ご都合主義のキリノ推しヴァルキューレ生   作:りっくらっくろっく

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邂逅

 

 

 

 

「愉快!本望!享楽!楽しいよなぁ?あぁ?」

 

「何ですかアレ.....コワ...」

 

「ヒヨリ、ボサっとしてないで撃って。」

 

 

廃墟の中心には空気を震わせるような雄叫びと銃声が鳴り響く

 

「ヒヨリ、ミサキ、キョウタロウには当てるな。あれでも怪我人だ。」

 

「「え.......」」

 

 

4人は陽動された敵を薙ぎ倒しながら地下道をグングンと進んでいくも、敵の波は収まることは無い

 

「スクワッド!マダムの命令に逆らった者がどうなるか、知らない訳ではないだろう!」

 

「知っているとも。」

 

「なら大人しくあの男を差し出せ!」

 

「それは出来ない相談だな。アイツは私を信じてくれた。その信頼に応える義務がある。」

 

「そんな事をしてどうする。今更日向の道を歩けるとでも思っているのか?」

 

「思うわけがない。たが私にも譲れないものがある!」

 

 

サオリの放った弾丸が目の前の敵を討つ

 

それを合図かのように皆一斉に走り出し、包囲網を突破していく

 

包囲網の中を走り抜けしばらくすると一本のトンネルの入り口へと辿り着く

 

 

 

 

 

 

「な、何とか撒けましたね。」

 

「このトンネルを抜ければ自治区に繋がる場所に出られる.....どうかしたか?」

 

 

サオリの言葉を他所にキョウタロウは近くの壁の一点を凝視していた

 

3人に向かって人差し指を口の前に立て、地面に突き立てた金棒の柄を耳に当てる

 

近付いてくるな..........気をつけろ。何かが壁をぶち破ってくるぞ。」

 

 

言葉の直後に皆が視線を向けていた壁が呆気なく崩れ去り瓦礫の粉塵の中から人影が浮かぶ

 

また壁の崩れる音で近くのアリウス生も呼び寄せてしまう

 

 

 

 

「あっちで物音がしたぞ。」

 

「スクワッドだろうな。急げ。」

 

 

 

 

 

近づいてくるであろうアリウス生は気にも止めず4人とも目の前を見据える

 

「ふふ、やっぱりここに来ると思ってたよ。大当たり!」

 

「聖園、ミカ.....」

 

「ダイナミックなカチコミだな。」

 

「悪役登場☆ってところかな!.....まだ覚えててくれてたんだね?....って、あれ、ヴァルキューレまでいるなんてどんな風の吹き回し?」

 

「まあ、どうでもいっか。会えて嬉しい...って顔じゃなさそうだけど、どうしたの?そんな、魔女でも見たみたいな顔しちゃってさ。」

 

「....檻の中にいると聞いたが。」

 

「出てきちゃった☆....早く、あなた達に会いたくってさ。だってほら、私たち、まだお話しなきゃいけない事があるんじゃないかなって。」

 

「悪いが話があるなら後にしてくれ。今は人1人の命が掛かってんだよ。」

 

「そっか。うーん....それってここに居ないマスク付けた無口な子が関係してたりする?もしそうなら、尚更手を出さずにはいられないかな。」

 

 

 

 

 

 

 

「スクワッドだ!」

 

「やはりここに居たな!総員、戦闘準備!」

 

「マジかよ....」

 

 

ミカの反対方向からもアリウス生も合流し、再び包囲される

 

「どうすんの?まさか全員倒して進むなんて言わないよね。」

 

「そうするしかねえだろ。」

 

「よせ、自分の身体をよく見ろ。」

 

 

金棒からランチャーに持ち替えようとするキョウタロウをサオリが制止する

 

キョウタロウの左脚と脇腹の傷が開き、服の上からでも分かるほど血が滲み出ていた

 

「...わかった。合図出したらトンネルまで走れ。」

 

 

矢筒から一掴み分の矢を取り出し、鏃を足下に叩きつけ爆発と粉塵を起こす

 

「全員走れ!」

 

「クソっ!ただの目眩しだ。追え!逃すな!」

 

「テメェらそこでミカとよろしくやってろ。」

 

 

トンネルへ入り、ランチャーの一撃で天井を崩落させ瓦礫で道を塞ぐ

 

トンネルとカタコンベが隔絶される

 

「チッ.....これでは通れんな。瓦礫を撤去する、爆弾を設置しろ。」

 

「無理です。これ以上衝撃を与えればトンネルそのものが崩れます。スクワッドはともかく、ターゲットの男も巻き添えになります。」

 

「難儀だな。別ルートで追うぞ。.....聖園ミカ。君の目的はアリウススクワッドの3人だろう?我々はあの男を捕らえることが目的だ。ここは利害の一致ということで、手を組まないか?」

 

「それ、本気で言ってる?」

 

「君は一時期、私たちの自治区を支援してくれていたな。それも考慮して、協力しないにしても今すぐここから消えるなら、手出しはしないでおいてやろう。」

 

「なになに?その程度の人数で私の相手をするってこと?ちゃんと脳みそ入ってる?」

 

「その言葉、宣戦布告とみなすぞ?」

 

「勝手にすれば?私も私で勝手に追うから。あ、言っておくけど邪魔するなら容赦しないよ。」

 

「わかった。全員撃て。」

 

 

2者の間で撃ち合いが勃発したが、撃ち合いとは名ばかりの蹂躙であった

 

ミカの視界に入った者から倒れていき、ものの数十秒でアリウス生が全滅する

 

「待っててねサオリ、貴方が私から奪った分しっかり取り立てるから。」

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

4人はトンネル内を走り抜け開けた場所へと出る

 

