ご都合主義のキリノ推しヴァルキューレ生 作:りっくらっくろっく
昼下がりのミレニアムサイエンススクールは騒然としていた
「テメェ!喧嘩売っといてちょこまか逃げてんじゃねぇぞ!!!」
(すげぇ気魄...あんなちっせぇ体のどこにしまってたんだよ。ていうか、俺がいつ喧嘩なんて売ったよ....)
激昂するメイド服の生徒とそれから逃げる警察官
それらを茫然と眺める生徒
「あれは...部長?」
「なんでヴァルキューレの生徒を追いかけているんだ?」
「よく分からないけど、すっごく楽しそう!」
「あぁ!もう!イッテェなぁ!」
「なら大人しくしてりゃいい。一瞬で終わらせてやるよ。」
(コイツ何発も喰らってんのに動きが全然鈍らねえ。)
全速力で逃げる警察官の背中や足に的確に弾丸を命中させていき、逃走劇の舞台はミレニアム学園のグラウンドへと移り変わる
「おいおい、息上がってんぞ?そんなんで警察務まんのか?」
(思い出したくないこと思い出しちまった。コイツただのチビガキじゃなくてネルじゃねぇか。全力でやらないと俺がヤバい。)
深く呼吸をし、ネルと向き合う
「お?なんか面白そうな雰囲気出てきたなぁ?」
「やかましい。もうここから先は正当防衛だ。」
互いに全く同じタイミングで踏み込み仕掛ける
ゼロ距離から撃ち込もうとするネルに対して、キョウタロウは動きを封じるために腕を伸ばす
しかしネルは見透かしたように2丁のサブマシンガン繋ぐ鎖で腕を絡めとられ、その腕を支えに鳩尾への蹴りの連打を受けマウントポジションを取られてしまう
「自分からアタシの間合いに突っ込んでくるタァ、中々骨のある奴だな!」
「お前相手に無傷で終われるなんて思っちゃいねえよ!」
ネルの腕を掴み投げ飛ばす
ネルは投げらながらも瞬時に立て直すと銃撃を行い全ての弾丸を命中させる
それでもキョウタロウは止まらずネルへ追撃を仕掛ける
渾身の蹴りを叩き込もうとするが、紙一重で避けられ背後の樹に直撃しへし折れる。
「とんでもねぇ蹴りだが、当たらなきゃ意味ねぇぞ?」
「次は当ててやるよ...」
折れた樹を投げつけるが跳躍で容易く避けられ反撃を許す
銃撃を至近距離で受けるがそれでも怯む事なく、勢いそのままに接近したネルの胸ぐらを掴み地面へ思い切り叩きつける
叩きつけた位置を中心に地面が隆起しネルは叩きつけられた反動を利用して距離を取る
「テメェ、頑丈すぎんだろ。何発撃ち込んだと思ってんだよ。」
「そんな豆鉄砲で倒れるかよ。」
ことばとどうしに最初と打って変わって互いにゆっくり近づき手を伸ばせば届く位置まで迫る
完全に足を振り抜く体勢になるキョウタロウとサブマシンガンを突きつけ引き金を引こうとするネル
2人の緊張が最大限に高まり、弾けようとした瞬間
「2人とも!ストーープッ!!!!」
2人は同時に同じ方向に目をやる
そこには鬼の形相のユウカが息を切らして立っていた
「「やっべ....」」
その後2人仲良く生徒会室へ連行された
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「2人とも...何か弁解はあるのかしら?」
「「アタシ(俺)は悪くねぇ。」」
「はぁ...」
生徒会室には正座させられた当事者2人と別のメイド服の生徒3人が集められていた
「2人が暴れ回ったせいで校内の至る所に銃痕が出来て、キョウタロウに至ってはグラウンドの樹を一本ダメにしたのよ!?」
「最初に喧嘩売ったのはソイツだ。」
「銃痕に関しては100%俺は無罪だ。」
項垂れるユウカを他所にネル以外のメイド服3人で盛り上がる
「ねえねえ!武器持ってないの?逃げてる間、出そうともしなかったよね!」
「リーダーと戦ってもこんなに元気なんて、信じられないな。」
「部長と正面からぶつかれるほどの器量と度胸。是非!C&Cに入りませんか?」
「「は?」」
ネルとキョウタロウが同時に反応するがそれを押し除けるようにユウカが声を上げる
