ご都合主義のキリノ推しヴァルキューレ生   作:りっくらっくろっく

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嵐のように....

キョウタロウの要求に驚愕の声を上げる。

 

"エデン条約って?"

 

「トリニティとゲヘナで結ぶ、仲良し宣言みたいなものですよ。」

 

『随分と軽く言ってくれますね?』

 

 

最早、苛立ちも怒りも取り繕うこともなく全面に押し出す。

 

"トリニティとゲヘナってそんなに仲が悪いの?"

 

『ええ。トリニティとゲヘナの間では以前から敵対関係で紛争が絶えませんでした。その紛争を解決することで全面戦争への発展を防ぐことを目的とした不可侵条約です。』

 

「連邦生徒会長がいなくなってから白紙になりかけたけど、最近になってまた計画が進み始めたらしな。」

 

 

言葉と同時にキョウタロウがビルの隙間から姿を現す

 

「あ!お前はいつぞやの警察!お前のせいで風紀委員が減った間のゲヘナ、病室から見える場所だけでも大変だったんだからな!」

 

 

キョウタロウにいち早く反応したイオリが捲し立てる

 

「あ?事前通告もなしに住宅地で無差別爆撃するような組織がお咎めなしな訳ないだろ。あそこの住民にどんだけ被害が出たかわかるか?」

 

「それは...」

 

 

イオリが黙り込みキョウタロウは話を進める

 

「そもそも、こんなに風紀委員たち駆り出して、何のつもりだ?」

 

「そうです!こんなに包囲して銃を向けられたまま『お話をしましょうか〜』なんていうのは、お話の態度としてはどうかと思いますけどね?」

 

『.....失礼しました。全員、武器を下ろしてください。』

 

 

平静を取り戻したアコが出した指示に風紀委員全員が従う

 

『私たちゲヘナの風紀委員会はあくまで、私たちの学園の校則違反をした方々を逮捕するために来ました。』

 

『あまり望ましくない出来事もありましたが、まだ違法行為とは言いきれないでしょうし、やむを得なかったということでご理解いただけますと幸いです。風紀委員会としての活動に、ご協力をお願いできませんか?』

 

 

少しの間の後、キョウタロウとアヤネが同時に答える

 

「「無理(だな)(です!)」」

 

「お前たち、D.U.の一件から何も学ばないのか?人が居ようが居なかろうがここはアビドスの自治区だ。その中での明確な戦闘行為、逮捕されるのはどっちか。」

 

「まさか、ゲヘナほどの大きな学園がこんな暴挙に出るとは思ってもみませんでしたが、ここは譲れません。」

 

「便利屋には聞きたい事が山ほどあるし、何より便利屋の処遇はアビドスが決める事だ。ゲヘナが介入する余地はない。」

 

「そういうわけで、交渉は決裂です!ゲヘナの風紀委員会、あなた方に退去を要求します!」

 

『本当に違反者を捕らえに来ただけなのですが.....』

 

「嘘をつかないで、天雨アコ。」

 

 

ビルの影から確信を秘めた声が発せられる

 

『どうかされましたか?カヨコさん?』

 

「最初はどうして風紀委員会が他の自治区にまで現れたのか、理解できなかった。」

 

「それに、私たちを相手するにしてはあまりにも多すぎるこの兵力。他の集団との戦闘を想定していたとすれば、説明がつく。」

 

「とはいえ、このアビドスは全校生徒集めても5人しかいない.....なら結論は一つ。あんたの目的はシャーレ。最初から、先生を狙ってここまで来たんだ。」

 

「なるほど....大方、行政官さんは超法的権限を持つシャーレをエデン条約のいざこざに介入させない為に、その頭である先生を攫いに来たわけか。」

 

『ついでに、居合わせた不良生徒たちも処理した上で...といった形で。』

 

 

アコの声が一段と重厚さを増す

 

『ゲヘナの風紀委員会は、必要でしたら戦力を行使することもあります。私たちは一度その判断をすれば、一切の遠慮をしません。』

 

「へぇ...」

 

その言葉を皮切りに動き出したのは風紀委員、ではなくキョウタロウだった

 

ランチャーを放ちつつ、その爆発音に負けない声量で叫ぶ

 

「出てこい便利屋!出てきて戦え!風紀委員にやられっぱなしでいる程、根性なしじゃねえだろ!」

 

 

発破をかけた直後に残りの便利屋のメンバーが物陰から飛び出し、ハルカはイオリ目掛けてショットガンを撃ち尽くす

 

「許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!うああああああああああっ!!」

 

(なにあれ怖.....)

 

 

ハルカの乱射によりイオリ諸共、辺りの風紀委員も撃破していく

 

『仕方ありませんね.....』

 

「12時の方向、それから6時の方向、3時、9時....風紀委員会のさらなる兵力が四方から集結しています....!」

 

 

風紀委員がワラワラと集結する

 

『シャーレの先生にヴァルキューレの猛獣までいるのですから戦力的には十分ですかね?』

 

 

アコの余裕の声とは対照的にアビドスには闘志が満ちていた

 

「よっし、便利屋っ!挟み撃ちするわよ!!この風紀委員会、コテンパンにしてやらないと!」

 

「え.....」

 

「先生の盾になってもらう。」

 

「先生をみんなで守ります、いいですね?」

 

「話が早いな......」

 

"アルちゃんたちも協力してくれるの?"

