ご都合主義のキリノ推しヴァルキューレ生   作:りっくらっくろっく

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日常へと

 

 

「ん、んぅぅ.....あれ?ここはどこでしょう?確か私は山海経でパトロールをしていて....」

 

 

カーテンも閉め切られた薄暗い部屋で段々と意識を覚醒させていく

 

「………………!!!???!?!??!!!」

(な、なんで私は裸なんですか!?とと、とりあえず何か服を!!)

 

 

キリノは毛布を巻き付けながら部屋のクローゼットを漁る

 

(このシャツ...サイズも柄も香りも、キョウタロウのもの....もしや......ええい!もうこの際です、ズボンも貸してもらいましょう。)

 

 

躊躇いながらも袖を通していく

 

(なんだか...変な感じがしますが、嫌じゃありません.....)

 

 

服を着ながらベッドに腰を下ろして部屋を見渡す

 

すぐ下の布団には、強い力で引き裂かれたような布切れが散らばっているのが確認できた

 

「この布は....!?」

(はわわあああ!!!思い出してしまいました!!!)

 

 

着々と昨晩の記憶が呼び覚まされ補填されていくと同時に、止め処ない羞恥心に襲われる

 

(玄武商会でご飯を食べて、公安局に行き、フブキの所へ寄り道した後に遊園地を楽しんで.....)

 

(...この家に帰ってきて.....い、一緒に、お風呂.....そして、自分からこの布団に潜り込んで添い寝........)

 

 

 

 

 

(あああああああああ!!!!!もうお嫁にいけません!!!!)

 

 

ひとしきりベッドの上を転げ回ると、更に思考がヒートアップする

 

(こ、こうなったら、責任取ってもらいます!!)

 

 

キリノは部屋を飛び出し物音がするリビングへと突撃する

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「うん....上出来だ。我ながら素晴らしい味噌汁を作れたもん....だ.....」

 

 

恐らくキリノが来たのであろう方を向いた瞬間、指先の動きから思考に至るまで身体の機能全てが停止する感覚を覚える

 

それでも辛うじて目の前の鍋へと向き直り平静を装いながら思考を巡らせる

 

(あ.....えぇ?.....なんでぇ?なんでキリノのが俺の服着てるのぉ?これアレでしょぉ?“彼シャツ„ってやつでしょぉ?.....なんかソワソワしてきた...)

「おはよう....朝食のリクエスト、何かあるか?」

 

「.......おまかせします。」

 

「わかった。好きなもの飲んで待っててくれ。」

 

 

促されるまま冷蔵庫を開けて中を物色する

 

中身は彩豊かなドリンクが大量に置かれていた

 

 

(封の開いてないジュースがこんなに沢山...キョウタロウは普段からコーヒーしか飲まない筈ですが.....もしかして、いつ元に戻るか分からない私の為に用意してくれたのでしょうか.....)

 

 

アセロラジュースの瓶を取り出し卓へつく

 

(お味噌汁の良い匂い....)

「キョウタロウは料理も出来たんですね。」

 

「ルミには遠く及ばないけど、人様に出しても恥ずかしくないくらいには自信あるぜ。」

 

(....料理中とはいえ、ちっとも此方を向いてくれませんね。.........って!なんで私はこんな事を考えているのでしょう!?)

 

 

 

 

 

 

 

(やばいよやばいよやばいよ!!キリノずっっっっとこっち見てるよ!このままじゃ緊張で俺の心臓がモノブロスハートよろしく落っこっちゃいそう....!)

 

 

 

 

 

「な、何か手伝う事はありませんか!」

 

「!?そ、そうだな、米が炊けたらよそってくれ。」

 

「はい!任せてください!!」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

「美味しそうなだし巻き玉子ですね。綺麗です!」

 

「そう思ってもらえたなら良かったよ。....今回の事はどこまで憶えてる?」

 

「い、いえ、山海経をパトロールしていた事は覚えているのですが...そこから先は....全く。」

(全部覚えてるなんて言える訳ないじゃないですか!!)

 

「...そうか。簡単に言ったらキリノは子供になっちまったんだ。」

(あっぶねぇ〜!覚えられてたら間違いなく殺されてたぜ...)

