不定形人間は族長様を救いたい   作:紳爾零士

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不定形人間は女の子を救いたい

次回、転生チュチュ死すッ!!デュエルスタンバイッ!!

 

…とはならんわァッ!!

なんなの…!!あの無差別落雷起こしラクダくんはッ!!あれで起きたアザラシが暴走して危うく死ぬかと思ったわッ!!

 

取り敢えず女の子とアザラシ担いで、近くの洞穴にダッシュよ!?あー、いい筋トレになった…じゃないわッ!!生きるか死ぬかだった。

 

「ハァ…ハァ…。」

 

息を切らしてっから、取り敢えず座るけれども。お世辞にも良い環境とはいえない。湿ってるし、水滴ってるし。アザラシ君にはキツそうね。女の子も髪長いし、キツそうではあるわね。うん。ただ、外よりも涼しいし、無差別落雷起こし殺戮マシーンたるラクダくんの強行も届かない。屋根っていいなぁ…ってところでお釣りが現金以上に来る。死なないって最高。

 

さて、自分語りは置いておいて…。

 

問題はこの少女ですよ。褐色の肌、その歳には少し心配になる青色の口紅…青なのに紅とは…いやなんでもない。そして、背丈のせいか地面に当たってしまうのではないかとまで思うロングヘアー。親御さんは美容師嫌いだな。その割には真っ赤に染めてらっしゃる。おませさんねぇ。

 

歳的には小学3年生とか?そんな感じの褐色ロリ美少女。遜色なしに言うとメチャクチャ可愛い。あ、こりゃロリコン製造機ですわ、うん。

 

つーか、まぁ、アザラシ君の焦げた毛的に雷がちょっと当たったんだろうなぁ…。応急処置とチュチュの薬パワーで傷は癒した。息もあるし、あとは彼女が起きたらことは終わってるだろう。

 

「おや、ふふっ。どうした?」

 

アザラシくんが心配そうにご主人様を眺めている。…こうなったらなったで可愛いな。コイツ。さっきは死にかけたけどな。

 

わしゃわしゃしたくなる感じ。というか、わしゃわしゃしている。人間になって感動しているのはこの…なんというか、粗雑な毛並みを感じることが出来るのが、小さな喜びだ。アザラシ君は我関せずって感じだがな。

 

そして、この少女。…うーん。気絶しているということは記憶を読むことが出来るんだが。やってみるかね。少女の額に触れればあら不思議。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぐっ…ひぐっ…!?」

 

下手な映画を一本見るより、大号泣しちまったよぉ…!!なんだ、この子は。健気すぎるだろ。

 

さて、彼女の記憶を辿って知った内容がいくつかある。まずここはハイラルという場所。まぁ、これは予想ついてた。あれでしょ?退魔の盾サーファー蛮族マンがどっかで出るんでしょ。姫様といちゃついてろ、この野郎。

 

そして、彼女はゲルド族という女しかいない種族の族長らしい。…what's?この幼女が?…と思っていると見てみればあれだぁ。お母さんは早くして亡くなったらしい。ゲルドという種族上、タネさえあれば男は捨ててもよし。ずっとシングルマザーだったし、それが族長だったにも関わらず、そのお母さんが死亡。

 

彼女には姉妹もおらず、彼女が幼くして頑張っている…その折にあの全方向落雷殺戮マシーンの復活…(ヴァ・ナボリスという神獣様らしいが、知ったこっちゃない。此方とら死にかけてんじゃい。)となんか雷鳴の兜とかいう宝もんを盗まれて…。

 

踏んだり蹴ったりじゃないか。ごめんね。おませさんとか言って。しかも普通にいい子だったわ。お母さんよりも自分がちゃんと族長できるか、考えて…それで頑張ってんだなぁ…。

 

「う…うぅ…此処は…。」

 

族長ちゃん起きちゃったよ。

アザラシ君も族長さんに擦り寄っていた。うむ。眼福ですな。なんか、死んでからいい景色見てなかった気がする…。

 

「目が覚めた?」

 

「…う、ぇ…?」

 

…なぜだろう。少女の目がまぁるくなっていた。驚いて言葉を失っている?…ってやつ。俺、何かしたか?

 

確かに記憶を盗み見るっていう…幼気な少女じゃなければ黒歴史外流出事件に繋がるようなことしてはいるが。バレてないはず。ってなったらひとつか。

 

…またやったな。俺。

 

「…か、かか…さま?母様ッ!?」

 

少女はバッと飛び起きると俺に抱きついてきた。視点が高くなったなぁ…なんて思ってたけど、あれか、記憶に触れた時に無意識に形を変えてたのか。慣れないなぁ…。これ。このチュチュボディの特殊能力だろうが…。

 

「…何故です…!!何故、ルージュを置いて…空へ旅立ったのですかッ!!…ルージュは…ルージュは…まだ…母様と一緒に居たかったッ!!もっと話したかったッ!!」

 

…そうだよな。

お母さん失って、こんなことになってて、周りからの目も気になって…。辛いよな。死んだって事実に対して蓋をしたくなる事実もわかる。だからこそ、俺はこの子を弄んでるんではという悲壮感にかられるのだが。

 

泣く彼女の頭を撫でることしかできない。声を押し殺して泣く族長ちゃんの気持ちを考えると胸がギュッと掴まれる感じ。

 

…数時間、撫でながら…どうしようと思っている。

あぁ、なんで感動的なのだろう。まさか、死んだ母親に会えるなんて…これが擬態クソ野郎じゃなければ。

 

あー、なんて言おうかなぁ。族長ちゃん、だいぶ感極まってるしなぁ。

 

…どうしようかしら。なんて思ってると。

 

「…ぐすっ。…すまない。お前が…母様なわけないのにな…。」

 

赤く腫れた目をこすりながら、族長ちゃんはそう言った。良かったぁ。擬態クソ野郎はこの時点で胸を撫で下ろしましたよ。まぁ、ゲルド族とハイリア人の女の子を合わせたみたいな見た目をしているしな。…さ、さっき抱きつかれてる時に顔つきだけ変えたなんで口が裂けても言えないよ。

 

「…お前が助けてくれたのか。そうか、ヴァ・ナボリスに妾は…。」

 

「危うく死にかけてた。」

 

…俺も。

 

「…そうか。お前は妾の命の恩人ということじゃな。…妾はマキ・ア・ルージュ。現在のゲルド族の長じゃ。宜しくな。」

 

そう言ってふっと微笑む姿は歳よりも随分と達観した感じに見える。人間の…しかも、同性だから見せる笑みなんだろう。これが化け物で異性でってなったら…あぁ、怖い。

 

「宜し「言っておくが、お前が人間ではないことぐらいわかっておる。そんなに萎縮するな。」…え?」

 

あ、バレてました?

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