 

「信頼には信頼で報いるわ!それが私たち、便利屋68のモットーだもの!」

 

「はい!!先生には私たちも色々とお世話になりましたので!絶対に成功させます!」

 

 

その場が一触即発の空気で満たされるがアコは至って冷静に指示を飛ばす

 

『風紀委員会、攻撃を開始します。対策委員会と便利屋を制圧して、先生を安全に確保。先生はキヴォトスの外部の人なので、怪我をさせないように十分注意を。』

 

「よくもショットガンの乱射なんて決めてくれたな。覚悟し.....待て、あの警察官はどこだ!?」

 

 

さっきまで風紀委員の中心で暴れていたキョウタロウがいつの間にか消えていることにイオリが気づく

 

ほんの少しの沈黙が流れた後、最大まで地面に接近して滞空していた戦術ヘリにビルの窓から飛び出したキョウタロウの

ランチャーの殴打がプロペラを破壊し、撃墜される

 

「う、嘘だろ!?」

 

 

状況を飲み込めないイオリを他所にキョウタロウが撃墜したヘリのテールブームを掴み、ヘリそのものを棍棒の様に振り回し次々に風紀委員を弾き飛ばしていく

 

「先に仕掛けたのはお前らだ、どんな被害が出ようが自己責任ってこと、解ってるよな?」

 

「こ、コイツ....!」

 

イオリの射撃に怯む事なくヘリを振り回し風紀委員をへらしていくが、どれだけ撃退しても風紀委員の波が止まることはない

 

『第ハ中隊。後方待機をやめて、突入してください。』

 

「職権濫用もいいとこだな....」

 

『貴方は強いですが弱点は把握しました。そんな物を振り回していれば消耗も凄まじいはず!折れるのは、時間の問題ですね。』

 

 

自信満々の声色で出撃命令を下す

 

「この状況でさらに投入....!?」

 

「ヴァルキューレの子が暴れてるお陰でちょっと楽だけど....」

 

「これはもう、アコの権限で動かせる兵力を超えてる。もしかして、アコの独断じゃないのかもしれない....」

 

「....風紀委員長が?」

 

「えっ、ヒナが来るの!?無理無理無理!?逃げるわよ、早く!!」

 

「来るなんて言ってないから....」

 

 

皆が狼狽える中、駄目押しと言わんばかりに宣言する

 

『さあ、では....三度目の正直と行きましょうか。風紀委員会、攻撃を.....

 

「アコ。」

 

『え? ひ、ひ、ヒナ委員長!?』

 

 

先生とキョウタロウを除くその場の全員がたじろぐ

 

現状についてアコが追及されているとやがて本人が姿を現す

 

「い、い、い、委員長!?い、一体いつから!?って警察官!今度は何だ!?」

 

 

イオリと他の風紀委員を押し退けてヒナの前に立つ

 

「詳しい話は帰ってから。通信を切って校舎で謹慎していなさい、アコ。」

 

 

通信を切り対面する

 

「貴方は公安局の....言いたい事は想像つく、事前通達無しでの他校自治区における無断兵力運用、及び他校生徒たちとの衝突。」

 

「それなら話は早い。」

 

「けれど、そちらが風紀委員会の公務を妨害したのも事実。違う?」

 

「目的遂行の為なら他所様の権利を踏みつけることさえ厭わない事を公務ってんならそうかもな。」

 

「ゲヘナならそれは罷り通るかもしれんが、他所でも通用するとは思わない事だ。部下にもしっかり教育するんだな。」

 

「これだけの被害を出した人間が言うこと?」

 

 

ヒナの周りには大破して使い物にならなくなったヘリや戦車、気絶した風紀委員が大勢いた

 

「無法者には当然の処罰だと思うけどな。」

 

 

2人が睨み合っていると、この場には到底そぐわない気の抜けた声が発せられる

 

「うへ〜、これは何事なのー?」

 

「ホシノ先輩!?今まで何処に!?」

 

「少々、お昼寝を...」

 

「私たちが大変な時に呑気な....」

 

「うーん、事情はよく分からないけど、対策委員会はこれで勢揃いだよ。ということで、あらためてやり合ってみる?風紀委員長ちゃん?」

 

 

気怠げな挑発にも乗る事はなく平然と返す

 

「私は戦うためにここに来たわけじゃないから。........1年生の時とはすいぶん変わった、人違いじゃないかと思うくらいに。」

 

「私のこと知ってるの?」

 

「情報部にいた頃、各自治区の要注意生徒たちをある程度把握してたから。特に小鳥遊ホシノ....あなたのことを忘れるはずがない。まぁこの話はまた今度。撤収準備、帰るよ。」

 

「今回の騒動、私、空崎ヒナより、ゲヘナの風紀委員会の委員長として、アビドスの対策委員会に対して公式に謝罪する。」

 

 

そう言い皆に頭を下げる

 

「今後、ゲヘナの風紀委員会がここに無断で侵入することは無いと約束する。どうか許してほしい。」

 

 

謝罪の言葉を残して郊外へ姿を消す

 

「あれほど大規模な兵力を、一糸乱れずに....風紀委員長、すごい方ですね。」

 

「てか、便利屋もいつの間にか居なくなってるし....今日はもう何もしたく無いくらい濃い時間だったな....」

 

 

道路の真ん中でキョウタロウが大の字で力を抜きながら愚痴をこぼす

 

「そうですね、今日も色んなことがありましたし....無理せず、私たちも休憩した方が良いかもしれません。」

 

"じゃあ、帰ろっか。"

 

「キョウタロウ、肩、貸すよ。」

 

「助かるよシロコ。」

 

 

支えられながら全員で帰路につく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「調印式の出席の答え聞けてねぇじゃん.....」

 

"「「「「あ....」」」」”

 

「へ?」

 

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