転生したらアズレンのシャルンホルスト(META)だった 作:ミッターマイヤー
唐突だが俺は死んだ。死んだ理由?
会社で仕事終えて帰宅してたら、帰宅途中の道沿いにあるマンションで何処ぞのバカ夫婦が喧嘩してて、どっちかが投げたかは知らんがフライパンが落っこちてきて華麗に俺の頭にクリーンヒット、あえなくお陀仏しちまったって訳よ。
・・・・・回想・・・・
「ふわぁ〜、また残業でこんな時間だよ。この辺この時間帯にはもう人1人居ないから少し怖いんだよなぁ〜。ん? どっかから声が、」
「ふざけんなよ、このクソ女!!」
「それはこっちのセリフよ!!」
「なんだ、夫婦喧嘩でもしてんのか? こんな時間帯にあんなバカでかい声で喧嘩なんて迷惑極まりないな。ん? なんか落ちてきて」
パコーン!!
[フッ、フライパンだぁー、どんな喧嘩してやがる!! あっ、これやべぇ、意識が、まさかこんな馬鹿な事で人生終わるな・・ん・・・・・て。]
・・・・・回想終了・・・・・
てな訳で、俺はあえなく26という若さで死んじまったよ。そしたらさ、マンガとかアニメでよく見る真っ白な空間に飛ばされた。
(自称神)「う〜ん、君ほんとにしょうもないことで逝っちゃったねぇ〜。」
なんと神様の見た目が小学生並みにちっこい女の子だった。
「あっ、今私の事ちっこいって思ったでしょ。心読めるんだからね?」
「ありゃ、なんともありがちな展開になって何も考えれなくて、その見た目にツッコんだだけだ。」
「プンプン、なんでここに来る人みんな私をちっこいって言うんだろ〜。これでも神様だよ? 敬ってよ。」
「その姿で敬えってのは無理があるぜ? せいぜい可愛がる程度だわ」
「ひっど〜い、せっかく不憫に思って転生させてあげようと思ってたのに、取りやめようかな?」
「あ〜あ〜、すんませんした、テンセイシタイデス。」
「なんか、本音じゃないように感じるけど、まぁいいや。で、君はどんな転生をしたいのかな?」
「そうだなぁ〜、平凡な人生はつまらんし、だからといって過酷なやつも嫌だ。あっ、いっその事推しのいる世界行ってみるか」
「推し?」
「神様ってゲームとかするの?」
「そりゃ、こんな退屈なところだよ?ゲームの100や200ないとつまらなくて死んじゃうよ。」
「うわ、桁が違った。まぁいいや、そのゲームの中でアズールレーンってゲーム知ってる」
「知ってるよ。船擬人化させた女の子育てて戦うやつでしょ?」
「おっ、知ってるのなら話が早い。俺あのゲームの中のシャルンホルストって娘が好きなんだよね。あっ、普通のシャルンホルストじゃなくて余燼のシャルンホルストね。あの女の子なのにイケメンなのが堪んねぇんだよ。」
「確かにあの娘はかっこいいよねぇ〜」
「おっ、知ってたのか。」
「神様だから」
「そんな全知全能な神様いる訳・・・・・、まさか」
「フッフーン、なんと、私、全知全能の神なのだよ〜」
「うっ、嘘だ〜!! こんなロリっ子が全知全能だなんて、俺は信じないぞ!!」
「あっ、またロリっ子って言った!!」
とまぁ、こんなコントみたいな感じの会話が延々と続き、ようやく転生の準備が整った。
「君、本当にKAN-SENに転生する気? 確かにアズレンの世界もあるけど、君の思ってるほど楽な世界じゃないよアソコ。」
「安心しなって、俺だって1アズレンユーザーだぞ?それに俺のゲームデータ内のシャルンホルスト(META)のステータスと装備で転生させてくれるんならまず死ぬようなステータスしてないから」
「へ〜、ソウナンダー。」
「あっ、信用してないな? まぁ、それに1度死んだ身だ、2度目があること自体がありがたい。もし死んだとしてもそれは俺のせいだ。神様である君には関係ないよ。」
「うわっ、もう死んだ時のこと考えてる」
「だってもう死んでるし〜」
「はいはい。じゃあ転生させるよ〜。え〜と、送るのはこの世界で、身体はこれで、記憶もこうして、よしっ。じゃあ、2度目の人生楽しんできてねぇ〜。」
「おう、ありがとなロリっ子神様。」
「あ〜、またロリって言ったぁ〜」バンバン
「あっ、おい、物に当たるなよ。それにそれって」
「あっ、転生させる世界変更されてる!!」
「おいっ、ちょっとまっ、うわぁーーーーーーーーーーーーー」
俺が神様をからかったら、神様、転生させる装置に八つ当たりして、転生先の世界かわっちまった。ウッソだろおい、まぁ、俺が辛かったのが原因だけど、
そんな事って無いだろ〜〜〜〜〜〜〜〜!!
