ご都合主義のキリノ推しヴァルキューレ生 作:りっくらっくろっく
ウォーターパーク エーギル出向1ヶ月前
「補っ佐ちゃ〜〜ん、相変わらず仕事熱心っすね〜感心感心!」
「何ですか副長さん。今立て込んでるんで邪魔すんならあっちで懸垂でもしてて下さい。」
「釣れないな〜。それにその様子だとあの書類にはまだ手をつけてないみたいっすね。」
「......?なんか急ぎの書類でもあるんですか?」
「できれば急ぎで通してほしいモノがねぇ....」
コノカが山積みの書類を漁り始める
「ったく......デスク散らかさないでくださ.....おい!処理済みと未処理を混ぜるなよ!なに考えてんだ!」
「どぉどぉ、整理なら後で手伝ったげるから......っと、あったあったコレコレ。」
「こりゃ支援要請か。場所はエーギル....どこよ?」
「知らないんすか?最近できたばかりのウォーターパークっすよ。そこの保安任務の一部を委託、そのための申請と予算組。」
「へー、出向のメンバーは決まってるんですか?」
「それなら裏に。きっと驚くっすよ。」
促されるまま書類を裏返す
「....キリノ、フブキ、カン.......局長!?それに俺も!?」
「ハハハっ、補佐ちゃんは分かりやすいっすね。」
「いやいやいやいや、通常業務に書類仕事だって溜まりまくりだってのに.......
「これくらい補佐ちゃんが本気出せば4、5日で片付けられるじゃないのよぉ。それに分遣隊も、補佐ちゃんがいない間はしっかり面倒見てあげるからさぁ。」
「百歩譲って承認されたとしても、俺そもそも泳げませんよ?」
「そうか!なら今から戦闘水泳の訓練するかぁ!」
「絶対いやだ。」
「ってのはじょーだん。でも、ライフセーバーっすよライフセーバー。合法的に公安局の仕事を休める上に内容もきっと楽........」
そこからコノカが唐突に両肩に手を置き、顔を耳元までぐっと近づける
「な、なんだよ.....」
「そぉれぇにぃ見たくないんすかぁ?あの安全局ちゃんのみ・ず・ぎ♪」
「──っ!?」
「お?反応見せちゃったっすねぇ?そんじゃ、受理の方よろしくぅっ!」
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「ってことがありまして......」
「そうか、全ての始まりはお前が.......
「待ってください、違うんです。最終的に承認したのは上です。俺は承認される訳ないって思って処理したら予想以上に上がノリノリで....待って!ホントに!それ以上力込めたらラッシュガード破けるからぁ!」
「どこがだ。今の流れからして単にお前が丸め込まれただけだろ!それもいかがわしい理由で.....
「そこは全くもってその通りでございます!もはや言い訳の余地は微塵もございません。」
そこまで食い気味に言い放つとカンナが胸ぐらを掴む手の力を緩め、ため息をつく
「....すまん...お前に八つ当たりした所でもう状況は変わらないのにな。最初の持ち場はウォータースライダーだったな。これ以上2人と先生を待たせては悪い、急行するぞ。」
「.......りょーか......
「あの、すいません。お手洗いってどこにありますか?案内板みてもよく分からなくて.....」
「え?あぁ....ここかなり広いからな、案内するよ。すいません局長、少し遅れてきます。」
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「う、うわぁ....高い..... ほ、ほんとに大丈夫かな....?」
「大丈夫です!どうか緊張なさらずに!安全にご利用いただくために、まずは身長を確認させていただきます!」
スライダーのてっぺんに登る頃は既に3人が対応を始めていた
促された客は身長計にピタリと付く
「オッケー、身長制限は問題なし~。じゃあ、スライダーの内側に立ってね。」
「うぅ、こえ〜よぉ....」
「おいおい、イカつい見た目してなっさけねぇな。」
「み、見た目は関係ないだろ!?こちとら乙女だぞっ!?」
「悪い悪い、でも少しは気が紛れたろ?」
マスクで分かりづらいが、客の表情は最初と比べ柔らかく、肩の力も程よく抜けている
「それでは3つ数えたらボタンを押しますので!水流に乗って滑走をお楽しみください!」
キリノが客を止めるストッパーのボタンに手を置く
「いち、に、さん!」
「うわああああぁぁぁぁぁ!」
スライダーに飲まれた客の叫び声はあまりの速さにより一瞬で聞こえなくなった
"うわぁ......."
「思ったよりスピードが速いね。」
「なんてこった......安全基準どうなってんだよ...」
「なんでこんなのに乗るんだろうね。こういうのが好きなのかな.....?乗ってみる?」
「俺はパス。大人しく階段で降りるわ。」
"わ、私も見てるだけにするね...."
