しとk....

 

 

バンバンバン

 

 

断ろうとした瞬間、膝を叩く手の強さが増す

 

「わ、分かったから。それやめてくれ。」

 

 

セナの膝へゆっくりと頭を下ろす

 

角を撫でられた感触の後、ブラシが小刻みに動く音が部屋に響く

 

「角、無事に治って良かったです。キョウタロウの角は何度でも生えるようですが、貴方自身はこの世に二つと無い一点モノなのですから、もっと自分を大事にしてください。」

 

(俺一体なにしたの....)

 

「困っている人を見過ごせないのはキョウタロウの美点ですが、自身を顧みないのは褒められた点ではありません。」

 

「頑丈さには自信あるんだけどな....」

 

「確かに私も類い稀な頑丈さだと思います。ですが痛みを感じないわけではありません。何度も言いますが、自分を大事にして下さい。」

 

(セナとは初めて話す筈なのに、何だかこの会話は何度もしてる感じがするな。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おーい、キョウタロウー!居るかー?」

 

 

ブラシの心地良さに船を漕ぎ始めた時、突如響く大声に意識を連れ戻される

 

(まあ、ここがゲヘナなら当然居るよな。)

「なんだよイオリ。」

 

「角磨きが終わったら、風紀委員の戦闘訓練に付き合ってくれないか?」

 

「それは出来ない相談ですね。」

 

 

何故かセナが食い気味に答える

 

「キョウタロウは救急医学部であって風紀委員ではありませんので。」

 

(俺そんな立ち位置なのね。)

 

「で、でも、どうせこの後暇だろ?どうしてもダメか?」

 

「今日はいつもよりしつこいですね。」

 

「いつもの事なんだから良いだろ?」

 

(今の自分がどんな状況かわかんないし、流されてみるか。)

「別に俺は構わないぞ。但し、飯を済ませてからだ。」

 

「ホントか!?ぶっちゃけダメ元だったけど、良かった。待ってるからな!」

 

 

来た時より幾分か明るい様子で帰っていく

 

「....何故、引き受けたのですか?」

 

 

ブラシを動かす手を止めず、セナがムスッとした様子で問いかける

 

「特に理由はないけ...

 

「お手入れ完了です。さあ、昼食デートに参りましょう。」

 

「え、ちょ!?角引っかかってるって!!」

 

 

強引に手を引かれ外へ連れ出される

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

手を引かれ辿り着いた先はゲヘナの学食だった

 

 

「一緒に食事なんて、胸がときめきますね。と言ってもいつもの事ですが。」

 

 

食事を取り席にに着くとすると、流れる様にセナが隣に座る

 

(なんか落ち着かねぇ...そもそも何でゲヘナの生徒で、しかも救急医学部の部員になってんだ?)

 

「しかし、風紀委員会の訓練に付き合うと決めたのは何故ですか?」

 

「いや、断る理由も無いし、良いかなって....」

 

「ダメですよ。最近になって風紀委員会の方々がキョウタロウを引き込もうとする節がありますから、救急医学部としての自覚を持ってもらわないと困ります。」

 

「別に訓練くらいなら良いと思うんだけどなぁ....

「浮気ですか?」

 

(無表情なのに怖い....)

 

「今回は大目に見ますが、努努忘れぬように。」

 

(てか浮気って何だよ....俺とセナは付き合ってるってのか?)

 

「....早速いただきましょうか。但し、ゆっくりとよく噛んで。その方がキョウタロウと長く一緒にいる事ができますから。」

 

(......キリノ助けて、俺この人好きになっちまう...こんなどストレートに好意をぶつけられた事なんて無いから.....)

 

「今私と一緒にいながら、他の女性のことを考えましたか?」

 

「いえ滅相もございません。」

 

 

 

 

「やべ、四本角の悪魔がいるぞ。」

「救急医学部の部長もいるから暴れる事はないと思うけど....」

「あの人そんなに怖いんですか?」

「お前、アイツの尻尾の射程内で変なコト絶対すんなよ?癪に障る様な事があれば、問答無用でぶっ潰されるぞ....!」

「は、はい、肝に銘じます....」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

「美味かった....次は戦闘訓練か。」

 

「本当は行かせたくありませんが、私が付き添う形で妥協しましょう。」

 

「そ、そうか.......ところで、俺の武器はどこか知らないか?」

 

「それなら救護車両の荷台に置きっぱなしでしたよ。鍵は私が持っているので一緒に行きましょう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あったあった。」