 

「そうなんですか。キョウタロウは未来の出来事が分かるんでしたよね、今回の件も事前に分かっていたんですか?」

 

「いや、なんも知らなかった。俺が知ってるのは大きな事件や出来事だけだ。まぁ、それも今となっちゃほとんど覚えてないけどな。」

 

「.......あ、あの...私、迷惑じゃありませんでしたか?」

 

「迷惑?まさかぁ、可愛いくらいのわがままっ子で、一緒に居て楽しかったよ。」

 

「そうだったんですか....私たちに子供ができたら、そんな子になるんでしょうか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(ななななな...何を言ってるんですか私は!?なんだかさっきから変な気分でなりません!これはきっと昨日のことが原因です!だ、だって昨日のキョウタロウはお父さんみたいで、一緒にいるだけでとても安心出来ましたし?布団に入った時なんかはホントに暖かくて.....)

 

「……………」

 

(もう!私が悶々としているのに!なんでキョウタロウはあんなに平然としてるんですか!?不公平です!)

 

 

目の前で黙々と箸を動かすキョウタロウへ内心不満を垂らすが

 

(え....?“私たちに子供ができたら„だぁ!?そりゃキリノの子供なら天使(可愛い)に決まってんだろ!!おいキリノ!そんなこと言われたら俺はマジで勘違いするぞ!?良いのか!?)

「取り敢えず、着替えは部屋の紙袋に入ってるから食べ終わったら着替えな。」

 

「ありがとうございます。キョウタロウは本日は休みですか?」

 

「本当はそうだけど、キリノが元に戻ったって報告してそのまま仕事でもしてようかな。」

 

「お忙しい中、本当にありがとうございました。」

 

「気にすんな、俺がやりたくてやった事だ。」

 

 

その後、朝食を終えた2人は一緒に家を出ていく

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「フブキ!」

 

「そんなに声荒げてどうしたの?」

 

「私には魅力が無いのでしょうか.....」

 

「藪から棒だね。キョウタロウと過ごしてる間になんかあったの?」

 

「と、特に問題は無かったのですが....なんだか変な風に意識しちゃって、でもキョウタロウの方はいつも通りで.....もう、自分でも何と言ったら良いのか分からなくなってきました.....」

 

(あーこれアレだ。惚気ってヤツだ。)

「ひとつ言っとくと、キョウタロウがキリノの事を意識してないなんて絶対ないから。」

 

「な、何故そんなに言い切れるのですか....?」

 

「病棟でのキョウタロウのお願い、覚えてるよね?」

 

「....リンゴの皮を剥いて欲しいと。」

 

「私も先生も言わなかったけど、あれ端から見たらカップルだったよ?」

 

「は、はい!?!?」

 

「つまり、そゆこと。」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「ほらパパさん、この書類の最終チェックお願い。」

 

(アツコ....?)

 

「お父さん、今日のお昼ご飯どうします?私、向かいのファミレスに行きたいです....!」

 

(ヒヨリ....??)

 

「ボケっとしてないで、その書類終わらせてパトロールに行くよ.....父さん。」

 

(聞こえてるぞ?ミサキ....)

「お前ら疲れてんのか?様子がおかしいぞ。」

 

「姫達は至って正常だ。因みに私は、母さんと呼びたいのだが.....良いだろうか?」

 

「お前もなのか.....」

 

 

仕事に取り掛かろうとするや否やスクワッドの皆からの二人称が考えられない事になっていた

 

「待て.....お前らまさか、遊園地に居たのか!?」

 

「ああ、“自慢の娘„発言も、頭を撫でていたのも、全部見ていた。」

 

「そっか......じゃなくて!サオリが1番謎だ!何で母さんなんだよ!そこは父さんであれよ!」

 

「父さんなら良いのか!?」

 

「いやちょっと嫌だけど!まぁ.....」

 

 

ひと通り感情を曝け出したところで皆を一瞥する

 

「な、何で急に冷静になってるんですか?」

 

「お前ら、だいぶ明るくなったなって。」

 

「急になに、ちょっと気持ち悪いよ?」

 

「子供は笑顔が1番だって思っただけだよ。」

 

「.....姫以外は、皆お前のひとつ上なんだが...」

 

「その言い回し、本当にお父さんみたいですね。」

 

「これからもよろしくね。パパさん♪」

ちょいちょい小出しはしてるんですけど、うちの主人公の過去編もとい、転生当初の話とか欲しいですか?

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