ご都合主義のキリノ推しヴァルキューレ生   作:りっくらっくろっく

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前回のあらすじ

山海経にてロリキリノ、略してロリノ爆誕。


猛獣、パパになる。 2

 

「というわけで、しばらくの間休み取らせてもらいます。.....ん?トイレ?向こうの廊下を出て右だ。ちゃんと手は洗うんだぞ。」

 

「…………………」

 

 

 

 

 

 

「局長が呆気にとられてる....」

 

「いつ見ても局長のギザ歯はいいっすね〜。」

 

「アッ...カワイイ、トウトイ....」

 

 

 

 

 

「あの子供は本当にキリノなのか?」

 

「紛う事なくキリノです。しかし、記憶の方がごっそり抜け落ちてるみたいなんです。」

 

「そうか。元に戻る目処は付いているのか?」

 

「山海経からの解答待ちの状態です。しばらくは子供のままかと。」

 

「わかった。このままキリノの保護はお前に任せよう。お前の業務もこちらで引き継いでおく、まだ昼だが今日はもう上がれ。」

 

「ありがとうございます。何か不祥事があれば俺も出来る限り対応できるようにしますから、その時は連絡してください。」

 

「むずかしいおはなしはおわりましたか?」

 

「今終わったところ。じゃ、街に遊びに行くか!」

 

 

トイレから戻ったキリノを連れて事務所を出る背中を一同は見送る

 

2人が出た瞬間、項垂れるカンナに皆が心配した様子で近寄る

 

「局長、どうされました?」

 

「...........終日手の空いている者はどれくらいだ。」

 

「え?えーっと、ひとまずこの場に居る者は事件が無い限り手は空くと思います。」

 

「書類諸々の処理は私がやる。お前たちは街の、いやキョウタロウ周辺のパトロールを徹底しろ。分遣隊の連中にもその旨は伝えておく。」

 

「え!?いくら子連れでもキョウタロウさんが通りすがりの不良にやられるなんて那由多が一にもあり得ませんよ。」

 

「懸念点はそこじゃない。もしだ、仮に不良集団やヘルメット団がキリノを誘拐でもしてみろ、アイツは目に映る不良生徒を片っ端から叩き潰して居場所を聞き出すだろう。」

 

「キョウタロウさんなら、やりかねませんね....」

 

「そうなれば病院には人体を悉く破壊された重傷患者で溢れかえる事になるぞ。」

 

「確かに.....!みなさん!そういう事なので手が空く方はパトロールをお願いします。」

 

 

その呼びかけに異議を唱えるものは居らず、そこからの行動はとても早かった

 

シールド、防弾チョッキ、弾薬、各々の武装を瞬時に整え街へと繰り出す

 

 

 

 

 

 

「頼んだぞ....」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

"うひゃー、ようやく一段落ついた〜。"

 

「先生、気持ちは分かりますけど変な声出さないでくださいよ。」

 

"ユウカもお疲れ様。さぁーてと、お昼は何食べようかな〜。"

 

「先生、号外が入ってたぞ。」

 

"ネルもおつかれ。これからお昼だけど3人でどうかな。"

 

「でもまだ決まってないんだろ?だったらアタシが作るぞ?」

 

「なら私は食器の準備をしてきますね。」

 

"2人とも助かるー!このままだと私はダメにされちゃいそ。"

 

 

昼食の準備を2人に任せ、折り畳まれた新聞に目線を落とす

 

"シノン達が号外出すなんて、よっぽどの事があっ....た.....

 

 

えぇぇえぇええええ!!!"

 

「先生!?どうされました!?」

 

「何があった!?」

 

"ちょちょちょ、ちょい2人ともこれ見て!"

 

「....“ヴァルキューレ公安局所属 喜悠凪氏、まさかの隠し子発覚„ですって!?」

 

「はぁ!?....お前、つ、つまり、アイツは....女だったって事か!!??」

 

"「いや、そっち!?」"

 

"確かに女性みたいな外見だけどちゃんと男性だよ?"

 

 

3人の視線は再び新聞へと向く

 

"このスーツとコートは間違いなくキョウタロウのだよ。"

 

「このアングル、多分隠し撮りされてますよね?」

 

「なんか....めちゃめちゃサマになってんなぁ....」

 

"ホント、母親にも見えるし父親にも見えるね。"

 

「でもよ、この記事が本当だとしたら、母親は誰なんだ?」

 

"確かに...."

(見た目はキリノそっくりだけど....まさかね...)

 

「こりゃ、ター坊に直接聞きに行くしかねぇな。」

 

「ええ。行くわよ。」

 

"え?あ、2人とも待ってよー!"