ちなみに、全部いい切る前に足元が消えて落ちましたよ、ここまでベタな事ってあるかよ。
「う〜ん、ハッ!! ここは何処だ!!」
何時間たったのだろう。俺は砂浜で目が覚めた。見渡す限りの海と聳え立つヤシの木、そして波の打つ音しか聞こえないこの場所。どうやら俺は無人島に身一つで放り出されたらしい。
島はそこまで大きくはなかった。それに人が住んでいた痕跡もある。しかし発見した建物は何年も前に放棄されたのかかなり廃れていた。もちろん人がいるはずもなく、俺はその廃墟で1晩過ごした。
「あ〜、なんであの時神様揶揄っちまったんだろ。てかここ何処だよ。それにどの世界線だよ。」
改めて自分の身体を見る。前世では無かった少し大きめの膨らみが2つ、そして闇に解けそうなほど暗い色をし、端の方が焼け焦げた様なデザインの軍服、服とは対を成す程に真っ白で膝まで届くほどに長い白髪、そして左目には軍服と同じ色の眼帯、まさに俺がアズレンのゲームの中で1番推していた余燼のシャルンホルストだ。
「俺のゲームデータにあったシャルンホルストなら、装備は406ミリ3連装砲MK7に61センチ4連装魚雷発射装置、ボフォース40ミリ4連装機関砲、高性能対空レーダーに高性能火器管制レーダーだった。あれなら設定上ピュリファイヤーやテスター程度なら圧倒できる。それにレベルも最大の125まで上げてたし、スキルと装備も最大レベルまで強化してる。」
自分の推しであった事から、全ての性能が最大まで強化されてる事を思い出し、ある程度なら自分でも戦闘が可能である事もわかった。
「そういえば、俺KAN-SENに転生したからまだ1度も水の上に立ってないわ。」
そんな事を思い出し、小走りで昨日目覚めた砂浜まで行く。
「よーし、行くぞ。絶対に立てる、絶対に立てる!!」
そう念じながら水に足を入れる、そして、
バシャン!!
「へっ?」
立てなかった。
「なんで? あっ、艤装展開してなかった。そりゃ立てないか。」
なんという凡ミス、艤装を展開していない事に今更気がついて、艤装を展開する。
「うわぉ、ゲーム内で何度も見たけどやっぱり鉄血の艤装ってすげぇよな。近くで見たらこんなに威圧感あるのかよ。」
アズレンユーザーのみんななら分かるだろうが、鉄血艦の艤装はとにかく禍々しい。大半のKAN-SENは許容できる範囲の大きさであるが、1部のものは明らかに大きく、そして強烈な威圧感を放っている。それはシャルンホルスト(META)も同じ、いや余燼化した事により更に禍々しくなっている。
自身とは接続されない自立型の艤装、龍を模しているのか1つの鋼鉄の頭部に、一対の腕、283ミリ砲(外見のみ)が3つあり、尻尾と思われる場所には105ミリ高角砲が2基、見る人から見れば恐怖を感じるかもしれない。
「これ、勘違いとかで攻撃されないよな? そこんとこ考えてなかったわ。てかこの世界がどの世界線かもわかんねぇし、ちょっと違う島行ってみるか。」
そう呟いて艤装を展開したまま海面に再度足を伸ばす。
「よし、今度は立てた。え〜と、前進するには、進むイメージすりゃいいかな?」
そうして頭の中で前に進むイメージを思い浮かべると何もしていないのに進み始めた。
「おぉう、海を進むってこんな感じなのか。よぉし、次は艤装だな。まずは主砲。え〜と、まずは標的に出来そうなものは・・・無いな
。仕方ない、さっきまでいた島に撃ってみるか。」
そうつぶやくと彼は180度反転し島に向けた。
「目標との距離は大体1000、弾種は徹甲、おぉ、自動で仰角調整してくれるのか、こりゃありがたい。よし、主砲発射準備よし、全門斉射ぁ〜!!」
次の瞬間、艤装にある283ミリ3連装砲から爆煙と轟音が轟き砲弾が発射された。
「うぅっ、こいつぁ強力だな。衝撃が予想以上だ。まぁ見た目28センチだが本当は40.6センチ砲だから仕方ないか。」