「ここなら警備の手が薄いはず....」

 

「敵影なし。上がってきてください、手貸しますよ。」

 

「悪りぃな。」

 

 

引き上げられても目にするのは変わらず廃墟

 

「自治区に出られたか?」

 

「違うよ。昔はそうだったけど、本当の自治区はもう少し先。でも、私たちが向かってる事がバレてるからそう簡単には近づけないと思う。」

 

「そうか...ツッ.....!?」

 

 

踏み出そうとした足に激痛を覚えその場に蹲る

 

「す、凄く痛そうですね。」

 

「....やはり相当のダメージだったんだな。手当てをする、見せてくれ。」

 

 

懐から包帯を取り出して器用に巻きつける

 

「随分と手慣れてるな。」

 

「私やミサキさんが怪我をするたびにサオリ姉さんが巻いてくれたんですよ。」

 

「....本当にすまない。こんな傷を負わせておきながら、図々しくもお前を頼って....

 

「言わなくていい。そういう懺悔は全部終わってからだ。それより、バシリカまではどうやって向かう?」

 

「あ、ああ。アリウスの旧校舎に向かう。噂程度だが旧校舎の地下回廊はバシリカに繋がっているらしい。」

 

「なら、それで決まりだな。」

 

 

金棒を杖代わりに立ち上がろうとするが、サオリが止め背中を向け屈む

 

「な、なんだよ...」

 

「背負う。その傷で歩くのは辛いだろう。」

 

「いや、肩貸すだけでいい。」

 

「そうか、お前がそう言うなら....」

 

 

立ち上がり側まで寄ったサオリに素直に身体を預け、2人もそれぞれ武器を担ぐ

 

「聖園ミカがあのまま引き下がるとは思えない。追いつかれるのも時間の問題だろう。」

 

「で、ですよね....追っ手が来ないうちに向かいましょう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「クリア。ここまでは安全。」

 

 

ミサキの合図で物陰から出る

 

「やっぱスニークってのは疲れるな。肌に合わない。」

 

「やはり背負った方が

 

「それはいい。」

 

「そ、そうか....」

 

「にしても怖いくらい静かだな。警備の1人だっていやしない...」

 

「元々人通りが少ない場所だが、ここまでではなかったはずだ。」

 

「な、なんか...知らない物がいっぱい増えてます....」

 

「自治区から長く離れていたとはいえ、私の全く知らない街になってる。」

 

 

違和感を覚えながらも旧校舎へ向かおうとする4人のもとへ1機のドローンが飛来する

 

「あ、サオリ姉さん!これって....」

 

「間違いない、姫のドローンだ。だが何故...」

 

『ご機嫌よう。アリウススクワッド。』

 

 

ドローンから発せられた声を聞いた瞬間、全員の顔に嫌悪の色が浮かぶ

 

「マダム.....」

 

『ここは私の支配下にある領地。皆さんの位置や目的地、その経路に至るまで全て把握しております。私に隠し事なんて、不可能ですよ。』

 

「じゃ、じゃあ、私たちの動きは最初から筒抜けだったってことですか!?」

 

「そこまでくると気持ち悪いレベルだな。」

 

『貴方は喜悠凪キョウタロウですね。初めてまして、私はベアトリーチェ。アリウスの支配者であり生徒会長です。お会いできて光栄てすよ。』

 

「直接出向いてこない辺り、お前の狡猾さが垣間見えるよ。」

 

『少々鼻につく言い方ですが、褒め言葉として受け取っておきましょう。それよりも、貴女には失望しましたよサオリ。』

 

 

サオリが矢面に立たされるも本人は硬い表情を崩さない

 

『任務を遂行するどころか裏切るなどとは、本当に愚かな子供達。.....貴方もですよ、喜悠凪キョウタロウ。自分の命を狙った者達に手を貸すなど愚の骨頂。』

 

『スクワッドは、その場その場の損得勘定で殺そうとした貴方に図々しくも助けを乞いた。そのような人間に救うほどの価値があるのですか?』

 

 

嘲笑混じりの言葉にも声色を一切変えずにキョウタロウは答える

 

「お前、大人のくせに何もわかってねぇな。仲間を助けたいって思うことのどこが損得勘定なんだ?少なくともお前なんかよりコイツらの方が、よっぽどスジの通った生き方してるぜ。」

 

『.....話になりませんね....やはり所詮は子供ですか。スクワッド、貴女たちに最後のチャンスを与えましょう。その男を私の下まで連れてきなさい。遂行出来れば、貴女達の裏切りには目を瞑りましょう。」

 

「今更そんな命令に従うと思うか?マダム...いや、お前の言葉は何一つ信用できない。私たちはアツコを救い出す、必ずだ。」

 

『私の庇護の下で生きておきながら、その恩を仇で返すなどとは...」

 

「庇護?痛みと恐怖で縛り付けてただけでしょ。」

 

 

ミサキの言葉を聞くとドローンは上昇を始めた

 

『せいぜい無駄な足掻きを。バシリカで待っていますよ。辿り着ければの話ですが。』

 

 

ベアトリーチェの言葉の直後に上空でドローンが爆発する

 

更に自治区の四方から謎の大群がゆっくりと向かってくる

 

「せ、聖徒会!?ユスティナ聖徒会ですよね?それにあの姿は......」

 

「何故だ?エデン条約が取り消された以上、使役は不可能なはずだ。」

 

「ってことは、複製(ミメシス)は一度でも成功させれば、後は自由に使える。そんなとこだろうね。」

 

「誰だろうと邪魔するならぶっ潰すだけだ。」

 

「ああ。絶対にアツコを救い出すぞ!」

 

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