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

「へぇ〜、山海経でそんな事があったんだ。にしても、こんなに可愛くなっちゃってまあ。」

 

「キリノは元から可愛いだろうが。」

 

「あー、はいはい。キリノちゃん、フブキお姉ちゃんって言ってみてよ。」

 

「んー....、ふぶき!!」

 

「ちょちょい、呼び捨てはないんじゃない?もっとこう、なんか...警察への敬意があっても良いんじゃないの?」

 

「ふぶきはだらしないです!けーさつかんとしてのせきにんかんが、ぜんっぜんたりてません!」

 

「言われてんぜ?フブキ。」

 

「うへ〜手厳しい〜、キリノは小さくなっても相変わらずキリノだね。まあ、所長には私から伝えておくよ。」

 

「ありがとな。」

 

「そんじゃ、思いっきり遊んでおいで。」

 

「ばいばいです!ちゃんとおしごとはするんですよ?」

 

「そんなプリプリしなくてもちゃんとやるって。あとお土産はテキトーに美味しい物でよろしくー。バイバーイ。」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

2人は生活安全局を後にし、真っ直ぐある場所へ向かっていた

 

そんな折にひとつの電話が入る

 

「リーダーか、何かあったのか?」

 

『全く、水臭いですね。私達にも祝電のひとつくらい入れさせて下さいよ。』

 

「祝電?退院祝いってことか?だとしたら遅すぎるんじゃないか?」

 

『まぁ退院祝いもありますが、1番は結婚おめでとう御座います。」

 

「..........俺の耳は限界を迎えてんのかもしれないな.....」

 

『何を言ってるんですか、私達も今日の号外で初めて知りましたよ。キリノさんとはとうの昔に()()てたんですね。遅ればせながらおめでとう御座います。』

 

「おいおいおいおいちょっと待てや、何がどうしてどうなった。」

 

「ど、どうかしましたか!?」

 

「あ、いや何でもない。こっちの話だよ。」

 

『ネットとか貴方の話題で持ちきりですよ?貴方に娘がいるって。』

 

「その情報の出所は何処かわかるか?大体想像つくけど。」

 

『クロノスです。』

 

「やっぱりか......あんのバカがよぉ.....」

 

『今度こちらにお越しした際には慎ましながらを贈り物をさせてもらいます。それでは。』

 

「おい待て......切れちまった。」

 

 

狼狽える声も無視され電話は呆気なく切られてしまう

 

(でも....娘か....)

 

「ほら!ぼーっとしてないではやくむかいましょう!じゃないと、ほかのひとにさきをこされてしまいます!」

 

「そんな急がなくても大丈夫だって。」

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「おい、あれって.....」

「間違いない昼の号外に載ってたやつだ。」

「ケッ、公務員で妻子持ちとかズルすぎんだろ...」

「いや、あれはバツイチだ。絶対そうだ。」

「お前、ひと回り以上歳の離れたやつにバツイチの可能性見出してて悲しくないのかよ。」

「んな事俺が1番わかってるわ!」

 

 

 

 

 

(全部聞こえてんだよなぁ。けどそんな事、目の前の光景に比べれば些細な事。)

 

「つぎはあれにのりましょう!」

 

「人混みで走ると危ないぞ。」

 

 

2人は遊園地に足を運んでいた

 

キョウタロウ自身は事件現場にでもならない限り立ち入る事はない場所であるが、キリノの要望により訪れることとなった

 

普段とは違った陽気と、なによりキリノが一緒という特別感で表には出さずとも内心はテンション爆上がりであった

 

 

 

 

 

 

 

 

「おぉぉ.....!」

 

 

駆け出したキリノが唐突に立ち止まったかと思えばピエロ衣装のロボットが作るバルーンアートに釘付けになっていた

 

「ほら、おひとつどうぞ。」

 

「みてください!ねこですよ!」

 

「風船なのに良く出来てんなぁ。」

 

「おやおや、娘さんと仲良く余暇ですか?微笑ましい限りです。」

 

「はい。天使のように可愛い自慢の娘です。」

 

「ハッハッハッ、なら天使ちゃんにはこれもプレゼントしましょう。」

 

 

そう言ってキリノに1枚の紙が渡される

 

「レストランのクーポンです。是非、至福のひと時をご堪能ください。」

 

「ありがとうございます!!」

 

「ご丁寧にどうも。ありがた使わせていただきます。」

 

「ささ!はやく!あのジェットコースターにのりましよう!あれだけはぜったいにはずせません!」

 

 

強引に手を引かれジェットコースターの列へと向かう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「行列だな。流石に遊園地の目玉だけあるな。」

 

「はやくならべてよかったですね!わくわくがとまりません!」

 

(かわよい.....並んでる時間すら至福だ....)

