私は○○○○   作:星のすみっこ

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お気に入り、評価、感想ありがとうございます。
作者は未だに小説書くのに慣れてないです。
不備がございましたら温かく教えてくださると幸いです。


青い星

宇宙船に追われるスナークは、柔軟な躰を活かしてデブリの間を縫うように飛ぶ。

青く尾を引くその姿はさながら流星のようだが、その優美な姿とは裏腹に本人は必至だった。

 

デブリの影から出たスナークを、宇宙船からの光線が掠め、チリチリとした熱を感じながらスナークは焦っていた。

 

相手も苛立っているのか、幾度も射撃を繰り返す。

スナークは光線が苦手であり、とても射程がみじかい。故に遠距離での攻撃手段は無いに等しく、逃げようにも遠距離からの攻撃で逃がしてはくれず、ひたすらに回避に専念していた。

 

(地球は見えているのに!!このままだと体力が…)

 

 

気にかかるのは、交戦中に地球から感じた悲しい感情()

 

 

前世の影響からか、動物的な行動をとる普段のスナークであれば本能的に警戒しただろう。

だが、意味は分からなくも、その声は強くスナークの心を揺らし

 

(行かなくちゃ。)

 

そう強く感じさせた。

 

次の一撃を右へ回転し回避すると、近くのデブリを宇宙船に向かって蹴りつけるが、

ひらりと旋回し躱される。

 

(いまだ!)

 

その隙にスナークは加速し一気に突っ込んだ。

無防備なその姿に、良い的だと船内の宇宙人は「はっ、馬鹿な奴だ。こいつを喰らいやがれ!」とニヤリと笑う。

 

チャージされた強力な一撃が放とうとされるその瞬間、スナークは突っ込んだ勢いのまま、前方へ体を回転させると、尾で掴んでいたデブリを思いっきり叩きつけた!

 

尾による死角から、更にスナークの体重も乗った一撃は宇宙船を穿ち、宇宙船は爆発する!

 

 

『やった?…うぐぁっ!?』

 

爆風によりスナークは、青い星へ吹き飛ばされた

 

(うわああ!?目が回る!確か声はあの辺から聞こえたはず…?!)

 

目を回しながらも、なんとか進路を決めると青い星(地球)へ落ちて行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

地球へ降りそそぐ太陽の光で少し回復した為か、ゴウゴウと凄まじい風を感じてスナークはハッと目覚めた。

 

目を開けると青と緑の美しい星が眼前に広がった。

 

(お…!おちるううううぅ!?)

 

慌てて飛ぼうとするスナークだったが、混乱しているせいで上手く飛べない。

なんとか落下の勢いを殺すと、体を回転させ両手両足の4点で着地を行う。

 

聞いたことのない鳴き声がいくつも聞こえてくる。

 

衝撃を逃がすことに成功し、バッと状態を起こすと舞い散った土や砂塵が降りかかってくる。ぷるぷると顔や体を振って落とすと、スナークはあたりをぐるりと見渡した。

 

 

 

(ここ、どこ?…あ、そうか地球!)

 

 

産まれ故郷であるゴミだらけの星や、ドラコと戦った星、立ち寄った星とも違うその様子に、スナークは困惑した。

 

おそるおそる一歩踏み出すと、足元の小さな四角い物(自動車)の群れがけたたましい音を出す。

 

 

『|繧上▲�√#繧√s縺ェ縺輔>�√∴繝シ縺ィ窶ヲ縺薙s縺ォ縺。縺ッ�溷屁隗偵>莠コ��《わっ!ごめんなさい!えーと…こんにちは?四角い人?》』

 

話しかけるが四角い物の群れは、咆え続けている。スナークは知っている泣き声を真似て何度か話しかけるが、四角いそいつは目をビカッと光らせ鳴きやむ様子はない。

 

 

 

(ビックリさせちゃったかな…怒ってる?なるべく平たいとこを選んだんだけど…。)

 

 

威嚇されたと思い、近くの四角い山(ビル)に登ると山がミシミシと軋み、内部から色んな鳴き声をあげながら沢山の生き物が出てくる様子を見てスナークはまた驚いた。

 

 

(これは…巣…?)

