桜と彼岸花の少女   作:暗闇水明

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はい、今回はオリジナルストーリーを含めた2話完結です。3話は以前よりかは短くなるかな…そろそろ、ちさたき書きたい。

今回は結構長めです。

それでは、どうぞ!!




Chapter10 Ture Mission

夜の高速道路は少々ライトがまぶしい。あらゆる遠方から来た車が数々走り抜けてくる。早送りすれば光の糸を紡いでいる。

 

これは都心の映像であるからこそみられる光景であるのであるが、糸は多くなれば一つの布となる。

 

だが糸を紡いでいるのは何も都心だけではない。

 

そこが山でも上から映像を早送りすれば、それは谷の間に流れている川だ。車のライトは美しく流れ、映像は幻想的に映る。

 

依頼が終わった武装集団も山でその紡いでる川の流れの一つに紛れていた。

 

「いや~一時はどうなることか…ばれなくてよかったぜ」

 

武装集団たちは現在、ウォールナットを暗殺成功を静かに祝っていた。一般車に紛れながら、自分たちへのアジトへと向かっている。

 

「このあとどうする?家族そろって宴会とするか?」

 

「ああ…」

 

「元気なさそうだな?」

 

助手席にいた男は、先ほどから考え込んでいた。当然だろう、敵であるはずの自分を殺さないでいたから。裏世界で生きてきた彼にとって家族以外の愛を知ることなんてないに等しかった。それが裏世界の常識だと考えていた。

 

男は、少年時代から荒れていた。喧嘩も多ければ、親にのけ者扱いされてきた。だからこそ人の温かさなんて知らなかった。そんな中唯一の愛を知っていたのはいずれ妻になる恋人に出会った時だった。

 

そこからだろうか、彼がまともに人生を送れたのは。何とか、高校を卒業して結婚した妻のために就職した。給料はそこまで低くなかったから頑張れた。男は必死に働いた。働いて出世して…それで金をため続けた。

 

妻と男は小さいながらも平和に暮らしていた。やがて子供が生まれ、父親となった男は守りたい家族というものができた。

 

しかし男に悲劇が舞い降りる。

 

 解雇されたのだ。原因は業績の悪化。当時、自分が担当していた事業が失敗して株価は暴落。責任を押し付けられ結果クビとなったのだ。その時の人の悪意はすさまじかった。人々の悪意が男をむしばんで狂わせた。行き当たりばったりで住んでいた家も追い出される寸前だった…

その後は、家族を守るために違法な武装組織にまっしぐらだった。いい儲け話があると昔のヤンキー仲間に誘われたためだ。実際金は儲かったし、食べさせるには困らなかった。

 

今も自分の行いを善とは言わないが家族のためだったら間違ってないと思っている。

 

だが…千束の温かみに触れたことで彼の心は少々の後悔が残る。

 

(もし、早く出会えてたら…)

 

そんなことを思っているときであった…

 

「おい?なんかおかしくねぇか?」

 

「どうした?」

 

運転手が高速道路の異変に気が付いた。

 

「対向車線、やけに車が通らなくねぇか?」

 

「夜だからじゃないか?」

 

「それにしては…」

 

そういいつつ、あたりを見渡す。

 

男たちの車には、トラックが前に。後ろにはバイクが2台あった。いかにも自然な状態であった。

 

そう自然な状態だったのだ…

 

「がぁ!」

 

「…?!おい!!」

 

瞬間、運転席に座っていた仲間が頭から血を流していた。男はすぐに即死だと気が付いた。

 

「いったい何が…っ!!クソ!!」

 

男はすぐに、助手席からブレーキを踏む。しかしハンドルを離した状態ではコントロールは難しかった

 

「ぐぉおおおおおおおおおおおおおお!!」

 

コントロールを失った車は、スピンしながら勢いよくガードレールにぶつかる。

 

「おい大丈夫か?!」

 

「ああ、何とか…」

 

後ろに座っていた3人は何とか無事で済んでいた。急いで男たちは車から降りる。

 

「後方車両は…ッ!」

 

そういい終わる前に、後方車両に目を向けていた。しかし、そこにあったのは…

 

「ふっふっふ~やっぱり爆発は良いわね!」

 

仲間が乗っていた車が爆発して燃えていた。

 