そんな感想を思っていると、ふとさっきの砲撃がどうなったか気になって目線を島に戻す。すると
「げっ、やっば、こりゃ威力高すぎやしないか?」
島は着弾したと思わしきところは全て吹き飛び、硬いと言われているヤシの木は無惨にへし折れ、弾着の衝撃波で一夜を過ごした建物は長年の疲労もあってか崩れ落ちていた。
「あ〜、よし、何も無かったことにしよう!!」
こんな被害をもたらした彼は今の出来事を何も無かった事にしようと決めた。
「よ〜し、これから冒険だな。まずここが何処か知らないといかんし、誰かと接触もしないとな。最悪戦闘になるかもだし気を引き締めて、レッツゴー。」
あれから2時間経った。なのに誰も居ねぇ。ほんとにここ何処だよ、レーダーにはちょくちょく映るけど行っても誰も居ねぇ。衛星の電波を受け取る昨日は無いし、無線通信しようにも何処に繋げればいいか分かんねぇ。
なんて考えてたらレーダーの効果範囲ギリギリに反応が出た。しかも今までみたいな弱い反応じゃなくて、めちゃくちゃ強い反応、しかも耳を澄ませると何処と無く砲撃音も聞こえてくる。
「おん? なんか出たな。一か八かで行ってみるか」
彼は1人で居ることに飽きてきて居たので、レーダーに写った船?に接触する事を決めた。
「さーて、吉と出るか凶と出るか、それは神のみぞ知るか。いや、あの神がそこまで知ってるのは嫌だな」
一方、シャルンホルスト(META)のレーダーに写ったのは中部太平洋に位置するトラック諸島から出撃した"艦娘"達であった。しかも彼女らは運悪く戦艦と重巡を主力とする深海棲艦の打撃部隊と鉢合わせてしまった。トラックから出撃したのは高速戦艦"榛名"を旗艦とした高速艦隊。榛名以外に重巡摩耶、軽巡大井、駆逐艦夕立・電・雷の計6人。
いつも道理の遠征・哨戒であったのならば十分な打撃力と機動力を持った編成なのだが、今回かち合ったのは戦艦タ級2、重巡リ級4を中核とした中規模打撃艦隊。
"艦娘"部隊には戦艦と重巡が共に1人ずつしか居ない為、火力で負けている上に金剛型は元から装甲が薄い、さらに主砲は35センチ砲と戦艦としての火力も弱い、1人で戦艦タ級2隻を相手取るのは不可能に近い。更には周囲にいる駆逐艦級からも横槍が入る為、砲撃に集中する事が出来ず精密な砲撃ができない。
そのせいでジワジワとそして確実に追い込まれて行っていた。
「みんな、燃料と弾薬はどれくらい残ってる?」
「アタシは燃料は3分の2くらい残ってるが弾薬が足りねぇ。もう対空火器の弾は切れそうだ。主砲の残弾も心もとない。」
「私は魚雷の残りはゼロ。主砲弾も残り僅かです。」
「夕立はもうキツいっぽい。燃料は半分を切ったし、弾薬もほとんど残ってはいっぽい。」
「私達も夕立とほぼ同じです。」
「不味いですね。先程提督に報告して援軍を出して下さった様ですが、ここまで来るのには1時間はかかります。それまで持ちこたえなければいけないのですが。出来そうですか?」
「正直に言ってムリだ。駆逐艦どもなら倒せそうだが、タ級とリ級はキツい。榛名はどうだ?」
「私も正直きついです。タ級1隻だけなら相手出来そうでしたが2隻となると火力が足りません。」
「大井と駆逐はどうだ?」
「こっちも無理っぽい。重い一撃は食らってないけど、小さい被弾のせいでみんな中破に近いっぽい。」
「そうか。どうする榛名。」
「このまま撤退を可能な限り続けます。諦めないでください。きっと提督なら助けて下さります。」
「・・・そうだな」
この時既にみんな気がついていた。いくら提督が援軍を出してくれても到着する前に弾薬も燃料も尽きてしまう事に、そしてそれは自分達の死を意味する。
だが、だからと言って諦める彼女たちでは無い。彼女たちが生まれた理由は人類を守る事、だから彼女達は最後まで諦めずに戦う事を決めた。
その時
ドオォォォーーン!!
