ハイリアに転生したらガノンドロフが妹でワロタ   作:へか帝

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ティアキンクリア記念です
ガノンドロフめっちゃかっこよかったですね


ハイリアに転生したらガノンドロフが妹でワロタ

 ハイラルに転生してワロタ。

 なんとなく既視感あるなとは思ってましたけどね。

 ハイラル草とハイラル茸が食卓に出てきてそれで気づきました。

 

 しかもガノンドロフが女でもっとワロタ。

 なんで?(真顔)

 

 ガノンドロフはゲルドの一族に百年に一度生まれる男っていう約束だろ?

 生まれながら王たる資格を有するという、運命付けられた男としてこの世界に生まれるのがガノンドロフという存在のはず。

 

 でもお前なんで女なの?(真顔)

 お前が女じゃダメだろういろんな辻褄が合わなくなるんだから。

 それか同姓同名の別人だったりする?

 するわけねえだろうハイリアの地に二人も三人もガノンドロフなんて名前のやついてたまるか。

 

 じゃあ百歩譲ってガノンドロフが女性であることは我慢する。

 ぜんぜん呑み込めないが、もうそこに女ガノンドロフがいる以上我慢する。

 

 で、お前なんで容姿がゼノブレイド2のホムラにそっくりなの?

 ゲルドの血どこにやった? 遺伝子組み換えってレベルじゃねえぞ。

 先祖返りどころか突然変異も甚だしいわ。

 

 それとも何か、唯一耳が尖っておらず丸い形をしているっていう特徴だけで古いゲルドの血統を主張するつもりか?

 髪も赤いね。揺らめく紅蓮のような赤い髪は確かにゲルド族の特徴かもしれないね。

 じゃあ肌も浅黒い褐色であるべきだろうがなんだお前のその潤いに満ちた白いたまご肌は。

 そんなんでゲルド砂漠に降り注ぐ日射を耐えられると思ってんのか。

 

 文句なんて考えれば考える程たくさん思いつく。

 が、生まれてしまったものはどうしようもない。この世界では、確かにこの人物こそがガノンドロフなのだ。

 

 ゆえに俺は、この魔王の卵に対して"お兄ちゃん"として接しなくてはならないのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──兄者」

「ガノンドロフだな」

 

 ゲルドの街の練兵場にて。

 佇む男の元に、真紅の髪をもった美しい女が声を掛けていた。

 

「王座を棄てる、と聞きました。とても正気に思えませんが」

「お前からすりゃそうかもしれんが」

「兄者はゲルドに生まれたヴォーイ。兄者を置いてほかに族長に相応しい者など、果たしてどこにいましょうか……」

 

 刹那、砂塵が巻き起こる。

 それは女、ガノンドロフが男へと斬りかかったがゆえ。

 

「思ってもないこと言うんじゃねえよ」

 

 男は振り向きざまにガノンドロフの薙いだ刀を防いでみせた。

 他愛もなく受け止められたそれを、ガノンドロフは苦渋に満ちた表情で眺めていた。

 

「では。兄者より弱い私に、このゲルドで王を務めよと?」

「俺はお前より強いなんて思っちゃいないが」

「兄者。妹をあまり愚弄するものではありませんよ」

 

 ガノンドロフの表情には、少なくない怒りが滲んでいた。

 

「このゲルドにおいて、兄者より武芸に秀でた者などおりませぬ」

「お前がいるだろ」

 

 男が小さなゲルドのナイフを振ったのを見切り、ガノンドロフが宙返りでそれを躱す。

 そして接地すると同時に再び地を駆けて男へと斬りかかった。

 だがそれもまた、男に細やかなサイドステップで躱されてしまうのだった。

 隙を晒したガノンドロフの脳天に、男のチョップが炸裂する。

 

「う゛っ」

 

 無防備な頭に手刀を貰って、ガノンドロフは思わず手に持つ刀を取り落としてしまった。

 男は、そんなガノンドロフを手のかかる娘のように優し気な瞳で見下ろしていた。

 

「お前より強いやつなんて向こう一万年は現れねえよ」

 

 事実、紅い髪の娘ガノンドロフは戦いの天才だった。

 ひとたび剣閃を結めば、不思議と世界の動きがゆっくりになったように見えるのだ。

 対峙する相手の動きが指先ひとつまで容易に観察できて、隙だらけに思えてしようがない。

 このゲルドの兵士を相手に、ガノンドロフは稽古でただの一度も負けがなかった。

 幼い頃でさえ、最高の練度を誇る衛兵さえ容易く負かせられた。

 

 だが、唯一この兄にだけは、ガノンドロフは勝利を収めることができていなかった。

 それはガノンドロフのプライドを大いに傷つけた。

 

「なぜ、なぜ……」 

 

 ガノンドロフは生まれてこの方、すべてが自分の思い通りになった。

 周りの環境もさることながら、何よりも自身の能力が秀でていたからだ。

 王に相応しいのは自分だ。ゲルドだけではない。ゆくゆくはこのハイラルでさえ、手中に収められるだけの器が己にはある。

 ガノンドロフはそう確信していた。

 

 だから、兄が邪魔で仕方がない。

 100年に一度生まれるゲルドのヴォーイという、自分以上に恵まれた立場も。

 誰よりも強いはずの自分よりも更に強い、その力も。

 どこからともなく仕入れた知識でゲルドの街を豊かにしていくその姿も。

 

 全部全部、気に喰わなかった。

 その兄が王座を棄ててゲルドを去るという。

 ゲルド族長の座は、当然私のものになる。だが、それでは意味がない。

 

「ゲルドを棄てて、……私を棄てて一体どこへ行こうというのです……!」

 

 手放した王座を拾い上げて、それで兄よりも良くゲルドを治められるのか?

 兄よりも弱いままなのに、兄よりも愚かなままなのに。

 

 その兄が、妹から兄を超える機会さえ奪って去ろうとしている。

 到底、容認できるはずがない。

 

 ゲルドの誰が認めようと、ハイラルの誰が認めようと意味がない。

 他ならぬ、この兄にこそ自分を認めさせなければならない。

 でなければガノンドロフは一生惨めなままなのだ。

 

 他の誰でもない。この兄をこそ認めさせなければ、ガノンドロフは一生自分が納得することができないことを分かっていた。

 

「いや、別に……適当にハイラル旅しようかなって」 

「……では、私も同行させていただきます」

「えっ?」

「何か問題でも?」

「いやお前、だって、ゲルドはどうする……って俺が言えた立場じゃねえけどよ……」

「ハイラルを巡り、見聞を広める。上に立つ者としても必要なことでしょう。説得は私がします」

「え、マジ? 本当についてくる気……?」

「ええ」

 

 こうして、魔王の卵を引き連れた旅は始まるのだった。

 

 死を運ぶゲルドの風。それしか知らなかったガノンドロフは、旅のさなかハイラルの生を運ぶ風を知る。

 それは奇しくも、力と支配を求めるガノンドロフを刺激するにはあまりに十分であった。

 

 だが。

 ゲルドとハイラルを支配するよりもまず、この兄を。

 この兄を屈服させないことには、ガノンドロフの魔王としての道は始まらないのであった。

 

 

 

 




女ガノンドロフに激重感情をぶつけられまくりたいだけの人生

対等以上の誰かが現れることを期待しているような言動してるし、もしいたらすごそう(こなみかん)
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