ご都合主義のキリノ推しヴァルキューレ生   作:りっくらっくろっく

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紅雲

 

 

 

 

群がるユスティナを踏み台にしてバルバラの頭上へ迫る

 

「不埒な鬼ごっこもここで最後だ!」

 

 

そのまま全身のバネを駆使した渾身のひと振りを落とす

 

大振り過ぎた攻撃は軸をズラすだけで呆気なく避けられ金棒自体もへし折れてしまう

 

ひと呼吸もしない内に着地の後隙を狙われガトリングを向けられる

 

「ちょっとマズいんじゃない!?」

 

「計算の内だ!」

 

 

ガトリングが撃たれるよりも早くバルバラの腕に掴みかかり、その銃口をユスティナの方向へ逸らす

 

「なるほどね。」

 

 

バルバラのガトリングを利用しユスティナの大群を一掃する

 

直後2人に近づいたミカが器用にバルバラだけを撃ち抜き、後退させる

 

「やるじゃん!意外に頭いいね!」

 

「金棒が折れちまったのは想定外だがな。.....また来るぞ。」

 

 

体勢を立て直したバルバラ両腕の銃器を放ちながら一気に距離を詰める

 

2人は左右へ飛び退くがミカの方には目もくれずにキョウタロウの方向へ突っ込んでくる

 

「無視なんて悲しくなっちゃうよ!」

 

 

背後からミカの銃撃を受けるも、勢いは衰える事はなく迫り来る

 

「殺すことしか頭に無いみてぇだな!」

 

 

自身の身体を後ろへ倒しながら銃撃を躱し、巴投げを繰り出されたバルバラは頭から瓦礫の山へ飛ばされる

 

「偉大な存在も、これじゃ形無しだな....っ!」

 

 

地面に伏そうとする身体をミカに支えられるが、それでも立ち上がれないほどの状態になっていた

 

「平気?全然力入ってないよ?」

 

「平気だっての。」

 

「でも、このままじゃ君が先に潰れることになるよ?」

 

「だろうな。でもやらなきゃどの道死ぬ。俺は死を待つつもりなんかねぇぞ。」

 

 

そういい2本のランチャーを連結させミカの前へ放る

 

「奴の動きをなんとかして止める。その隙にそれを撃て。」

 

「ち、ちょっと!?」

 

 

ミカの返事も待たずに瓦礫から這い上がったバルバラの首に掴みかかる

 

対してバルバラは首を完全に捉えられながらもガトリングをミカへ放ち、右腕の銃器でキョウタロウの頭を何度も何度も殴りつける

 

「テメェ....往生際が悪いんだよ!」

 

 

首を絞める力を更に強め、硬いものが折れる音がする

 

「マジか!?やっちまったか!?」

 

「離れて!!」

 

 

ガトリングを避けながら後ろに回り込んだミカがランチャーを放つが

 

「─ッ!?」

 

 

不意に来た強烈な反動を抑えきれずにレーザーはあさっての方向へ放たれ、その爆風で2人は吹き飛ばされる

 

吹き飛ばされながらも思考をやめずにいた

 

(これ以上力が入らない身体でどうやって.....さっきのは確実に首を折った音だ。首が折れても普通に立ってられる奴の動きをどうやって止めりゃ.....)

 

 

思考を巡らせる中で黒光りする物が視界に映る

 

それは真っ二つ折れたことで断面が鋭利になった金棒だった

 

(これだ!!)