「鈴様、言いましたよね?数人は生かすって」

 

「そういわないでよ~ソフィアちゃん♡前方車両の一人生かせばOK~でしょ?」

 

「はぁ・・・・キモッ」

 

「(´・ω・`)」

 

その目の前にはメイド服の女とロングコートを着た女が一人がいた。

 

「クソッ!!うてぇえええええええ!!」

 

男はすぐに持っていた銃で応戦しようとする。

 

「ひぃひひひひ・・・・っ!」

 

後ろから声が聞こえた。不気味で狂気がにじみ出ているような、そんな笑い声だ…後ろを振り向けばそこには同じロングコートを着た男がトラックの中にいた。しかも、手持ちには…

 

「ミニガンだ!!」

 

「ひゃぁははははははははは!!!!」

 

 

瞬間、のこぎりみたいな音と共に、多数の鉛玉が彼らを襲う。

 

「ッ!逃げろぉおおおおおおおおおおお!!!!」

 

「おいぃ!逃げるなよぉ逃げんなよぉ!!もっと遊ぼうぜぇええええええ!!」

 

逃げようとしても、ロングコートの男の鉛玉は止まることを知らず退路はふさがれ反撃しようとも弾幕が激しすぎて反撃できずにいた。

 

「クソッ!」

 

「がぁ!!」

 

「・・・・?!」

 

それと同時に、一人の男が倒れる。先ほど千束が使っていた赤い粉末が宙を舞っていた。

 

「やれやれ、連。派手にやりすぎだ」

 

撃たれた方角から先ほどのバイクのドライバーがM1887ショットガンを持って彼らに近づいてくる。ゴム弾で死ぬことはないがそれでも覇気が伝わってきた。

 

(ミッションコンプリート、隊長~私帰る)

 

「ふざけんな、咲。あと捕縛作業が残っている、すぐにこちらに来い」

 

(え~私、狙撃したのに?別にいいじゃん)

 

「輸送もあるんだ、後にあいつらとも合流するからさっさと来い」

 

「利香、どうでもいいだがたばこくせぇ」

 

「黙れ」

 

(なんなんだ…なんなんだこいつら…ッ!!)

男は何が起きたのか理解不能だった。一瞬、ほぼ一瞬だった。自分たちは少し不十分だとしても最低限の武装と経験がある。それにたくさんの戦地へ戦いに出ていた。

 

それなのに、こんな一瞬で終わることなんて戦場でもなかった。

 

だが、現実としてこの少年少女たちに自らは蹂躙され仲間は数人殺され自分たちはそのまま捕縛されている。

 

信じられない…誰もが思うだろう…

 

だが、彼らは普通の人間ではない…ロボ太から聞いていた話を思い出せばそれはすぐに分かった。あの少女たちはリコリスだということ…そして、裏社会でもうわさが絶えない正体不明の特殊部隊の一人が加わっている。

 

その情報を照らし合わせるとすぐに分かった。瞬間自分に運がないと思わされた。と同時に落胆した。

 

自分たちは、恐れられている組織と敵対したのだと…絶対に勝てない相手と戦ったのだと…

 

それがわかった瞬間、男は無意識に彼らの名を呼んだ…

 

「ブラッド・デーモンズ…」

 

そうして彼は、意識を失うのであった。

 

◇◇◇

「零、大丈夫?体に異変は?血は?」

 

「あ、おう大丈夫だ・・・・」

 

「…二人とも死ななくてよかった、二人が無事なら私は大丈夫だからさ」

 

「すいません…」

 

「たきなのせいじゃないよ。零も落ち込むことはないから」

 

・・・・やっべぇ!めっちゃ空気おめぇ!!いやそりゃあ当然だけども!!それでもこの空気結構きついんですけど。

 

まぁ?確かに俺も悪かったよ。そりゃあね。でもさ、これから種明かししたかったんだけどこのなんとも言えない空気!さすがに俺も気まずいよ。何せ俺もだましていた本人だったしさぁ。

 

しかもここまで心配されるとは思わなかったよ。あれくらい、すぐ回復するの知っているくせに大げさなんだよ、千束は。あれくらいだったら今の時代は大丈夫だって言うのに…

 

いや、マジ。この後どうしよ。だってここまで重いとは思わなかったよ。まぁ大方俺も悪いんだけどさぁ!!あの撃たれたところはガチのミスだったし。利香に知られたら何かしら訓練を課されるだろうなぁ。というか、どうしようか。

 

マジで種明かしする暇ねぇ…どうしようか俺の口で言おうか、ミカさんは運転に集中しているし、ミズキ?!お前が一番暇なんだからお前がやれ!!