 

 

よく観察するとその生き物はあちこちに居て、変わった見た目をしている。

頭にフサフサしたもの(かみのけ)が生えていて、ヒラヒラしたもの(衣服)を纏ったその生き物達をスナークは知っていた。

 

その生き物はかつて掲示板で知った…

 

 

(人間…!)

 

 

それにより掲示板の存在を思い出したスナークは、助言を求めるべく掲示板へ意思を繋げようとする…が繋がらない。

 

(ど…どうしよう。)

 

頼れるものもなく困っていると、人間達が次々に小さい板をスナークへ向ける。

かつての戦いでマーキンド星人が、ドラコを呼び寄せたのを思い出しゾッとしたスナークは身構えた。

 

(もし、あの数ぐらい襲ってきたら…!?いや、掲示板の人間は親切な人ばかりだったし…敵じゃないはず…?)

 

ぐるぐると考えをめぐらせるが何も思い付かない。

体も重く感じたすなーくは掲示板のアドバイスを思い出した。

 

(そうだ擬態ってのをしないと。小さくなったときの応用でできるはず。)

 

擬態の参考にするべく、人間をよく見ようとスナークは体を伏せ、小さい板を向けている人間達にぐっと顔を近づける。

人間は鳴き声をあげて逃げていってしまった。

 

 

縺セ縺」縺ヲ!(待って!)

 

 

(あぁ、驚かせちゃったかな。)

 

 

観察してみると胸部にコブのある人間や、更に小さい人間など色んな種類の者がいる事に気付いた。

 

 

(うーん…沢山ひとがいるし、これ付けてからなんだか、テレパシーがうまくいかない。。)

 

 

ガリガリとマスクを引っ掻き、頭を振るが頑丈に出来ているようでなかなか取れない。

 

 

(でもあの時、声はたしかに感じたのだけれど…)

 

 

体を起こし周囲を観察すると、誰かが戦った跡なのか、あちこち壊れていた。

困惑で尾が落ち着かなく揺らめいていると、ブーンと音を立てて回転する羽を持ったものがスナークの回りを飛ぶ。

 

(わっ!?なんだ!?)

 

縺上k縺ェ��(来るな!)!』

 

先程戦った宇宙船の仲間かと思ったスナークは、牽制の意も込め威嚇の咆哮をあげる。

 

咆哮の衝撃でふらついたそれは逃げて行ったが、更に騒ぎが大きくなり悲鳴が混じり始めた。

 

 

『ぁ…』

 

 

その様子に前世の惑星チュツオラでの記憶が、

小さい人々が怪我をして、泣いたり、怒ったりしながら逃げていったあの光景がよぎる。

 

(このまま、ここに居たら駄目だ!)

 

恐ろしくなったスナークは急いでその場を去った。

 

 

==========================================

 

 

夕焼けでオレンジに染まる公園で少女が一人、下を向いている。

少女の心は手に握っている割れた風船のようにブルーであった。

その気持ちを癒すために、お友達の"ぬいぐるみ(うさみちゃん)"をぎゅっと抱きしめる。

 

ふわふわのその感触に笑顔が生まれると、視線を感じて少女は顔をあげた。

 

「お兄ちゃん。どうしたの?」

 

お兄ちゃんと呼ばれたその人物は、ビクッと肩を震わせると視線を彷徨わせた後に割れた風船を指さした。

 

 

「風船ね。割れちゃったの。」

 

ぼんやりと瞳の光る彼を不思議に感じながらも少女がそう言うと、彼は首をかしげ、興味深そうに割れた風船をしげしげと眺める。

 

 

「割れてるけど欲しいの? いいよ。お兄ちゃんにあげる。お兄ちゃんと同じ目の色だね!」

 

少女が差し出すと、きょとんとした様子で受け取った彼は、何か考え込むと一輪の花を手渡した。

 

 

「わあ!お花!いいの? ありがとう!」

 

 

少女が微笑むと、その表情を真似するようにニッと彼も口角をあげる。

 

 

「あはは!うさみちゃんも、お花ありがとうだって!」

 

 

ぎこちない笑みの表情がおかしくて、少女は笑い声をあげながらぬいぐるみ(うさみちゃん)を掲げた。

 