 

 

すぐさま拾い上げバルバラへ特攻する

 

体当たりをしながらバルバラの両腕に折れた金棒を突き刺し、そのまま貫通させながら壁に磔状態にして動きを封じる

 

「頼んだぞ!」

 

 

ミカが背後からランチャーを押し付けようとするのと同時に身体を翻す

 

引き金が引かれた瞬間に強烈な閃光と爆煙がバルバラを覆い尽くす

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

祭壇では光球の爆発で立ち込める砂塵を突っ切りサオリが突撃する

 

ベアトリーチェは赤黒いレーザーを撃つと同時に枝のような触腕でサオリを貫こうとする

 

その攻撃をヒヨリとミサキがカバーする

 

「覚悟しろ。」

 

 

ベアトリーチェの巨体をよじ登り頭部へゼロ距離の射撃を浴びせる

 

「小癪な!離れなさい!」

 

 

巨体を大きく揺らしながらサオリを振り落とすが、サオリが離れた直後にミサキの砲撃が直撃する

 

「がぁぁ.....ありえない....ロイヤルブラッドの神秘を取り込んだ私が、たかだか子供風情に追い詰められるなど...」

 

「見掛け倒しの攻撃も妙な小細工も通用しないと言っただろ。姫を返してもらうぞ。」

 

「図に乗るな...」

 

 

サオリの立つ地面から枝分かれした触腕が飛び出してくる

 

バックステップで躱そうとするがギリギリの所で足首を絡め取られベアトリーチェに鷲掴みにされる

 

「ぐぅ....っ!」

 

「流石の貴女でも年貢の納め時という言葉は知っているでしょう。」

 

 

頭部をサオリの目の前へ近づけエネルギーを溜め始める

 

「舐めるなぁ!」

 

 

ベアトリーチェの掌から強引に腕を引き抜く、その手には月明かりを反射するナイフが握られていた

 

そのまま眼前に迫った頭部へ深々と突き立て捻じ込む

 

あまりの激痛に思わずサオリを投げ飛ばしながら呻き声を上げる

 

その隙を逃さず3人は残った弾丸を全て撃ち込む

 

「ぐっ、ああ....なりません!私の権能が....!たかが....たかが貴様ら如きに!!」

 

 

巨体を萎れた花のように折り曲げながらもまだ倒れる素振りを見せない

 

「然ればバルバラを、バシリカに現存する兵力を全てをここに。」

 

「ま、まだ来るんですか.......?」

 

(ライフルは撃ち尽くしてしまった)

「.....2人とも、弾の残りは。」

 

「....ラスト1発。」

 

「私は、あぅぅ....もう残ってません....」

 

「私もハンドガンしか残っていない。」

 

「敵が押し寄せこようってのに、最悪....」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

晴れた視界には力無く瓦礫に倒れるバルバラの姿があった

 

「.....いい加減消えろっての.....」

 

「うっそ...まだダメなの....」

 

 

バルバラがのっそりと立ち上がり2人へと近づくかに思えたが、2人には目もくれずに聖歌隊室を走り去っていく

 

「は?何のつもりだよ....あの野郎。」

 

「........サオリ達の方に向かうつもりかも、追いかけよう!」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

バルバラは2人の追撃を受けながらも足を止めずに走り続ける

 

「ちょっと早すぎじゃない!?」

 

「ミカ、少し離れてろ。」

 

 

途端に背後にランチャーを構え発射する

 

発射の直前にほんの少し飛び跳ね、レーザーの反動を推力へと変換し一気にバルバラの背後に迫る

 

バルバラに激突してもなお勢いは死なず壁を破りながら開けた場所へと出る

 

 

 

 

 

「キョウタロウ!?」

 

「ズタボロですけど無事だったんですね!」

 

「まあな。...それより、なんだぁ?あの化け物は。」

 

「フフフ......バルバラを呼び寄せれば貴方も着いてくると思っていましたよ。」

 

 

サオリとは対極の位置でキョウタロウを悠々と見下ろすベアトリーチェが磔にされたアツコへと腕を伸ばす

 

「選択肢は2つです。ロイヤルブラッドを見殺しにしてバルバラにトドメを刺すか。死を覚悟してロイヤルブラッドを救い出すか。」

 

「お前.....!」

 

「止まりなさい。スクワッドと聖園ミカの内、誰か1人でも不審な動きをすれば即座にロイヤルブラッドを殺します。」

 

