ご都合主義のキリノ推しヴァルキューレ生 作:りっくらっくろっく
「って感じで確実かつ簡単な方法。ターゲットも選定済み。どうかな?」
「「いや、ダメ(だろ)(ですよ!)」」
今日は朝から先生、キョウタロウ、キリノ、アビドスの面々で借金返済のための定例会が開かれていた。
返済の案として、セリカがマルチ商法の被害を被っていたのが明らかになったり、ホシノが冗談混じりに他校のバスをジャックして乗員をアビドスへ転入をさせようとしたりと、中々に怪しげなスタートだったが
"Oh...crazy...."
「シロコ...お前よく警察2人の前で堂々と銀行強盗なんて提案できたな。」
「そ、そうですよ!いくら学校のためであっても、犯罪は許しませんよ!」
3つ目の案として本気でアウトなモノが出された。
しかも、金庫の位置、警備員の動線、現金輸送車の走行ルートの把握、覆面の準備まで済んでいるときた。
キリノと2人で嗜めるが当の本人は不満一杯の表情で見つめてくる。
「そんなふくれっ面をしてもダメなものはダメです、シロコ先輩っ!」
その後もノノミがスクールアイドルなるものを提案するがとうとう意見がまとまることは無く、真面目に案を出さない皆にアヤネによる怒りのちゃぶ台返しで定例会はお開きとなった。
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キョウタロウは自分なりにインスピレーションを得るため、もはやアビドスに来てからの日課となった散歩へ出かける。
嘗ては人で賑わっていたであろう商業区域へ出ると後ろから声が掛かる。
「そこのおに〜さん?ちょっと手伝ってほしいことがあるんだけどいいかな〜。」
振り向くと、黒のブレザーにワインレッドのスカートに身を包んだ白髪の少女が見上げていた。その少し後ろにも、堂々した立ち振る舞いの少女、体を縮めた幸の薄い様な少女、何を考えているのか分からず掴みどころも隙のない少女。4人は何かしらのグループなのだろうと想像つく。
「手伝い?別に構わねぇけど。」
「そうそう!黒い猫を見つけたらこのバッグに入れて欲しいの。」
そうやって大きなスポーツバッグを渡される。
「ッ!なんでこんなに重いんだよ。」
「あー...そのバッグには猫ちゃんのお家が入ってるの。」
「あと、はいこれ。お兄さんには路地裏を探してもらうつもりだからライトは必須でしょ?ライトは奥まで入ってから付けてね。じゃないと猫ちゃんが怖がっちゃうから。」
「黒猫を見つけりゃいいんだな?お安い御用だ。」
(迷子のペット探しなんてしょっちゅうキリノとやってるお陰でプロ並みだぞ)
「じゃあ、私たちは向こうを探してくるから、そっちはよろしくねー。」
そうしてキョウタロウは近くの路地裏へ入っていく。
「怖いくらい順調に進んだわね。」
「社長、相手はあの猛獣。油断は禁物だよ。」
「アル様の考えた作戦ならきっと成功しますよ。」
「いや〜、ターゲットが警察官でよかったね。やっぱ警察官だと人の頼みは断れないみたいだね。」
そんな会話など露知らずキョウタロウは路地裏へと歩を進める。
「ここからならライト付けても大丈夫だろ。」
キョウタロウがライトのスイッチを押し込む。
ドカアアアアァァァァァァン!!