仲良くたじろいでいると次の客がやってくる
「お、頭部の保護がばっちりですね!」
(ん?コイツどっかで.....,)
「はい、身長も問題ありません!3つ数えたら押しますね!」
再びボタンに手を置く
「いち、に....あっ!?」
「2で押すなあぁぁぁぁぁ!!」
「はっ!つい手が滑ってしまいました!」
「気をつけてよね、怪我人が出ちゃうかもだし。キョウタロウ、次の対応お願いね。」
「お前もやれよ。」
身長制限をクリアした客をスライダーの入り口へ誘導する
「そういや、サングラスとか着けてるけど安全面とか大丈夫なのか?」
「うーん.....マニュアルによれば問題は無いみたいですね。」
「そっか。そんじゃ行くぞー。」
「よし来いっ!」
「さーん、にー、いー.....あ、ちょい待ち。」
「うおぉ!?な、何なんだよ!?」
「さん、にー、いち、ハイっ、で押すか?それともさん、にー、"いち"のタイミングで押す方が良いか?」
「どっちでもいいわ!!アタシの覚悟を返せ!」
「悪かったって、そんじゃ今度こそ行くぞ。.......いち。」
「ちゃんと数えろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「なんだこれ、やる側になると途端に楽しくなるな。」
「やば、キョウタロウが変なことに目覚める前に誰か代わってあげて。」
「わかった。私が交代しよう。」
「待って、最後にもう一回だけ.....
「ダメですよ!おとなしく局長と代わってください!」
名残惜し気なキョウタロウに代わりカンナがボタンの前に立つ
「ふう、やっとか。すごい並んでたな....
「静粛に!隊列を崩すな!」
「「は、はい!!」」
"なんでキョウタロウも反応してるの?"
「すいません、中等部時代がフラッシュバックしたもんで.....」
「お前を連行、いや、搭乗前に保安検査をさせてもらう。」
(((連行って行っちゃった.....)))
「ほ、保安検査?それより、あんた!なんだ。客に対してその口調は.......
「姿勢を正せっ!」
半ば強引に客を身長計へ押し込む
「基準を満たしていないな、搭乗不可だ。仕方ない。階段で退場するように。」
「な、なんだと?ここまできて乗れないっていうのか?1時間も並んだんだぞ!?」
「マニュアルによると── この設備には安全規定が厳格に定められており、事故防止のために身長制限が存在している。」
「こっちはお客様なんだぞ!?おい!責任者を呼べっ!」
癇癪を起こした客が地団駄を踏み始める
「お、落ち着いてください!」
「ちょっ!危ないってば!」
「オイなにしてんだ!ここから真っ逆さまになりテェのか.......って局長!?何するつもりで.....
「大人しくしろ。」
「イタタッ!?」
カンナが客の手を捻り上げ首を抑えようとする直前
「局長、それは流石にやりすぎだ。」
キョウタロウが首へ伸びる手を受け止め、客の手を掴むカンナの弾き掴み上げる
「なんのつもりだ。」
「俺が言うと説得力皆無かもしれませんが、俺たちは今ライフセーバーですよ?いくら規則違反した相手でも実力行使は極力控えるべきです。」
「法や規則とは、市民の安全を守るために存在する。そして、ウォーターパークの安全規定は利用客を守るためにある。つまり、このパーク内の"法"そのものだ。ライフセーバーとして法を破る者を制圧するのは当然のこ......
「なんだなんだあの2人!?喧嘩か?」
「あの人たち怖いよ....」
「身長制限に引っかかったら制圧されんのか!?」
「抗議しようとしただけで実力行使ってエッケンコーイってやつじゃないの?」
「誰か上の人呼んだ方がいいんじゃないの......」
「乗るのやめとこうかな....」
「何故だ.....?これは一体.....どういうことだ?」
組み合っていた2人の腕が力無く解ける
「ラ、ライフセーバーが客に暴力を振るおうとするなんて!教育はどうなってんだ!クレームを入れてやる!」
「本当に申し訳ありませんが、お客さんの安全の為にも乗せるわけには行かないんです。どうかお引き取りください。」
「.....チッ...あぁーあ!そーですか!」
件の客の怒りは収まることはなく、大袈裟に腕を振りながらアクアボブスレーを降りて行く
「....何か間違えたのか...,?」
「あの、局長?大丈夫ですか?」
「うーん...市民対応の業務って、公安局のやり方とは違うからさ....ね、キョウタロウ。」
「そうだな....どうしても大衆の目に晒されるから、良くも悪くも全部見られるんですよ。」
「......ままならないものだな.....」
「ちょっとちょっと!何をやってるんですか!」
「あ、オーナーさん...」
「先ほどお客様からクレームがありましたよ。なんでも、お客様を拘束しようとした様じゃありませんか!」
「そうだけどさぁ、さっきの人は安全規定を無視して駄々をこねてたし.....」
「だからといって、お客様に危害を加えていい理由にはなりません!」
「それはごもっともで....」
「生活安全局は市民対応に慣れていると安心していたのに......どういうことですか、これは!」
「も、申し訳ありません!」
「すまない........いや、申し訳ありません。」
「すいません。ウチの尾刃は少々訳ありでして.....」
「もう結構です!幸い未遂だったようですし、配置を変更しますから、次はどうか気を付けてください。」
オーナーは怒り心頭といった様子で床を踏み鳴らしながら降りて行く
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「くぅ〜〜、休憩時間だ〜。キリノ〜冷房ちょっと下げて〜。」
「配置替えの前に休憩なんて、随分と余裕たっぷりだな。」
「子供用プールの開放まで時間がありますからね。冷蔵ケースの中のお飲み物は自由に取って構いませんので、ごゆっくり。」
案内にあたった係員は管理業務が残っている、と休憩室に案内して早々に退室していく
「みなさん何を飲みますか?」
「私キンッキンのコーラ。」
"私も!"