「それよ!キョウタロウ、C&Cの仕事を手伝ってくれたら今回の件は穏便にしてあげるわ。」
「C&Cの手伝い?」
「ええ、エンジニア部の部室に人がいない間に強盗が入ったらしいのよ。C&Cは任務の度に損害を出すから、そんなことが無いように監視して欲しいの。」
「おい、話聞け。」
「盗まれたのは大型のドローン3機、犯人の行き先もある程度割れてる。エンジニア部製のドローンだから、どんな機能があるか分かったもんじゃないし、C&Cには迅速に解決して欲しいの。」
「まあ!これは好都合。キョウタロウさん、と言いましたか。学園へのお詫びも兼ねて是非、C&Cに入りましょう!」
「おい!さっきから無視しやがって部長の話を聞け!」
「どうしたのリーダー?こんな面白そうな子が入部しそうなのに断る理由なんてないでしょ?」
「いや、入部には反対しねぇけど本人はどうなんだよ。」
皆の視線が一斉にキョウタロウへ向く
「いや入部はしねえよ?けど手伝うのは構わない。」
「よし!これで決まりね。早速準備をすすめましょう。」
「あ、その前に帰って着替えてきていいか?」
キョウタロウのスーツとコートは先のネルとの戦闘でズタズタになっていた
「困ったわね。ミレニアムからD.U.までは距離があるし....」
考え込むユウカへアカネの鶴の一声がかかる
「じゃあ、メイド服を着れば良いじゃないですか!」
「...それ名案じゃない!」
「おい待て、本気....いや正気か?」
「ハハハ!良いじゃねえか。」
「綺麗な長髪だし体も細いから似合うと思うぞ。」
「メイクは私がやるー!」
意外にもC&Cは全員乗り気だった
「ユウカ、なんとかならないか?」
「無理。受け入れて。」
「ふざけんな。...分かった、服はこのままで良い。おい、にじり寄ってくるな。無言もやめろ。」
「仕事なんですから正装で臨まないと。」
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「おぉ....!」
「これは、中々.....」
「私のメイク上手でしょ!」
「すげぇ、コレ本当に俺か?」
「信じられないわ...」
メイクアップ後の姿にC&C一同とユウカはもちろん、女装をさせられた本人でさえも感嘆の声を漏らす
「随分似合ってるじゃねえか。あとはコールサインか。」
「コールサイン?」
「私たちは任務中に呼び合うための名前があるの。私はコールサインゼロワンでアスナ!」
「私はゼロスリーでアカネ、そちらがゼロツーでカリン。」
「そして我らが部長、コールサインダブルオーのネル先輩。」
「なんかお前の希望とかあるか?別に数字じゃなくても良いぜ、ないなら勝手に決めるけどよ。」
一瞬悩んだ後に閃いたように目を見開く
「決めた!俺のコールサインは"Vulcan"だ。」
「それは何か理由があったりするのですか?」
「なにって"ゼロワン"がいるなら"バルカン"も必要だろ。」
「なんじゃそりゃ?」
「よくわかんないけど、それって私と君はコンビってことだね!」
「意味は分かりませんが、これで貴方も正式にC&Cの部員ですね。」
「だから俺は入らねえっt
「早速出発ーーーーー!」
キョウタロウの反論はアスナの掛け声に掻き消される
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一同を乗せた車両が学園から遠く離れた廃倉庫へ向かう
「部長はキョウタロウさんの入部にかなり乗り気でしたね。」
「だから入らねえって。」
「あの子追いかけてる時、途中からすっごい楽しそうな顔してたもんね!」
「あんなの悪魔の笑みだろ。」
「部長も久々に全力で戦えて嬉しかったのかもしれないな。実際どうなんですか?」
「ああ!もうやかましい!静かにしてろ!!」
車内がガヤガヤと騒がしくなっていくなか、ネルの一喝により目的地に辿り着くまで静まり返っていた
ミカも水おじも当たったのにレポートが全然足りねぇ!!!!!