 

「うぁ…みちゃん?」

 

口を開き、出てくる音を確かめるように彼が言う。

 

 

「そう!うさみちゃん!私のともだち!」

 

嬉しそうに答える少女は、ぎゅーっとぬいぐるみ(うさみちゃん)を抱きしめた。

その様子を何かを思い出すように目を細め彼は優しく見つめる。

 

「お家にかえるよー!ご飯食べよう!」

 

公園の外から少女の母親が呼ぶ声がする。

 

「あ!お母さんだ!帰らないと!お兄ちゃんじゃあね!」

 

大きく手を振りながら帰っていく少女を、真似するように手を振り見送った後、帰る場所の無い彼は、石の上に座り込むと空を見上げ、汚れたビニール袋に入った破片のようなものにそっと触れる。

 

 

「トモダチ…」

 

 

その呟きは日が沈む空に消えていった。

 

 

 

 

==============================================

 

 

 

「警護中だぞ。ぼーっとするなよ熱血バカ。」

 

 

 

前を歩く男、宗谷ホマレに呼びかけられた地球人。工藤ヒロユキはハッとし応える。

 

 

 

「してませんよ。」

 

 

 

 

 

「してただろ。」

 

 

 

 

 

「してません!っていうか熱血バカってなんですか。」

 

 

 

ムッとしたように言うヒロユキに、ホマレはやれやれというように返す。

 

 

 

「なんだお前、デブリも分からないのに熱血バカも分からないのか。それに、その納得してないって顔もやめろ。」

 

 

 

「ですから、してませんって!」

 

 

 

そのやり取りを通信機越しに聞く、民間警備組織E.G.I.S.の社長。佐々木カナはオペレーターの旭川ピリカと共に笑みを溢す。

 

 

 

「子供か!」

 

 

 

「熱血バカかぁ…確かにそんな感じ!」

 

 

 

「もう…。」

 

 

聞こえてくるやり取りを聞きながら呟くヒロユキの肩に、小さなアストラル体のウルトラマン"タイガ"がひょいと腰掛ける。

 

 

 

『やっぱこの間の事が気になるのか?』

 

 

 

肩のタイガをちらりと見るとヒロユキは頷く。

 

 

 

思い出すのは前回の戦い。大切な友達チビスケとの再会、そしてトレギアの所業による悲痛な別れ。

 

 

 

目を伏せるヒロユキを気遣うように、ポンポンと肩を叩くとタイガは腕組みして続ける。

 

  

 

『そういえば、戦いの後に現れたアイツは一体なんだったんだろうな…。』

 

 

 

戦いの後、落ち着き始めた街に突如として降ってきた謎のウルトラマン…?

 

 

 

ブルー族のような体色で小柄だがそれ以上に目を引いたのは顔の下半分を覆うマスクと、カラータイマーの存在しない胸部、そしてしなやかに波打つ長い尾。

 

動物のような動きが目立ち、怪獣のような鳴き声をあげながらも、車に驚きビルに登ったりとヘリコプターに咆えたりといった行動で街は徐々に混乱してきた。

その為、ヒロユキと共に駆けつけようとするが、怪獣のような咆哮をあげるとその場から去って行ってしまい行方は知れない。

 

 

(うーん…タイタスがいれば…何か知ってたかもしれないな。)

 

 

仲間である力の賢者が頭をよぎり、タイガの胸が痛む。

 

 

 

 

 

 

「来たぞー!」

 

「社長だ!」

 

「社長ーーーー!!」

 

「脅迫動画が届いたのは本当ですか!?」

 

 

 

 

 

考え込む二人を現実に引き戻すように大きな声が上がる。

 

 

 

(仕事に集中しないと!)

 

 

 

気持ちを切り替えるとヒロユキは、仕事警護をするべくホマレと共に報道陣の方へ向かった。

 




去年、旧作のこの話を書いていたころ、元怪獣オリトラマン?とはいえ威嚇するウルトラマンとかファンの方に怒られないかな…とびくびくしてたのですが、ブレーザーさんがやってくれたのでホッとしてます。公式の安心感…ありがたいかぎりです。

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