 

 

救護車両の荷台に無造作に置かれた武器を手に取る

 

長く分厚い円柱状の鉄棒に持ち運びの為の取っ手、グリップとフォアエンドが付けられた、言ってしまえば巨大なショットガン

 

「こっちの俺も考える事は同じらしいな。やっぱ武器ってのはデカければデカいほど良い!」

 

 

しかし荷台を降りようとすると、セナが唐突にエンジンを掛ける

 

「申し訳ありませんが、中央地区で暴動が発生したため急行します。」

 

「おい待....おわっっ!?」

 

 

キョウタロウは荷台から振り落とされるが、そんなことは露知らずにゲヘナを爆走する

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「死体.....ではなく負傷者は救急車に積載してください。歩ける方は一旦向こうの方へ。"歩くのが面倒だから„と気絶したふりをする生徒は、射撃して本当に気絶状態なのかどうか確認してください。.....では、始め。」

 

 

現場ではセナが迅速な指揮を執っていたが、キョウタロウの姿はない

 

「.....?ドアが壊れていますね。キョウタロウもどこへ行ったのでしょう?」

 

 

 

 

 

 

 

「ハァ.......や、やっと追い付いた....」

 

「......とても愉快な様相になりましたね。」

 

「とりあえずコレ引き抜くの手伝ってくれないか?」

 

「構いませんよ。」

 

 

壊れた荷台のドアをキョウタロウの角から引き抜く

 

「で、俺は何をしたら良い?」

 

「いつも通り、措置を妨害するであろう風紀委員を倒して下さい。」

 

「了か.....

 

「失礼します。」

 

「噂をすれば、ですね。」

 

うわぁ、四本角の悪魔....そ、そちらの生徒は今回の暴動の主犯の可能性があります。連れて行って尋問をしなきゃですので、身元を引き渡していただきた....

 

「お断りします。救急医学部が引き受けた負傷者は、その瞬間から私たちの管轄です。例外はありません。」

 

「ですが、こちらとしても経緯を調べる必要があるんです。」

 

「でも尋問すんなら万全の状態の方が良いんじゃないか?」

 

「....チッ私共も無駄なイザコザは避けたいのです。どうか折れてくれませんか?」

 

「いい加減にしねぇと折れるのはテメェの手足だよ。」

 

「....こうなれば力尽くで!......ガハッ!!」

 

 

風紀委員が銃を向けるよりも早く、尻尾の強烈なひと振りが相手を弾き飛ばす

 

「ありがとうございます。問題は片付きましたが、引き続きよろしくお願いします。」

 

(これがゲヘナでの暮らしかぁ......)

 

 

その後も負傷者を連行しようとする風紀委員を伸しながら搬送を終える

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

(次こそ訓練だが......迷っちまった。道を聞こうにも通りすがるヤツらには悪魔とか言われて逃げれるし最悪だ。)

「......いっそこのままバックれちまうか?」

 

 

 

 

 

 

「それはダメですよキョウタロウ君。ここで何をしてるんですか?」

 

「チナツか....」

 

「皆さん集合して準備も終わってますよ。今日の訓練、特にイオリは楽しみにしてましたから行ってあげてください。」

 

「わかってるよ。俺から言い出した事だし、言葉の責任は持つさ。」

 

「そのしたたかさを素直に出せば、道行く生徒から逃げられる事も無いんですよ?」

 

 

少々皮肉にも聞こえる問いに答えることはせず、静かにチナツの後をついて行く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「遅いぞ!!!救急医学部の対応があったのは知ってるがいくら何でも遅すぎだ!!!」

 

「悪かったって!」

 

『キョウタロウ、気にする必要はありませんよ。』

 

『イオリもあまり突っかからないで、配置について下さい。』

 

 

アコからの呼びかけで2人も配置につくが

 

(....ちょっと状況把握するか...)

 

 

相手陣営はイオリを筆頭とした実戦部隊、重火器を搭載したジープと戦車が数台

 

対してキョウタロウ陣営はと言うと

 

(なぁんで独りなんだよ.....)