 

その言葉に走り出そうとしたサオリの身体がピタリと止まる

 

「.....脅しのつもりならお前、相当センスねぇぞ?」

 

「どのように捉えても構いません。さあ、どうします?」

 

「.....んなモン、決まってんだろ。」

 

 

真っ直ぐベアトリーチェを見据え走りながらレーザーを放つ

 

対して迎え撃つように掌に生成した光球をキョウタロウへ押し込む

 

互いにジリジリと近づいていき砲門と掌が触れ合おうとする寸前で一帯を包むほどの大爆発を起こす

 

その衝撃でアツコはオブジェごと吹き飛ばされ、キョウタロウもまた粉々なったランチャーと共にサオリ達の方へ吹き飛んでくるが、そこにベアトリーチェの姿は無かった

 

「2人はキョウタロウを頼む!」

 

 

そんな事は気にも止めずにサオリは急いでアツコの元へ走り安否を確認する

 

「頼む....!目を開けてくれ....!ようやく、ここまで来たんだ....頼む!」

 

 

サオリの呼び掛けに答えるようにアツコのヘイローが浮かび意識を取り戻す

 

「....サッちゃん?」

 

「─ッ!アツコ!!...本当に、本当に良かった....」

 

「....ただいま。」

 

 

そこからは何も言わずに互いをただ抱擁し合う

 

 

 

 

 

 

 

「姫ちゃんは無事みたいですよ、ミサキさん。」

 

「そう良かった。....あ、こっちも起きた。」

 

「本当に終わったんですねぇ。......ん?この子のヘイローってこんな紫色でしたっけ?」

 

「は?どういうこと?」

 

 

2人がキョウタロウに目線を落とす

 

目こそ閉じているがヘイローは現れている

 

しかしその色はいつもの紺碧色とは違う毒々しい紫に染まっていた

 

「なんかおかしい...ミサキ!今すぐ離れて!」

 

「な.....があっ!?」

 

 

ミカの呼びかけも虚しくミサキがキョウタロウに首を締められる

 

 

「まだ終わりではありませんよ。」

 

 

「嘘....その声は....」

 

「マ、マダム...!でもなんでキョウタロウ君から...」

 

「ハハハハハハハ!!!!子供というのは実に単純で扱いやすい!あんな安い挑発にいとも簡単に乗ってくれるとは。」

 

 

言葉を連ねるにつれて髪は深紅に染まり、頭と顔、首から足先に至るまで身体中に赤いノイズ、あるいはバグを起こした画面のような模様が浮かび上がる

 

「まさか、キョウタロウの身体を乗っ取った?」

 

「ご明察恐れ入ります。この男の力は素晴らしいものですよ?このように....」

 

 

ミサキを真上へ放り投げ自身のもとへ落下する身体へ蹴りを打ち込む

 

「ぐぅぁ....」

 

「やはり、まだ完璧には扱えませんか。」

 

「何をしている!動くな!」

 

 

遠目からその光景を目撃していたサオリは当然激昂し、ハンドガンを向ける

 

「どうしました?貴女の大事なアツコは助かったのですから、良いのではないですか?」

 

「どう考えてもそんな問題じゃないよね!」

 

 

ミカも銃を構えるがベアトリーチェは歪んだ笑顔を浮かべながら2人に目配せする

 

「この身体は喜悠凪キョウタロウのもの。貴女達に撃てますか?今の私を殺すことは、誰からも見捨てられ忘れ去られようとした者達に手を差し伸べた人間を殺すことと同義です。」

 

 

そこまで聞いた2人は躊躇いながらも銃を下ろす

 

「やはり子供は扱いやすいですね。そのように搾取されていれば良いものを。」

 

 

ベアトリーチェが両腕を広げると赤黒い眼球のようなものがいくつも漂い始める

 

「もう終わりにしてしまいましょうか。」

 

 

 

 

周りを漂う眼球から一斉にレーザーがは放たれる

 

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