「....お茶で構わない。」
「炭酸以外ならなんでも。」
キリノが両手いっぱいに抱えた缶をそれぞれに配る
飲み物を渡されるがカンナの表情は以前暗いまま
「気に病む事ないと思いますよ。局長は客の安全を第一に考えて行動したんですから。」
「だがその行動は端から見れば暴力として映っていた。」
「でも実際に触れた俺だからわかりますよ。本気で制圧するつもりならもっと力が入ってた場面ですけど、掴んだ手には最低限の力しか入れてませんでしたよね?」
「それは....そうだが.......」
「ま、過ぎたことはあんま気にしないで時間まではゆったりしよ。」
それぞれ椅子やハンモックに腰掛けゆったりとドリンクを楽しむ
「市民対応の業務すらまともに出来ないとは.....」
"元気出して!失敗なんてして当然なんだから。"
「ですが、請け負っておきながらこのザマでは....」
"大丈夫!私も最初は失敗ばかりだったからさ、出来る出来る!カンナならきっとできる!」
「.....ありがとうございます。」
先生と4人で卓を囲む中、唯一離れた場所でビーチチェアに腰掛けるキョウタロウへフブキが小声で話しかける
「さっきからずぅーとそっぽ向いてるけど、どうしたの?」
「あぁ?いや別になんでもない、気にすんな。」
「ああ、そう.....?」
(この状況でみんなの方に顔向けられるワケねぇだろッッッ!!!仕事中はそんなに気にしてなかったけど、いざしっかり見るとホントやばいっ!!)
(まず局長!普段はあんま意識しないけど....なんか、こう、すんごい!なんでその水着でいけると思ったんだよ!あんなのもう狂犬じゃなくて胸けn......いや、やめとこう。)
(フブキもだ。お前ほっそ!ちっさ!普段からフブキのシューズでっけぇと思って見てたけど....フブキの小ささを再認識すると、なんだか守ってやらねぇとって気にさせられる。帰ったらいっぱいドーナツ食わせてやるからな。)
(そんでもって何よりキリノ!なんだそのカッコは!?1番マジメで純粋なキリノが1番際どいカッコってのはどういう事だぁ!?紫の水着だけならまだ情緒を保てたよ?キリノの白い肌にガッチャンコする絶妙な色合いで最高だ。けど上から白T着るのは聞いてないよ。汗と水飛沫で透き通りすぎてるせいで何の問題もない水着が一気にヤラしくなっちまってるよ!次の持ち場キッズプールだぞ?色々と危険が危ない!........いや待てよ、俺が邪な目で見過ぎてるだけなのか?冷静に考えりゃ上着が濡れてるだけだしな......いや、冷静に考えたってあの身なりは色っぽ過ぎる。しかもTシャツを前結びにしてベストを羽織る事によって生まれた腹部の空間がスタイルの良さを際立たせている.....まぁ、それは局長とフブキも一緒だけど....)
(とにかく、後ろに広がる景色は
「聞いてますかキョウタロウ!!」
「わうぇ!?な、なんだ?」
「もう!何度呼んでも無視するなんてヒドいですよ!」
「ご、ごめんな?ちょっと考え事してた。それで、なんだ?」
「ど、どうでしょうか、この水着......キョウタロウは似合ってると思いますか?」
その場で全身を見せるようにクルリと回転する
回転の動きによってスルリと靡く三つ編みのポニーがより一層、本人を艶やかに写させる
「あ、あの...だんまりしてないで、何かコメントくれませんか?それとも何か変なところが.......
「ない。」
「へ....?」
「変なトコなんて何一つない。凄く綺麗で......えっと、か、可愛い.....ぞ。」
「おぉ!ストレートに言った!」
「そ、そうですか!面と向かって言われるとなんだか気恥ずかしいですね。」
軽くコメカミを掻き、はにかんだ笑顔を浮かべる
「もっと褒めてあげな?ウォーターパークへの出向が決まってから大好きなスイーツ我慢して絞ったんだから。」
「ちょっとフブキ!?余計なことは言わなくていいですから!」
「そうなのか。キリノらしいな。」
「も、もう.....私だって気にしますよ......」
「違ぇって、ひたむきな努力が出来る事だよ。」
「そ、そうですか.......」
「2人とも、惚気はそこまでだ。」
「「惚気!?」」
「なに驚いてんのさ、誰がどう見ても惚気だったじゃん。」
「とにかく、もうすぐ子供用プールが開放される時刻だ。準備をしろ。」
「「「了解。」」」
"次も張り切ってこー!!"