 

 

巨大なショットガンだけを携えた男が独り

 

孤軍奮闘、四面楚歌、僑軍孤進、五里霧中、この状況を表す言葉は思いつくがそんなことを考えている間も虚しく開始の合図が鳴る

 

合図と同時にジープが全速力の突進を仕掛ける

 

「マジか、お前ら諸星ダンかよ....」

 

 

しかし狼狽えながらも身体は自然に動いていた

 

足腰に力を込め頭を突き出す

 

当然、ジープと激突することになるが撥ねられる訳でなく、頭を突き出し角が刺さった状態のまま後方へ押し込まれる

 

「もっとアクセル踏め!」

 

「これが精一杯です!」

 

 

エンジンの駆動音に反比例してジープは徐々に速度を失う

 

「悲鳴を上げろォォォ!!!」

 

 

反り返るほどの勢いで上半身を起こす

 

ジープは空中へ打ち上げられた後、後方で転覆してしまう

 

「ふぅ、頭が痛てぇ....」

 

 

ジープの突進に続きイオリ含む前衛の隊員が一斉射撃を始める

 

「攻撃の手を緩めるな!接近を許せばそのまま全滅だ。」

 

 

キョウタロウは弾丸が雨の様に降り注ぐ中、自身の尻尾を盾代わりしながら射線を遮りジリジリと近づいていく

 

「吹き飛べやぁ!!」

 

 

頃合いを見てトリガーを引いた瞬間、身体が後ろへ飛ばされ一回転する

 

轟音と共に放たれたのはペレットではなく無数の徹甲弾

 

直撃したジープと戦車は一撃で使い物にならなくなり、避けられなかった生徒も意識を刈り取られその場に伏す

 

直後に体勢を立て直し、尻尾を地面に突き立て自身を固定しながらショットガンを連射し部隊を一掃する

 

(こっちの俺やべぇモン持ってんな.....)

 

「よそ見してる場合か!舐めるな!!」

 

 

唖然としている隙にイオリが足元へスライディングで突っ込んでくる

 

「スナイパーのクセにインファイト過ぎんだろ!」

 

 

ショットガンを振り下ろすが難なく躱される

 

「脳筋め。攻撃が直線的すぎる!」

 

「だったらこれはどうだ!!」

 

 

銃口を地面に押しつけたまま引き金を引く

 

徹甲弾の暴発により抉られた地面が砂塵を撒き散らし、互いを全く視認出来ない状況に陥るが

 

「よっと。」

 

「は?うわぁ!?」

 

 

砂塵に紛れて背後回り込んだキョウタロウがイオリをクレーターへ突き落とす

 

「お前!よくも...

 

「はいチーズ。」 パシャ

 

「な!?お前、まさか撮ったんじゃないだろうな!?」

 

「あったりめぇよ。ホラよく撮れてるだろ?」

 

「お、お前!今すぐ消せ!」

 

「やなこった。そんなに消して欲しけりゃ、俺から奪ってみな。」

 

「おまえーーーー!!!」

 

 

 

 

 

 

 

『イオリ.....』

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「散々だった...身体中痛むし、泥だらけだし.....」

 

「誘ったのはお前だ、文句言うな。」

 

「傷に文句は無いけど、あんな恥ずかしい写真撮る必要ないだろ!?」

 

「ちゃんと消したから喚くな。」

(バックアップは取ってるけど。)

 

「毎度毎度、お前だけほとんど無傷で終わるのはムカつくな。......本当に風紀委員に来る気はないか?」

 

「何度も言っているでしょう。キョウタロウを渡す気は毛頭ありませ.....フラついていますが、具合が悪いのですか?」

 

「あや、急に....眠気が.......」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「........ハッ!?

(角も尻尾も消えてる....服も普段のヤツだ。)

 

 

 

 

 

 

「あ、おはよ。よく眠れた?」

 

「おはようアツコ。....俺、いつから寝てた?」

 

「30分くらい前かな?書類の処理がひと通り終わったら、気絶したように眠ってたよ。」

 

(すげぇリアルな夢だったな。痛みも感じたし、味覚も嗅覚もあった.....)

 

「ボーッとしてどうしたの?」

 

「気にすんな。キヴォトスにはまだまだ不思議が沢山だと思ってな。」

 

「ふーん....変なの。」

 

(にしても、夢の中で使ったあの武器は良かったなぁ....)

「........あ、もしもしウタハマイスター?ちょっと制作の依頼したいんですけど、お時間の方は...........ありがとうございます。」

 

 

 

 

 





固有武器紹介 : 救急用鎮圧キット Mark.V


暴れる負傷者を一撃で黙らせる為に改良を重ねたショットガン

使う機会は滅多に無いが、使った日には搬送者数が通常の何倍にも登る
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