ご都合主義のキリノ推しヴァルキューレ生 作:りっくらっくろっく
もたもたしていたせいでヘルメット団が校門の前まで侵攻していた。
「止まれ!ヴァルキューレ公安局のモンだ。戦車まで引っ提げて、テメェら誰の回し者だ?」
「誰が吐くかよバァカ!」
「ヴァルキューレ....リーダー、あの六芒星のヘイロー、噂の猛獣ですよアイツ!」
リーダーと呼ばれた赤ヘルメットの側に駆け寄った不良の1人が耳打ちする。
「あ?知ったことか!こっちは20人以上の兵と戦車があんだぞ?あんな殿1人、大したことねぇよ、砲撃用意...撃てぇぇぇーーー!!!」
戦車の砲撃が真っ直ぐにキョウタロウ目掛けて直撃...するかに思われたが
「ぬぁぁぁぁ!な、め、ん、なよぉぉぉ!」
"うっそぉぉぉ!?"
「わあ、凄いですね☆」
キョウタロウは戦車から撃ち出された砲弾を受け止めて、密集していたヘルメット団のど真ん中に投げ返した。
「ふぅ、爆発物使うんなら多人数での密集を避けるのは、基礎中の基礎だぞ?」
間髪入れずに戦車の上へ飛び乗り操縦席に繋がる天面のパーツへ右手を掛ける。
「オラァ!!!」
一思いに天面部分を引き剥がし、中で操縦していた2人の不良に近距離から虎鉄門の砲撃を浴びせる。
「グッ↓バイッ↑」
どうやらあの2人は運命の人ではなかったようだ。
「バケモノ.....」
「猛獣の次は化け物呼ばわりかよ...」
(名誉毀損で訴えたら勝てるだろこれ)
「だ、大体なんでヴァルキューレの奴がこんな辺鄙な場所にいんだよ!お前ら!ずらかるぞっ!」
流石に分が悪いと確信したのか、逃走を図るヘルメット団。
「逃すと思ってんのか?」
キョウタロウが追跡を試みるが
"キョウタロウー、ストップ。一旦戻って。"
校舎から先生の静止の声が響く。
「...了解しました。」
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「うへ〜、あの人数追い返すなんて、ヴァルキューレの猛獣さまさまだね〜。」
「褒めてんだよな?」
2階へ戻るとアビドスの5人と先生が長机を囲んでいた。
"あのまま追ってたら、迷子になっちゃってたよ?"
「すいませんでした。」
冷静さを欠いたことを反省していると後ろから声がする。
「先生、提案なんだけどさ、今からカタカタヘルメット団の前哨基地に奇襲仕掛けに行かない?」
綺麗な桜色の髪とオッドアイの生徒ホシノが先生へ持ちかける。
"今から!?"
「そうそう、多分ヘルメット団の連中は、うちの補給が絶たれたと思ってて最後の一押しとしてあんな数で攻めてきたと思うの。今は逆にあっちのがカツカツじゃないかな〜?」
「確かに、ここでヘルメット団と決着をつけることができれば他の問題に集中できます。」
「でしょ〜。それにそっちの、キョウタロウって子も途中で止められて、不完全燃焼なんじゃない?」
「どうします?俺は先生に合わせますけど。」
"カタカタヘルメット団の基地の場所は割れてるの?"
「ここから30kmくらいの場所にある。今から出発すれば十分に間に合うと思う。」
「良いと思います。あちらも、まさか今から反撃されるなんて、夢にも思っていないでしょうし。」
"問題ないなら大丈夫か。怪我には気をつけていこうね。"
「よっしゃ、先生のお墨付きももらったことだし、この勢いでいっちょやっちゃいますかー。」
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学校を出発してからしばらくして市街地へ出た。
「街中とは思えないくらい静まりかえってんな。」
街の所々に砂が積もり、アビドスを悩ませる砂嵐の影響を垣間見ることができた。
「おじさんの若い頃はここも人で賑わってたんだけどねえ〜。」
「おじさんって、ホシノ先輩だって殆ど歳変わらないじゃないですか。」
セリカが若干呆れ気味にツッコミをすると、学校でオペレーターをしているアヤネから通信が入る。
「半径15km圏内に、敵のシグナルを多数検知。おそらく敵もこちらが来たことに気付いているでしょう。ここからは実力行使です!」
「よし来たッ!今度は逃がさない。」
「凄い闘志、負けてられない。キョウタロウ、どっちが多くヘルメットを狩れるか勝負しよう。」
「乗った。じゃあ先生の掛け声がゴングだ。」
「もう2人とも、真面目にやってよ!」
「うへ〜、今の若い子は元気だね〜。おじさんの出る幕はないんじゃない?」
「これは、私も負けてられませんね!」
「ノノミ先輩まで....」
"よぉし、みんなッ!出撃ィィィ!"
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ヘルメット団の基地ということもあるのか、学校に攻め込んで来た人数よりも数段多いが
「熱情ッ!激情ッ!無常ッ!俺の前にひれ伏せぇぇ‼︎ 」
雲を突き抜くような怒声に等しい雄叫びを上げながらヘルメット団を屠っていく。
シロコも負けじと精密な射撃やドローン攻撃を駆使して着実に敵の数を減らしていく。
「ん、これで12人目。」
「19ゥゥゥゥゥ!!!」
「凄い迫力、おじさんはあんな風に戦えないや。」
「帰ったらのど飴食べて下さいねー」
"さっきまであんなにいたヘルメット団が、もう数えるほどしか残ってない...."
「っていうか、キョウタロウ殆ど殴り倒してない?さっきから全然ランチャー撃ってないじゃない!?」
「彼が猛獣と呼ばれる所以、理解できた気がします....」
実際にこの戦闘でキョウタロウは全く弾を撃っていない。団員に接近しては、連結させずに両手に持ったランチャーでブン殴るチンピラスタイルで制圧していた。日常的に相手にしている不良に対してもやむを得ない場合か怒り狂っている場合にしか砲撃は行わない。そんなことをしていると
「敵のシグナル、完全に消滅しました。」
"お疲れみんな。"
「おつかれさま〜。」
「お疲れさん。シロコは何人だった?俺は27。」
「負けた、私は22人。」
「ヘルメット団に同情すら湧いてくるわ....」
「作戦、無事終了です。気をつけて帰ってきて下さいね。」
こうして、1人の狼娘と1人の猛獣によってアビドスの悩みの種の一つは解決された。