 

といっても、だるいって思ってんだろうな~雰囲気でもうまるわかりだもん。この空気俺耐えられんよ…

 

「まったく、僕はこんな空気耐えられないな」

 

「…え?!」

 

その途端、ウォールナットの声と共に着ぐるみを着たミズキが起き上がる。まぁそんな反応するわな…

 

「ぷはぁ!!」

 

「ミズキ!!」

 

はい~どっきり大成功!!のように出てきましたミズキさん。助かる!感謝、圧倒的感謝!!

 

「お疲れミズキ、ほら」

 

「先生?!」

 

お、缶ビールか。意外、てっきりもっとアルコール濃度高いやつだと思っていた

 

「ぷっはー!!着ぐるみの中は熱いからね、このキンキンに冷えたビールはやっぱり最高だわー!!」

 

「え…?どういうこと?!ねぇどういうこと?!」

 

「落ち着け、千束」

 

「え…?零も知っていたの?」

 

「ああ、事前に聞いていたからな、敵をまくのは死んだと思わせるため、俺たちも時々使っていたからな」

 

「零は演技上手いからな、こちらの予測していたのとは違う異常事態にも対処できるよう頼んだが…」

 

「いらなかったようだな、そのような状況でも冷静に対処できる…見事だった」

 

「つまり…?今回誰も死ななかったし、みんな無事ってこと?」

 

「…そうなるなぁ…撃たれたのは、ミスだったが」

 

「首を狙うスタイルなのはわかるがもう少し状況を見るんだな、普通なら死んでいるぞ」

 

「悪い悪い」

 

そのみんながどれを当てはめているかはわからんが…まぁ少なくとも千束にとっては喜ばしいことか…

 

というか、千束?なんかプルプル震えてんだが?

 

「よかったぁ~みんな無事でぇ~!もう

 

ぐぇえ!苦しい。やっべこいつ常人の力より強いのはわかるし今の俺は千束より弱いし、た、助けてくれぇえええええ!!

 

「ミスした罰だ、しばらく付き合いなさい」

 

ふざかけんなぁあああああああああああああああああああ!!

 

あ、やべ。そろそろ…

 

「キュウ・・・・」

 

「あれ?零!?零―!?」

 

◇◇◇

 

(どうやら成功したみたいですね…)

 

「ああ、依頼料は払ったしようやく解放されたよ~」

 

やっと終わった~途中、映像が途切れたけど後に殺せたというから一時はどうなるかとも思った。はぁ~ともかくこれで僕が最強のハッカーになった、やっほー!!

 

(ところで、彼らは?)

 

「あ?ああ、もともと依頼料はあっちで振り込まれて達成と同時に僕とのつながりは終わったよ。あの組織だったら不審に思われないしな、それ以降もう聞きたくないからバッサリだ、僕の着信履歴も消しといたし、ばれる心配はないぜ」

 

(…そうですか)

 

「どうした?」

 

こいつさっきから何を黙っているんだ?依頼が成功したから僕はもうハッピーなの!!変な空気にしないでくれ、とこんなことしている場合じゃねぇな。

 

エナドリ飲もう~

 

(あんまり、彼らを舐めない方が身のためですよ)

 

…なんか言っていたけど今はテンションサイコーだから無視しよー!!これから僕の無双劇だぁーーーー!!!