 

「くすぐったいですよ。」

 

 

 

 

「あの、もしかしなくてもキョウタロウさんですよね?」

 

 

愛しさのあまりキリノを撫でていると後ろから声がかかる

 

振り向くとそこにはペロログッズに身を包んだヒフミとアズサも並んでいた

 

「やっぱり!お久しぶりです。」

 

「久しぶりだな、キョウタロウ。」

 

「久しぶり。その格好を見るにペロロ関連のコラボ目当てか?」

 

「その通りです!キョウタロウさんの方は娘さんと遊びに来たんですか?」

 

「この子がネットで噂になってたキョウタロウの子供か。可愛いな。」

 

「まあ、愛娘に熱望されちまったからな。」

(本当は違うけど、この2人なら後から弁解すりゃ大丈夫か。)

 

 

 

 

「次のお客様、こちらへどうぞ。荷物はお預かり致しますよ。」

 

 

列で待機しているととうとう順番がやってくる

 

「きました!!はやくのりましょう!!!」

 

「キョウタロウさんの娘さんだけあって元気ですね。」

 

 

4人はジェットコースターへと乗り込み、徐々に待機時間特有の緊張感が湧いてくる中、後ろから声がかかる

 

「キョウタロウ。」

 

「どうした?アズサ。」

 

「唐突だが、サオリ達を助けてくれてありがとう。」

 

「ホントに急だな。」

 

「いや、実はさっき.....

 

「いよいよです!!きてます!!」

 

 

興奮を抑え切れないキリノの声で会話が中断されてしまったが、そんな事など他所にコースターは蓄えられた位置エネルギーを爆発させる

 

 

 

きゃぁぁぁぁーーーー!!!!!

 

そして歓声混じりの絶叫が青空に響き渡る

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「.....死ぬかと...思った...」

 

 

コースターから降りて数歩進んだタイミングで足の力が一気に抜ける

 

「あはは....大丈夫ですか?」

 

「キョウタロウは強いのに可愛らしい弱点が多いな。絶叫マシンに弱かったり怖いのが苦手だったり。」

 

「気にしてることバンバン言うじゃん.....」

 

「はやくたってください!つぎはあそこです!」

 

 

服を引っ張られ目を向けた先には本人にとって信じたくない存在があった

 

 

戦慄 廃病院からの脱出!

 

 

「な、なあキリノ...ちょっっっっと考え直さないか?な?な?」

 

「やです!いきたいです!!」

 

 

向けられる瞳からは揺らぐことの無い鋼の意志が感じられた

 

(一体何がキリノの心を突き動かしてるんだよ...)

 

「ん!!!」

 

 

不満気なキリノが力強くパンフレットを突き出す

 

「あのおばけやしきにいけば、ゆうえんちのめいぶつをせいはできるんです!!いきましょう!!」

 

「あはは....頑張ってください。私達は別のアトラクションを回らないといけないので。」

 

「......Very cute.(泣けるぜ)

 

 

 

 

 

その日、お化け屋敷には開園以来過去最高の絶叫が響いた

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ただいまです!」

 

「ただいま....今日はマジで疲れた。」

 

「ゆうえんちのしょくじ、すごくおいしかったですね!」

 

「そうだな。さてと、あとは風呂に入って寝るだけだ。準備してきな。」

 

「はい!」

 

「シュンから貰った紙袋にパジャマも入ってたはず....

 

 

紙袋に手を伸ばした瞬間、致命的で壊滅的な疑問が頭を過ぎる

 

(キリノって....ひとりで風呂に入れんのか.....)

 

 

その疑問は余りにも初歩的故に盲点であった

 

「なあキリノ、ひとりで風呂に入れたりしないか?」

 

「ひとりだときちんときれいにあらえるかわかりません。ですので、てつだってください。」

 

(スゥ.....覚悟を決めるしかないのか....)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうだ、お湯は熱くないか?」

 

「はい!すごくぽかぽかです!」

 

「そりゃ良かった、頭洗うからしっかり目閉じてるんだぞ。」

(今のキリノは子供今のキリノは子供今のキリノは子供今のキリノは子供今のキリノは子供今のキリノは子供今のキリノは子供今のキリノは子供今のキリノは子供)

 

「わしゃわしゃ、きもちいいです。」

 

「背中は洗うから、前は自分で洗うんだぞ?」

(鏡を見たら死刑鏡を見たら死刑鏡を見たら死刑鏡を見たら死刑鏡を見たら死刑鏡を見たら死刑鏡を見たら死刑)

 

「もちろんです!おなかくらいじぶんであらえます!」

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

(かなり神経削ったぜ.....」

 

「さっぱりしましたね!!」

 

「歯磨きした、髪も乾かした。あとは寝るだけだな。キリノはベッドを使ったらいい、俺はすぐ下に布団を敷くよ。」

 

 

就寝の準備はあっという間に終わり、電気を消してゆっくり目を閉じる

 

 

 

 

 

 

 

 

「......?どうしたキリノ。」

 

「えへへ....その...ひとりじゃさむくて、おふとんのほうがあったかそうだったので、ついはいってきちゃいました....だめでしたか?」

 

「....いいんだよ。あったかいか?」

 

「はい。おふろとはちがったぽかぽかです。」

 

 

胸に顔を埋めるキリノの背中を等間隔で叩いていると、気づけばすぅすぅと穏やかな寝息を立てていた

 

 

「いい夢見ろよ。」

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