相対していた深海棲艦の艦隊の後方から砲撃音が聞こえた。
「なんだ!! 新手か?」
そんな風に思ったのも束の間、放たれた砲弾は艦隊の最後方に陣取っていた戦艦タ級2隻を一撃で粉砕した。
「なっ!! なんだありゃ!! タ級が一撃だと!!」
摩耶は信じられないものを見るかのような声を上げた。さらに追い打ちを掛けるように魚雷が周囲の駆逐や軽巡に突き刺さり、こちらもまた一撃で消し去って行く。
そして彼女らが目にしたのは、漆黒の制服を身にまとい、とても長い白髪をたなびかせながら、周囲の深海棲艦をものすごい手際で殲滅していく、美しい女性。
艦娘の中でかなりイケメンで頼れる兄貴的存在の摩耶でさえ惚れてしまいそうなほど美しい女性だった。
艤装の大きさからして恐らくは戦艦、だと言うのに今目の前で繰り広げられているのは、とても戦艦がやるとは思えない近接戦。
主砲で深海棲艦の軽巡達を吹き飛ばしたと思ったらすぐさま反対方向に高角砲をぶっぱなして接近して来ていた駆逐や軽巡を葬り去って行き、更には牽制だろうか魚雷を放ち、それでまた敵を殲滅していく。
あれだけ死を覚悟した相手を、突如現れた謎の艦娘は瞬く間に殲滅してしまった。
殲滅が完了したのだろうか、その艦娘は私たちに近付いてきた。
「君達、無事だったかい?」
そう声を掛けてきた彼女はとても綺麗で、そこに居た6人は一瞬の惚れてしまった。
・・・・少し時は遡り・・・・
「そろそろ見えてくるかな。ん? こりゃ砲撃音、誰かが戦ってんのか?」
彼はそう考えると艦載されていたアラドAr196を発進させて目的の場所の状況を確認した。
「ん? おいおい、あれって"艦娘"の榛名と摩耶じゃん、あっちには大井と夕立に雷電姉妹も、て事は相手は、うっへぇ、タ級とリ級じゃんしかもタ級は2隻、リ級に至っては4隻も居んじゃん。こりゃかなり不利じゃねぇか? てかその前にこの世界艦これの世界かよ。」
アラドAr196に意識を飛ばすとそこに映ったのは前世で見た事ある娘達が居た。どうやら艦隊これくしょんの世界に飛ばされたらしい。
「て事は、俺のステータスってやばくね?」
そう、彼のステータスはアズールレーンのゲームデータのまんまこの世界に来ている。もしこの世界の艦娘達のステータスがゲーム通りならばKAN-SENであるシャルンホルストは彼女達の5倍近い数値である。つまり高角砲弾の一撃で戦艦を撃沈可能になる程に性能差があるのだ。
「まぁ、そんな事は今どうでもいいや。まずは彼女達を助けないとな。主砲砲撃用意!! 目標、戦艦タ級2隻、弾種徹甲!! ってぇーーー!!」
腹に響く大音響とともに砲弾が撃ち出され、寸分狂わずにタ級の胴体を貫通する。
「わぁお、分かってはいたがつえ〜。おっと、ここからは切り替えていかないとな。」
1番の脅威は取り除いた、ここからは殲滅戦だとばかりに敵集団に突っ込んだ。主砲が装填される間に副砲の10.5センチ砲と40ミリ機関砲が火を噴き、イ級と思わしき深海棲艦を纏めて蜂の巣にし、間に合わない者には魚雷と自らの拳で応戦、主砲の装填が終わった事を確認すると残りの雑兵を纏めて吹き飛ばした。
(う〜ん、やっぱり弱いな。確か戦艦タ級ってネームド意外だと結構強かったような、艦これやってなかったから分からんけど。 おっと、榛名達は無事かな?)
そう考えながら彼女達に声をかけた
「君達、無事だったかな?」