 

◇◇◇

「千束、そろそろ機嫌を直してはくれないか?」

 

どうもー千束でーす。はい、私、今めっちゃ不機嫌です。だって、先生たちに騙されたようなもんだもん、ちょっとは怒りたくなる。

 

「俺たちもだますような真似をして悪かった」

 

「・・・・事前に教えてくれてもいいじゃん」

 

「千束は演技苦手だからなぁ…」

 

みんな演技へたくそって私そんなに演技がダメなのかなぁ…

 

「ほら、団子食うか?」

 

「ほー、甘いもので釣ろうと?」

 

「食べないのか?」

 

「食べる食べるー!」

 

やっぱり先生にはかなわないなぁ~お団子おいしそ~

 

「やっぱり命大事にってやり方無理があるんじゃないんですか?」

 

その時、たきなが私を鬼の形相のように見つめてきた。

 

「今回のことがなければあんな失敗なんて死なずに済んだのに!!」

 

あー、たきな、やっぱり引きずっているのか~。まぁ納得はするんだけどね~

 

「目の前で死にかけている人を見捨てることなんてできないでしょ~」

 

「私たちリコリスには殺人が許可されています、敵の心配なんて…」

 

「たきな」

 

「今回は、たまたま敵だっただけ…誰も死んでないんだったらいいじゃん」

 

「…そういう問題じゃないと思います…」

 

「・・・・」

 

「…?零?」

 

「…ああ、いや。何でもない」

 

そういって零はそのまま部屋を出ていった。着替えをするっぽい、いつものように後ろ姿可愛い!

 

でも、どうしたんだろ…なんか気になるなぁ…

 

◇◇◇

 

…なんか、悪いことしちまったな。俺も…

 

時々千束がうらやましくなる。あいつはいわゆる誰からか求められているようなそんな奴だ。でも俺は違う…

 

俺はどちらかといえば真逆だろう。ミステリー小説でよくある犯人像だろう。それか目的のために手段を択ばないどうしようもない奴とか…そんなもんか…

 

あいつはとてもいいやつだ。俺みたいなやつはとことん最悪で時にどっちが犯罪者かわからない時だってある。

 

確かに組織自体もあいつに対しては一際注意しているし、殺すことを第一目標としている。

 

唯一、この組織に対抗できるのだから…

 

だが、今回は単に俺の勝手な要望もあった。

 

俺には、とてつもなく恨んでいる奴がいる。

 

BD部隊に入ってすぐはちょくちょく見かけるようになったがしばらくするとピタリとなんも音沙汰なくなっていた。

 

俺は探し続けた。できる限りSCには迷惑が掛からないように、そしてそれがプラスになるようにした。

 

思えば運がよかったのかもしれない。

 

組織と俺はそれぞれ利害が一致していた。もし、一致していなければこの作戦も却下されていただろう。本当、運がよかった。

 

確かに司令官は恩人だし返せるようにしたい…でも結局は俺はどちらかといえば利用している。

 

本能のままに動いているような気がして…それは千束も同じなんだろう。それが根本からの人間性を表しているんだと思う。

 

その姿はまるで…

 

「なんで、俺って生まれたんだろう」

 

「そんなの考えても無駄だろう」

 

ウォールナットか、なんだウォールナット…

 

「うええ?!」

 

「どうしたの?ってウォールナットさん、どうしたの?!」

 

びっくりしたわ、ちゃぶ台の上でだらけていたら急に出てきやがったもん。びっくりするわ!

 

「今日からしばらくかくまってもらうことにした、ここで働くのが条件だがな」

 

「そうか~よろしくね!」

 

「よろしく」

 

ウォールナットさん、仕入れで暮らすんだ。なんかどっかの狸思い出すなぁ…

 

意外にも新人増えたな、しかもハッカー、結構すごいな。いやうちの主治医もハッキング力はあるけどね!?

 

「じゃ、よろしく」

 

「ちょっと待って、名前教えて!」

 

「は?いいだろ?ウォールナットで」

 

「ウォールナットはもう死んだんでしょ?教えてよ」

 

まぁ確かに、ウォールナットだと厄介だからな…本名もどうかと思うが…

 

「クルミ、クルミだ」

 

あーだから、ウォールナットか。リスだからな、納得。

 

チョイ、不安だがまぁいいだろう。それに、結構天才だからなこいつ…おいておく価値はある。

 

となれば、息を整えて…よし、いうか。

 

「よろしくな、クルミ」

 

「…よろしく」

 

なんか可愛いな、こいつ。

 




はい、2話完結しました。次は3話に入ろうかと思いますがその前にオリジナルストーリーも入るかもしれないです。

次回、次のプリコネキャラも入れる予定なんでよろしくお願いします。

それでは次回もお楽しみに!!
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