ライトのスイッチを入れると同時にバッグが閃光を放ち大爆発を起こす。路地裏に面した建物の外壁も崩れ、キョウタロウはそれらの下敷きとなった。
「大成功〜♪」
「や、やりましたよアル様!」
「し、死んだわけじゃないわよね...」
「建物が倒壊しても比較的マシな場所を選んでるから大丈夫。」
「ま、まぁいいわ!次のターゲット、アビドス高等学校へ向かうわよ!」
「思い出したぞ...便利屋68.....」
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場所は変わりアビドス高等学校校舎
「校舎より南15km地点付近で大規模な兵力を確認!....傭兵です!おそらく日雇いの傭兵!」
「へえー、傭兵かあ。結構高いはずだけど」
"キョウタロウと連絡が付かない。"
「本官の連絡にも応答がありません。」
「もしかして、傭兵たちにやられたのでしょうか?」
「いや〜、ないでしょ。」
「ないない。」
「ですよね。」
"まずは傭兵たちの対象だよ。指揮は私に任せて。"
傭兵たちを間近で確認すると、傭兵とは一味違う雰囲気を纏う4人組がいた。
「誰かと思えばあんたたちだったのね!!ラーメンも無料で特盛にしてあげたのに、この恩知らず!!」
「あははは、その件はありがと。でもそれはそれ、これはこれ。こっちも仕事でさ。」
「残念だけど、公私はハッキリ区別しないと。受けた仕事はきっちりこなす。」
両陣営が銃を構え空気が張り詰める。まもなく、絶え間ない銃声が校庭に響き渡る。
「アンタたちっ!もう絶対許さないわよっ!」
「ヘルメット団を蹴散らしただけあって一筋縄では行かないね。ムツキ、お願い。」
「任せて〜、ドッカーン☆」
「あの狙撃手、なかなかの手練れ。」
「私たちをヘルメット団と同類だと思わないことね!」
傭兵はノノミのガトリング掃射に加えキリノのスモークのコンビで難なく撃破出来ているが便利屋の4人はそうもいかない。
しかし一進一退の攻防は突如として終わりを告げる。
キーンコーンカーンコーン
「あ、定時だ。」
「今日の日当だとここまでね。あとは自分たちで何とかして。みんな、帰るわよ。」
チャイムの音を皮切りに続々と校舎を去っていく。
「こらー!!ちょっ、どういうことよ!?ちょっと!帰っちゃダメ!」
「こりゃヤバいね。まさかこの時間まで決着がつかないなんて....アルちゃん?どうする?逃げる?」
「あ......うう.....。」
アルと呼ばれた生徒が唸っていると、傭兵と入れ違う形でキョウタロウが般若の形相を浮べ、便利屋の背後に迫る。
"なんか、威圧感が凄い...."
「なんでまた、ボロボロなの〜?」
トントン
「ちょっとなによ!今は取り込み中......よ.....」
振り返ると般若の顔のキョウタロウが目前まで迫っていた。
「御社の社員には大変お世話になりました。」
「あ.....えっと.....」
「よくも大事の服をズタズタにしてくれたなぁ、え?」
「この服は金に替えられねぇモンなんだよ...」
言い分だけ聞けば厄介者のチンピラだが、そのスーツはキリノが丁寧にアイロンを掛けていたというキョウタロウにしか理解できない価値があった。そんなことを語るキョウタロウの目はまさに真剣そのものだった。
「....わかったわ。部下に指示を出したのは私よ。貴方の大事な物を台無しにしてしまったのなら、その責任は私にあるわ。」
「ほぅ、中々キモが座ってるな。その度胸に免じて一撃だけで勘弁してやる。」
「一撃?それってどういう.....ガッ!!」
疑問の声も意に介さず渾身の手刀がアルの頭へ落ちる。
「ゔ....ゔ......」
「ア、アル様ぁぁぁぁ」
「社長、無事?」
「アルちゃん、カッコいい〜♪」
「こ、これで終わったと思わないことね!アビドス!!」
「あはは、アルちゃん、完全に三流悪役のセリフじゃんそれ。」
「うるさい!逃げ......じゃなくて、退却するわよ!」
便利屋と傭兵たちによるアビドス侵攻は幕を閉じた。
「...敵兵力の退勤....いえ、退却を確認。一旦はお疲れ様でした。」
"みんなお疲れ様。キョウタロウは....ご愁傷様。"
「にしても困りましたね、妙な便利屋にまで狙われるとは、先が思いやられます一体何が起きているのでしょうか.....。」
「まあ、少しずつ調べるとしよう。まずは社長のアルって子の身元から洗ってみたら。何か出てくるよ、きっと。」
「キョウタロウ、そんなにボロボロにされるなんて何があったのですか?」
「ん?爆破された。」
"えぇ......"
その後は何事もなく平和な時間が流れるのであった。
10連でチヒロがすり抜けました。
声とメモロビに悩殺されソッコーで推しになりました。
ウワキジャナイヨ